1月15日(火) タイスキもイタリアンも

タイ風お粥の朝〜RIM TALAY

この旅行の出発直前まで風邪だの下痢だのでヒーヒー言っていた私とだんな。そんなことはどこへ過ぎ去ったのやら、という程に一家の胃腸は現在絶好調だ。快眠快食快便が華麗なまでに実現されている。
しかし、ここ数日の食生活は暴飲暴食気味ではないか。
「今朝はさ、お粥で軽く済ませない?」
と、ホテル内のタイ料理レストランへ向かってみた。こちらはビュッフェ料理ではなく、アラカルトの洋風朝食の他、アジアチックな朝食が供されている。

タイ風お粥だ、あつあつうまうま♪ ホテルに面したビーチ沿い、ホテルの敷地のすぐ外にあたる海岸には地元の人が運営するレストランも何軒か並んでいる。朝8時頃からオープンしていて、朝食も60Bほどからあるらしい。そういうところもすごく気になる存在だ。だけれども、3歳児が腹をくだしたら可哀相だし、実はだんなの胃腸も強靱とは言えなかったりした。挑戦するにはちょっとばかり勇気がいる。でも……安いのよね。気になるのよね。

ともあれ、ホテルで食べるタイ粥朝食。こちらの値段は120Bほど。400円弱という価格は、日本のものと比べれば格段に安く思える。
目覚まし用にと息子と一緒に1つずつ頼んだミックスジュースは、タンジェリンとパイナップルとバナナ、それにいくつかの別の果物の味もした。オレンジ色の鮮やかなジュースはこってり甘くて僅かな酸味。

私が頼んだタイ風お粥は「Koaw Tom」、だんなが頼んだひき肉入り中華粥は「Congee」という名らしい。異なるのは中の具だけという感じだった。トッピングは大量の揚げにんにくと刻み葱。全体的ににんにく臭が濃厚に漂うお粥の中には、一口大の鶏肉とぷるんと半熟の卵が隠れていた。
香港で食べるような中華粥と比べると、塩気も強いし油っけもある。その強い味が25℃を越える気温の中では心地よかったりして。

Laguna Beach Resort 「RIM TALAY」にて
Koaw Tom
Congee
Corn Flakes
Coffee & Tea
Fresh Fruit Juice
125.00 B
125.00 B
105.00 B
2 × 85.00 B
2 × 105.00 B

今日は、快晴♪

曇天が続いていた一昨日と昨日。今日は見事な晴天になった。雲ひとつない。今日は朝からギラギラと容赦ない日差しが降りかかってくる。
「今日は、焼くぞー」
「白い肌でなんて、帰りたくないぞー」
と、全力で美しき日焼けを目指す。デッキチェアに寝ころんで表皮をあぶっては水に入って息子と遊ぶ。ウォータースライダーも相変わらず満喫しまくり。

広々プ〜ル♪

「テリが出てきましたねぇ」
「良い焼き色がつきましたねぇ」
「そろそろ水切りした方が良いんじゃないでしょうか、粗熱を取って」
と、昼には見事な焼き豚色になった。ちょっと肩がヒリヒリする。調子に乗って「SPF2」はいくらなんでもヤバかっただろうか。

タイスキだタイスキだ〜CASUARINA HUT

お昼御飯。
「予定通りタイスキを食べに行こう!」
と、早めにプールを抜け出して対岸のホテル「Dusit Laguna」へ水上バスにて向かう。

ビーチサイドの小さなカフェレストランにて、お二人様560B(1700円くらい)のタイスキ。
目の前にはホットプレートに似た、その形状は深さのある鍋といった「電気鍋」のようなものがやってきた。中には少しだけ濁った、甘くもなく辛くもない馴染みの薄い味のスープがたゆたっている。そして、ずらりと並べられた具材のお皿。海老に白身魚にイカなどの魚介類、これらは卵白と片栗粉が軽くまぶされているらしい。野菜皿には空心菜にキャベツにもやし、にんじんにニラに椎茸。更に春雨と豆腐と卵麺。麺の脇には、どうやって使うものなのか生卵が2個。

「この卵、どうやって食べるの?」
と聞いてみたところ
「Your style♪」
と軽やかな返事が返された。ど、どうしろっちゅーねん。
更に続けて聞いたところ、こちらでは魚介を溶き卵にくぐらせてからシャブシャブにするものらしい。おお、それは美味しいかもしれぬ。最後に残ったら麺と一緒に鍋に投入することにしよう。

ソースは刻みにんにくに刻み唐辛子(←これがもう、泣けるほどに辛い)、スイートチリソースと、日本のお醤油"キッコーマン"(←本当に「キッコーマン♪」と言いつつ店員さんが持ってきた……)。
お玉が1個と、人数分のミニ網籠もついてくる。取っ手のついた、"味噌こし"に良く似た形状の籠には魚介を入れてさっと火を通したりするものらしい。春雨もこれに入れれば散らばらない。

煮えた具を器にとり、スープも少量すくってからタレを適宜かけつつ食べる。炎天下の気温の中、汗をかきまくりつつ食べる熱く辛い鍋料理。ここまで暑いといっそ心地よくなってくる。シンハービールがガンガン進み、それでも足りずにピーニャコラーダのフローズンカクテルを追加注文。シャリシャリのフローズンカクテルは笑っちゃうほど大きな容器になみなみと入ってやってきた。パイナップルの風味は控えめで、こってり甘いココナッツミルクの味が存分に漂っている。冷たさと甘さでタイスキの熱さと暑さは隨分と和らいでくる。ああ、お魚おいしー野菜もおいしー。

ピリ辛味の鍋は、期待以上に美味しかった。火の通ったキャベツやもやしは、スイートチリソースにものすごく似合う。魚介類もぷりぷりで、とても良い感じだ。
「あー、からい〜、チリソース、かーらーいー」
「でも醤油で食べるより美味しいよね。にんにくがこれまた合うし」
ともりもり食べる。息子も脇で卵麺と春雨に御執心だ。2人前の麺をほとんど息子が食べてしまった。

「私らの食べる麺がなくなっちゃったよ」
「麺だけ追加で持ってきてくれるかなぁ」
と聞いてみたところ、めでたく追加の麺もやってきた。最後は残った溶き卵を麺と一緒にスープに流して半熟卵の絡んだ麺をたっぷり堪能。縮れのない太めの卵麺は、素朴な味ですごくいける。タイスキの最後は、御飯をもらっておじやにしてもすごく美味しいものらしい。魚介のだしがたっぷり溶けたスープはそのまま飲んでもとても美味しかったりするのでおじやもそれそれは旨いものなのだろう。

飲んで飲んで食って食って、ただでさえ日焼けした顔がますます赤くなっている私たち。
「冷たいものが恋しい……」
「甘いものも恋しい……」
と、アイスクリーム類が並んだデザートメニューをいただいた。シンプルなアイスクリームもあるけれど、パフェチックなデザートも数多く並んでいる。現在はストロベリーフェア開催中だ。

「やっぱココナッツでしょー」
と、私は「ザ・ココナッツ・コネクション」なるすごい名前のココナッツアイスデザートを注文。
ココナッツの実をくりぬいた中に3スクープほどのココナッツアイスがごろりごろりと詰まっていて、上からチョコレートソースがたっぷりと。ココナッツの実の内側にはまだナタデココに似た果肉が薄くついていて、それをこそげつつアイスと一緒にもりもり食べる。ココナッツとチョコレートは案外と良く似合う。たっぷりの昼飯のあとにボリュームのあるデザートはなかなかヘビィだ。息子にも手伝ってもらってせっせと食べる。

向かいを見ると、2種類のアイスクリームを盛り合わせてもらっていただんなの皿も何やらゴージャスだった。美しく盛られたアイスの上からはメープルシロップのような甘いソースがかかっている。それだけでも充分パフェのようだ。
「盛りつけが多くて嬉しいねぇ」
「いい感じに腹一杯だねぇ」
と満足しきりでお部屋に戻る。喰った分は、午後にしっかり動かなければ。

Dusit Laguna 「CASUARINA HUT」にて
Seafood Shabu Shabu
Egg Noodles
Singha Beer Lg.
Frozen Pina Colada
Diet Coke

The Coconut Connection
Ice Cream Scoop

560.00 B
40.00 B
220.00 B
230.00 B
85.00 B

130.00 B
100.00 B

アーチェリーもやってみたり

満腹の腹を抱えて、しばしホテルの部屋の"お昼寝コーナー"にて休息。なんだかんだ言って、部屋の設備をまんべんなく満喫しているような気がする。でも、ごろごろするだけじゃすまない人が一人動向しているのだった。
「おとーさんとー、おかーさんとー、いっしょに、ぷーる、いこ?」
子供は"のんべんだらりと休息する"なんてことはできない動物なのである。私も子供の頃、「なんで親はすぐに休みたがるのだろう、もったいない」と思っていた。この旅行は半ば子供サービスでもあったりするので、彼の提言に従って午後も水着に着替えて遊びまくる。肌も良い感じに焼けまくってきた。ミディアム通り越してウェルダンになりつつある。ちょっと焼きすぎ。

「とーちゃん、これなに?」「これはアーチェリー」 このホテル、無料で利用できるアクティビティが充実しているのもウリのひとつであるらしい。ホテル案内をめくってみるとテニスやスカッシュ、バドミントンやバスケットボール、ゴルフにビーチバレー、とあれやこれやのスポーツ案内が掲載されているのであった。中には「アーチェリー」の文字も。

だんなは学生時代にアーチェリー部に所属して、かなり真剣にやっていたらしい。
「久しぶりだなぁ。ちょっとやってみたいなぁ」
「ほいじゃ、ちょっと行ってみる?」
と夕方早めにプールから上がり、ホテル入り口そばに位置するスポーツセンターに行ってみた。あまり本格的な機材はなく、初心者が練習用に使うようなごく簡単な道具を借りる。的は2つ、15mほどの距離から打つ簡単なものだったので、だんなはちょっとばかり物足りなさそうだった。私は弓を持つのは始めてだ。

「弓は、こう持つ」
「ん」
「で、矢をこうつがえて……」
「んんん?」
「このように引き絞って」
「んんんんんん?」
「で、放つ」
「……むつかしいよ……」
軽い弓のはずなのに、なかなかどうして力も要るし、的には当たってくれないのだった。「弦が腕に当たったら痛そうだなぁ」と及び腰になってしまうと、余計に弦が左腕を翳めてしまう。何度か腕を弦で弾いてしまい、最後にはベッシーンと弦を左腕の肘内側に当ててしまい、よろよろしながら私は見学に専念する。

さすがにだんなの構えは堂に入っていたし、的にもシパシパ命中していた。でも、やっぱりどこか物足りなくて消化不良な顔をしている。ほいじゃ、部屋に戻りましょうか。

タイのイタ飯はいかなる味ぞ〜La TRATTORIA

プーケットにはイタリア料理店が案外と多いものらしい。ホテル内にあるレストラン群も、フレンチや中華よりはイタリアンが圧倒的に多い感じだ。タイのイタリアン、どんな味なのだろう。まさかパクチーが山盛り、とか?
「どんなパスタがあるんだろう、気になるねぇ」
「でも、魚介が美味しい国だしねぇ、案外いけるかも」
「対岸のあのホテルにトラットリアがあるらしいですよ」
「じゃ、夕飯はそこに行ってみますかー」
と、夕飯はぽてぽてとイタ飯を喰いにいってみることにした。本格的イタリアンを楽しみたいというよりは、タイならではのギャップを楽しみに、という感覚だった。

「Dusit Laguna」内のそのレストラン、"トラットリア"とは名ばかりのシックな雰囲気の料理店だった。各テーブルにはキャンドル1本、ゆらゆらと揺れる光の後ろには一輪挿しの花瓶に飾られた熱帯の花が華やかだ。
英語とイタリア語併記のメニューを眺めていると、即座に日本語メニューもやってきた。「ああ、ここにも日本語が」と苦笑しながらそちらのメニューを見せてもらう。ピザもあるし、パスタも前菜としてではなくメインとして食べられるように2種類のポーションが掲載されていた。プリモピアットもセコンドピアットも種類はたっぷり、なかなか充実している。

こういう店でのフルコースはがっちょり食べてはいけない。海外の"盛り"の多さは重々経験済みなので、メインとパスタは各々頼み、前菜はだんなと分け合うことにした。後になってみると、本当に前菜を分け合うことにしておいて良かったなぁと思うのである。

最初にやってきたのは牛サーロイン肉のカルパッチョ。
大皿にたっぷりのレタスと薄切りパルメザンチーズ、生の薄切り牛肉が色とりどりに、しかし大雑把に大胆にこんもりと盛大に盛りつけられている。「ブラックペッパー〜?」と巨大ミルを抱えた店員さんがやってきて、頷くと上からガーリガーリとたっぷりの黒胡椒をかけてくれた。見た目のとおりどこか大雑把な味のする、でもその大雑把さが素朴な風情で心地よい前菜だ。「南国で生肉喰うのって、どうよ?」と心中思ってはいたものの、トロンと柔らかな肉は勿論新鮮このうえない。ざっくりとしたチーズの味やバルサミコ酢の味は日本で食べるそれとあまり違いがないような気がしたけれど、油の風味は今ひとつ違う。どこか不思議にタイの味がする前菜だった。

続いてパスタが3皿。トマトソースのじゃがいもニョッキは息子用、でも彼は先ほどからグリッシーニをバリバリと食べまくっている。だんなには蟹の入った詰め物パスタ、私に来たのはイカ墨を打ち込んだタリアテッレだ。
前菜サイズを頼んだにも関わらず、そのパスタ量は100g超ではないかというボリュームたっぷりのパスタは、しかも具沢山。海老やムール貝、帆立やイカがワインで煮込まれ、白いソースになってパスタにこってり絡んでいる。アルデンテをちょっとばかり越えたんじゃないかという茹で加減は少しばかり今ひとつだったけど、プリプリの魚介の味は悪くない。しかしやっぱり全体的に大味だ。不味くはないけど大雑把。このおおらかさが良いのかもしれない。

ボリュームたっぷり、鴨のグリル これまでに来た前菜もパスタも、通常私たちが見ているものより大きな皿だった。皿そのものも、内容も。しかしそれは前哨戦だったといわんばかりにやってきたのがメインディッシュの超巨大皿だ。ランチョンマットになっている籐で編んだシートがすっかり隠れてしまうほどの巨大な巨大な楕円皿には鴨肉が10切れほど、美しく並べられてやってきた。葡萄を赤ワインで煮込んだようなほのかに酸っぱい添え物と、にんじんのグラッセ、ブロッコリーがこんもりと飾られている。そして温野菜に囲まれるように2切れの巨大な黄色のポレンタ。全体的に、食べる人のサイズが何か間違ってるんじゃないかと疑いたくなるような大ぶりな盛りつけだった。すごい。

日本で同じものを注文したなら、きっと5切れほどしかないだろうというメインディッシュだ。1切れ1切れのサイズからして巨大な鴨肉は、食べても食べてもなくならない。ワインと生クリームで肉汁を伸ばしたようなソースは正直言っていまひとつの味だったけど、こんがり焼けた鴨肉は肉汁たっぷりで良い味だった。それにしても、こんな200g超サイズみたいな量を出してくれなくても。だんなはラムチョップのグリル。こちらも香ばしく肉汁たっぷり、とても美味しい。

これまた山盛りのティラミス。味はサイコー! 用心していたにも関わらず、やっぱり満腹になってしまった私たち。でも、ドルチェ喰ってなんぼのイタリアンである。甘いもので最後にシメてこそのイタリアンだ。各種デザートメニューから、ティラミスを選んでみた。
「私はティラミスと、エスプレッソを」
「えーと、僕はエスプレッソダブルショットで」
ティラミスの分量を懸念してか、だんなはドルチェをパスしていた。

さて、やってきたのはやっぱり巨大なティラミスだった。一山だけでもたっぷりの量があるティラミスが、豪華に二山、どっかんどっかんと盛りつけられている。高さもあるし重量感もばっちりだ。大人の握り拳2つ分はありそうな感じ。素晴らしいボリュームだ。呆れつつもある意味感動してしまう。
お味の方は、きっちりマスカルポーネチーズの味もするし、ココアパウダーもたっぷりと。ふわっとした口当たりに淡い甘さが良い感じ。山2つ分なかったら、きっともっと美味しかったことだろう。
「ティ、ティラミス、大量だよ……」
「おゆきさん、こっちのエスプレッソも大量だ……」

向かいのだんなの席をみやると、そこにはシングルショットのカップの4倍量はありそうなサイズの巨大なカップになみなみと入ったエスプレッソが置かれていた。どこから見ても、ちっとも"ダブル"ショットじゃない。クワトロショットとでも言いたい感じ。
「すごいね」
「何からなにまで大量だったね」
「ガリバー気分だ……」
「腹一杯だ……」
苦笑しながらお店を後に。

明日の夜にはとうとう帰国だ。午後6時にはホテルを出なければならない。食べられる食事もあとは2回か3回か。
「タイ飯しっかり食べて帰りたいねぇ」
「でもでも、中華料理屋さんもあるんだよ、しかも飲茶、きになるぅ〜」
「おお、タイの飲茶か。気になるぅ〜」
くねくねしながら過ごす、最後の夜。明日もじっくり楽しみましょう。

Dusit Laguna 「La TRATTORIA」にて
Il Carpaccio di Manzo
Gnocchi di Patate
Tagliolini al Negro
Tortelloni Granchio
Le Cotolette d'agnelo
Il Petto d'anatra
San Benedetto
Orange Juice

Double Espresso
Espresso Illy
Tiramisu

315.00 B
175.00 B
195.00 B
195.00 B
575.00 B
395.00 B
200.00 B
120.00 B

115.00 B
120.00 B
130.00 B