7月15日(土) チャイルドミール、初体験

午前8時半、起床。
ついつい旅行だと気張って6時頃に早く目がさめてしまうものだけど、今日はぐーたらぐーたら一家で寝てしまっていた。
角部屋のこの部屋からは前方と左側に大きく海が見えている。今日も晴れだ。快適〜♪

のんびり熱いお風呂に漬かり、スーツケースの荷物をもう一回整理し、気がつくと10時を回っている。
朝食つきのホテルプランなどではなかったので、
「11時にオープンするレストランで朝昼兼用で食べてしまえばいいよね〜」
とだんなと話していた……が、息子の胃袋はどうやらそうもいかないようだ。お腹がすいた、と訴える彼に合わせてホテルに隣接されたエアロプラザ内"551蓬莱"に今日も赴く。
カウンターに座り、ぶたまん1つとぶたまんとシュウマイのセットの"コンビ"を注文。私は懸案のマンゴープリンを。

いつ食べても、何度食べてもここのぶたまんはやっぱり美味しいのである。味のある皮に旨みのある具。ここで食べるとスープもついてくる。化学調味料味のスープではあったけど、具に白菜やにんじんがヒラヒラと入っていて悪くない。
マンゴープリンも想像以上に美味しかった。アップルマンゴーの果肉がちゃんと入っていて、香料の匂いのする合成調味料なども入っていないようだ。プルルンと弾力があって250円という値段にしては最高に美味しい部類だ。

関空エアロプラザ "551蓬莱"にて
コンビ(ぶたまん+シュウマイ2個) \ 350
ぶたまん \ 160
マンゴープリン \ 250

午前11時に部屋に戻り、30分後に昼食を食べに向かう。
たった今まで何をしていたかというと、……朝食を摂っていたような気もするけどまぁ良いのである。スケジュールなんて予定通りにいかないものなのだから。
つい数十分前にぶたまんを食べたのは何のその、中華料理店に座って飲茶食べ放題などしているのである。お互い強靭な(強靭すぎる)胃袋だよねぇ、とだんなと笑いあいながら。

オーダー式の、30種ある飲茶メニューが全部食べ放題になるこのイベントは\2,500なり。宿泊者用のレストラン10%割引チケットを利用し、更にチェックイン時に貰った"どこででも使えるウェルカムドリンク券"をも使って生ビールを注文。ああ、3日続けて昼間にビール飲んでます私たち。

メニューはかなり充実している。マンゴープリンも載っている。万歳。
最初に前菜が銀の足つきの盆に入れられてやってくる。豚の薄切り肉を茹でてピリ辛の醤油だれで和えられているもので、葱やレタスが飾られている。これが飲みこんだ後にじわりじわりと辛くなってきてビールがとても旨くなるものだった。前菜というと蒸し鶏やくらげが出てくるものとばかり思っていたので、これは意表をつかれた美味しさだ。

最初は簡単に(?)

 海鮮入りスープ餃子1個
 大根餅3個
 春巻2本
 蝦餃4個
 特製しゅうまい2個
 海鮮しゅうまい2個

を注文。
注文を受けてから1つ1つ蒸し始めるらしい点心は、どれも少しばかり待たなければいけないようだった。11時半の開店直後にきたときはまだまばらだった席もどんどん埋まっていく。眺めの良い席は早めに予約で埋まってしまうのだと黒服のウェイター氏が言っていた。

最初に来たのはスープ餃子に大根餅。透明なスープに椀の端から端まである巨大な餃子が沈んでいる。箸でつまもうとしても崩れそうになってしまう餃子を蓮華でもって格闘しつつ一口。中にもスープの詰まった海老や帆立のあんがたっぷりの餃子が口の中でとろけていく。こ、これは美味しい!バイキングだと思って少々舐めていた自分を反省しつつ、次なる大根餅を食べる。こんがり表面の焼けた、ちょっと焦げ目のついた大根餅はとてもフワフワとしていて、これも随分とイケるものだ。トロリと溶けていく、クリーミーな大根餅だ。想像以上の料理のレベルの高さにびっくりしながらばくばく食す。息子も必死な形相でアツアツの大根餅を美味しそうに食べている。彼は大根餅がとても好物なのだ。

細めの春巻はとてもスタンダードな味だったけど、揚げたてパリパリの皮と筍たっぷりの具の調和がとれている。ああ、ビールがなくなってしまった……。

続いて揚げ物蒸し物たっぷりの次なる注文に臨む。

 翡翠餃子3個
 揚げワンタンの甘酢あんかけ4個
 五目入り揚げ餅餃子3個
 イカの蒸しもの
 豚バラ肉の中華味噌蒸し
 大根餅1個

注文は、皿もの以外はどれも1個単位で注文ができる。餃子1個、大根餅1個の注文ができるのはとても嬉しいことだ。大根餅好きの息子に大根餅を1個追加。だんな垂涎のニラ入り翡翠餃子に私の好物揚げ餅餃子(ハムスイコク)。蒸し物2つに揚げワンタン。ううう濃厚だ。

まずは揚げもの2品がやってきた。親指ほどの長さの随分と小ぶりな揚げ餅餃子と、こちらもやはり小さめの揚げ餃子。揚げ餃子には赤色の強い甘酢あんがかかっていて、あんの中にただよう黒い粒を見るとどうやら苺ジャムが入っている様子。ちょっと尖った味の酢が少々気になったけど揚げたてアツアツのワンタンもまたイケる。揚げ餅餃子も期待どおり美味。少なめの甘い具が餅に包まれてうっすらとカリカリに揚げられている。まだまだいけるぞー。どんどん持ってこーい。

続いて蒸し物皿が2つ。さっぱりした醤油味のイカ蒸しに、こってり甘辛口の豚バラ肉。豚バラは骨付きのやつがゴロゴロと入っている。
刻み葱がたっぷりまぶされたゲソの部分のイカ蒸しは香菜の香りも香ばしく、豚バ肉はビールがもう一度恋しくなってしまいそうな味濃いものだ。

最後の点心は翡翠餃子。鮮やかな緑色美しい皮にくるまれたニラたっぷりの肉あん。餃子や焼売はどれにも下に白菜やにんじんなどの野菜が下に敷かれていて、その細かい芸がまた嬉しい。蝦餃の下の白菜なんて、海老の旨みのつまった汁が染み込んでいてほんのり蒸篭の竹の匂いなんかもしちゃったりしてめちゃめちゃ美味しいのだ。翡翠餃子の下にはにんじんの薄切り。餃子と一緒にこれも美味しくいただいた。

つい1時間前に蓬莱の大きなぶたまんを食べてしまった所為もあり、さすがにそろそろ満腹だ。あうぅぅぅ、いつもだったらこれの倍量は食べられるはずなのに、やっぱり海外旅行を前に緊張して小食になっているのかしら(←そんなことはありません)。

シメには中華粥を1つ。そして合わせて青菜の炒めもとることにする。

 青菜の醤油風味
 中華粥

ほどなく小さな椀に盛られた白い粥、上には揚げたワンタンの皮が盛られている。特に他の薬味はないけれども干し貝柱の風味が濃厚に漂う塩加減も柔らかな一品だ。ああ、これなら何杯でも食べられそうだと思いつつも1杯のお粥を家族で適当に分けつつ食す。
醤油味のチンゲンサイの炒めはすっきりしたものだった。ニンニクなどが入っていることもなく、塩加減が強いこともない。アッサリアッサリした感じの炒めは中国産のものと思われるちょっと独特な風味の醤油味が絡みついて粥をひきたててくれる。

食事のシメはお粥だったけど、デザートはまた別に必要なのである。私の別腹回路は今日も絶好調だ。

 揚げ胡麻団子2個
 マンゴープリン2個
 フルーツ入りアーモンドゼリー1個
 タピオカ入りメロンミルク1個

を注文。言っておくが1人前ではなくて3人分の家族全員のものだ。
それにしても数が合わないような気がするのはきっと気のせいだ。

菱形に切られた、見かけは普通の杏仁豆腐にうす緑色のメロンミルク、マンゴープリンは足つきのグラスに固められて上にエバミルクがかかったもの。おお、どれもこれも美味しそう♪

息子が取り組み始めた杏仁豆腐は、レンゲを入れるとホロホロを崩れる柔らかなもの。豆腐そのものは甘くなく、シロップは上品に透明な甘さがある。"フルーツ入り"と書かれただけあって、たっぷりのパイナップルに桃にさくらんぼ。かなりレベルが高い。
タピオカ入りココナッツミルクにメロンジュースを混ぜたようなメロンミルクもかなりイケる。ちゃんと生の果実を使ったような濃厚なメロンの匂いがほわほわと漂ってしまうココナッツミルクだ。

そしてやっぱりこれがあるなら食べなきゃいけないマンゴープリン。大阪に来てから6個目のマンゴープリンになろうかというところ、これがまたかなりのヒットだった。同じ日航ホテルでありながら東京の台場のお店よりは確実に美味しいマンゴープリン。定価はなんと1つ\1000もするらしい、気合の入ったマンゴープリンだ。

生地はふるふると柔らかでビロードのような歯ざわり。アップルマンゴーの甘さや香りが存分に漂う、ゴージャスなプリンだ。果肉はなし……と思って向かいのだんなを見ると、グラスから透けてたっぷりの果肉が入っているのが見てとれる。……あれ?
掘っていったら底から出てくるかと思って一生懸命掘ってみるものの、私のグラスからはマンゴーが出てこない。ああ、私のマンゴー、マンゴー、マンゴー。

お店の人に、
「あの……こっちには果肉がぜんぜん入っていないんです。」
と伝えると速攻新しいものを持ってきてくれた。当然果肉たっぷりのやつだ。うん、果肉も甘く美味しく、しかも異常にたっぷり入っている。これはかなり美味しい部類♪
果肉なしのやつもそれはそれで美味しいので、結局家族でマンゴープリン3個を食べることになってしまった。

いやぁ、食った食った。
また食ってしまった。

ホテル日航関西空港内 "桃李"にて
飲茶食べ放題 \ 2,500 ×2
生ビール \ 0

部屋に戻ると午後1時すぎ。
午後3時にチェックアウトして午後5時45分発のJL1713便に搭乗するのだ。
いよいよ今回の休暇のメイン会場、バリ島へ出発だ。思い残しは……なくはないけど(モダン焼き食べたかったー、とか)、これだけ大阪食を食って行ければ本望というか。

午後3時早々に空港カウンターにチェックインし、出国手続きを済ませてしまうといきなりヒマになってしまった。免税品にも特に用はなし、ぷらぷらしていても空港内は暑いだけなのでカード会社のラウンジで休むことにする。
必殺、だんなのコーポレートカード"ダイナース"に活躍していただき、同伴の私は1000円払って搭乗口すぐそばのラウンジに入れてもらう。せっまいラウンジだ。ゆったりした椅子が10脚ほどに2人がけのソファーが2つ。ソフトドリンクは無料だけれどもアルコールは1杯目が無料、2杯目以降は500円ずつ払わなければならないらしい。数種類の雑誌も用意されている。

私と息子がミックスジュースとオレンジジュースを飲む中、だんなは"タダだから"という理由でまたもビールを飲んでいる。さっき飲茶の時に飲んだばかりなのに……飲むとダルくなるの目に見えてるのに……。
あ、いいのかダルくなっても。飛行機嫌いなだんなにはダルくなったくらいの方が丁度良いのかもしれない。

そして午後6時過ぎ。定刻から30分近く遅れての離陸だ。
機内で息子がぐずる、という最悪の事態に備えて色々準備をしてきたのであったが、その手段を用いる以前に息子は離陸直後に寝てしまったのであった。窓外を見てわくわくしているのは息子ではなく私だ。とほほほほ。
夕暮れが迫る中、飛行機は飛んでいく。瀬戸大橋や九州の海岸線が良く見えていた。

午後7時。
丁度夕飯の頃合に機内食がサービスされた。和食の魚料理と洋食の肉料理が選べるということで、肉料理を選択。白ワインもつけてもらう。横を見ると、だんなも全く同じものを頼んでいた。ワインまで一緒だ。

ビーフシチューに、添えものは幅広パスタににんじんのグラッセ。サラダに魚にオレンジゼリー。機内食なんて、と大して期待もしていなかったけど、思った以上にこれが旨い。多かったら残すつもりで食べ始めた機内食はあっという間に無くなってしまった。

JAL機内にて
ビーフシチュー
白身魚のエスカベーシュ
マカロニサラダ
野菜サラダ
ロールパン
オレンジゼリー
ジャワティー、白ワイン、日本茶

そして息子にはチャイルドミール。
予約しておけば供される子供用の食事、一度見てみたかったのよ〜と一番気にしてるのはやっぱり私なのであった。
甘そうなバナナブレッドにナポリタンスパゲッティ、鶏の唐揚げやかぼちゃのコロッケ、ポテトサラダ、パイナップルやキウイ、などなどなど。そして左上の、私たちにはオレンジゼリーが供されていたコーナーにはプリンが1個、乗っている。ホイップクリームつき、赤いチェリーも乗ったイカしたプリンだ。子供じゃなくてもちょっとどきどきしてしまう。美味しそうだ。

その美味しそうなチャイルドミール、御飯の時間には息子はぐっすり爆睡中だったのであった。
結局目がさめたのはその1時間以上もあと、機内では映画放映のサービスも始まっている頃だった。持ってきてもらったチャイルドミールを前にして、息子は幸せそうにバナナブレッドやプリンをたいらげた。……いいなぁ〜。
彼が「いらない」と表明したバターたっぷりのナポリタンスパゲッティや鶏の唐揚げは私とだんなで勿論美味しくいただいた。

飛行機はまだまだ飛んでいく。
途中、大きな雲があるとのことでシートベルトランプが点滅した。
「お子さまは毛布でくるんで上からシートベルトをつけるか、お母様がしっかり抱えてて下さいね。」
とスチュワーデスさんが言いに来たりとちょっと物々しい雰囲気になってくる。
「しっかり、しっかり支えていて下さいね。軽いお子さまですと本当に天井に激突したりしますので。」
……やめてください……いやーん(泣)

かくして30分ほど、本当にグラグラ揺れていた。気分が悪くなるほどでもなく、また天井に激突するほどでも無かったけれども水を満たしたコップなどあったらまずかろう、という程度にはグラングラン揺れてくれた。

日本時間午前1時。バリの時間にして午前0時。
数十分ほど遅れて直行便の飛行機はバリ島ングラ・ライ空港に無事着陸した。飛行機を降りるなり漂ってくる花の匂いと腐った果物のようなムワッとした匂い。ああ、バリの香りだ。

眠気によろよろしつつ入国手続きを済ませ、スーツケースを受け取る。そのまま到着ロビーの方へ進もうと出口付近の銀行に集まる人の群れをかきわけながら進んでいくと、だんなが銀行のガラスをコンコンっと叩いている。なにやってんのかしら、と見ると開いていない銀行の中に派手な青のシャツの男性が1人、私たちの名前と「SHERATON LAGUNA」と書かれた厚紙をこちら側に向けてガラス窓に押し付けている。そんなことしてるのは彼1人、ごっつぅ目立つ出迎えだ。外には同じような札を持った人々が十人単位でうじゃうじゃといるというのに。

すぐ見つけることができた出迎えに感謝しつつ、ホテルに申し込んでおいた送迎車に乗りこんで一路ホテルへ。
暗い夜道には、日付が変わったというのにそれでも露店や屋台がそこかしこで開いている。オレンジ色の裸電球の下、ぼんやりとテーブルや椅子が浮かび上がっている。

リゾートエリア、NUSADUA(ヌサドゥア)の入り口に立つ大きなゲートを越えるとホテルはすぐだった。闇の中に、壁のない明るい吹き抜けのロビーが浮かび上がる。高い高い天井の真下にはバリ島らしい細工の木彫りが飾られている。ああ、やっと着いた。ロビー以外に人の気配はほとんどない。

遅い到着に気を利かせてくれてかチェックインは部屋で。早々に部屋へ案内してもらえた。107号室のラグーンアクセスルームだ。
部屋を入るとすぐ右手に木彫りの龍の壁掛け(左の写真)、私の背の高さほどの大きな観葉植物の向こうに2人がけのソファと大きな椅子とテーブルがある。左に目をやるとセミダブルサイズのベッドが2つとライティングデスク。
板張りの床や籐の椅子、木製のテーブルなどがとても落ち着くつくりになっている。いかにもなリゾートホテルだ。

ベッドルームの左手がバスルーム。シャワーブースに、大人2人が余裕で入れるほどの大きなバスタブがある。何故かバスタブの横は大きな窓になっていて、ベッドルーム側から鎧戸を開けるとお互いが覗けるようになっているという怪しい作り。バスルームの左手奥がトイレ。何故かそのトイレの前にクローゼットやスーツケース台があるのだけが気になったけれども、充分に広く快適そうな部屋だった。そこかしこに花が飾られているのもステキだ。

部屋がぐちゃぐちゃにならないうちに、とおもむろにカメラを構えて部屋の撮影などをはじめてしまう私。
カメラのファインダーごしには、しかし色々なオブジェが見える。ライティングデスクの蘭の花の横にあるのは……ガラスの器に盛られたチョコレートだ。テレビ台の上、ちょっと高い位置にあるのは大きなライトと……焼き菓子だ。何故か部屋に点在するお菓子の数々。そしてリビングコーナーのテーブルの真中にはフルーツの盛り合わせもあった。バナナにタンジェリンにサヤックに葡萄。私の大好きなマンゴスチンは残念ながら無いみたい。


↑ライティングテーブルの上の、チョコ……↑

とかしているうちに時間はどんどん過ぎていく。午前1時。
ウェルカムドリンクがやってきて、シャワーの後にオレンジとストロベリーの2層になった蘭の花つきの美しいそれを飲み干すのも早々、意識が遠のいてしまった。
時間は午前1時半。日本時間なら午前2時半。
あうー。おやすみなさい。