10月9日(火) 最後の御飯はナシゴレン

最後のブッフェ

今日も暑くなりそう

楽しかったバカンスも今日でおしまい。
昨夜のうちに「本日午後3時までの滞在費明細書」なる恐怖のお手紙も届いていて、いよいよ帰国が実感を伴い始めた。

ホテルからの好意でチェックアウトは午後2時(通常は12時)で良いとのこと。ならば午前中は思う存分プールで遊べるねと部屋の窓から外を眺めれば、今日も気持ちの良い天気になりそうだった。
フロント近くの建物

今日も早起きしたらしい息子が、結局ずっとそちらで寝ていた母の部屋からこちらの部屋にそーっと御機嫌伺いに移動してきて、しばしの相談の末、2人で自転車に乗ってリゾート内をお散歩してみようかという事になった。

寝ているお父さんを起こさないよう、2人でこっそり着替えてヴィラの前に止めている自転車に乗り、海岸に行ったりフロント方面に移動してみたり。

昨日ここで、おばあちゃんと散歩していて猿を見たんだよ、と息子が教えてくれた場所で、今日も猿を見ることができた。目のあたりに白い毛の生えている、尻尾の長い猿は、マングローブツアーで「この島に生息している猿は2種類います」と教えてもらった「シロマブタザル」という猿なのだと思う。ヤシの木を大きく揺らしながら、数匹の猿が楽しそうに木の上を飛び跳ねていた。茶色い毛並の大きなリスもたくさん見かけた。

自転車に乗って、今日もいつものレストランで、最後はブッフェ。

これが最後と悔いのないよう、今日も色々食べてきた。マレーシア料理の「サンバル」の味はやっぱり私の好みなもので、今日も「SAMBAL SOTONG」(鶏肉の煮込み)とか「SAMBAL UDANG」(海老のチリソース煮込み)など、多めによそってテーブルに。優しい味のダールカレーもあったので、今日もそれを盛りつけてきた。
マレー料理、色々

今日食べたものは、こんな感じ↓

  • ミックスサラダ
  • スモークサーモン、チェダーチーズ、ブルーチーズ
  • SAMBAL SOTONG、SAMBAL UDANG
  • ダールカレー
  • マレーシア風パンケーキ
  • マンゴーソース添えワッフル、バナナパンケーキ
  • マンゴー、パイナップル、すいか
  • フルーツカクテル ヨーグルトかけ
  • オレンジジュース、マンゴージュース、紅茶

今日知ったのは、「不味いマンゴーは本当に不味い」ということ。

外見は黄色く熟れていて美味しそうな果肉なのに、今日のフルーツプレートにはところどころにおっそろしく酸っぱく渋いマンゴーも混ざっていた。

「うっわ、ハズレマンゴー食べちゃった……」
「あ、俺のもこれ、ハズレマンゴーだった」

今日はフルーツコーナーに"ハズレマンゴー"が1個分ほど混ざっていたようで、うっかりそれを持ってきてしまった私たちは渋い渋い言いながらなんとかそれを平らげていたのだった。渋いマンゴーは渋い桃なみに美味しくない……。

「Four Seasons Resort Langkawi」内「serai」にて
Br. Buffet (Adult)
Br. Buffet (Child)
3×RM106.50
RM53.00

それはまるで絵はがきのような

今日もガゼボでした
青い空ー!

今日はまた、昨日に輪をかけて良い天気だった。

いかにもな夏の雲が海の向こうに見えて(ちなみに海向こうに見える島々は、マレーシアではなくタイなのだとか)、頭上あたりはうっとりするほどの青空。気温も朝からしっかりと高く、これはまた絶好のプール日和になったねと朝食後は荷物をまとめるのも早々にして遊びまくった。青い空と明るい日差しに彩られたビーチは、どこを見てもまるで絵はがきでも眺めているような美しさ。

息子はこのバカンスでまた泳ぎが上手くなったようで、私でもやっと背がつくかつかないかという深さ150cmのプールを浮き輪なしで楽しんでいる。数日間、プールで泳いでの追いかけっこをしているうちに、私が真剣に泳がないと追いつかれてしまうほど息子の泳ぐスピードが上がってきた。

まだ15mほど泳ぐのがやっと、という状態ではあるけれど、深いところでも臆せず泳げるようになったのは息子にとって大きな収穫じゃないかなと思う。

昨日に増して日差しは肩をチリチリと焦がすようで、浜辺での散歩を楽しんでいた母も今日ばかりはガゼボに籠もってのんびり景色を楽しんでいる。じゃあ僕たちが代わりに貝を拾ってきてあげるよとだんなと息子が立ち上がり、2人で仲良く貝を拾ってきてくれた。

昨日は一日波が高めで、打ち寄せてきた新しい貝殻がずいぶんたくさんあったらしく、綺麗な貝殻をどっさり持って2人は戻ってきた。
貝を拾う

まだ遊ぶ、もうちょっと遊ぶ、あと少し……と、
「今すぐ部屋に帰ってシャワー浴びて準備しないと、チェックアウトの時間になっちゃいます」
というギリギリのタイミングまでひたすら水遊び。今日のプールサイドはこれまでで一番と言ってよいほどお客さんが多く、私たちが引き上げた後のガゼボは早々に他のお客さんが使っていた。

昼御飯は、チェックアウトを終えてから荷物をフロントに預け、空港に移動するまであと2時間という頃合いだったのでホテル内で済ませることにした。

昨日のお昼にもガゼボでお世話になった「Kafe Kelapa」で各々好きなものを注文。母とだんなはサンドイッチ、息子はスパゲティ、私はこれが最後と「ナシゴレン」。

「island fried rice with curry fried chicken, prawn sambal, mango kerabu and cracker」

と説明のあったナシゴレンは、スパイシーな手羽元肉のフライドチキン、海老のガーリック風味の炒め物、マンゴー入りの爽やかな酸味のあるサラダ、そして海老せんべいが添えられていた。

こんもり盛られたチャーハンの上には薄焼き卵と刻み葱も散らされ、パラッパラのタイ米が香ばしい。あまり味の強くない、さっぱりした味のいわゆる「チャーハン」で、だんなが注文したクラブハウスサンドイッチと交換しながら食べた。クラブハウスの方も、厚切りのアボカドやレタス、トマトがたっぷりでとても食べ応えがあった。

上品かつ具沢山なナシゴレン

「Four Seasons Resort Langkawi」内「Kafe Kelapa」にて
Checken Satay 1/2
Nasi Goreng Pulau
Roasted Vegetable Sandwiches
"Kelapa" Club Sandwiches
Kids Spaghetti Cream
Beer (Tiger)
RM38.00
RM52.00
RM46.00
RM50.00
RM18.00
3×RM14.00

食事を終えると、出発まであと1時間弱というところ。ライブラリーに移動して数十分時間をつぶし、ホテル内の売店を眺めているうちにあっという間に空港に向かう時間が来てしまった。

到着時は雷雨、2日目は1日荒天という滞在だったけれど、結局は家族全員こんがりと焼き豚色に焼けて帰国することになった。ホテルの送迎車に乗り込み、後ろ髪を思いっきり引かれつつホテルを後に。母は最後まで
「あと2泊、いえ3泊、ううん、ずっとここにいたいわねぇ〜」
と言い続けていた。私もずっとここにいたいけど、でもこんな生活続けていたら人間がダメになってしまいそう。

撤収ー!

帰路は、ランカウイから1時間ほどのフライトでクアラルンプールへ。そこから3時間ほどの乗り継ぎ時間の後、深夜のJAL便で成田空港へ戻る予定。

午後7時から10時までをクアラルンプール空港内で過ごさなければならず、かといって繁華街に出るほどの時間的余裕もなさそう。土地勘も全くない場所に夜に出歩くのも得策ではないねと、空港内で夕御飯を食べられるところを探した。空港の設計には日本人の黒川紀章氏が携わったそうで、独特な曲線を多用した吹き抜けのショッピング街の空間はとても開放感があり、素敵な雰囲気。でも、肝心の飲食店と言えばバーガーキングやスターバックス、チェーンのピザ屋などはすんなり見つかったものの、これというお店がなかなかない。

「……ここで……いっかな?」
「スパゲティやパンもあるみたいだしね……」
と入ってみたのが、セルフサービス式のカフェレストラン「Deli France」というお店。

温かい料理のセットメニューはスパゲティでありラザニアであり「どこがフランスだ」という感じだったうえに、味の方もフランス人が口にしたら怒り出すんじゃないかなと思われるほどのそうなほどのイマイチなものだった。私の頼んだラザニアは、多分かなりまともな方だったのだと思う。だんなと息子の頼んだスパゲッティは、燦々たるものだった。
photo

お客の目の前で冷凍庫らしきところから袋入りの麺を取り出し(外見は給食の"ソフト麺"チック)、その冷たい麺にカウンターの鍋の中のパスタソースをかけ、あとはレンジでチーンという感じ。私のミートラザニアも母のクロックムッシュも、温めは「レンジでチン」だったようだけれど、幾分かはまともな感じのものが皿に盛られて出てきた。

パスタの方は、いやもうなんだかすごいとしか言いようがない。アメリカで「アルデンテなにそれ」状態のグダグダに茹だったパスタは何度か口にしていたけれど、そのアメリカ人もびっくり、というような希有な存在のパスタだった。何しろカルボナーラスパゲティが大好物で、どの店のそれにも文句を言ったことがない息子が、この店のカルボナーラにはダメ出しをしている。

「ソースがね、クリームっぽくないの、クリームっぽさが足りないの。そして麺は、もっと固い方が美味しいと思う……」
こんな柔らかいスパゲティはスパゲティじゃないよ、と日本人のガキんちょにダメ出しされてしまうほどダメなパスタなのであるらしかった。

土産物のチョコレートやお酒、化粧品のお店だけはやたらと充実していたけれど、もう少し食べ物のお店があれこれあると嬉しかったぞクアラルンプール空港。ソトアヤムとか食べられたら超嬉しかったぞクアラルンプール空港。

クアラルンプール空港 「Deli France」にて
Spaghetti Bolo
Spaghetti Carbonara
Lasagna
Iced Latte
Iced Coffee
Brewed Coffee
RM13.30
RM13.30
2×RM13.30
RM9.50
RM9.00
RM6.90

クアラルンプール発、夜11時頃のJAL便に乗って、成田へ帰還。

離陸直後に飲み物とマーブルケーキが配られ、そこでもらったコンソメスープを飲み干してから早々に爆睡。「朝食でーす」と起こされるまでひたすら寝ていたけれど息子に至っては朝食どころか離陸後のケーキも口にすることなく、機内で最初から最後までひたすら寝続けていた。昼間はプールでさんざん遊んでいたし、よほど疲れていたのだろう。

往路は台風が台湾に接近中ということで飛行機はかなり揺れていた。この帰路でも温帯低気圧と化したこの台風が台湾付近に居座っていたようで、これまた台湾通過時あたりにぐらんぐらんとよく揺れた。朝食は、けっこう軽めの和風のもの。

ゆかり御飯に、鮭やがんも、玉子焼きなどなど。フルーツとヨーグルトはいかにも異国な感じのものだったけれど、そういえば「プレーンな白い御飯」は久しぶりに口にした気がした。私の隣に座っていた母は
「やっぱりこうなると日本の食べ物が恋しいわねぇ……今日の夜はお寿司にしない?」
などと言っている。

魚介はかなり口にしていたと思うのだけれど、寿司となるとまた別の話で、一同「さんせーい」と諸手をあげつつ無事に我が家に到着。
やっぱり日本の御飯は美味しいねなどと言いつつ、でもまたきっと旅行の計画を立ててしまうのだ。