食欲魔人日記 01年11月 第4週
11/19 (月)
ガーリックサイコロステーキ (夕御飯)
おむすび
いぶりがっこ
冷茶

最近、御飯の残りはおむすびにすることが多い。羽釜で炊いた御飯は、ただ塩でむすぶだけでもすごく美味しいのだった。漬物2切れでもあれば、もうそれで立派な食事という感じ。

今朝は私もだんなも寝坊して、
「本日午前の獅子座流星群の観測が各地で……」
などというNHKテレビの音声だけを布団の中で聞きつつ、起きたのは8時前。だんなは「並と味噌汁だな」と吉野家に思いを馳せつつ出勤してしまい、残った私と息子でおむすび1個ずつ食べることにした。時間もないので冷茶とたくあんだけを出し、居間のストーブの前にぺたりと座り込んでの朝御飯。

塩気少なめのおむすびは冷めているけど米の一粒一粒の味がするようで、じわんと美味しかった。さー、保育園行こうね、息子。

フランスパンのバタートースト
ホットミルク

今日は比較的のんびりできる一日で、「積ん読」状態になっていた雑誌類を読み倒したり片付けたり、そういえばあと1ヶ月だしとだんなのクリスマスプレゼントをインターネットで探してみたりしていた。ああ、平和。

今日の夜には買い置きの牛肉でステーキ予定で、一人の昼はごくごく軽くトーストだけにすることに。ごろんと大きく平たいフランスパンを薄切りにしてバターたっぷり塗ってこんがりと。ひとりだしと心持ち多めのラム酒など垂らしたホットミルクを啜りつつ、バリバリとパン屑を散らかしながらの昼御飯。

ガーリックサイコロステーキ
マッシュポテト with ラグーソース
パンチェッタとキャベツの炒め 水菜とじゃこのサラダ
けんちん汁
羽釜御飯
よなよなエール、アイスウーロン茶

まだまだまだまだ牛肉が安いのである。そいでもって、我が家にタブーというものは基本的にないのである。サイコロステーキ用の肉が安売りされているのを見て、先日どかっと買ってきた。冷蔵庫には野菜もいっぱい詰まっていて、今日はちょっとばかり気合いを入れてあれこれ作ってみた。

肉は塩胡椒で焼きっぱなしにするかドミグラスソースかけるかバター醤油にするか。ちょっと悩んでガーリックステーキにすることに。薄切りにんにくをこんがり炒めて除けておき、塩胡椒した牛肉を頃合いに焼いたところでにんにくを戻し入れて軽く炒め合わせればできあがり。多分5分もせずにできるはずだから、これをやるのは食前直前。

小鍋には昨日のラグーが残っていて、肉もいい加減煮くずれたソースを見ていたところ「……ステーキにかけるというより、マッシュポテトという感じ?」と思いついてマッシュポテトも作成。茹でたじゃがいもに塩と胡椒、牛乳(←本当は生クリーム入れるんだけどないから代用)と少しのコンデンスミルクを入れてペースト状に。皿にこんもり盛りつけてラグーをぶっかけて添え物にする。それと、余りもののパンチェッタ(イタリアのベーコン)の細切りをじくじく炒めて細切りキャベツと一緒に炒めてこれも皿にこんもりと。

洋食チックなおかずができたからにはコンソメスープとかクラムチャウダーとか、小洒落たスープを作れば良いものを「うん、ごぼうと大根……にんじんもあるな」と作ったものがけんちん汁。しかも鍋用にと買って残った水菜を使ってちりめんじゃこと一緒に胡麻醤油味のサラダにして添えてしまった途端に「お洒落な洋風ステーキ夕食」は「おっかさんのステーキ定食」になってしまった。でも、食卓は豪華。

カリカリにんにくの風味が効いたサイコロステーキを噛み締めつつ、こってり味のラグーを絡めたマッシュポテトやパンチェッタの旨味が染み出たキャベツをビール片手にばくばく食べる。ビールを飲み干してから味噌汁と御飯はいつものコースで、
「ほいじゃ、味噌汁よそうねー」
と私が立つと、
「ほいじゃ僕は御飯をよそうよー」
とだんなが立ち上がってくれるのも、大体いつも同じ。

「おゆきさん、大盛り特盛りてんこ盛り?」
と聞いてくるのも、これまたいつも同じだ。一度どのくらい盛られるのかと気になって
「じゃ、てんこ盛りください」
と言ったら本当にハンパじゃない量の御飯が茶碗に積み上げられていて、その漫画のような光景に絶句したこともあった。それからは「大盛り特盛りてんこ盛り?」と聞かれても
「……ふつうで」
とか
「……軽めで」
などと答えることにしている。そんなにだんなは私に山盛り飯を食わせたいのだろうか。それとも「そんな誘惑に負けずに痩せろ」という婉曲なダイエット勧告なのかもしれない。

手でわしわしと崩して放り込んだ豆腐が浮くけんちん汁には刻み長ねぎをたっぷりぶっかけて食べる。おかずがステーキでもマッシュポテトでも、味噌汁と御飯が揃うと雰囲気は一気に和食になってしまう。……ま、"うちの御飯"なんてのはそうそう気取るもんじゃないし。いいのだ、これで。

11/20 (火)
ドゥリエールのモンブラン (夜のおやつ)
目玉焼き
けんちん汁
御飯
抹茶入り玄米茶

昨日作ったけんちん汁は、我が家の大きい方から数えて4番目に大きい鍋にたっぷり作ったのだった(※一番大きなのは容量20リットルはあろうかという寸胴鍋だ。給食鍋じゃあるまいし)。まだまだまだまだある。2日目のけんちん汁は、味が染みてなんとも旨い。食べ際にぶわっと刻み長ねぎをぶっかけるのが好みだ。

半熟に焼いた目玉焼きは御飯に乗せて、箸で黄身をつついて破いたところに醤油を数滴落とし、御飯になじませつつ卵と飯を同時にはぐはぐと食べる。生卵をかけた御飯も美味しいけど、目玉焼き丼はまたちょっと違った食感で旨い。

照り焼きチキンサンド
アイスカフェオレ
ヨーグルト

本当は出勤日だけれど、今日から大学は文化祭ウィークに突入する。今日の午前で授業は終わり、22〜25日に文化祭らしい。私のボスは、お祭り騒ぎがお嫌いなようだった。
「火曜までは授業もあるようですが、出勤して宜しいですか?」
と先週末の私の問いに対して
「え、いや、結構ですよ。来週一杯は御自宅にいらしていてください。私はその……ガヤガヤすることが大変に苦手、でして」
とぽそぽそとした返事が返ってき、そういうわけで今週は余裕たっぷり。ちょっと嬉しい。

昼は無性に照り焼きチキンバーガーが食べたくなった。モスバーガーに出向こうかどうしようか考えて、そういやパンも鶏肉も我が家にあるじゃないかと思い直して自作する。
鶏肉はたっぷり塩胡椒してカンカンに熱したフライパンで中までじっくり火を通す。その間にバターを塗った薄切りフランスパンをオーブンで焼き、レタスをちぎり玉ねぎを刻んでおく。鶏肉が焼けたところで火を止めたフライパンに醤油と味醂を適当に注ぎ、余熱で軽く煮詰めて肉に絡ませる。

焼けたパンにレタスを積み上げマヨネーズをニョニョニョニョニョとかけまくり、上にパンと同じ大きさにカットした鶏肉をごろんと乗せる。上からもう1枚のパンをぎゅうとかぶせて、完成。楕円の形のフランスパンは大きめなものではあったけど鶏肉が巨大だったので2つのサンドイッチができた。皿に並べて熱いところを一人大口開けてくらいつく。

モスバーガーほどふわふわのパンじゃなかったし、モスバーガーほどこってり染みた鶏肉の味はしなかったけど、自作の照り焼きチキンサンドも悪くない。厚さ5mmほどのパンの間に挟まる具の厚みは3cmというところで、なんだか「パンで鶏肉をサンドしている」というよりは「鶏肉の上下にパンが張り付いている」という感じ。やたらとボリュームのあるサンドイッチになってしまった。

わかしの刺身
わかしのたたき
水菜とじゃこのサラダ
冷や奴
けんちん汁
羽釜御飯
よなよなエール、アイスウーロン茶

ドゥリエールのモンブラン
カフェオレ

最近、何かというと「クック&ダイン」の長井水産「朝獲れ鮮魚セット」を買っている。その日の午前中に水揚げした魚をその日のうちにネットに掲示し、その日の午後で注文を締めきって翌日午前に注文者に届ける、というイカしたシステムの魚セットだ。鮮度はスーパーの比じゃなく、レストランで出すようなものと変わらないことになる。不味いはずがない。いや、実際、美味しい。ちなみにその「長井水産」は今が丁度旬の"いわし"で「どっちの料理ショー特選素材」で出た会社だ。

今日届いたものはわかし(←ぶりの幼魚)が1尾にいわしが3尾、小いさきが3尾、それで1750円。
午前中に届くなり、うろこを取ったりワタを取ったりして下処理しておいた。夕飯のメインは、わかしの刺身。
ここ数ヶ月、丸のままの魚を触る頻度が一気に増えたりしたので、ちょっとずつ魚捌きも上達してきた。とうとう日本橋の「木屋」で出刃包丁も買ってしまった。三枚におろしたわかしを刺身にし、中骨の部分と端っこのところはスプーンでこそげたりして"たたき"にする。たっぷりの刻み葱と生姜と一緒に包丁2本でトタタタタと叩きまくり、山盛りの魚を前にする夕御飯。

汁が煮えて煮えた、いっかにもな2日目の味がするけんちん汁と、羽釜で炊いた御飯、そして旨い刺身とたたき。今日も超絶御飯が進んで仕方のない夕御飯になってしまった。1膳目をもりもりと刺身をおかずに食べ、2膳目はたたきで食べる。更にたたきが余ったのでごくごく小盛りで3膳目もいってしまった。先日からのお気に入りは、たたきに胡麻油と塩を混ぜて御飯に山盛り乗せること。醤油で食べるよりも調味料の主張が少なくて良い感じであるように思う。水っぽくないところもまたステキ。

……で、さっんざん御飯を喰ったあとだというのに、今日はデザートもあるのであった。大好物のドゥリエールのケーキ。ちょっと前まで、プランタン銀座に入っていたり銀座三越に入っていたり、何かとデパートで買えるようになっていた店なのに、ここ2年ほどで一気にあちこちから退店してしまっていた。ホームページを見つけたところ、新宿伊勢丹と日本橋三越にしか、もうないらしい。あとはカフェに出向くか。

それをだんなに伝えたところ、
「ああ、それを聞いたら"ゼブラ"(←チョコレート味のミルフィーユ)が食べたくなってきた……」
と昨日あたりからうずうずしてしまったようで、今日、西麻布まで出向いて買ってきてくれた。
「おゆきさん、ゼブラかシフォンケーキかミモザかが良いって言ってたけど……もしかして、これが嬉しい?」
と箱の中にはモンブランが。あとはミモザとミルクレープ。そうそう、現在私のマイブームがモンブランだったりして、これはとても嬉しかった。

1個600円もするケーキは、値段も高い分食べ応えもばっちりだ。こってり分厚い生クリーム層にしっかりと密度のあるスポンジ、柔らかなマロンクリーム。ここのクリームはしみじみと美味しい。どれを喰ってもシアワセになれる。
……御飯3膳(というか、2膳と少し←自己弁護)食べた後には、ちょっと重くもなかったけれど。

11/21 (水)
いわしのフライwithタルタルソース (夕御飯)
小いさきの塩焼き 大根おろし添え
いぶりがっこ
けんちん汁
御飯
抹茶入り玄米茶

燒き魚のある朝御飯は、民宿か旅館の朝みたいだ。手間も時間もけっこうかかるけど、それだけシアワセ度も高い。ましてや「朝飯は白い御飯に限るよ、うん」というポリシーのだんなは妙に嬉しそうだった。

昨日届いた"小いさき"は、体長20cm前後の小さめのもの。1人1匹グリルでこんがり焼いていく。味噌汁を温めつつ大根おろしを作り、昨日炊いた御飯の残りはレンジでチンして温めてしまう。
これで卵焼きとか納豆とか焼き海苔とかほうれん草のおひたしなんかあったらもう完璧だけどと思いつつ、あまり時間もなかったので魚ばかりがおかずの朝御飯とあいなった。

こんがり焼けたいさきを箸でほぐしつつ、醤油をかけた大根おろしをばほっと絡めて口にする。塩をしっかりふった魚の塩加減とか大根の辛さとか醤油の旨味とか、あれやこれやが御飯で美味しく、御飯を美味しくしてくれる。最近すっかり魚が大好き。粗食ブームに乗って良い感じかもしれない(←なんかちがう)。

ツナマヨパン
アイスカフェオレ

家でお仕事な今日。息子を保育園に連れて行った帰りにパン屋で「期間限定セ〜ル」の文字を見て、「お、お、お」と吸い込まれてしまった。
しかし、安いのは「リンゴ入り蒸しパン」とか「プリンパン」(←これ、私はあんまり好きじゃなく……)とか、あまり触手じゃなかった食指が動かないものばかり。結局好物のツナマヨパンを定価で買ってきた。

ツナが見えないほどたっぷりのマヨネーズのかかったパン。私はマヨネーズもののパンが大好きなのだ。うふふー。

いわしのフライ
牡蠣フライ
揚げウィンナー
フライドポテト
千切りキャベツ
手打ちタリアテッレのバター・チーズ和え
コーンスープ
羽釜御飯
モルツ、アイスウーロン茶

昨日届いたいわしが3尾、だんなはそれを見て
「フライだフライ!フライにしよう!」
と強くフライを御所望だった。
「タルタルソース、いっぱい作ってさー」
……作るのは、私だ。"作ってさー"じゃなくてさー、だんな。

我が家では滅多に揚げ物をしない。カロリーがどうこうよりも、ただ単に準備や片付けが面倒くさかったり、揚げている途中に何だかお腹一杯になってしまうからなのであった。天ぷらやフライもの、どうもやらない。だからやる時は、一気に色々揚げたくなる。今日もまた、「タルタルソース作るなら……海老フライとか牡蠣フライとか?」と思い、牡蠣を1パック買ってきた。

更に、
「ぽてと!ぽてと食べるよー」
と息子に所望されて冷凍ポテトを1袋買ってきたし、
「おゆきさん!今日買い物行くならウィンナーも買ってきてください!」
「……揚げますか……?」
「ええ、揚げます」
と更にだんなにリクエストされてウィンナーも買ってきた。んもぅ、揚げ物しまくり。天井も換気扇も油っこいったらありゃしないのだ。

油が汚れないようにと、フライドポテトと揚げた後にウィンナー、それから牡蠣といわし、と続々と揚げまくる。お供にはやはり千切りキャベツであろう。それと、先日作った残りの、表面が乾きはじめてしまった手打ちタリアテッレも添え物にすることにした。茹でたての麺にバターを絡め、パルメザンチーズをたっぷりふりかける。我が家で一番大きな皿に盛りつけたのに、キャベツと麺とフライもので何だか大変な状態になってしまった。なんかこう、バイキング料理が並ぶカウンターに一緒に置いてもいいんじゃないか、という感じの。

んで、タルタルソースもがんばって作ったのである。ゆで卵を2個刻み、みじん切りにしたたっぷりのピクルスと、オリーブと、玉ねぎ、そして盛大なマヨネーズを一緒くたにボウルに入れてかき混ぜる。簡単だけど、なかなか美味しい。今日は残りものだった紫玉ねぎを使ったところ、何だかちょっとばかり不気味な配色のタルタルソースになってしまった。紫色はタルタルソースに似合わない……。

昨日届いたばかりの(一昨日の明け方まで泳いでいたであろう)いわしは、生臭さなどは全くなくてほこほことしていた。刺身も塩焼きもつみれも悪くないけど、フライもまたとても美味しい。卵とピクルスたっぷりのタルタルソースも当然似合うし、ウスターソースもこれまた似合う。テーブルには「どろソース」だのとんかつソースだの、名古屋で買ってきた"コーミ"というメーカーのウスターソースだのがずらっと並べられ、適当にあれこれぺたくたつけて食べた。……あああ、胸焼けしそうかも。

11/22 (木)
京樽のちらし寿司 (夕御飯)
ツナサンド
牛乳

今朝の寝坊は、それはそれは盛大だった。
だんながぺたしと止めた目覚まし時計、そもそも鳴ったことすら気が付かずに私は寝まくり、だんなもそのまま爆睡し、気がついたら8時を回っていた。ばたばたと出勤するだんな。それを見送る頭ボサボサの私。気が付くと息子も口を開けて寝まくっていて、「あ、もう、いいか……」と保育園も休ませることにして、全体的にだらだらと過ごすことに決定した。

10時半、のんびりと朝御飯。ホットドッグ用にと買ってきておいたドッグパンに、マヨネーズ和えツナを挟んだツナサンド。冷たい牛乳とツナサンド。昼は炒飯にでもしようかねぇ……と思っていたところ、義妹から電話。
「おねぇおねぇ、今日あいてるー?近所に中華料理店ができてさ、おかーさんと一緒に行かない??」
……そりゃもう、喜んで行っちゃうのである。

稲毛 帆船(ジャンク)にて
 担々麺
 鉄鍋餃子
 海鮮春巻
 大根餅

だんなの実家から徒歩3分ほどの距離、バス通りに面したところにこの地域にはちょっとそぐわないんじゃないかという感じの小洒落た店ができていた。「帆船」という。ジャンク、と読むらしい。どうやら飲茶屋であるらしい。御近所に飲茶屋ができるのはちょっと嬉しい。たとえ、ちょっとくらい不味くても(←ハナから期待してないし……)。

今日が開店初日のようで、たくさんのお祝い花に溢れた店内は全体的に"いっぱいいっぱい"だった。行列するほどの客は来ていないのに、あたふたあたふたしているのだ。メニューを眺めると、海老蒸し餃子や咸水角、大根餅にマンゴープリン、と点心名がずらずらと並んでいる。お義母さんが
「チャーシュー麺でいいかしら?……えーとね、チャーシュー麺3つとね……」
と注文し始めるのを「いや、いや、ちょっと待ってください……」とメニューを眺めて
「あ、私は担々麺で」
と気になっていた担々麺にしてもらう。あとは、息子用に大根餅とか、義妹のリクエストで春巻とか。

お店は、こちらが思っていた以上に大変なことになっているようで、真横に座った老夫婦は
「最初の2品が来てから、全然こないじゃないのー、もういいわ、もう」
と途中で席を立ち返ってしまった。麺料理も全員分揃って出てくることはなく、盛大に時間差攻撃でテーブルにやってくる。

やたらと柔らかくてへにゃへにゃとした大根餅は、腸詰というより「サラミが入ってんじゃないの?」という感じのやたらと塩気が強く油っこい物体が入っており、餃子や春巻は味はそれほど悪くはなかったけれども油の使い方が悪いみたいで何だかギットギトしていた。麺も、なんか伸びきっててビヨビヨしているような食感だし。あらららら〜ぁ。

担々麺には赤唐辛子が2本浮いていて、それ以外にも輪切りのやつがたっぷりと炒め肉に混ざっていた。表面真っ赤なスープは、「辛い中にもコクと甘さが……」てなもんじゃなくて、ただただ辛いだけ。唐辛子の辛さを感じさせつつ奥深い味を……とはほど遠く、唐辛子の辛さだけを全面に押し出したような、やたらとパンチがききまくった料理だった。

結論として、
「……東京じゃ、やってけないわね」
「おとーさんは連れてこられないわね」(←お義父さんはやたらと舌が肥えている)
「……もう来ないかもね」
とそれぞれ言い合いつつ店を後にしたのだった。御近所さんから嫌われてどうするよ〜、がんばれ中華料理店。

京樽のちらし寿司
焼き鳥3本(にんにく焼き・ねぎま・皮)
アイスウーロン茶
もも缶(白桃)

昼食後、いきなり
義母「おばーちゃんと、電車に乗ろうか〜?」
息子「のるー」
義母「じゃ、出発ね♪」
私&義妹「……え!?」
という話の流れで、突然皆で千葉に行くことに。帰ってきたのは夕方間近になってしまった。どうも朝から調子が良くないと思っていたところ、ゾクゾクしたりグラグラしたりゲレゲレしたり、急に具合が悪くなってきてしまった。おとなしく、寝ていることにする。

「調子、よくなくてー」
と、"今から帰る"電話をしただんなに伝えたところ、お寿司や焼き鳥を買ってきてくれた。私には、栗の乗ったちらし寿司。それと焼き鳥が3本。海老や椎茸、蓮根が乗った寿司には、実は大好物のピンクのでんぶもたっぷりかかっていたりして、何だかとても嬉しかった。喉は痛くないし食欲が無いなんてことは全くないので、はぐはぐとしっかり1人分の寿司を平らげた。

もう寝よ寝よと思いつつ、ついつい「どっちの料理ショー」観戦。
「そりゃーアナタ、カレーうどんに決まってるじゃないですかぁ……」
と鼻をすすりながらカレーうどんを応援し、
「リンゴでも剥こうか、おゆきさん?」
のだんなの声に
「いや……リンゴっちゅーより風邪だから……もも缶だよもも缶!もも缶開けてぇ〜!」
と、もも缶を連呼してだんなを呆れさせながら白桃の缶詰桃を囓った。うへへへへ、風邪気分、満喫。

11/23 (金)
だんな特製チキンドリア (夕御飯)
Johanの
 チョコ&カスタードデニッシュ
 コーンマヨパン
カフェオレ

どーにも熱っぽいと、昨夜は氷枕を作ってもらって午後10時過ぎに布団に入った。今朝起きたのは10時半。どうやら12時間以上眠っていたようで、さすがにスッキリした感じ。連休の初日、我が家はいきなりやる気がなかった。

昨日買ってきた菓子パンで朝御飯。クロワッサン状のパンの片側からはチョコクリーム、もう片側からはカスタードクリームが詰まっているというイカしたデニッシュは息子はもとよりだんなにも好評で、両側からの甘ったるさを嬉しく感じつつコーヒー飲みつつパンを囓る。溜まった雑誌を読んだりインターネットサーフィンしたり。
「ねーねー、どっかお出かけしよーよー」
と言っても
「だって君、風邪気味なんでしょ。だーめ」
と言われてごろごろごろ。

高円寺ナイルカレーにて
 ハンバーグカレー大盛り

「なんかこう、風邪をふっとばすためにもスパイスガツーンと効いたカレーでも食べたいのです」
とリクエストしたところ、お気に入りのカレー屋に行くことになった。「スパイスガツン」という意味では、駅前にあるインドカレー屋の「Shiba」の方が数億倍スパイシーだ。でも、各種カレー本に掲載されてしまう「Shiba」はいつ行っても行列なのだった。地元民たるもの、休日に行くのは自殺行為。で、スパイシーとはちょっとほど遠い「高円寺ナイルカレー」に。

30代ほどの御夫婦と、そのお母さんらしき人の3人でやっている店だ。席はたったの12席ばかり、午後2時に行くと、1組入っている客が出ていくところだった。のんびりしている。
私はハンバーグカレーの大盛り、だんなはエビめしのオムライス、カレーソースで大盛り。ここのカレーは、息子がおそろしく大量に食べるので私もだんなも大盛りを注文しないと互いの分け前がひどく少なくなってしまう。

メニューはカレーばかり。「エッグカレー」とか「海老フライカレー」とか、トッピングであれこれと種類がある。それと、オムライス。オムライスはチキンライスかエビめしか中身を選び、チャップかカレーソースか、ソースも選ぶ。それとスパゲッティにカレーをかけたやつ。それが全ての小さな店だ。
どれを頼んでも、自家製マヨネーズをかけたコールスローサラダがついてくる。

奥からはひたすらジュージューとかジャージャーとかいう音が聞こえてきて、注文してから15分ほどは待たなきゃいけない。しばし待つと、ツルンと綺麗に滑らかな黄色のオムライスと、どっしりした歯ごたえのハンバーグもアツアツなハンバーグカレーがやってきた。どちらにも黒々としたカレーのルーがたっぷりとかかっている。このカレーが、見かけに反して甘くて優しい味なのだ。スパイスのとんがった味はしなくて、でもしっかりカレーの味で、良く煮込まれたハヤシライスのソースにも似た妙に奥深い味がする。

午後2時の大盛りカレーを堪能して、お買い物して帰宅する。そうそう、我が家には真っ黒に熟れすぎちゃったバナナが4本もあったりして、今日はそれを使ってバナナケーキ作成。生クリームも買ってきて、久しぶりのお菓子作り。

だんな特製チキンドリア
よなよなエール、アイスカフェオレ

自家製バナナケーキ with ホイップクリーム
紅茶(ニルギリ)

「なんか、グラタンみたいなのが食べたいでーす」
と宣言したところ、
「グラタン?……うーん、ドリアはどうですか?」
とだんなに逆提案された。だんなはグラタンよりドリアがお好きらしい。

「海老ドリアでどうですか?」
とのだんなの更なる追撃に
「いや……チキンがいいなぁ、チキンドリア」
と反撃をきめ、夕飯はチキンドリアとあいなった。
「ゆで卵なんか、輪切りして上に並べちゃったりして」
の最後の提案には、反対するはずがない。

バターと小麦粉と牛乳でベシャメルソースを作り、マッシュルームや鶏肉でピラフを作ってゆで卵飾って……と、夕刻からだんなが一生懸命動いてくれた。私といえば、届いたばかりの組み立て式鍋ラックと大格闘を続けていたのだった。

ベシャメルソースが御飯にも絡んだドリア、上にはまんべんなく輪切りのゆで卵が飾られて、チーズがこんがり焦げたものがテーブルに出てきた。我が家で一番巨大な耐熱容器にみっっちりとドリアが詰まっている。心なしか山盛り状態のそれを、大きなスプーンでざくざくとすくっては小皿に分けつつ食べていく。巨大な山を崩していく気分だ。
塩気がちょっとばかり少なかったけれど、鶏肉たっぷりマッシュルームたっぷり玉ねぎたっぷりのドリアはとても美味しかった。塩気の少なさは上からざくざくパルメザンチーズをふってカバーしてみたり。

ただひたすらドリアをがふがふ食べた食後には、紅茶をいれてバナナケーキ。
そもそも、Web日記書き仲間のDちゃんが「バナナケーキを食べたい食べたい」と日記に書いていたのが発端だった。そういう事を聞くと私も食べたくなっちゃうのである。「どっちの料理ショー」で題材となった料理はすぐ翌日にでも食べたくなってしまう単細胞な自分なのであった。マスメディアにいいように踊らされるタイプかもしれない。とほほ。
で、これを参考に作ってみた。バナナた〜っぷり、砂糖は少なめ、強力粉も入るもっちりもっちりしたバナナケーキだ。それっぽくできたと思う。

多分こういうケーキは数日置いた方が美味しくなるのだろう、カレーと同じで。でも、これまたカレーと同じで、作ったらすぐに食べちゃいたいのである。実際、焼けた直後にアツアツのところを1切れ食った。

どっしり重めのねっとりしたバナナケーキに、ゆるめに泡立てたホイップクリームをたっぷりつけて食べる。苦めの紅茶が良い感じ。そういえば、「AFTERNOON TEA」が今ほど各地になかった頃(5年くらい前?)、嬉々としてバナナケーキを買って帰っていた記憶がある。それから後には、確かホテル西洋銀座のやつにはまった。直後にパークハイアット東京のパティスリーショップのやつに惚れた。
……でも、本当は一番好きだったのはかつて京王線沿線「仙川」駅近くの国道沿いに本店があった、「ストロベリーファーム」という名前のケーキ屋さんのもの。最盛期には新宿伊勢丹近くにも喫茶店を開いたりしていたけど、いつしか潰れて無くなってしまった。跡形もなく。
……あそこのバナナマロンパイ、すんげぇすんげぇ美味しかったのである。大大大好きだったのに〜。

11/24 (土)
回転鮨ハミータ(稲毛海岸)にて牛丼すし (昼御飯)
自家製ホットドッグ
カフェオレ

今日は早起き(←休みにしては、という意味で)、8時半起床。

今日はお義母さんが自転車を買ってくれるそうなのである。こっちが壊れた〜あっちが壊れた〜と大騒ぎして一向に買い換えない我が家に業を煮やしたのか、
「週末、スーパーで安売りするみたいだから買ってあげるわよー」
と言ってくださったのだった。ありがたやありがたや。

買い置きしていた材料を使って今朝はホットドッグ。バターカレー味の炒めキャベツを詰めて、焦げ目をこんがりつけたソーセージを挟んで、チーズをトッピングして最後にトースターで焼く我が家のホットドッグは相変わらず美味しかった。あ、あと約束まで15分しかないし。

稲毛海岸 回転すし 鮨ハミータにて
 お寿司いろいろ

自転車をキコキコこいで最寄りのからはちょいと離れた駅前に行き、巨大マーケットでめでたく自転車を買ってもらった。適当にその他の買い物をしてお義母さんと別れ、昼飯は家族で回転寿司。
「"ハミータ"って名前の回転寿司があるんだけどさー、吉野家グループなのね。で、なんと牛丼すしがあるっ!」
「おおー!すごいっ!行くよ行くよ、わたし、行くよ!」
大騒ぎして、行ってみることになったのだった。

実は、回転寿司に入るのは生涯二度目の私である。小学生か中学生の頃に一度だけ当時世間に登場したばかりの回転寿司屋に母と行ったことがあったけれど、その店が最低最悪でイクラが糸をひいていた。それを食べてしまってから「回転寿司なんてサイテー」という偏見を抱えたまま成長してしまったのだ。だが、「牛丼すし」は気になる。食べねばならない。

午前11時30分、混み合う寸前の店はまだまだ席に余裕もあって、ボックス席に腰掛けた。テーブルの隅にはお湯の出る蛇口があって、緑茶のティーバッグの入った湯飲みを押しつけてお茶にする。回るお寿司は、当然糸なんかひいていなくて、回転寿司ならではのちょっと変わったものもあってわくわくしてしまう。ああ、こんなに美味しそうなら早く来てみれば良かった。

「だんなっだんなっ、あの皿、500円だよっ」
「いーよ、食べても。食べなよ」
「いやー、でも500円だよ。すっごいねぇ。あ、あ、あ、あれも美味しそう……」
「いや、だから気になるなら取りなよ、喰っていいって」
一人盛り上がる私。だんなは目の前で「そんなことならもっと早く連れてきたのに……」と苦笑しまくっていた。

もみじおろしの乗った白身の魚にはレモンが添えられていたり、ツナコーンが乗った軍艦巻きがあったり。鮭は端がこんがりと焙られていたりした。リクエストすれば、直接どんどん握ってくれて、それも楽しい。私の回転寿司観がガラガラと崩れていく。
「あ、生ガキの握り、ください」
「へいっ」
「あ、あ、あ、あとね、あんきもの握りも」
「へいっ」
変なものばっかり頼んでいるのである。面白くて。

生牡蠣の握りは、本当に生牡蠣そのままの味でレモンを絞って食べる。「何も寿司にしなくても」という味でなくもない。あんきもは湯引きしたようなやつが万能葱の刻みともみじおろしを添えられて出てきた。肝の味特有の、ちょっとほろ苦さのあるこってりねっとりした食感の握りだ。これは美味しい。
あさりの椀を頼み、茶碗蒸しも持ってきてもらい、リクエストもしまくって目の前には皿がどかどか積み上がっていく。
「えーと、これが300円だからぁ……」
とついつい勘定してしまう。そして、待望の牛丼すし。

軍艦にされた上には、まさに吉野家のあの牛丼そのまんまみたいな肉がぽてぽてと盛られていた。味もまんま、吉野家のあの味だ。何も寿司にしないでも吉野家に行けば食べられるわけだし、と思いつつもニヤニヤニヤニヤしてしまう。一口で食べられる牛丼、海苔つき。
また食べよう、牛丼すし。ぜひぜひもうもう。

だんな特製ポークソテー with 千切りキャベツ
ほうれん草のバターソテー
崎陽軒のシウマイ
チキンドリア(昨日の残り)
豚汁
羽釜御飯
よなよなエール、アイスウーロン茶

昼過ぎ帰宅し、あとは家でごろごろごろ。1月半ばに家族旅行を計画中なのだけど、優先度ぶっちぎり一位だった台湾行きが、ぐらぐらとアジアビーチ方面へ移動。「セブだ!」「バリか!?」「いやいやマレーシアとか!」と盛り上がった挙げ句、プーケットに落ち着きそうな気配。インターネットを駆使してホテル情報やフライトスケジュールを調べてみた……ら、眠くなった。そのうち突っ伏して昼寝に突入。

「おかーさん寝てるんだからさ、シー……」
というだんなの声とか、動く音とか遠くでカサカサ聞こえていたけれどそのまま寝続ける。6時半に起きた時には洗濯物も片づき、風呂も洗われ、米研ぎまで完了していた。起き抜けの頭でカルピスなど入れてもらってちびちび飲んでいる脇で、だんなは豚汁の仕込みをし始める。おー、すごいな、だんな。

夕飯は、ポークソテーに千切りキャベツ、残りもののほうれん草でバターソテー。買い置きのシュウマイや、昨日の残りのチキンドリア。ずらっと並べるとなんだか御馳走になった。
だんなが焼いてくれたポークソテーは醤油とバターと、ほんのりウィスキーの味。煮詰めたソースが刻みキャベツに絡まると、これがとっても美味しいのだ。皿の隅に盛ったほうれん草のソテーも肉の油やバターのソースを吸って良い感じの味になる。

皿に残ったソースを「……御飯に吸わせたら美味しいよなぁ」と御飯を皿にあけて吸わせてせっせか食べていたところ、だんなに叱られた。
「おゆきさん!ダメだよ、そんな美味しいことするときは僕に一言いってくれなくちゃ!」
「……へ?」
「だって、一人で旨そうなことしてたら"あ、こいつズルイ"って思うでしょ?」
「思うけどさ……じゃ、何て言えば良いんで?」
「だからさー、"さー、御飯混ぜて食べようかな"と独り言いってみるとか、"私、御飯混ぜて食べるけど、だんなもする?"とか」
「やだよ、そんなこと言うの」
「でもだって、ズルイもん」

でも、おかずの汁を御飯に吸わせて食べるのって美味しいのよね。自分ちじゃなきゃできないしね。

11/25 (日)
豚味噌鍋のシメは、うどん♪ (夕御飯)
鯵の干物
崎陽軒のシウマイ
納豆
いぶりがっこ
豚汁
御飯
抹茶入り玄米茶

美味しい豚汁があって御飯の残りがあるとくれば、朝飯は必然的に和食になる。冷凍保存してある鯵の干物をチリリと焼いて、数個残った昨晩の焼売を温める。いぶりがっこも食卓へ、ついでに私の好物の納豆も出す。ちなみにだんなは納豆がかなり苦手だ。

あったかい御飯に納豆ぶわっと乗せて鯵の干物を囓る時、「あぁ、日本人で良かった」としみじみ思ってしまう。寿司を食べたり刺身を食べたりカツ丼を食べたりするときも同じ事を感じていたりするんだけど。
三歳児の息子も、どういうわけか納豆が大好きになってしまっていて、顔も手もネーバネーバネーバネーバ状態にしながらニコニコして納豆御飯と格闘していた。良いことだ。

モスバーガーにて
 フレッシュバーガー
 モスチキン
 オニオンスープ
 モンブラン

「昼は、久しぶりにたらこスパ〜♪」
などと言っていたのに全面的にやる気がなくて、買い物ついでにモスに行く。このシーズンになるとあったかいスープものが売られていて、それが目当てだったりする。当然、好物のモスチキンも目当てだし、輪切りトマトがどかんと挟まったハンバーガー類も目当てだ。スパイシーバーガー類とピリマメバーガー類との間でじっくり天秤にかけた挙げ句、フレッシュバーガーにしてみた。レタスがもしゃもしゃ入った厚切りトマト入りハンバーガーは大好物だ。

ポテトやらチキンやらジュースやらライスバーガーやら、あれこれと大量注文して家族でわしわしとモス昼飯。ここで本腰入れて食べると、下手な定食屋に行くよりも高くついてしまうのである。しかも200円のモンブランとか食後に喰ってるし。あああああ。

ところで、クリスマスシーズンにモスチキンを予約で買うとレゴブロックのサンタクロースが貰えるそうなんである。しかも予約のみの販売で600円のシフォンケーキが売られたりするのでる。マスカルポーネチーズ風味の生クリームがぎっちり詰まったシフォンケーキなんて、モスのやることだからきっと美味しいだろうと期待してしまうんである。しかもチキンでレゴサンタ(←しつこい)。

クリスマスは地鶏の丸焼きに日本一高いチーズケーキ!……と密かに予定完了していてはあるんだけど
「じゃ、じゃあクリスマスイブイブに……いや、イブイブイブに……!?」
と画策してしまうんであった。いいわぁ、モスチキンとシフォンケーキ。今度予約してきちゃおう。

豚味噌鍋
 (豚バラ肉・白菜・長ねぎ・うどん)
モルツ、アイスウーロン茶

今日は豚味噌鍋。酒粕たっぷり練り胡麻たっぷり、にんにくや生姜の風味がほわんと効いた練り味噌スープの豚肉鍋だ。脂身たっぷりの、上品さとは対極にあるような豚バラの薄切り肉をたくさん買ってきた。野菜の具はいつもどおり白菜と長ねぎ。きっと大根とか人参とかきのこなんかもすごく似合うだろうと思いつつ、ついつい白菜と長ねぎばかりを食べてしまう。

茶色く煮えた肉と野菜を盛りつけて、刻み万能葱をぶわっと散らして七味をぶっかけ、スープと共にずるずると食べる。全体的に具が真っ茶色に染まる頃には身体も芯から温まってきて、最後のシメには冷凍うどんの投入。味噌スープが絡んだうどんは相変わらず涙ちょちょぎれるほど美味しいのだった。

「豚味噌鍋にしよう!」と言い出しっぺのだんなは御機嫌。バラ肉を前に、おもむろに歌い出すのであった。
夫 「バラは、バラはぁ〜♪」
私 「え?気高く咲くんですか?バラ肉が?」
夫 「ちがうよー美しく散るんだよー。……鍋の中で」
……おあとが宜しいようで。