6/17(火) 今日はお買い物

05:00
また鳥の声で目を覚ましてしまった。今日は昨日からの教訓で冷房をそれほど強くしていなかったから、寒くはなかったのに、どうも早起きになってしまう。そりゃ10時前に寝ていればそうもなるか。

07:30
朝御飯。昨日はルームサービスにしたので、今日はメインダイニングまで歩いて御飯を食べに行く。ここでの朝食はアラカルトで好きなものを食べて良いらしい。
レストランは結構人が来ており、海に面した奥の席は埋まっていた。手前の蓮池に面した席で、とりあえず紅茶を頼む。メニューにはインドネシア風のものもあり、中には「和朝食」というものまである。少し悲しい事に、ちゃんと日本語バージョンのメニューを渡された。メニューの充実ぶりに、ついつい沢山のものを注文してしまった愚かな私である。
Kさん: コーヒー・オレンジジュース
ナシゴレン
卵の白身のフリタッタ
由紀: 紅茶・パパイアジュース・ペリエ
苺のスムーサー(スムーサーとは、ヨーグルトドリンクらしい)
果物の盛り合わせ
フォーシーズンズ風朝食(トーストと白身のフリタッタ)
何故飲物ばかりこんなに注文してしまっのか、我ながら不思議だ。おかげでお腹がたぷたぷになってしまった。明日からはちゃんと考えて注文しよう。
これだけ食べて、支払う必要は一切無いということだった。パッケージに含まれているそうだ。これはおいしい。明日も明後日も、ずっとここに食べに来ようと誓った私たちである。ヴィラでのプライベートな朝食よりも、多少めんどくさくても味の充実の方が優先度高のようだ。

10:00
ホテルのシャトルバスに乗ってヌサドゥアに行く。ホテルからヌサドゥアやクタへは事前予約をすると無料送迎してくれるサービスがあるのである。シャトルバスと言っても、乗るのは私たちだけのようで4WDの普通の車である。15分程度でギャレリアヌサドゥアへ到着。海外からの旅行客の為だけにある、巨大なショッピングモールである。DFSを始め、村のように様々な土産物屋がある。……暑い。

サングラスが欲しいというKさんの為に、とりあえずDFSを見てみる。確かにレイバンなどが安かったが、でもこれは帰国時に空港ででないともらえないらしい。今すぐつけたいというので、これは使えない。とっととDFSを後にして、単なる眼鏡屋さんに駆け込む。片言の英語と日本語を話す店員とやりとりして、丸レンズの少し怪しげなブツをKさんは購入した。8千円というところか。ドラゴンの絵のついたTシャツにコレでは、まるで怪しげな中国人である。
続いて、そばに水着屋があったので覗いてみる。せっかくのバカンスだし、リゾートだし、ビキニ位着てしまおうかとだんだん大胆になる自分がいる。値段を見ると、どれも2千円程度、高くても3千円程度だ。結局比較的地味な青い柄のついたものを購入。ホテルのプールにいる分には問題ないだろう。ビキニじゃないと、腹を焼くことが出来ないのでよいのだ、ビキニで。東京じゃ着ることは出来ないけど、いいのだ、リゾートなんだから。

続いて、似たような木彫りの土産ものが並ぶ店の中から、ちょっと琴線に触れた店に入ってみる。ここには、他では見たことのないような木彫りネコなどもあったりして、おおいに楽しい。ココナツの実で作った箸と、木彫りのネコを購入。続いての店もまた楽しく、ここでは篭には安売りらしい布なんかも入っていて、これが安い。
50$以上でカード可能というので、布やら木彫りのグッズやら小さな篭やら釣りをする犬ネコのセットとか、お土産含めて色々買う。
ORIENT ART SHOPでお買い物 Rp 116,000
面白かったのは、清算時にRp115,900だったのを、カード請求でRp116,000にするからと100ルピア硬貨をくれたことだった。買い物してお金をもらってしまうというのはちょっと妙な気分ではある。

土産も買ってもうあまり思い残すことは無いと、土産物屋散策は終わりにする。出口近くの"トラギア"というマーケットで買い物をする
Rp1600(約80円)程度でカップ麺があったり、Kさんおおいに喜ぶ。日本で食べてみようと、カップ麺やナシゴレン調味料などを篭に入れ、揚げて食べるエビセンベイなども手にとる。続いて、インドネシアではサンミゲールが割とメジャーという話を本で見たのでドリンクコーナーに行ってサンミゲールも探す。サンミゲールはKさんが香港で惚れてしまったビールの銘柄だ。私も香港で飲み、喉ごしの良さが気に入っていた。香港産だと思っていたのに、シンガポールが本社であるようだ。で、そのサンミゲールは350ml缶が80円程度であり、二人して身もだえることとなった。……安い。
既にミネラルウォーターが篭にあることもあり、結局ビールは重いというので後日買うことにした。結構な荷物になってしまった。カップ麺と袋入りの麺、怪しげな朝鮮人参ドリンク(お土産にするらしい)やドリンク類、それでも千円程度の買い物であった。

12:30
そろそろお昼でおなかもすいた。いきなり"バビ・グリン"(バビ=豚、グリン=焼く、で豚の丸焼き)が食べたくなった私たちはインフォメーションで「バビ・グリンが食べたいのだ」と主張してみる。受付けのおねぇちゃんたちは2人で顔を見合わせて"そんなのが食べたいの?"といった表情で苦笑したあと、jaansanというバーベキューショップならあるかも、と言ってくれた。てこてこと戻って、その店に入ってみる。

残念ながら店のメニューにバビ・グリンは無かったがインドネシア的料理が結構あり、満足だ。私はスペアリブのケチャップソース焼き、Kさんはミーゴレン(ミー=麺、ゴレン=炒めるで、焼そば)を注文。ミックスジュースとジンジャーエールをずびずびと飲んでいると、でかい皿に盛られた料理がやってきた。どちらもおいし。Kさん、ミーゴレン初体験でおおいに喜ぶ。ナシゴレンもミーゴレンも上に目玉焼が乗っていて、それがとてもいい感じ。
jaansan Cafe et Pub
BBQ Rp 16,500
mie gr Rp 10,500
mix ju Rp 3,850
ginger Rp 3,500

13:30
ギャレリアを出て、ヌサドゥアのゲート先まで歩く。ヌサドゥアは純観光地で地元民が入ってはいけないことになっているため、地元の店を探すにはゲートから外に出なければいけないのだ。炎天下の道を700mも歩くとくらくらしてくる。通りすがりの車が"パパー"とクラクションを鳴らすのは、どうやら"乗っていくかい〜?"と言う意味らしい。乗りたいけど、すぐ先だけど、でもちょっと遠いかなぁ……ととりとめのない思考回路になりながらも歩く。Kさんは早速買ったばかりのサングラスを装着した。
ゲート外には土産物屋がやはりぎゅうぎゅうに詰まっており、各店から日本語で「シャツ、シャツ、やすいヨ」とか「ヌノ、バティック」なんて声がしてくる。だが暑い最中、店の人は誰もかもダレダレとしており、中には店の床にゴロンと寝転がっているおばさんまでいる。望みの両替屋はなかなかみつからない。30件も並ぶ、ひさしのついた土産物通りを抜けたところにカメラショップがあった。両替、\1=Rp20.7也。まぁこんなもんでしょ。3万円両替する。札束をどんと渡されると、何だか金持ちになった気分。店の人が外を指差して何か教えようとしていたので振り返ると、黒い民族衣装を着た一団が大きなヤグラを引っ張ってぞろぞろと交差点を渡って来るところだった。太鼓たたいたり、鈴ならしたりの大騒ぎである。ジャンガジャンガと去る寸前、写真を撮ってみた。あれは葬式、だったのだろうか。皆喪服らしき服だったし。それにしても騒がしい。ヤグラは5mはありそうな感じで、ココナツの葉や花で飾られていた。

では移動しようかと店の前の道路で物欲しげに立っていると、すぐに白いベモが停車した。これから、夜のケチャを見る為にアートセンターに行くのだ。"デンパサールへ行きたい!"と言って交渉すること数分、結局Rp23,000で行くことになった。ちょっと高かったかもしれないが、もう暑くて交渉する気も失せつつあった。道路が結構混んでいたらしく、30分以上かかってアートセンターについた。30分も車に乗って千円単位で行けるのだから、安いっちゃ安いか。……それにしても、あついあついあつい!
車を降りたところにリヤカーで外商するアイス屋が立っており、つい興味本意でアイスを買ってみる。これは?これは?と色々出してくれた中から、普通のチョコレート付きのアイスクリームと、怪しげなシャーベットを。
南国の果物を使ったらしきシャーベットは……死ぬほどまずかった。一口食べて吐きそうになり、Kさんに手渡す。彼も一口でリタイア。あまりのまずさに、もう一度じっくりと味わって記憶しようという気持ちもあったが、その気力もなえさせるほど、まずい。一体何の果物だったのか。ドリアン……じゃないよなぁ。何と言うか、甘いは甘いんだけど、変に腐ったような甘さと匂いでぐえぇぇ……という感じなのだ。ショックを緩和すべく、普通の味のアイスクリームを2人して食べながら歩く。

アートセンター内はアートフェスティバル中の割には、想像していた屋台などは無かった。床にゴザを敷いて(あるいは敷きもしないで)菓子やらジュースやら水やらを売る露店が並ぶ中、地元の人が木陰でぐーたらしている。日差しの強さにとりあえず側にあった建物の中に避難する。中は暗く広い空間で、明かりもなく薄暗い冷たい床に人々が寝そべったりしている。と、チップ制のトイレがあったので、ここに入ってみた。何だかディープなトイレのような気がする……ちょっと、怖い。
Kさんと別れて、女性用の処に入ると3つある個室は全て埋まっており、しかも何だか野太い声が中から聞こえてくる。……ここって女性用、だよねぇ……とすれ違いに出ていった女性を見ながらぼんやりと待っていたが、野太い声での会話は相変わらず聞こえ続け、続いて中から水をかけるジャッパンジャッパンという音もしてきた。便器に水を長す音というより、まるで体に水をかけているような盛大な音だ。ビビリまくって、だがここで出てもチップの無駄だしと頑張って待ってみる。と、右端の個室から、まごうかたなき男の人……地元の青年らしき人が上半身裸で、濡れたタオルを肩にして出て来た。ビビる私を前に、「どうぞ」というようなそぶりをして去っていった。
トイレは純インドネシア式という感じで、紙も無ければ、水を流すコックも無い。和式便器に似た感じの便器の隣に、30cm四方、高さ50cm位のタイルの水槽があり、水がそこから溢れている。柄杓が上に浮いていて、これでブツを流す仕組みだ。……とは知っていても、実際その柄杓を手に取るのはなかなか勇気が必要だ。なんとなく、なんとなくだけど、そこには触っちゃいけない菌のようなものがついているような気がしてきてしまう。
やっとトイレから出られたのは5分もたった頃だった。2人でRp1,000のトイレ使用料だった。

日陰にいてもなお暑く、とうとうKさんが「一旦帰ろう」と言い出した。確かにこれから4時間もこのへんにいられる自信はない。でも帰ってしまったら、きっと夜にもう一度来る気力なんて出るはずがない……と私、少々不機嫌になる。でも仕方ないし、帰るか、と道路に向かって歩きだすと、上から「ハクブツカン〜」と叫ぶ声がする。階段を上った先にある建物から青年が手をふりながらおいでおいでをしている。じゃあ、帰る前に見てみますか、と階段をのぼるとガタイのしっかりした先の男の人が、Rp500だという。25円……なら良いか、と中に入ると絵画だとかバロンやランダだとかの面や衣装が飾ってある。男の人はガイドのように説明しはじめるので「ぼったくりガイドか!?」と思わず疑ってかかると、自分はここの職員であり、ガイドじゃないと言う。これからどうするのかと言うので、夜のケチャを見たいのだと言うと、
「オー、ユーアーラッキー」
などと言い、笑いながらポケットからチケットを出した。ケチャが見たいのか、そうかそうかと肯いた後、ケチャが終わったらホテルまで送迎しようかと彼は言い出した。ついでにこれからショッピングに行こうと彼は唐突に提案しだす。これはガイドじゃないのか、怪しいなぁと思いつつ、全部でRp25,000で良いという話になる。これなら、ここからホテルまで送って貰う金額とトントンかもしれない。これから夜までヒマはヒマだし、お願いすることにしてしまった。彼は"ここにいてね、どっか行かないでね"というような事を行った後、車を取りに走っていった。……もしかしたら、私たちってカモなのかしらん。

彼の車の乗せられて、バトゥブラン方面らしいバティックの店に行く。道すがら英語と日本語のミックスで色々と話したのだが、彼はKさんと同い年らしい。子供のいる父親的に見えたので、結構意外。"コレ、僕のガールフレンド"と写真を見せてくれた。
レゴンと言う名前らしい、布屋に入る。値段は高くもなし、かと言ってそれほど安くもなし。ただ物は確かに悪くはなさそうだったので、午前中に買うのをあきらめたベッドカバーを買ってみた。
legongでお買い物
ベッドカバー Rp 75,000

続いて銀製品の町チュルクに行く。ここに行くのは少し念願だったので、私は嬉しい。案内される店が指定というのが、うさんくさくてイヤなのだけれども。
アクセサリーが並ぶ店で、友人達へのお土産を買う。まぁ安い……かな。前回にバリ島に来た時、デンパサールで入った店の方が若干安いような気がする。品揃えは、いまいち。悪いとまでは言わないがあまり良くもない。沢山買えば安くなるのは知っていたので、とりあえず買うものを一気に集めて、それから値段交渉に入る。マーケットなどで、おおよそここは日本の物価の3分の1を目安にすれば良いというのがわかったので、とりあえず交渉は相手の言い値の半分以下から始める。大体向うの言い値は日本価格と前後する位を言ってくるので。確か最初はRp160,000とか言われたのだった。
PT TRESNA ASIHでお買い物
花のイヤリング
花のピアス
バラのペンダントヘッド
Rp 95,000

つづいて、ウッドカービングの店。道路の看板を見ると、どうやらウブドゥまで来てしまったらしい。木彫りのネコなどが欲しかったが、連れてこられた店は本格的な木彫りの店なようで、店の外では像を彫る職人らしき人が10人ほど作業していた。中にはガルーダや女神の像などが並び、確かに凄い仕事かもしれないが、日本のお茶の間に合わないことこの上ない。ここでは買うものは無いなぁ……と思ってみていると、Kさんはガルーダの駒のチェス盤が気になるらしい。Rp250,000というような札がついている。値段交渉を始めたので、これは買う気かと思い、加勢することにする。「16万ルピアにしよう。それならカレ、ゼッタイ、かう」と日本語で交渉してしまう。結局その位でカタはついたようだ。日本に壊さずに持って帰れるよう、丁寧につつんでもらった。……けど、後で見たら所詮新聞紙でくるくる巻きにしてあっただけだが。

盛大な買い物を終えると、もう5時前となっていた。デンパサールに帰り、夕食を食べる。「バビ・グリンが食べたい!」とここでも主張すると、ガイドさんは車を走らせながらそれらしき店を探してくれた。デンパサール近郊の店、4人程の先客がいる大衆食堂のような店だ。入り口に扉などはなく、道路に向って壁も無く開け放たれた空間の店だ。スツールの椅子と粗末なテーブル、白いトカゲが2匹ばかり天井を這っている。何だかスゴイ。
バビグリンの他、ビールを頼むと、スープと御飯もついてきた。ガイドさんはナシチャンプル(ナシ=ごはん、チャンプル=もりあわせ)らしき物を注文したようだ。
バビグリンは冷めてはいたが、北京ダックのような皮が香ばしく美味しかった。タイ米の御飯と一緒にわしわしと食べる。豚足らしきものが入ったスープは美味しかったが大層からかった。そうそう、ビール(もちろんビンタン)が氷入りのジョッキと共に出て来た生ぬるいものだったのは特筆せねばならない。味の方は、やっぱり水っぽくて美味しいものじゃなかったが、何となくコレを飲むと"バリに来たぞ〜"と言う気がしてしまうのである。

18:00
ケチャの会場に来る。まだ数人しか客はおらず、ガイドは真正面の席に「ここが良い」と私たちを座らせた。終わったらまた来ると言い残し、彼は去っていった。

18:30
ケチャのはじまり。
舞台にある割れ門の向こうから「チャッチャッッチャッ!」とかけ声が始まるや、空気が張り詰めるような感じがする。ケチャケチャと言い(歌い?)ながら門から続々と歌い手が出てきて、中央にある蝋燭の燃える台の周囲に円陣を組む。声も動きも恐ろしく揃っていて、思わず引き込まれてしまう。Kさんも、
「これは……すごい。これじゃトランスするよなぁ」
と驚いている。踊りの類はあまり好きな方ではないと言っていたが、これは面白いようだ。確かに、このケチャはすごいかもしれない。全体的には「ケチャケチャ」としか言っていないように聞こえる合唱も、リズムを取る人が1人、声の切れ目に調子を取るように叫ぶ人1人、歌う人1人、語る人1人(これは白髪の老人だった)、叫ぶ群衆も数グループに別れているようで色々な役目があり、それらはちゃんと聞き取ることが出来る。
登場人物は王様と王女、王様の弟、そして悪の大王。ハヌマーンやガルーダが王の側に加勢に入り、最後は悪の大王とハヌマーンの戦いになる。踊り手の動きも足さばきなどが美しく、カメラを構える余裕も無く、見入ってしまった。一生懸命写真を撮ったところで暗い写真しか取れないし。いや〜、面白かった。
やっている最中、周囲からフラッシュがバチバチたかれるのがかなり邪魔だったけど。こういう観光客相手ではない、地元の人のケチャなんかあったら見てみたいなぁ。そもそもケチャというのが観光向けのお題目だから、そんなのは無いのだろうか。

19:30
ケチャ、終了。
一斉に人が出口に向かったので、しばし座ったままほけ〜としていると先のガイドがこちらに迎えにきた。"こっちから出るぞ"と、たった今ケチャの人が去ったばかりの割れ門から出ようとする。いいのか、いいのか、ここって神聖なところじゃないのか〜と思いながらも舞台を横切り、門から外に出る。出口に並ぶ人たちが何だとこちらを見ているのが、結構快感。他人と違う道を歩くのって何だか良いやね。門の外には衣装を外すケチャ軍団がいて、すれ違い際に「トゥリマカシー」と言ってみる。語学力があったら「とっても面白かった!すばらしかった!」位言いたいのだが。ガイドさんは彼らとも顔見知りらしく、にこやかに挨拶している。アートセンターの職員が、こんなキャッチセールスのような事してて、良いのだろうか。
道路脇に止めてある車のそばに行くと、自分はホテルに送ることが出来なくなったから、代わりの"トモダチ"に頼む、とガイドの兄ちゃんは言う。送ってくれるなら文句は無い。小太りの、青年よりは年嵩のような男性がフォーシーズンズまで車を走らせてくれた。夜になると屋台が軒をつらね、確かにフェスティバルな様相を呈している。ソトアヤムだとか、興味ぶかい看板が並ぶ。
しっかし、今日は暑くて本当に疲れた。一直線にホテルに向かい、早々に部屋に戻る。トラギアのビニールだとか、布が入ったビニールだとか、新聞紙にくるまれたチェスボードだかの大荷物でホテルに戻るのはちょっとばかり恥ずかしいかった。

ヴィラの門の前でトラギアの袋を角にガシャリとやってしまった。買って来たビンが割れたらしく、見るとオレンジーナの瓶から中身がジャージャーと出ている。ベタベタになりそうな品物を全部出して、瓶の片付けをする。……アリが寄って来ないと良いけど、と室内を見ると既にアリが行進している。まさかもう!?と見渡すと、机の上にある砂糖菓子がアリだらけになっていた。砂糖づけにされた乾燥バナナや乾燥パパイアが机の上にあり、ラップがかかっていたのでつまんではラップを元どおりにしておいたのだが、今朝つまみ食いした時にきっちりとラップをかけなかったらしい。一応扉を閉めておいたのに、アリの嗅覚ってすごい。結局アリだらけのお菓子も一緒に、オレンジーナのビンを屋外リビングの屑籠に放りこんだ。しくしくしく。

時間は9時をまわったところで、5時すぎに食べた夕食も少なかったのでお腹がすいてきた。ルームサービスを取ろうかどうかで2人で悩むが、早々に就寝してしまうことにした。つかれた〜!