7月17日(日) 万博はげっそり

過去最高の入場者数の日に

本日は、今回の旅行のメインイベント、愛知万博。事前に入場券は買ってある。けど、バタバタと決まった今回の旅行だったので、パビリオンの事前予約などは何もなし。「メイとサツキの家」観覧なんかも当然なし。開場は9時で、JRが直接乗り入れしている「万博八草駅」からはリニモで数分。「万博八草駅」までは名古屋駅からエキスポシャトルで約40分。7時20分くらいの電車に乗れば、余裕で開場前に到着できるものと思われた。……が、全然甘かった。

6時過ぎに起きて身支度を整え、昨日の夜に買っておいた天むすの袋を持って名古屋駅に出発。途中のコンビニでペットボトルのお茶買って、首尾良く7時22分発のエキスポシャトルに乗り込んだ。幸い、ロングシートの隅っこに家族3人並んで座ることができた。
「……会場ついてから、食べる?」
「……いやー、せっかく座れてるし、今食べちゃうのがいいんじゃない?」
と、車内でがさがさ包みを開き、朝御飯に天むす。

名古屋名物「天むす」、食べられるお店は色々あるけれど、名古屋駅に隣接した近鉄パッセで買える「千寿」のものがお気に入り。5個入りで672円、じわっと辛い美味しいきゃらぶきがついていて、その味がまたなんとも良い感じ。
普通のおにぎりよりもずっと小さな、2口ほどで食べられる可愛いサイズの天むすをぱくぱくいただき、ペットボトルのお茶をぐびぐび飲み、そうこうしているうちに「万博八草駅」に到着した。

名古屋 「千寿」の
天むす
2×\672

さて、そこからが、大問題。「万博八草駅」からはシャトルバスに乗るかリニモ(世界初の、営業運転されたリニアモーターカー)に乗らねばいけない。駅の出口で係員さんたちが声をはりあげているところによると、シャトルバスはほどなく乗れるけれど、リニモは15分待ちとのこと。15分で済むならリニモに乗ろうかと、そちらの乗り場に向かったところ、この行列じゃ15分どころじゃないんじゃないかという混雑っぷりの光景が広がっていた。それでも、30分くらいなら……と待って待って、結局乗れたのは40分後。リニモで輸送できる人数以上に電車で人がどんどこどんどこやってきて、私たちが到着した直後実質「40分待ち」だった行列はすぐに1時間、1時間半、といった大行列になっていく。

それでも、初めて乗るリニアモーターカーに息子はさっそく大喜び。電車のガタゴトいうレールの上の感覚とは全く違う、モノレールともまた違う、フワッと浮いてスーッと移動する不思議な感覚の乗り物だった。会場まではほんの数分。会場駅に到着すると、万博八草駅とは比較にならない人数がそこにまた溜まっていた。

私たちの見込みは全然甘かった。甘すぎた。私たちが甘かったというか、万博側の体制があまりにもなっちゃいない、というか。

もう、すっっっっっごい人なんである。8時過ぎには到着するはずだったのに、もうすでに9時を過ぎており、入場も始まっている様子。なのに、ゲートの前の行列は少しも進まない。ゲートまでの数十m、2分に一度くらい、じりじりっと1mくらいずつ移動する感じ。そんな状態で、後ろには続々と人がまた集まってくる。

それしか人が進まない理由は、入り口のセキュリティーチェックだ。大人も子供も、荷物を持つ人は全員、鞄についているチャック全てを全開にして中身を見てもらわなくてはいけない。ここでペットボトルは取り上げられ(テロ対策)、水筒を持ってきた人は中身を問いただされる。そこを通ってから金属探知器のゲートをくぐり、やっと入場。金属探知器のゲートをくぐるだけだったらもっとすいすい進むはずなのだけれど、この「鞄の中身チェック」で異様に時間がかかっているのだった。

横に4列並んだ人の塊(私たちが到着した時点で3〜400人は軽くいただろう塊)に対して、この荷物チェックテーブルが1つ。10秒に1人チェックが進んだとして、1時間で360人。お客のほとんどは「ペットボトル持ち込み禁止」を既に知っているから、JRの駅を出たあたりで持ってきたペットボトルは飲み干して捨ててきてしまっている。まさかゲート前でこんなに待たされると思ってないから、「中で買えばいいよね」と水分を取れるものをなんにも持ってない状態で、身動き取れないまま、屋根もないところで日射しを浴びての1時間。中の各パビリオンの方がまだ、「行列対策」という意味では対策がしっかり施されていたと言えた。入場前のゲートでほとんどの人が疲れ果て、殺気立ち、「テロ防止」のための措置のせいでお客がテロリストと化していく。
私たちがめでたく「万博」に到達したのは、ゲート前に到着してから1時間経過した頃だった。入った途端、係員のおねえちゃんに「どうなっとんじゃワレェ!」と詰め寄るおっちゃんなんかもいたりして。

なんでも、今日は開会後、最も混雑した一日だったのだとか。そういう日を選んじゃった私たちも悪かったとしか言いようがないけれど、でも全体的に「対策がなってない」「詰めが甘い」と感じてしまった。あの調子じゃ入場前に倒れる人続出だろう、という感じ
リニアモーターカーですよー

ともあれ、なんとか入場できて、目指したのは「JR東海超伝導リニア館」。電車大好きな息子が、このパビリオンのCMを見てから、ずっとずっと「リニアモーターカー見たい〜」と言っていたのだった。微量に鉄分の含まれるだんなもまた、ここが一番気になるパビリオンだったらしい。

幸い入場ゲートからもほど近く、開場後1時間経ったとはいえ、ゲートがあのありさまだから会場内はさほど混雑しておらず、40分待ちくらいでめでたく3Dシアターを見ることができた。「飛び出すメガネ」かけて、「ほーらほらほら、早いですよー車輪ないですよー、浮いてますねー、ものごっつぅ早いですよー」とリニアモーターカーの速さをひたすらアピールする10分ほどの映画を見て、会場脇に展示された実物のリニアモーターカーの中を歩いて。

「うわー、かんらんしゃだー」
「うん、そうだねぇ」
「あっちは、たてものの中に、でんしゃが走ってるー」
「そうだねぇ」
リニアモーターカーを見終わった頃には、もう会場内は大変な混雑になっていて、息子の「あそこ、おもしろそうだねぇ」という声に苦笑いしか返せない。トヨタ館は6時間待ち、その他の企業パビリオンも軒並み2時間コース。じゃあしょうがないねと各国パビリオンの方に回ってみれば……シンガポール館60分待ち、ドイツ館120分待ち、どこもかしこも、もう全然ダメという感じだった。しかももうお昼だし。御飯食べなきゃいけない頃合いだし。

なんじゃこの混雑はー

ドイツビールで癒されてみる〜「bionis」

そんな感じで、「お昼行こう、お昼……」と、だんなが気にしていたドイツ館に向かってみる。館内のビヤホールで飲むドイツビールがめちゃめちゃ美味しいのだとか。ビールはいいね、ビールは最高だね、とヨーロッパ各国のパビリオンが集まったエリアに行ってみると、2階のレストランに向かって、階段から1階ホールにかけてずらずらーっと行列ができている。え?これは?トイレの行列?……と思ったら、ビヤホールへの行列なのだった。皆さん、ビール待ちらしい。めげずに並んでみた。30分ほど待って席に案内してもらい、ドイツ料理を食べてきた。

ビールビールビール! はぁ〜、美味しかった。めっちゃめちゃ、美味しかった。とりあえず、このランチが美味しかったからつらい万博もちょっとだけ救われた。

ビールは白・黒・ピルスナーの3種類。それぞれ専用のグラスやジョッキに注がれてやってくる。1杯約1000円という価格はお高めだけれど、でも分量もたっぷり。
「俺、白ビール〜♪」
「んじゃ、私はピルスナーにしよう」
と、最初の1杯はビールらしいビールにし、お代わりの1杯はお互い黒ビールを。3種類、どれもこれも実に美味しかった。コクがあってほのかに甘く、濃厚な味。樽のような深い香りがする白ビールが特に好みだった。キーンと冷えたカラッと突き抜けるような爽やかさがあるピルスナーをとっとと飲み干し、まろやかな黒ビールも堪能。うー、ドイツのビールって、なんて美味しいんだ。

骨つき豚肉。うまっ! しかも、料理も悪くない。私は「ベーコン入りヘッセン風じゃがいものスープ」に、豚もも肉のロースト「シュヴァイネハクセ」。だんなは牛肉スープにソーセージなどの盛り合わせ。息子は前菜メニューから、スモークサーモンとじゃがいものパンケーキの盛り合わせを注文した。どれもお客に出すのにあまり手間のかからなさそうな内容になっていたけれど、でも手抜きはないちゃんとした料理。マッシュポテトひとつとってもちゃんと美味しくて幸せだった。

優しい味のじゃがいものスープに、「あの肉」チックな巨大な骨つきの豚肉。肉は食べる部分が軽く400gはあるんじゃないかというボリュームで、表面がバリガリッと香ばしく脂を落としつつ焼かれ、ドミグラスソース様のソースがかけられている。酸味の少ない甘く食べやすい赤キャベツのマリネ(ザワークラウトっぽいの)と、生クリームが混ぜられたようなふわふわとしたマッシュポテト。

息子は大好物のスモークサーモンをわしわし食べながらじゃがいもが入ったパンケーキを平らげ、そしてだんなの皿に盛られたプリプリしたソーセージもつついている。だんなの皿がいくぶんボリューム控えめだったので、私の皿からせっせと豚肉をわけてあげ、ビールがすこぶる似合う料理を堪能した。あまりにもビールとメインディッシュが美味しかったので、桜桃の乗ったタルト風のケーキも最後に注文。
……ヨーロッパは、イタリアが一番行ってみたい国だったけれど、でもドイツにも行きたいなぁ……と思いを新たにした。朝昼晩とビール飲んで、飲んだくれの旅。楽しそうだなぁ。

名古屋万博会場 ドイツ館「bionis」にて
スモークサーモンとじゃがいものパンケーキ
ベーコン入りヘッセン風じゃがいものスープ
本日の牛肉スープ
シュヴァイネハクセ マッシュポテトと赤キャベツ添え
ドイツ特製料理の盛り合わせ
 (焼きソーセージ・スモークソーセージ・塩漬け豚肉の燻製・
 ザワークラウト・マッシュポテト・焼きタマネギとソース添え)
ケーキ
ピルスナー
白ビール
黒ビール
ソーダ水
コーヒー
\1700
\600
\450
\2800
\2600
 
 
\400
\850
\1000
2×\1000
\600
\250

げっそり……

そして昼から酔っぱらい。
へらへらしながら、
「私ねぇ、世界最大の万華鏡が見たいんだけどー……」
と、ぷらぷらとそちら方面を目指してみたものの、当然ながら「120分待ち」とか書いてあって、
「もういい、美味しいビール飲めたからおうちに帰る」
という気分になる。行列に並ぶのが好きじゃない人は、やはり万博などに来てはいけなかったのだ。
photo

どこもかしこもすごい人で、混雑ぶりを目で見て確認するためだけにそこらへんをぷらぷらするような状態で、アジア各国エリアで「マンゴーかき氷」を発見、食べてみた。

「生マンゴーたっぷり!」みたいなあおり文句に惹かれたのだけれど、やってきたのはちょっと不思議なかき氷。なぜか寒天やみつ豆の豆、缶詰のパイナップルなどが添えられていて、「台湾風」というのとも、これは激しく違うんじゃないかという謎めいたものだった。練乳がどっさりかかっているのが密かに嬉しかったけど、でもやっぱり何かが違う気がする。

首をひねる私の脇で息子はマンゴーソフトクリームを堪能し、なぜかだんなはバニラソフトクリームと共にカーポを握りしめていた。……さっきお昼食べてきたのに、なぜまた今、カーポ(角煮を肉まんの皮みたいな生地で挟んだもの)を食べるのか、だんな……。

名古屋万博会場 「イル・フォルモサ」にて
マンゴーかき氷
マンゴーソフト
バニラソフト
カーポ
\500
\350
\350
\400

再びヨレヨレと歩き回り、いつのまにかもう午後2時を過ぎている。あと1つくらい見られないかな、と周囲を見渡し、「90分待ち」の表示のあった「ワンダーサーカス電力館」に。行列エリアのそばには、「水のサーカス広場」なる、水がピャーピャー出ている(囲われているわけじゃないから、濡れようと思えば思う存分濡れて遊ぶことができる)ところがあって、私たちが並んでいる間、息子はそこへ行って他の子供たちとキャーキャー言って遊んでいた。一応着替えのTシャツは持ってきたしね、なんてだんなと話していたところ、頭からずぶぬれになった息子が行列に帰還。頭から、びっちょびちょの、シャツが絞れるほどグズグズになっている。暑くてだるくてどこもかしこも行列で人でグニャグニャになってしまっていた息子もこれでさっぱりしたらしく、Tシャツを着替えてしごく御機嫌。電車を模した乗り物に乗って、斜めになったり後ろ向きになったりガラス張りの展望台のようなところを通ったり。

そして私たちの万博詣では終了した。

予定では、大人気パビリオンさえ除けば、午前中に2つくらい見て、早めの昼食をさっさと済ませ、午後には3つくらいまた見て……という感じだったのに、もう全然無理。もう4時を過ぎようとしていて、外国パビリオンすら簡単には見られない状態で、このまま滞在していても120分待ち180分待ちみたいなのばかり。「ゴンドラに乗って、もうひとつの会場からバス乗って電車の駅に行こうか」などとも言っていたのだけれど、「モリゾーゴンドラ」でさえ40分待ちで、シオシオとリニモに乗って行きと同じルートで帰還。帰りのJR車内は、憔悴しきった姿で寝こける乗客で満たされていた。

万博万博、と、春からガイドブックを見て楽しみにしていた息子。たったの2つしか見られなくて、何をするにも行列だらけで残念だったし可哀想だったなぁ……と思ったのだけれど、
「ポケパークより、ばんぱくが楽しかったよ。リニモのれたし、リニアモーターカーかっこよかったよ。さいごの電車(←電力館)も、たのしかったよ!」
だそうで。でも最後にぽつりと「でも、ぎょうれつはいやだよね」と呟いていた。4月上旬あたりは心配になっちゃうほどガラガラだったそうだけどね。授業参観の代休とか使って行ってしまえば良かったかな。

私たちの名古屋の定宿〜「ドーミーイン」

宿に帰ってきたのは午後6時半。昨日一昨日泊まった旅館を今朝チェックアウトして、今日のお宿はドーミーイン名古屋。ダメもとでキャンセル待ちをお願いしていたところ、直前にキャンセルが出ましたよと連絡をもらったのだった。

名古屋駅から徒歩10分ほどのところにあるこの宿、4年前に泊まってから、我が家はこのホテルチェーンの愛用者だ。地方に旅行するとき出張するとき、そこにドーミーインがあればまずそこに泊まっている。

何が良いって、大浴場がついていること。場所にもよるけれど、たいていはホテル内に1つだけ大浴場があり、「夜9時までは女性専用、その後は男性専用」というように時間で切り替えられて入浴できるようになっている。部屋には作務衣が用意され、トイレはウォシュレット。自由に使えるように空の冷蔵庫が用意されていて、ミニコンロやヤカンまで置いてある。部屋はけっして広くはないけれど、前回と同じタイプの今回の部屋はダブルベッドの脇に3畳ほどの畳のスペースが用意されていて、ここに布団をひいて1人が寝られるようになっている。畳の上で素足でくつろげるのはなかなか心地よく、そしてなんといっても宿泊代が安いのだった。素敵な宿だ。

で、早速私は女風呂時間帯の大浴場に直行。息子も一緒に連れていってやり、だんなは部屋のユニットバスで汗を流す。10人は同時に入浴できるくらいの広々とした浴場は、微妙な時間ということもあってか貸し切り状態。足と手をのびのびのばしまくってお湯にたっぷりつかってきた。はぁ〜、このホテル取れて、良かったぁ……。

どて煮に手羽先、そしてビール〜「ばっかす The 禅 Zen」

そして、夕飯。気になるお店は日曜祝日休業のところが案外と多く、今日は万博に行って疲れてくるだろうということで「できるだけ近くで、んでもってビールが飲めて手羽先とかどて煮が食べられて……」という観点で昨日のうちに予約しておいてみた。

目指したもお店は「ばっかすThe禅Zen」というお店。昭和30年創業 の居酒屋さんだそうで、数年前に新しく「センチュリー豊田ビル」に移転したのだとか。小綺麗な居酒屋で、でも昔ながらという風のおばちゃんがあれこれ料理をすすめてくれるあったかい店だった。

「名古屋の味ならね、メニューのここに手羽先でしょ、味噌カツはどう?どて煮もおすすめ」
「うん、それもいただくけど……野菜が食べたい……」
「じゃあほうれん草のおひたしかな、サラダもあるし。そうそう、このね、"とろろ焼"っていうの、美味しいわよー」
「じゃあそのとろろ焼もください」
など、おばちゃんに相談してあれこれあれこれ。

私はもう、全身がビールを欲してしまっていて、まずビールとにかくビールとっととビール、という状態。昼にもけっこうな量のビールを飲んできたはずなのに、そんなものはもうとっくにどっか行ってしまって、ただただ喉が乾くばかり(って、ビールは利尿作用があるから当然か……)。私はたいていビールは最初の一杯だけで、あとはサワー飲んだり焼酎に移行したりが常なのだけれど、今日はビール、とにかくビール。たて続けに2杯中ジョッキ飲んで、だんなの頼んだ「熟撰タンブラー」というビールを半分ほどいただき、それでも足りなくてもう1杯追加した。今日は人生で一番ビールが美味しい日。
手羽先手羽先♪

おばちゃんおすすめの「とろろ焼」は、とろろ入りの卵焼き。野菜や海苔が巻き込まれたふわふわとした卵焼きにおかかがトッピングされている。実にビールにあう、でも優しい味の料理。野菜ならほうれん草がいいわよーと言っていたおばちゃんは、
「ごめんなさいねぇ、ほうれん草、ちょびっとしか残ってなくてね、だからこれはサービス」
と、売り物にならないらしい分量のほうれん草のおひたしを持ってきてくれた。ベーコンをトッピングしたサラダなどもつまみつつ、そしてビールが止まらない。

シンプルに塩焼きしただけの手羽先、いかにもなコテコテ味を絡めた甘辛味の揚げ手羽先。息子はカニクリーミーコロッケにうっとりし、昨日に続いて「コーンバター」をメニューに見つけてしまい、コーンにまみれて喜んでいる。
モツ煮〜♪

そして、なんといっても美味しかったのは「どて煮」。牛すじを八丁味噌味のタレで煮込んだどて煮が深鉢にたっぷりと。トロトロに煮えたスジに大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豆腐。刻み葱がこんもり盛られたそれがいかにも美味しそうで、テーブルに来るなり
「うわー」
「わ、すごい、旨そう!」
と歓声をあげたら、おばちゃんに
「違うわよ"旨そう"じゃなくてね、ほんとに旨いんだから」
と笑われた。

こっくり煮えた茶褐色のどて煮。独特な渋みのある味噌味が濃厚すぎず薄すぎず、適度に「味噌!」という感じに具材にしっかり染みている。スジはトロトロ、大根はほこほこ、豆腐はぷるぷる。確かに絶品のどて煮だった。
「しまった……これ、1人1杯でも食べられるかも……」
と、だんながそれはそれは幸せそうにどて煮を抱え、私の方は相変わらずビールと相思相愛の蜜月状態。ただただ水分が恋しくて(軽い脱水症状になっていたらしい……)、今日の夕飯はいつもほどには料理に手が出ず、手羽先やどて煮を目で愛でておかずにしながらビールをくいくい飲んでいた。

クリーミーな、蟹肉がしっかり入った美味しいコロッケも一口囓らせてもらい、シメのうどんも息子が「もういらない」と残した最後の1/5ほどを分けてもらって、だんなと息子があれこれ食べてくれたおかげで心おきなく少しずつ色々なものを食べられて嬉しかった夕御飯。便利な場所にあるし美味しかったし、次はこんなにビールビールしていない状況でしっかり料理をいただきたいぞ。

名古屋 名駅近く「ばっかすThe禅Zen」にて
ほうれん草のおひたし (サービス)
逸品!!とろろ焼
ベーコンと生野菜のサラダ
牛スジどて煮
手羽先塩焼き3本
手羽先唐揚げ3本
コーンバター
手づくり!!カニクリーミーコロッケ
冷さぬきうどん
あつあつ焼うどん
樽生ビール(中)
樽生"熟撰"タンブラー
焼酎(閻魔 長期樽貯蔵)(ロック)
カルピス
 
\530
\720
\600
\530
\530
\400
\740
\530
\740
4×\500
\500
\530
\320

そしてすっかり酔っぱらい、泥のようにグデグデに崩れそうになりながらホテルに帰還。ホテルの大浴場出口には瓶牛乳の自動販売機が置かれていて、牛乳とコーヒー牛乳、フルーツ牛乳という最高の品揃えを擁している。男風呂に切り替わった時間になってからだんなは息子を連れて大浴場に出かけていき、コーヒー牛乳をおみやげに買ってきてくれた。
はぁ〜コーヒー牛乳、おいし〜。