食欲魔人日記 01年07月 第2週
7/9 (月)
雲白肉 (夕御飯)
おむすび
茄子と玉ねぎの味噌汁
アイスウーロン茶

だんな、9日間の夏休みも終了して今日から出勤だ。
「溜まってるメールの数を思うと怖すぎる……」
と彼は一人いつもより30分早く起き出して、私と息子が爆睡しているのをよそに一人で御飯を食べて出勤していった。起こさないように静かに静かに支度したようで、
「ほいじゃ、いってくるよー」
と小さな声で声をかけられ、やっと私の目が覚めた。あうあう、起こしてくれていいのにー。

もそもそと息子と起きて、洗濯機を回す。そういや今日はゴミの日だと見渡すと、ちゃんとゴミもだんなが出していってくれている。あっぱれすぎるだんなに、感謝。

7月に入り、息子の保育園は先週から毎日プールだ。ちゃんと食わねば泳げまい。
「急いで食ってけー」
と大小のおむすびを作り、二人で並んで朝御飯。塩で握って海苔巻いただけのおむすびだ。あとは味噌汁と、ウーロン茶。
あっというまに日常が戻ってきた。

卵御飯(2膳)
アイスウーロン茶

香港旅行から戻るのを待っていたかのように、お仕事の依頼がやってきた。山のようなファックスと格闘しつつ、ペーパー作ったり、ホームページ更新したり、お仕事お仕事。仕事をするから美味しい御飯も食べられる。気合いを入れなければならぬ。

がんばらねば、がんばらねば〜。と気付いたら、とっくに午後の2時なのだった。空腹なのに「パッションフルーツのシャーベット」とか「ズコットはいかがですか?」なんて文字列を打っていて、そういえば非常につらかったのだ。

「あうあう、美味しいトマトで冷たいパスタ作りたい……」
「ああ、そういえば鰻のパスタも美味しいとかって言われたっけ……」
「あああー、でも時間ないし腹減った〜」
とバタバタした挙げ句、結局冷凍御飯をチンしたところに醤油垂らした生卵をぶっかけて食べることとなってしまった。飲食関係の作業をしながら、どこか侘びしい料理を食べるのって、ものすごくむなしい。「沖縄島豚のグリル」なんて文字を眺めつつ
「そうそうこれは島豚これは島豚……あああ、やっぱり生卵〜……」
と一人妄想にふけりながら御飯を食べる私だった。いや、生卵ぶっかけ御飯、大好きなんだけどね。

雲白肉
ピータン豆腐
油揚げと舞茸のスープ
御飯
モルツ、アイスウーロン茶

我が家の冷蔵庫の中には、香港で買ってきたそれはそれは美味なるXO醤と、ピータンが入っているのである。XO醤はともかく、ピータンは早めに喰っちまわなきゃいけないのではないだろうか。未だ時期尚早かとも思いつつ、本日は中華な夕御飯。旅行中にげんなりするほど不味い雲白肉を食べてしまったので、「我が手で作ろう、美味なる雲白肉!」と燃えつつ、作成。

雲白肉の肉は、当然塊肉を使用。塊の豚バラ肉を30分ほどかけて茹でてからスライスするのが一番美味しい。きゅうりを敷いた皿に薄切り豚肉を並べ、白髪葱を添える。タレは、刻み葱とにんにく、生姜に醤油や紹興酒、酢や胡麻油や砂糖などを混ぜて適当に。本来、豆板醤とラー油を入れるところを小さじ1ぱいほどのXO醤を混ぜ込んだ。むふふ、美味しそう……。

ピータンは「香港で一番旨い!」と噂されていた「繼L酒店」のものだ。ローストダックの弁当と一緒に食べようと3個買ったものだけど、とうとう食べずに日本まで持ち帰ってしまった。四つ割りにしたピータンは、白身がそれはそれは綺麗な琥珀色をしている。黄身は「黒身?」てな感じに黒々と光り、とろんとこぼれてしまいそうだ。それを買ってきたばかりの豆腐と一緒に盛り合わせる。醤油をかけるだけじゃ何だか寂しいので、きゅうりやパプリカ、長ねぎなどを細かく刻み軽く塩をしたものに胡麻油とXO醤を和えたものをトッピング。それに醤油をかけて野菜と豆腐とピータンを一緒に食べる。

雲白肉の豚の茹で汁は油揚げと舞茸を放り込んで適当なスープにし、炊きたて御飯も用意してだんなの帰りを待つ。
最初、電話したときは
「今日は家で御飯、食べられないかもー」
と言っていただんなだったが、
「今日は、雲白肉だよーん」
と伝えたら根性で仕事を切り上げて帰ってきてくれた。

薄切り豚肉山盛りの雲白肉に、にんにくの効いた辛みだれをたっぷりかけて食べる。辛さの中に旨味と甘みのあるタレがとても心地よく、旨かった。
「んー、でもちょっと辛さのパンチが足りない……かな?」
「ならば、ラー油を垂らしませう〜」
と今度は「へんこ山田」のラー油を持ってきて少々垂らす。香港から日本から「これは旨い!」な調味料をよってたかって使用した雲白肉は、それはそれは美味しくなった。「へんこ山田」の胡麻油やラー油は、それを使うだけで本当に料理を美味しくしてくれる。

この世の中には、多分まだまだ旨い食材がまだまだまだまだ沢山あるのだろう。
それを思うと、何だかいてもたってもいられなくなってしまうのだ。

7/10 (火)
自家製ジェノベーゼのスパゲッティ (夕御飯)
目玉焼き御飯
油揚げと舞茸のスープ
ウーロン茶

いつもの火曜日、いつもの朝御飯。今日はお仕事だ。

ぼけーっとしながら昨夜のスープを温め、更にぼけーっとしながら目玉焼きを作る。半熟目玉焼き乗せご飯とウーロン茶をテーブルに並べて、日常のひとコマという感じの食卓になった。

普通に食べるときも勿論だけれども、ご飯の上に乗せて食べる目玉焼きは更に厳密に半熟(しかもやわやわの半熟)でなければならぬ。白身は固まっているけれど黄身は少しも固まっていないプルンプルンのところを箸でつつき、醤油をひとたらししてからご飯と混ぜて食べるのが一番美味しいと思っているからだ。

卵を食べると、なんとなく「朝だぞー」という気がする。暑いけど今日もがんばろう。

大学近所の定食屋さんの
 お弁当 560円

昼休み、「和風の弁当が食べたい気分……」と大学の周囲を歩いてみた。サラリーマンも多いエリアなので、そこかしこでテイクアウトの弁当が売られまくっている。夜はいかにも居酒屋になります、という風の定食屋さんの前で1つ560円の弁当が売られていて、説明に「肉じゃが」「山菜うどん」「きんぴらごぼう」なんて書いてある。いいねぇいいねぇ、そうそうこんな感じ、と1つ買ってみた。
愛想の良いおばちゃんが
「おまけ、入れておきましたからねぇ!」
なんて言っている。おまけ?冷凍みかんとか?(←それは嬉しい)

研究室に帰ってプラスチックケースに入る弁当を開くと、想像以上にゴージャスだった。白いご飯のパックには、一番上に醤油をまぶしたおかかがうっすらと広げられており、おかず箱の中にはだしパックが別添された山菜うどんも入っている。肉じゃがに、鶏肉のフライ、アジの天ぷら、きんぴらごぼう、わかめときのこの酢の物、おつけもの。これで560円はちょっと嬉しい。どれも手作り感のある素朴なお総菜だらけで良い感じだ。

そして、「おまけ」は小さなパックの野菜ジュースだった。ほうれん草やトマトなど、8種の野菜入りジュース。正直言って野菜ジュースは苦手だけど、そこは店のおばちゃんの好意を無駄にはできないと、食後にじゅるじゅると啜ってみた。リンゴの風味があるけれど、しっかりと青菜やトマトやセロリの味がする青臭いジュース。ビタミンつきお弁当という感じで、ちょっとその店が気に入ったのだった。また買ってみよう。

自家製ジェノベーゼのスパゲッティ with 鶏肉の塩焼き
San Miguel DARK

5月あたりにベランダのプランターに種を植えたバジルが、現在すごいことになりつつあった。バジルは熱帯の植物であるらしい。湿度と気温が上がれば上がるほど、「俺の季節がやってきたぁぁぁぁ」とばかりにニョキニョキ伸びてしまうのだ。これからよりよく育てるためにも、節の間を切って枝分かれさせてやらなければならない。バジルを大量に使う料理と言えば、ジェノベーゼだ。

「ジェノベーゼ、ジェノベーゼ♪」
と夕方、帰宅してからバジルの収穫。30枚ほどの葉が切り取られた。フードプロセッサーに松の実とにんにくを適当に放り込んでギャギャギャギャギャと細かくし、続いてバジルの葉も詰め込んでギャギャギャギャギャとすりつぶす。オリーブ油を垂らしつつ適当なペースト状に細かくすればジェノベーゼペーストのできあがり。パスタにかけても当然美味しいし、豚肉を焼いたところにかけたり、マヨネーズを混ぜて生野菜につけたりするのもまた美味しい。今日はごくごく普通に茹でたパスタに絡めて食べることにした。蛋白質が足りないので、鶏肉をオーブン焼きにしてパスタの上にごろごろ転がす。

ジェノベーゼペーストと、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ、塩と胡椒を適当にパスタと混ぜ合わせて、パスタと絡める。程良く塩の利いた、どこか青臭くて夏っぽいスパゲティになった。松の実のカリカリ感がちょっと良い感じだ。

7/11 (水)
三つ葉と牛肉のサラダ (夕御飯)
チーズトースト
アイスカフェオレ

とうとう関東は梅雨明けらしい。うぉー、夏だ。問答無用の夏がやってきた。暑がりな私にはちと厳しい季節だ。
朝御飯は、チーズトースト。バターを塗ったパンに、とろけるチーズを1枚乗せて焼く。

我が家のブレーカーは30Aだったりするので、クーラーとオーブンレンジは共存できない。どちらかを動かす時にはどちらかを落とさねばならぬ。クーラーを切ってトーストを作るという、めんどくさいことをしなければいけない。
今日、オーブンを動かしてくれただんなは、それをつい忘れてしまったらしい。バシッという音と共に家中の電気製品が一気に落ちた。起動していたパソコンも落ちた。あちらこちらの時計が全てリセットされ、電話もリセットされて「ピーピー」と不穏な音を発する。夏の日のトースト作成は、なかなか大変な作業なのだった。……困ったことだ。

色々な犠牲の上に作られた今日のチーズトースト。いつもの我が家のアイスコーヒーと共に喰ったトーストは、我が家の味という感じがした。

納豆丼
麦茶

無性に納豆が食べたくなって、今日の昼は「納豆丼」。
豚のひき肉を炒め、納豆も加えて炒め、醤油を垂らして葱の小口切りを散らして、それを御飯の上に乗せる。レタスのざく切りをそこに添えると、なおよし。出展は『小さなモンダイ』(大田垣晴子/著 NHK出版)。料理本というわけじゃないのに、この本にちょこちょこと載る小さなレシピが私は好きでたまらない。確か納豆丼を作るのはこれで二度目だ。

フライパンはねばねばねばねばするし、ついでにかき混ぜている菜箸もねばねばねばねばしてくるし、あまり料理として楽しくないというか、めんどくさい料理ではある。片づけが大変なのだ。
だけれど、冷たい納豆をかけて食べるのとは違う、アツアツの納豆丼はちょっと独特な美味しさ。醤油と葱混ぜて、しかも肉が入っていてなんともゴージャスだ。見かけは、写真に撮るのもどうかと思われるようなシロモノではあるけれども。

数切れ乗せれば良いはずのレタスを山盛りにしてしまい、ショリショリ囓りながら納豆飯を食べる。
「おおっ、レタスで御飯と納豆巻いて喰っても美味しいぞっ!」
なんて言いながら。

三つ葉と牛肉のサラダ
夏香豆腐 with ピータン
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
御飯

「牛肉茹でて、おろし醤油ぶっかけて喰おう……」
と夕方になっても未だ30℃超の気温の中で、買い物して帰ってきた。が、肝心の大根を忘れた。アホだ。

仕方ないので、買い置きの三つ葉を使ってサラダ仕立てにすることにした。牛肉はしゃぶしゃぶに茹でて、生のざく切り三つ葉、輪切りにした赤唐辛子と混ぜ合わせ、そこに醤油と胡麻油を適当にぶっかけてかき混ぜればできあがり。食べ際に胡椒をガーリガーリと挽いてかける。確かケンタロウさんの本に載ってたサラダだった。ちょっと辛いけどこれが旨い。

あとは、角切り豆腐の上に香味野菜を乗せた夏っぽい冷や奴。きゅうりとみょうが、生姜を千切りにして氷水に放しておいたやつを冷や奴の上に積み上げて、そこにだし醤油をかける。香港で買ってきたピータンがまだあったので、それも乗せちゃう。

あとは、ちゃんとだしとって作った吸い物と、炊きたての御飯。暑い日は、おかずは冷たいものが有り難い気がするけれど、御飯と汁物は温かいものがあると何となく嬉しい……ような気がする。

実は前回作ったときに、醤油やラー油やらが多すぎて「……辛いよ」とだんなに不評だった三つ葉と牛肉のサラダだったが、今回はパーフェクト。醤油は心持ち少なめに、そこに味醂も少々落としてマイルドな味を目指してみた。もともと三つ葉に辛みがあるから、赤唐辛子やラー油の類はあまり入れない方が私達の舌には良いらしかったのだ。うむ、これで私好みの味〜♪

冷たい豆腐に冷たい三つ葉のサラダ。それでも外気温が30度越えていて(クーラーかけても28度までしか下がらないし)、「もうもう暑くて汗だらけ〜」という水曜の夜だった。

7/12 (木)
期せずしてカツカレーになったポークカレー (夕御飯)
スクランブルエッグ
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
御飯
麦茶

我が家の朝御飯は、大抵卵料理だ。
「目玉で良いですかー?玉子焼きとかスクランブルエッグとか。」
とだんなに尋ねたらば
「スクランブルエッグ〜」
との返事。卵3個をカッシャカッシャとかき混ぜて、塩胡椒して牛乳少量入れて、バターたっぷりのスクランブルエッグを作った。吸い物とは、いまいち味が合わないような気がしないでもないけど、まぁ気にしない。

香港旅行に行ってる間、巷では各種メーカーからマンゴープリンがわさわさと発売されていたようなのである。午前中に近所のコンビニをいくつか覗くと、案の定聞いたことのないメーカー2社から発売されていたのが簡単に見つかった。不味かったら悲劇なので、こういう「試し食い」は大体1個だけ買ってきて1人で食べる(息子に手伝って貰ったりもするけど)。昼御飯はマンゴープリン2個という、なんとも不健康な事態になってしまった。

前者は小ぶりで80円。後者は妙に巨大で150円。まるで「大きなつづらと小さなつづら」のようだ。中身はというと、大きな方は大味というか何というか、妙に希薄な良くわからないプリン。小さな方は、それなりにマンゴーの果実味が感じられる口当たりも柔らかなものだった。同じ名前を冠するデザートなのに、その味ときたら本当に千差万別だ(そして大概は、メーカー製品のものは不味い……)。

しかし、去年は名前も聞いたことがなかったような中小メーカーまでこぞってマンゴープリンを発売するようになった。本当に今年はブームなのかもしれない。ブームになりすぎちゃっても困るんだけどなぁ(追いかけるの限界になってくるし、数出てくる割には美味しいのが少ないし)……とぐちぐち言いながら今日もマンゴープリンに囲まれる私。

カツカレー
生ハムのマリネ
バジルマヨネーズのスティックサラダ
クラムチャウダー
モルツ、アイスカフェオレ

ここ数日、カレーが食べたくて食べたくて食べたくて仕方のなかった私。
クミンだのコリアンダーだのを放り込むスパイシーなやつじゃなくって、カレールーを溶かしてつくる、あのもっさりしたごくごく普通のカレーが食べたい。
「"こくまろ"かな、"熟"かなー?」
と好みのルーの名前を呟きつつ、肉屋でカレー用ぶつ切り豚肉を買ってきた。今日は"熟カレー・中辛"だ。

玉ねぎとにんじんを炒め、肉も放り込み、全体をざかざか炒めて水入れる。しばらく煮たところでおもろに追加の玉ねぎ(先に入れたのは溶けちゃうから)とじゃがいもを放り込み、それが崩れない程度に煮えたところでルー投入。期待の"もっさり"カレーができた。

ついでにサラダ菜とにんじん、きゅうり、パプリカなどの野菜を盛り合わせ、自家栽培バジルで作ったジェノバペーストをマヨネーズに混ぜ込んだものを添える。更に安売りしていたアサリを使ってサラリとしたクラムチャウダーも作った。期せずしてご馳走になりつつあった。

しかし、事態は更に「ご馳走化」の道を歩む。
「福神漬け、買ってきてねー」
と頼んでおいただんなは、福神漬け20袋くらい入ってんじゃないかというくらい大きな袋を持って帰ってきた。
「ニュークイックがさー、閉まる直前で大安売りしててさー。」
とニコニコしている。600円くらいする生ハムのマリネが100円だとか、揚げ物類も5〜6個買って数百円とか、そんな世界が繰り広げられていたらしい。
「もう、安くなるの待ってるおばちゃんとかさー、いるの。」
そのおばちゃんと、だんなは混ざって買ってきたようだ。袋の中には生ハムのマリネのパックと、とんかつ、コロッケ、メンチカツなどがひしめきあっていた。食卓はもう、超ご馳走化していた。ポークカレーは突如豪華カツカレーに早変わりだ。

期待の「もっさりカレー」を堪能しながらカツを囓る。ちょっと塩気の効いた生ハムのマリネは、それでも良い箸休めになった。生のバジル独特の青臭さが香るバジルマヨネーズをサラダ菜にちょいとつけて食べ、潮の味のするベーコンや野菜ごろごろのクラムチャウダーを飲み込んだ。本当にご馳走だ。

大盛りカレーで満腹した後は、「カツオVSサザエ」対決の「どっちの料理ショー」観戦。
つい十数分前まで「カレーうめー!」「もーサイコー!」とか言っていたのに
「あ、あ、あ、でっかいサザエ……いいなぁ……」
「いやいや、あの新鮮そうなカツオが……」
とか言ってるんである。とほほ。

7/13 (金)
この季節、食後は桃〜♪
2日目のポークカレー
生ハムのマリネ
バジルマヨネーズのスティックサラダ
クラムチャウダー
福神漬&らっきょ
アイスカフェオレ

今日は、体温以上に気温が上がるかもしれないのだとか。
「あづい……」
と朝からダレダレ気分で洗濯機なぞ回し、朝御飯は昨夜に引き続きカレー

夏のカレーは大変に危険だ。「3日目あたりが美味しいのよね♪」とか言ってるうちに「3日目のカレー」は「腐ったカレー」になっちまうのである。3日目のカレーは美味しいけど、腐ったカレーは食べたくない。なかなか難しいせめぎ合いが鍋の中で展開されているのである。

だから今回、カレーはいつもの半量ほどしか作らなかった。炊飯器に残り少ない御飯を皆で分け合いつつ、さらさらと軽くカレーを食べて各自出勤。

今日は本気で暑かった。息子を保育園に置きつつ駅に向かうだけで500mlほどの体液が失われ、車内で50mlほど失われ、乗り換えに120mlほど失われ、駅から大学へ向かうところで200mlほど失われ……という感じで、研究室に着くなり500ml麦茶を一気飲みしたのにまだまだ渇きは癒えそうになかった。うおー、身体が溶ける〜〜〜。

研究室は、クーラーが「強」でかかりまくっているのでなかなか涼しいのである。閉めてある大きな窓の向こうには銀杏の大木が見えて、そこから威勢の良い蝉の声が聞こえてきたりもする。ああ、暑そう。死ぬほど暑そう。出たらひからびそう。

結局昼御飯は、どうもあまり食べたいものもなかったので、朝買ってきたプリンを喰って済ませるだけになってしまった。ここ数ヶ月、異様な勢いで各社から出まくっているマンゴープリンだけれど、当たりのものがさっぱり少ないのはどうしたことか。今日のも「そりゃマンゴープリンじゃなくてマンゴーゼリーだろう」てな感じのものだった。各社沢山売りたくて作ってるだろうに、なんでこんなに不味いもんばっかなんだ。しくしくしく。

2日目のポークカレー
生ハムのマリネ
バジルマヨネーズのスティックサラダ
クラムチャウダー
福神漬&らっきょ
牛乳

あまり暑くて、頭の中は「ビール、ビール、生ビール」という状態で帰宅した。「今すぐ私の血液をビールに変えて!」などとわけのわからぬことを思いながら出勤着を脱ぐ頃には「今日はもう絶対ビヤホールかどこか行くんだもんね」という感じだった。なのに何故、
「ごめん……今日、遅くなる。」
と電話するか、だんな。

息子と2人で飲み屋に行っても何だか切ないし、そういやカレーもサラダも残ってたしで、結局昨夜と同じの晩御飯。米研いで炊いて、あとはコンロのスイッチをひねるだけの5分で準備完了の夕御飯となった。カレーにビールはちと違う気がしたので、息子と一緒に牛乳ぐびぐび。当初の予定から隨分健康的になってしまった夕食だけど、クーラーの効いた部屋でのんべんだらりと御飯食べるのもやっぱり良いものなのだった。

7/14 (土)
マンジャペッシェ(千駄ヶ谷)にて「フォアグラととうもろこしのスパゲティ」 (昼御飯)
Johanの
 コーンパン
 アップルパン
アイスティー

今日はおでかけ。
「現在、台場のフジテレビでやっている"マッチ棒展"を見に行くついでに、千駄ヶ谷のマンジャペッシェで昼飯を食べる」
のがその目的だ。”マッチ棒展”は、月曜夜11:00から放映している「あいのり」に出てきた漫画家志望の男の子が描いた絵(というか漫画)の無料展覧会だ。実はここ数ヶ月、「あいのり」を「うぉー、くっつくかくっつかないかはっきりせんかい!」とやいのやいの夫婦して見ていたのである。彼の描いた絵は似顔絵も非常になんちゅーか上手く、「原画が展示されるなら、見に行きたいねぇ」とわくわくしながら見にいくことにしたのだった。

朝9時起床。今日も暑い。
昨日、お義母さんからJohanのパンをいただいてきたのでそれで朝御飯。コーンを混ぜ込んだコーンパンと、リンゴの甘煮がごろごろ入るアップルパン。息子は牛乳、私はアイスティー、だんなはアイスコーヒーと、好き勝手なものを飲みながらほの甘いパンを囓った。よっしゃ、出かけよう。

千駄ヶ谷 マンジャペッシェにて「Bコース」
 前菜盛り合わせ
 フォアグラととうもろこしのスパゲティ
 沖縄島豚の香草パン粉焼き
 盛り合わせドルチェ
 エスプレッソ・ヤマモモのリキュール
 生ビール

「マンジャペッシェ」は原宿と千駄ヶ谷の間にある。千駄ヶ谷まで出た私たちは「L'EPICIER(レピシエ)」で茶などたんまり買い込んで、タクシーに乗ってレストランへ向かうことにした。何しろ、暑い。

午後1時、店は何だか非常なまでに混み合っていた。ほとんどが若いカップル客だ。女性のグループ客も多い。どうやらすぐ近所のファッションビルでセールが開催されているようなのであった。メニューを眺めて、魚か肉料理もついてくるBコースを注文。数種類から選べるパスタとメイン料理がついてくるけれど、私はどうしてもアラカルトメニューに載る「フォアグラととうもろこしのスパゲティ」が食べたかった。で、コースについてくるスパゲティは息子にあげることにして、私はそのパスタを追加注文。

あまりにも喉が渇いていたので「な、生ビールをください……」とスプマンテではなくビールをいただいて、いざいざ豪勢な盛り合わせの前菜にとりかかる。
たっぷり10種類が盛り合わされた冷菜は、今日も豪華だ。タコのマリネ、鯵のグリルの緑のソース、アーティチョークのマリネ、カボチャのタルト風、タコの野菜和え、ごぼうの牛肉巻きなどなど。どれも味に適当なメリハリがあって楽しい。淡い酸味のズッキーニのピクルスは良い具合にオイルがたっぷり絡まっていたり、ごぼうの牛肉巻きはどこか和風の甘辛い味。緑の野菜のソースがかかる鯵もこんがり焼かれている。どれもこれもビールに似合って、なんとも気分が良くなってくる。へらへらしながらパスタを待つ。

待望の「フォアグラととうもろこしのスパゲティ」は、フォアグラととうもろこしの2つの甘さが程良く絡んだものだった。ほろ苦いフォアグラからこってりした甘さが染み出てきて、それがパスタにまとわりついている。そこにシャキシャキと良い歯触りの軽い甘さのとうもろこしがたっぷり混ぜ込まれているのだ。フォアグラもとうもろこしも大好物な私はひたすら嬉しかった。オイリーだけど、くどくもない。
だんなのパスタは「つぶ貝と青唐辛子のトマトソースのスパゲティ」はじわっと辛い唐辛子が効いた濃厚なトマトソースのパスタ。息子には「むぎイカとルッコラのオイスパスタ」。苦みのあるルッコラがイカのワタと絡まって、濃い旨味のあるものだった。どれも美味しい。結局皿を皆でぐるぐる回して食べてしまうのだ。

メインは、私が沖縄島豚、だんなが比内鶏、共に香草パン粉焼きにしたもの。ブラウンマッシュルームのペーストを敷いた上に香草パン粉がこんもりと盛られた肉がこんがりと焼かれている。茄子やエリンギなどの野菜のグリルつき。香ばしいパン粉がシャリシャリとたっぷりまぶされていて、歯ごたえもあるけど旨味が溢れてきそうな肉が良い感じだ。

1年以上ぶりに来たこのお店(←同じ系列の青山アクアパッツァにはやけに頻繁に行っているのに……)、味は相変わらず惜しみなく美味しいのである。何食べても「うまうま〜♪」という感じであったのだけど、私とだんなは
「……やっぱり、どうも青山アクアパッツァが好きなんだよねぇ〜」
という結論に達してしまった。客席が多い所為もあるのかもしれないけれど(その分スタッフも多いとは思うのだけど)、客席への気配りがほんのちょっと足らない気がする。空いた皿がなかなか下がらなかったり、前菜前にやってくるはずのパンがメイン料理の直前にこちらが言うまで出てこなかったり。ほんの些細な事が少しずつ重なって「おいおい、大丈夫かぁ?」という気分になってくる。比べたくないけど、ついつい頭の中で他の系列店の対応ぶりと比べてしまったりなんかして。

メインを食べて腹一杯になったところで、総料理長の日高良実さんがふらっとテーブルにやってきた。「どうもどうもこんにちはお久しぶりですお世話になっています」と互いにぺこぺこお辞儀する。今秋に西麻布店が広尾に移転し、来春には三島に新店舗ができるらしいので忙しそうだ。
「今、周囲がファミリーセール沢山やってるんですよ〜」
なんて話を聞き、「そうそう、近所にサングラスのセールやってるお店があって、今日までで……」と招待状を譲ってもらってしまった。徒歩1分くらいの、普段はショールームをしている事務所でセールをやっているらしい。おおー、いいっすねぇ!と食後に行ってみることに。

で、ドルチェだ。
盛り合わせで1つ皿でやってきたのはマンゴーのケーキ、バナナとココナッツのタルト、ブルーベリーのタルト、黒糖とナッツのタルト、ピスタチオのアイスクリームにメロンのジェラート。ガラスの平皿にどかどか乗せられたドルチェは迫力だ。更にまた、
「こちら、日高からです〜」
と小さなグラス入りの赤いお酒もやってきた。なんでもヤマモモのリキュールらしい。

旬が2〜3週間しかない美味しいヤマモモをリキュールにしたものなのだとか。グラスを持ち上げるだけでふわふわと梅にも桃にも似た甘い香りが漂ってきて、口にすると口から鼻からその香りで一杯になる。喉が一瞬アルコールで焼けるような感触があって、濃い甘さと共にすっと奥に消えていくリキュールは、なんとも美味しい食後酒だった。リキュール啜ってアイスを舐めて、リキュール啜ってタルトを囓って、とやっているといつまでもここに座れてしまいそうだ。
「あ、やばい、なんか気持ちいいや。」
「いつまでも甘いもん喰ってたい気分……」
と、すっかり御機嫌になってしまって店を後にしたのだった。

半分酔っぱらいつつ、先のサングラスセールの店に行ってみる。
KENZOだのBOSSだののメーカーものサングラスが全て軒並み2000円という価格で売られている。サンプルものは1000円。試着しまくって、結局3個のサングラスを購入してしまった。買ったばかりのサングラスかけていざいざお台場へ。確か今日の本来の目的は展覧会に行くことだったのだ。

台場AQUACITY Maharajaにて
 ラッシー 2杯
台場メリディアンホテル前テラスにて
 かき氷(いちご)

昼飯後、ついつい渋谷に寄ってビッグカメラだの本屋だのを覗いてしまったのである。たまに大型本屋に行くとついつい10冊くらい書籍を買ってしまうわけで(ゲームの攻略本から漫画から料理本まで)、大荷物抱えてお台場に辿り着いた時にはもう午後5時過ぎになっていた。フジテレビは大混雑。最悪なことに「”マッチ棒展”待ち時間5時間、本日の整理券配布は終了しました」なんて看板がかかっていた。あうあう、今日の本来の目的が……。

「あいのり」の人気ぶりを舐めていたね、と仕方ないのでAQUACITYで一休み。1階のファーストフード店が並ぶコーナー、インド料理を出している「Maharaja」のラッシーは1杯210円でなかなか美味しい。ラッシーとマンゴージュースと冷たいマサラチャイを並べて皆で飲みつつ足を休める。ちょっと薄めだけれど、それだけにグビグビ飲めるここのラッシーは疲れた時にとても嬉しい味だ。僅かに酸っぱくほんのり甘く、疲れた足が蘇ってくる感じ。

「いかん、水分が足りない……もう一杯……」
とついついラッシーをお代わりしてしまう私だった。

それでも足りずに、帰宅直前かき氷まで喰う。あうあう、水分が足りない……(昼御飯にアルコール摂ったから、喉乾いちゃって、もう)。

握り寿司
ビール、抹茶入り玄米茶

あちらこちらをぷらぷら見つつ、帰宅してみると午後8時過ぎ。
「夕飯は、とりあえず風呂!そいでもってビール!あとは寿司でもあれば充分!」
とテイクアウト用寿司屋で握り寿司を買ってきた。

「旬の握り」なるセットはイクラやウニ、トロやら青魚やらカンパチやらイカやらがなかなか好みの具合に詰まっている。
一日の汗をシャワーで流して流し込むビールは大層旨かった。ビールと共に喰う寿司もやっぱり旨かった。
探していた本も大量購入できたし、おニューのパジャマも買えたし、香港で買ってきた中国茶保存用のお茶缶も買えたし、アイスティー用のお茶っ葉も買えたし、真の目的が達せられなかった割にはなかなか充実した一日だった。やれやれ。

7/15 (日)
お祭り屋台で買ってきた焼き鳥 (夕御飯)
うどんですかい
麦茶

今日もまた、とびきりゴージャスに蒸し暑い。のっそりと起き出した私たちは
「……うどん?」
「……そば?」 と妙に指向は麺類に流れがちだ。口当たりと喉越しの良い冷たい麺料理は夏にはとてもありがたかい。
「……でも、準備めんどくさいねー」
と、結局がさがさと「うどんですかい」の発掘に励むことになってしまった。ミニカップのインスタントうどんは朝食にはぴったり……かもしれない。

ピノ

中華つけ麺
アイスウーロン茶

チョコレート
牛乳

お昼頃、近くの大型スーパーにお買い物。切れていた酢だのマヨネーズだのサランラップだのを買い求め、あれもこれもと買い物しているうちに「どう見ても自転車で持って帰れない量」という買い物量になってしまった。泣きたくなりながらヒーヒー言いつつ持って帰り、帰るなりアイスクリームを食べる。ちょっと溶けかけた柔らかな「ピノ」が良い感じ。あちー。

昼御飯は、そしてまたもや麺類。
「冷やし中華が食べたいなぁ〜」
というだんなに、「なんかしょっちゅう食べてるから却下」と私はつけ麺を買ってきた。酢の酸味がないつけ麺は、ちょっと好物だ。
ハムを刻み、きゅうりと刻み、錦糸卵も作って盛り合わせ、皆でちゅるちゅると汗をかきつつ食す。

そして昼寝。日曜日は平和なのだった。

お祭り屋台にて買い食いした「ドネルサンド」
お祭り屋台で買ってきた焼き鳥
お祭り屋台で買ってきた大阪焼き
モルツ

昨日今日と、近所の神社は年に1度の盛大なお祭りだ。我が家の近所のバス通りがえんえん数百メートルも通行止めになり、多数の屋台が昼から夜まで並びまくる。せっかくだから、と屋台をひやかしに夕方皆でぷらぷらと歩いてみた。今やきんぎょすくいやスーパーボールすくいは1回300円が相場らしい。たこ焼きや焼きそばなども軒並み500円前後。

「昔は、100円玉1個でなんでも買えたのにね」
などと言いつつ、高すぎる屋台の料理にはいまいち心惹かれずに歩いていた。買ったのは半額で売っていた小さな花火のセットと焼鳥屋が店頭で販売していた1本80円の焼き鳥。

「いかにもテキ屋です」みたいな顔のおっちゃんや兄ちゃんばかりが店をやっている一角で、イラン人っぽいいかついおっちゃんが「ドネルサンド」なる屋台を開いている。太い鉄棒に肉をぐるぐると巻き付けたやつを炎でこんがりあぶっていき、それをそいではフライパンで炒めている。炒めた牛肉はレタスやトマトなどと一緒にケチャップやマヨネーズで和え、それを炎でさっとあぶったピタパンに詰めて渡してくれる。1個500円。それでもそれは、何だかとても美味しそうだった。

「1つ、ちょうだい」
と貰って、「タバスコ、かけますカー?」と聞かれたのを「いらないいらない」と断り、キッチンペーパーでくるまれた半割のピタパンを囓りながら歩く。シャキシャキのレタスにトマト、牛肉も香ばしく良い感じだ。周囲は浴衣の女の子がいっぱいの日本のお祭りで、なんか異国のもの喰ってるというのは面白い。良く見ると、周囲には「チヂミ」の屋台なども出没しているのであった。最近のお祭りは多国籍だ。

「ソースせんべい、なかったねー」
などと言いつつ、大阪焼きなども買って帰宅。帰るなりビールを開けてパック入りの各種お土産をつつく。
焦げ目が多すぎるくらいにこんがり焼けた焼き鳥は案外と美味しかった。正肉に白モツ、つくねにねぎま。キャベツや紅生姜がたっぷり詰まった"小型のお好み焼き"然とした大阪焼きにマヨネーズたっぷりつけて食べつつ、
「なんか、自堕落って感じ〜」
と日曜夜のだらだら気分を満喫した。
今日は夜10時頃までお祭りは続くということだ。夏だねぇ。