7月18日(火) 買い物三昧

1日くらいは買い物に出よう!というわけで本日は買い物デー。

3日目の朝食ブッフェ。主食もおかずも色々あるので、まだまだ飽きない私たち。
昨日の偉大なる夕食のおかげで、まだまだ膨満感が胃袋ないし身体全体を覆っているという感じ。
「お粥でいーやー」
「うん、ヨーグルト程度でいいやー」
とか言いながらカフェに向かい、何故たっぷりのワッフルなどを持ってくるか、自分。
いや、ついつい卵コーナーの前を通りかかって甘いバターの匂いを嗅いでしまったら、ついついワッフルが恋しくなってしまって……(←言い訳)。

そういうわけで、私の胃袋大復活。
昨日の大食に懲りず、今日も大きなワッフルにバターを少々、メイプルシロップをかけたりなぞして食ってるのであった。ワッフルの横にはチーズとカリカリベーコン、お供には牛乳とパパイヤジュース。ちょっと青臭いけれども深紅の色したパパイヤジュースは新鮮な果物そのものの味がする。

食後に軽くヨーグルトを一杯。
フルーツコーナーの片隅に置いてあったプレーンヨーグルトを盛りつけてパイナップルジャムを上に乗せて食べてみる。
す……すっぱい……。なんて酸っぱいんだこのヨーグルトは!口に入れた途端に、口が"*"マークになってしまうそのヨーグルトは、日本で食べるどんなメーカーのものより強烈に酸っぱかった。ジャムなど混ぜても全く効果なし。とても食べられないので食卓の砂糖までぶっかけて、ようようなんとか食べることができたくらいだ。

「……やっぱり暑いからさぁ」
「……そうそう、醗酵が進んじゃうのよね」
……いや、そういうことはないと思うけど。多分。

一旦部屋に戻った私たちは、荷物を整え外出する。ホテルでタクシーを呼んでもらい、それに乗ってSEMINYAK(スミニャック)へ。
バリ島のメータータクシーは、安い。街を歩けば「トランスポート?」と声をかけてくる白タクは山ほどいるけど、メータータクシーに乗ったほうが安上がりだ。初乗りはRp2,000(=約24円)、1kmあたりRp900(=約10円)が加算される。目指すスミニャックへは20分ほどかけてRp22,000(=約240円)でたどり着いた。

KUTA(クタ)、LEGIAN(レギャン)の更に北にあるスミニャックは最近になってホテルが立ち並ぶようになった新しいリゾートエリアだ。
お洒落な雑貨屋も増えているらしく、このエリアのとある雑貨屋で石製のマンゴスチンを売っていると以前雑誌で見かけたのであった。絶対欲しい!何がなんでも欲しい!とそのお店、"PARES"を探し歩く。

とりあえず目印となるカフェの前で車を下ろしてもらい、前にあった食料品店でミネラルウォーターを購入。Rp1,500なり。 道なりにレギャン方面に向けて戻りつつそのお店を探す。炎天下の中、まだ気温はそれほどないものの長時間の外出は危険と日差しが告げている。でも今日はお買い物するんだもんね。しちゃうんだもんね。

果たしてその店"PARES"はあった。石製のオブジェや容器が並ぶ、小さな小さな石屋さんだ。
「Would you have a case of "Manggis"?」
などと若い店員に尋ねると、ない、とのこと。何でも人気商品で売れてしまっていて来週にならないと入荷しないのだそうだ。がーん。私と同じような事を考える人は他にも沢山いたらしい。ショックだ……。

このエリアでの目的はこのお店だけだったのである。傷心のまま、目指す次なる店へ向けてとぼとぼとレギャン方面に歩き出す。またタクシーに乗って、1kgほど先のレギャンまで行っちゃおうか、などと言いながら。
すると、道の左側にちょっと洒落た雑貨屋さんを発見。石製品も売っている!店に入り棚を見ると、あった!石製マンゴスチン!
大・中・小の3つ購入。砂岩でできたその器は少しの衝撃で簡単に崩れてしまいそうだ。店員さんが段ボール箱にたっぷりの紙屑を入れて丁寧に包んでくれた。ばんざーい。

スミニャックの雑貨屋さんにてお買い物
石製マンゴスチン・大 Rp 50,000
石製マンゴスチン・中 Rp 45,000
石製マンゴスチン・小 Rp 40,000

お店の外、タイミング良くタクシーがやってきた。
スミニャックの中央部にもお目当ての店があり、その1kmほどの距離を連れていってもらう。Rp3,500なり。
んだが、そのお店が見れど歩けど見つからない。「このへんに目印のこのお店があるはず」と見当つけて動くも、全然ダメ。

とぼとぼと歩く途中、ココナッツの雑貨ばかりを扱っているお店の前を通る。大皿小皿、カップに小物入れにスプーンやフォークもたっぷり売っている。おお、どれも安い。重さを考えずに大きな深皿を1枚と小皿を4枚購入。

スミニャック ココナッツ雑貨屋さんにてお買い物
ココナッツの大皿 Rp 60,000
ココナッツの小皿 Rp 22,000 ×4

そして目当ての店の発掘はもう諦めてタクシーに乗り、次なるターゲット"バティック問屋街"に行ってみることに。めっちゃ安いバティック屋が並ぶというエリアに車を向けてもらう。歩けない距離ではないけど、この暑さを舐めていると昼過ぎに絶対倒れてしまうと思い、タクシー大活用だ。

んが、今後のタクシーの運転手、メーターを動かそうとしない。
「メーター!!」
とこちらが言ってもニヤニヤ笑いながら
「5セン、ルピアー、ね」
なんて言ってくる。ふざけんな。Rp2,400くらいで行ける距離だろーが。
「ダメだね。Rp3,000以上はビタ一文払わんよ。」
とだんながドスの効いた声で宣言し、めでたくRp3,000でバティック問屋街に到着。

んまぁ、あるわあるわ20軒以上の店が店内に山とバティックを積み上げて売ってらっしゃる。
店によって少しずつその置いてある模様や色使いが異なっているようだ。アニマル柄のバティックを置いてある店というものもある。

タクシー降りてすぐの店が、比較的品揃えも充実していたみたいだったのでこちらでお土産用も含めて色々物色。
何の染め付けもされていない白い布や、青地に白く魚が浮き出た模様のもの、金でプリントの入るエスニカルな柄の黒っぽいもの、青と紫が絡まり合うサイケデリックなもの、などなど7枚購入。全部で16万Rpだというそれを、少々値切って14万5千にしてもらった。

スミニャック バティック問屋にてお買い物
バティック7枚 Rp 145,000

問屋街の奥の方にあたるこのお店からスミニャックの中心部に向け、問屋街をてくてくと歩く。もっと楽しいバティックは無いか〜。

だんなが、
「おお!」
とか言いながらある店のあるバティックに釘付けになっている。
青緑の地に白くトカゲ(バリでは"ゲッコー"と言うらしい)が染め抜かれたいかにもなデザインのやつだ。
「ゲッコーだ!ゲッコーゲッコー」
と言いながら、だんなは黒地と青地の2枚のバティックをゲット。うん、キュートだ。

スミニャック バティック問屋にてお買い物
バティック2枚 Rp 30,000

続いて私、このへんにしては珍しく綺麗な作りの洒落たお店に入り、縁が綺麗に整えられたけっこう上物と思われるバティックを2枚購入。黒地に茶色で綺麗に渦巻き模様が描かれたそれを「ドリームキャスト柄だ!」とか言いながら購入。ちょっと高い。

スミニャック バティック屋さんにてお買い物
バティック2枚 Rp 100,000

更に、小さな子供服屋さんを発見。覗いてみると可愛らしい模様の服が様々売られている。や、安いかも。
水色の地に白く染め抜きの入ったいたずら描きのような模様のシャツとズボンと帽子のセットを購入。全部で1000円というところ♪

スミニャック "INDIGO KIDS"にてお買い物
洋服3点セット Rp 88,500

さて、もう昼だ。そろそろ休まないと身体が持たない。息子も鼻の頭にびっしり汗をかいていることだし。すまん息子よ。
再びタクシーを捕まえて、クタへ向かう。Rp3,500なり。2回ミネラルウォーターを購入して喉を潤わせつつ移動してきたものの、喉はカラカラ、お腹も空いた。吹き抜けのソファ席が気持ちよさそうな"Aromas Cafe"というところで昼食を取ることにする。

手持ちのガイドブックには「オーガニックが売りのカフェ&レストラン」とのこと。"NASI GORENG"(ナシ・ゴレン)がメニューに載っていたのでだんなはこれを、私は"TEMPEH BURGER"なるハンバーガー。"TEMPE"とは納豆を揚げたような豆料理だとどこかで読んだが果たしてどんなものなのか。
そして"WATERMELON AND COCONUTS JUICE"と説明のあった"PINK ROCKET"なるジュースを頼んだ。息子にはバナナパンケーキにバニラミルクシェーキ。暑い中、つきあってくれた御褒美に。

ドリンクがずらりとやってきた。"ホームメードアイスクリームがたっぷり♪"というようなことを書いてあったミルクシェーキは牛乳たっぷりで濃厚に甘い。ローズマリーの花やパイナップルが飾られていて、息子が目を輝かしつつ飾りを除けながら一気飲み体制に突入した。だんなの頼んだアイスコーヒーはノンシュガーノンミルクのきわめて苦々しいもの。私のはというと怪しい赤いジュースなのである。飲んでみるとモロにスイカの味、そしてその奥にヤングココナッツのあの透明な青臭いジュースの味もほのかに漂う。ココナッツミルクではない透明なジュースは後味さっぱりでなかなか好みだったりする。それにしても初めて飲む、ちょっと怪しいジュースだ。

で、いきなりバナナパンケーキが2つやってきた。1つと言ったのにどうやら注文を間違えたようで、でも旨そうなので何も言わずに2つ食べちゃう。薄めのホットケーキの中にバナナが練りこまれたもので、メープルシロップか蜂蜜かをつけてくれる。火の通ったバナナは甘くなるものだが、こちらのバナナは元からこってりと甘いのだ。砂糖もシロップもいらないような甘い甘いパンケーキだ。こちらも息子が両手に持って一気食い体制に突入している。

値段はというとRp18,500なのである。1皿200円程度。1皿でも2皿でもいいですよ別に、という感覚になってきてしまう。

ほどなく私のハンバーガーとだんなのナシ・ゴレンもやってきた。
「ハンバーガーじゃまぁお腹も膨れないだろうしな」
と頼んだ自分が甘かった。
平らな木製のお皿(というよりお盆)の上には両手の親指と中指で作る円よりも大きなパンがどてっと鎮座ましましている。たっぷりのレタスにきゅうり、トマトの下には巨大な"TEMPEH"。さつま揚げにも似た、野菜入りの豆腐揚げ、といた風情のものだ。そして辛味の少ないたっぷりのトマトソース。
巨大である。物足りない、と常々感じていたフレッシュネスバーガーの大サイズよりは確実に5倍は大きいものだ。胡麻の入ったパンは若干ポソポソとした歯ざわりだったが揚げものの割には淡白な風味のTEMPEHと合ってけっこうイケる。

だんなのナシ・ゴレンも随分と変わっていた。今まで食べてきたものを色からして随分違う。真っ赤だ。まるで"バリ風チキンライス"といった味であり匂いである。そのケチャップベースの味は悪くはないけど、「これがナシ・ゴレンだよ」と言われてしまうと戸惑ってしまうものだ。

"TEMPEH BURGER" "PINK ROCKET"
"NASI GORENG"

食後、やたらと喉の乾く私はもう一杯ドリンクを所望。
「Would you like to give me a iced tea?」
と言っただけで持ってきてくれた紅茶は甘い甘いものだった。うう、だんなのコーヒーはノンシュガーができるけど紅茶は元々甘いやつしかないんですね。甘い紅茶は体力が奪われていく赤道直下の日差しに対抗するには良いかもしれないけど、後で喉がまた乾いてしまうのだ。

料理2つにパンケーキ2つ、ドリンク4つでお会計はRp97,000。1200円、といったところ。何だか笑ってしまうようなお値段だ。

クタ "Aromas Cafe"にて
TEMPEH BURGER Rp 15,000
PINK ROCKET Rp 9,500
ICED TEA Rp 6,000

食事と取って充電完了。そこから徒歩3分ほどのところ、行きたくてチェックを入れていた"TOMMY COLLECTION"という洋服屋さんに行ってみる。イカットやバティックなどのバリの生地を利用したお洒落な洋服がたっぷりと並んでいるお店だ。質も悪くないし、シンプルだけど洗練されたデザインのワンピースが並ぶ並ぶ並ぶ。
「うひょ〜〜〜〜」
奇声を上げつつお買い物にいそしむ私。夕焼け色の薄いオレンジから赤へのグラデーションが綺麗なスカートとプリーツ付きのタンクトップシャツのセットアップ、青いグラデーションの裾がひらひらしたブラウス、青いバティック生地のストンとしたワンピースに茶色と黒の模様の2重になった柔らかなワンピース。服は1枚Rp65,000から、高くてもRp190,000という感じ。安い安い安い。

雑貨棚に木製マンゴスチンがあるのも発見し、1個Rp5,000のそれを2つもらう。
たっぷりの買い物に、イランイランとサンダルウッドのアロマオイルをおまけしてくれた。
ああ、カードが使えたらこの倍量くらい買ってしまうところなのに。

クタ "TOMMY COLLECTION"にて豪華買い物
スカートとシャツのセットアップ
青いブラウス
ワンピース×2
木製マンゴスチン×2
合計Rp 690,000

このお店のそばに、メンズシャツの専門店もあるらしい。今度はだんなの希望でこちらのお店を探してみる。
今の"TOMMY COLLECTION"のすぐ脇にあるらしい、と手持ちのガイドブックのマップにはあった筈なのに、目指す店は一向に見つからない。何だか取り壊し中の建物なんかもあったりして、もしかしたらその店、消えちゃったのかもしれない。
とほほほほ、ととりあえず買い物終了、ホテルに戻る。時刻は2時前というところ。

んもう、暑くて暑くて暑くて、帰るなり速攻水着に着替えてラグーンプールに飛び込んだ。
ふはー、生き返る……。


マンゴスチングッズの戦利品♪本物も混ざっております

1時間ほど泳いだ後は、昨日に引き続きホテル主催のアフタヌーンティサービスにお出かけする。
今日のおやつは干し葡萄入りのスコーン。小さめのスコーンが横に両断されていてイチゴジャムが挟まっている。生クリームつき。それに、昨日バナナの揚げ菓子を作っていたコーナーでは今日もフライパンが踊っている。
「また、バナナ?」
と思って見ていると、それに気づいたスタッフがテーブルまで持ってきてくれた。なんじゃこりゃ。どこから見ても鮭のような。
「What's is this?」
「……Salmon.」
しれっと、「それ以外の何だっていうのよ」という感じで答えられてしまった。
あ……やっぱりサーモンですか。そうですか。目の前の、オリーブ油にまみれてバジルの葉に飾られてツヤツヤ光っている切り身は、やっぱり鮭以外の何物でもなかったらしい。しかしアフタヌーンティに鮭!?スモークサーモンのサンドイッチなら食べたことがあるけれども。

……美味しい。
元々脂の乗っている鮭がそのまま炒められてオリーブ油をかけたままの鮭は柔らかく味のあるやつだ。紅茶に合うかどうかはともかく、午後3時のお茶の時間に食べるものかどうかもともかく、これはこれとしてとても美味しい。スコーンに似合わなくても美味しいぞ。ナイス鮭。
紅茶とスコーン、鮭を堪能する私たち。ちょっと変だけど楽しいおやつタイムだった。

お茶から帰り、息子は午睡。
だんなは一人、ホテルのマウンテンバイクをレンタルして一人買い物に行ってしまった。今日の午前中の買い物から帰るとき、街角でビンタン、バリ・ハイのあのビールのラベルのプリントがされたTシャツを売っているのを見てしまったのだ。
「あれ、いいねぇ……」
とタクシーの窓から言い合い、ならばきっとホテルの周囲のおみやげ物屋さんにもあるはずだ、とそれを探しに行ってくれたのだ。

1時間ほどして、汗まみれのだんなが帰ってきた。いくつもの戦利品を抱えている。件の2種類のビールTシャツを2枚ずつ、義妹へのお土産に大きなガルーダのお面(←いかに役に立たなく、脱力させられるものか、が選択のポイントであったらしい)、友人へのお土産にと"痩せるジャムゥ"。怪しげな漢方薬のような粉末のジャムゥは水に溶かして飲むらしい。あ、怪しい……。

そしてそして、だんなが2日悩んだ末に買ってきたものもある。
「BALIOPOLY」
だ。
一昨日トラギアで見かけた直後、「すばらしい!」と叫んでしばらくその箱の前に佇んでいただんなは結局その日は買うのを諦めて帰ってきたのだった。今日、悩んだ挙げ句に買ってきたらしい。35万Rpなり。4千円弱もするそのゲーム、バリ島の土産物としては最高値に入るものだ。

駒はトカゲや寺院、花の形をしている。普通はプラスチック製である家の駒などは全て素朴な木製だ。
地名やイベントは全てバリにちなんだものになっている。本来「鉄道」のマスは「寺院」になり、「水道会社」「電力会社」が「ワルテル」(←インドネシアの電話会社)と「ングラ・ライ国際空港」になっていた。シルクハットをかぶった男性のイラストであるべきところはバリの正装を着た男性のイラストになっている。芸が細かい。

さて、そろそろ夕飯の時刻だ。
「帰国前にソトアヤムを是非食べた〜い」
「でもめんどくさいので遠くに行くのはイヤ〜」
ということでホテル内のメインプール横にあるオープンテラスのレストランでお食事。なんでも"Choose your seafood and meals grilled to perfefction in Balinese style by our Chefs." といったスタイルのレストランらしい。きっとソトアヤムもあるだろう、あるに違いない、と徒歩2分ほどのそこへ出かけていく。

青い陶器の器を基調とするらしいレストラン、木製のテーブルと椅子がプールを見渡せるところに並んでいる。プールの上には蓮の花を模した飾りがロウソクを灯されてぷかぷかと浮かんでいる。テーブルには青い三日月型のパン皿と並べられたフォークやナイフ、ロウソクの灯り。うーん、ム〜ディ〜。

前菜代わりに件のソトアヤム。名前はちょっと違うけど、"chicken noodle soup なんちゃら"とかあったからきっとこれだと合点してこれを2つ。メインは私は"SATAY CAMPUR"(サテ・チャンプル=サテ盛り合わせ)、だんなは"GIANT SEAFOOD SWORD"なるお勧め料理を。ジャイアントなシーフードのソードだそうで、でっかい串焼きでも来るのかしらね、と話し合う。

切れ味すっきりの地元ビール、バリハイを飲みつつスープが来るのを待つ。大きなボールに箸が添えられてきたのは茶褐色のスープ。箸を差し込んでみると、たっぷりのラーメンもどきが浮上してきた。ソトアヤムじゃ、ないみたい……。
青菜やモヤシもたっぷり入るこの前菜は、まんまラーメンのようだ。海老も入るしチャーシューも入る豪華ラーメン。ソトアヤムとは違ったけど鶏肉ベースのスープはそれでも美味しくてぺろりと食べる。

続いて私のサテチャンプル。
炭火が下に入っている焼き網の上にたっぷり8本のサテ。チキンとビーフが半分ずつ。甘辛い醤油味系統のサンバルソースとピーナッツソース、真っ赤でピリ辛の唐辛子ソースの3つが小皿に入って添えられる。エビせんべいにフライドオニオンを乗せたタイ米つき。野菜の酢漬けも小皿でついてきて豪華盛り合わせになっている。炭火で温められ続けるサテというのがまた嬉しい。ただでさえ串焼きとか串揚げといったシチュエーションにはグッときてしまうものなのに。

だんなはだんなで、ものすごいものを目前にしていた。彼の前には腕の長さほどの長い長いソード……というよりレイピア(フェンシングソード)のような細い剣が掲げられている。ずらりと刺さった野菜や魚介がこんがり良い具合に焦げ目を見せている。うおぉぉぉ、ほんとにジャイアントシーフードソードだ。
恭しく持って来たウェイターが、そのソードの具を綺麗に皿に盛りつけてくれた。スィートチリソースがついてきて、元々スパイシーに味つけはされているその具をお好みで漬けてください、という感じらしい。竹の籠に入ったタイ米も添えられている。蓋を開けるとバナナの葉の上に盛られた御飯、すくうのはココナッツのしゃもじだ。ああ、なんだかすばらしい。こういうしつらえでくると、アジア雑貨狂いの私はドキドキしてしまう。

で、ジャイアントシーフードソードとサテチャンプルをだんなと分けあいつつ食べる。息子には彼用のソーセージプレートがやってきて、沢山盛られたポテトフライと目下格闘中だ。

やはり鶏肉のサテにはピーナッツソース、牛肉のサテにはサンバルソースが良く似合う。そしてどちらもタイ米にすこぶる良く似合う。甘酸っぱい酢漬けもつまみながら香ばしい串焼きをじゃかじゃかいただいた。だんなのピリピリと辛さが染みてくるグリルものも香ばしく美味しい。

ホテル内 "POOLSIDE TERRACE"にて
ソトアヤムもどき
"SATAY CAMPUR"
バリ・ハイ

メインを食べ終わったところで息子が食事に飽き始めてご機嫌が傾きはじめたので早々に部屋に戻る。
このホテル、部屋には紅茶セットなどは置いていない。なんでも「バトラーサービス」なるものが用意されており、お茶やコーヒーをいつでも望む時に無料で持ってきてくれるのだ。で、お部屋でお茶会。
紅茶を2つ、コーヒーを1つ頼むとポットで持ってきてくれる。息子には砂糖入り牛乳たっぷりのぬるいミルクティーを、私はブラックティー、だんなはブラックコーヒー。

そしてついでにルームサービスでバニラアイスクリームを1つ所望して持ってきてもらう。Rp36,000なり。300円以上するその値段を見て、昨日たっぷり学習させていただいた私たちは緊急会議を執り行う。
「300円ってことは、きっとまた3スクープくらい入っているのよ。」
「そうそう、そうに違いない。2つ取ったらまた泣く羽目になる。」
「む。息子用と称して1つ取って、皆で分けよう。」
「そうしようそうしよう。」

かくして本当に3スクープがたっぷり入ったバニラアイスクリームがやってきたのであった。ミントの飾りもイチゴの飾りも昨日と同じで昨日の悪夢がよみがえる。今日のは更に、イチゴの下にホイップクリームがついていた。ここのホームメイドアイスクリームはさっぱりとしていて満腹でなければいくらでも食べられそうな軽い食感のものだ。バニラビーンズたっぷりでとても美味しい。……でも1人前にしては苦しい量だったりするけれど。

のんびり紅茶を飲み、アイスクリームを食べているバリ島4日目の今日。
ポットでやってきた紅茶もコーヒーもまだまだたっぷり残っている。お風呂に入ったら続きを飲もう。そうしよう。