ふりかけ御飯
牛乳
「作った翌日が美味しいのよね」という豚汁も、さすがに4日目にもなると煮詰まっちゃってるし具は全部渋茶色に染まっちゃうし、なかなか大変なことになっている。その、人参だか大根だかの区別もつかなくなるほどに煮えた豚汁もまた、それはそれで美味しい。しかも昨夜に蟹の殻を放り込んだので、鍋の中身は"蟹風味の豚汁"という少々謎な物体に変貌していて、それもまたそれはそれで美味しい。
「さすがに今日あたり飲み切らなきゃね」
と今朝は白い御飯の朝ごはん。冷凍御飯をチンしてたらこふりかけをかけ、御飯の傍らの4日目の豚汁。
あまり大きな声じゃ言えないけれど、私は豚汁と一緒に牛乳を飲むのが好きだったりする。何故かはわからないけど、豚肉と牛乳は良く似合うと密かに思っている私。あっつい豚汁啜りながら、その合間に冷たい牛乳飲むのがたまらなく美味しく思える。冷たい麦茶や冷たいウーロン茶では今ひとつダメだ。何故か、牛乳。
ちなみに「豚汁とバタートースト」という組み合わせも捨てがたい。バターたっぷりの厚切りトースト囓りつつ豚汁飲むのも、不思議と良く似合うのだった。ちょっとヘンな光景だけど。
だんな特製 豚肉と青梗菜のうま煮
キャベツのナムル
中華スープ
羽釜御飯
ビール(コロナ)
葡萄
遅めの朝食だったので、だらだらとお菓子つまんだりしていつのまにか夕方に。
夕御飯のメインディッシュは、昨夜天津丼にしたやつの残りの蟹。既に蒸したか茹でたかしてあるものだったので、そのままテーブルにどかんと出してバキバキ食べることに。
私はスープの準備をし、「豚汁の会」の千切りキャベツの余りがあったのでそれをナムルに加工。更に、ずっと作りたかった"ジンジャーエールシロップ"(クラブソーダで割ればジンジャーエールになる、ジンジャーエールの素)を後ろ側のコンロでことこと作り出した。
そして私の背後ではだんなは"豚肉と青梗菜のうま煮"作り。蟹だけじゃ御飯のおかずにならないねぇ、八宝菜みたいな味のおかずが食べたいねぇ、ということで豚肉と青梗菜、長ねぎは無かったので代わりにポロねぎを使ってうま煮にすることとなった。
「やっぱり無言になっちゃうのよね〜」
「蟹は危険よね〜」
「"蟹だ!"というだけで内心盛り上がっちゃう自分がちょっとイヤよね〜」
「絶対美味しくない!とわかっていても"蟹食べ放題"なんて文字に惹かれちゃうのよね〜」
などとぽつぽつ話しながら、基本的に沈黙が続いた今日の夕御飯前半戦。
"よく考えたら、うま煮は蟹喰い終わってから作れば良かったよ"なんて後になって言っていたのだけど、とにかく目の前の蟹をバリバリ食べ続けただけの夕食前半なのだった。蟹の身は若干スカスカではあったけど存分に食べられた。醤油と酢の瓶をテーブルに出し、ちょこちょこ酢醤油にして皿に入れながら剥いては喰う、剥いては喰う。手の爪の間まで蟹臭くなり、充実感に満たされた。蟹は良い。
蟹との戦いが終わった後に、うま煮&御飯。ちょっと薄味に作られたそれを、最初はおかずとしてつついていたけれど、そのうち"うま煮丼"にして御飯にぶっかけて食べ始める。ポロねぎはしっかり長ねぎの代用になった。どころか柔らかくて甘くてこちらの方が美味しいくらい。
デザートに、そろそろ果物棚もリンゴとタンジェリンと柿に占拠されつつあって隅に追いやられていた葡萄をつまむ。息子は葡萄が大好きらしい。葡萄を見つけて、「ぶどう!ぶどう!」と熱烈にリクエストされたので買ってきたのだ。皮ごと食べられる葡萄は、皮がシャクシャクとしたちょっと固めの食感。種が無いのでお菓子のようにポイポイと食べられてしまう。
「ぼくはー、ぶどうがほんとうに好きなんだよー」
と息子。
「おにぎりより好き?」
「おにぎりより、好きー」
「……アイスクリームより好き?」
「アイスクリームより、好きー」
「葡萄より、"これ美味しいなー"ってものはあるの?」
「あるよー。ぶどう」
とりあえず、葡萄は本当に好物なのらしかった。
牛乳
火曜日は聴講している授業が1時限目にあるそうで、だんなはいつも早起きして家を出ている。
いつも一緒に起きて一緒に御飯を食べよう!……と思いつつ、出かける準備をするだんなに気付かず爆睡を続行してしまう私だった。すまんー、すまんだんなー。
で、9時頃に起きてきた息子と一緒に朝御飯。
WAL☆MARTで買ってきたミニクロワッサンを3個オーブンに放り込んであっためて、バターかジャムかピーナッツバターかをつけて食べようかなと思いつつ、カロリーが気になるので止めた。渡米して3ヶ月半、皮下脂肪は着実にモリモリと増えていて、非常にヤヴァイと思っている今日この頃だ。
「運動しなきゃー」
「御飯の量もちょっと減らさなきゃー」
と切羽詰まっている割には、"だったらクロワッサンとか買ってないでベーグルあたりにしておけよ"と思わなくもない。
サクッとあったまったクロワッサンは、噛むとじゅわっとバターの味がした。でも、これはきっとバターじゃなくてマーガリンの味だ。バター風味のマーガリン、なかなかどうして区別がつきにくいほど風味はバターに良く似ている。バターよりも圧倒的にマーガリンの種類が豊富に売られているスーパーマーケットの乳製品売場だけど、特に「I Can't Believe It's Not Butter !」なるシリーズがすごい。その長ったらしい名前も目立つし、スプレッドだの何だのとその商品展開の豊富さもやtがらと目立つ。
「そうかそうか、"バターじゃないなんて信じられなーい"というほどバターっぽいのか」
とついついいつも足を止めちゃうのだ。
カツ丼
昼前に帰ってきただんな。
「ハンバーガーでも食べに行く?」
と言われ、
「な、なんか和定食みたいなものが食べたいなぁ……」
と返したところ、
「最近君、"和食恋しい病"だよねぇ」
と笑われた。数週間前はだんながそんな状態であったけど、どうやら現在、私は日本の味が恋しくなっているらしい。
それでは、と未だ行ったことのない近所の「銀座」なる日本食屋に行ってみることに。中国人が経営する日本食屋という、ちょっと面妖な店だ。親子丼はまぁまぁ美味しいと噂で聞いた。
店に入ると、壁には浅草あたりの仲見世で売られているようなキモノや和風タペストリーが山と飾られている。店員さんも、マジックテープで簡単に留めて着るようなテラテラの布地の"キモノ"を着ていた。しかもそのキモノ、振り袖だし。接客のオバチャンが着るにはちょっとそぐわない装いだ。
「……なんかさ、」
「浅草のおみやげ物屋さんで"一体誰がこういうの買うんだろう"と思っていたけど」
「こういうところで、活用されているんだねぇ……」
とだんなと苦笑い。ド演歌が流れる空間で、私はカツ丼、だんなはシーフードフライ定食を注文した。
最初にサラダと味噌汁が出てきて、"アメリカの日本食屋で、これだけは今ひとつ納得できない……"と思いつつサラダを平らげ、味噌汁を啜りながら料理を待つ。日本人としては、味噌汁は御飯およびおかずと一緒に出してもらいたいものだけど、この国の人々にとってはミソスープはサラダと同じく前菜になってしまうらしく、どの店に行っても味噌汁は一番最初に出てきてしまう。十数分後、すっかりぬるくなってしまった味噌汁と共に丼ものだの定食だのを食べなければならないのだった。
やってきたのは、巨大なカツ丼。日本じゃお目にかかれないんじゃないかという程大きなどんぶりに、たっぷりの御飯。溢れそうなほどのカツが上に乗っている。肉も巨大なら玉ねぎも大量で、「玉ねぎ1個丸ごと入ってるんじゃないかしら」というほどシャクシャクした玉ねぎが大量に入っていた。適度に火が入っているけど、玉ねぎはもうちょっとクタクタに煮えている方が私は好きだ。
たっぷりの御飯に醤油と味醂のなじみ深い味が染み、カツ丼はちゃんとカツ丼の味がした。
ビール(MICHELOB LAGAR)
最近スーパーマーケットでの買い物はいつもだんなと一緒なので、日本にいる時と違っていつも献立の相談をしながらの買い物になるのである。
「あれ、作ろうか」「あれ、食べたいな」
と言い出すのはだんなの割合が多く、そうすると"その料理をより愛する者がその料理を作るべし"の我が家の掟に従うと、その料理を作るのは我が夫の担当、ということになってしまうのだった。と、言い訳してみたりして。
今回も、
「ああ、ミートソーススパゲティが食べたいなぁ……そいでもってね、ミートソース残しておいて翌日にチリドッグ作るの」
と言い出しっぺになったのはだんなだった。私は居間から「ミートソース作成がんばれー、がんばれだんなー」と応援係。トマト缶の蓋を開けるのだけ手伝った。
「私、免許は持ってるけど運転が怖いから、いつも夫に買い物付き合ってもらってるんですけど……毎回"早くしろよ"っていう感じでねぇ……大変なんです……」
という留学仲間夫人の話を先日聞いたばかり。おそるおそる
「"買い物付き合うのめんどくせーな"とか思ってない?"さっさと免許取って一人で買い物行けやゴルァ!"とか思ってない?」
と聞いてみた。
「えぇ?だって俺、買い物好きだし。"そんな楽しいこと一人でするなよ!"って感じだし。……一人で買い物行くよりかは家族で行った方が楽しいなぁと思うし」
と即答された。確かに。買い物キライな人が「ジップロックが安かった〜♪」と嬉々として安売り商品をチェックして買ってきたりはしないだろうし、「このヒトは買い物が好きなのねぇ」とは思っていたけど……夫は本当に私より主婦向きかもしれない。
で、だんなが作ってくれたミートソース。なんでもセロリとポロねぎと玉ねぎと人参をたっぷり刻んだらしく、
「うぉー、ミートソースっちゅーより野菜炒めみたいな感じ〜?」
と台所から怪しい悲鳴が聞こえてきたりした。牛肉も炒めて、赤ワイン加えてトマトの水煮缶も入れて、あとはグツグツ煮込むだけ。スーパーで買うひき肉は、日本のものと比べてざっくりと粗め。今日のミートソースは、ざっくりと具が粗い素材の粒々がはっきりわかるものとなった。
赤ワインの酸味や渋味が若干感じられるミートソースは甘さがほとんどない大人の味。麺にざっくり絡めてがつがつ食べた。ちゃんとミートソースも残ったし、明日の朝はチリドッグ。(ミートソースとチリソースは似て非なるものだけど、まぁ我が家は辛いものが苦手だからそれで良いのだ)
紅茶
昨夜作ったミートソース、予定の一環として
「明日の朝御飯は、ホットドッグにかけてチリドッグにして食べよう」
なるものが決まっていた。予定通りのチリドッグ。
ソーセージをスキレットで軽く炒め、パンに挟んでチーズを乗せてからオーブンへ。ほどよくチーズが溶けたところで、上からたっぷりミートソースをかけ、チリパウダーなんかも散らしちゃったりしてからアツアツのところを食べる。
そろそろ温かいものが恋しくて、日本から持ってきたダージリンティーをいれて飲んだ。
先日、「日常にダバダバ飲める紅茶が欲しいねぇ」とスーパーに買いに行ったところ、ティーバッグ以外の紅茶がなくてすごく驚愕した我が家。
「葉っぱ……葉っぱでいれた紅茶が飲みたい……」
と探せば、今度はやたと高価なやつしか見つからない。普段飲みにウィリアムズ・ソノマで買ってきたような紅茶を飲むのも何だし、と二の足を踏んでいるのであった。たっぷり持ってきた中国茶も併せてしばらくダバダバ飲むことにしよう。
プーアル茶
だんなは大学。体重増加が気になる今日この頃なので、息子にはパンと牛乳を喰わせる傍ら、私は日本の母が送ってくれたおせんべにプーアル茶という昼食ともおやつともつかないものを昼過ぎに食べた。
「たまりしょうゆ」とパッケージに書かれたその文字すら愛しい、醤油味の煎餅は滅茶苦茶固くて旨かった。
「どうせだったら日本茶いれれば良かったわぁ」
と思いつつバリバリ食べる。
Family Special
(Boija Muffins)
(Bean&Corn Salad)
(Small House Salad)
(Tortilla Chips)
(Cup of Soup×2)
ビール、ウィスキーのスプライト割り
本日、我が夫及びHさんIさんMさんは4人で地ビール屋に繰り出そうという約束をしていた。いつもだったら妻や子供もくっついて行くところだけど、今日の趣向は男だけの飲み会ということになったらしい。
私とH夫人、各々家で子供と2人というのもちと虚しいので、ならば妻は妻同士自宅で飲んだくれましょうか、ということになった。夕食の準備をするのもめんどくさいので、「Calypso cafe」のチキンを買っていくことに。サイドディッシュが6種類もついて鶏1羽で12ドル81セント。ファミリーパックはとてもお得だ。心なしかサイドディッシュ1つ1つの量も多めなような気が。
午後6時半、だんなの運転の車でHさん宅に息子と出向き、入れ替わりにだんなはHさんを乗せて出かけて行った。今日は私とH夫人、私の息子とHさんの娘さんSちゃん4人の夕御飯だ。テーブルにドギーバッグに詰められた料理をずらりと並べ、ビールやウィスキーを出してきて酒盛りしながらおしゃべりに興じた。
1羽鶏はどこを囓ってもふくふくと柔らかくて、バーベキューソースかリンゴベースのカレーソースかを選択できるけどどちらをかけても非常にいける。目下のところリンゴベースのカレーソースが人気のようだ。水っぽいリンゴのすりおろしは新鮮な味がして、ほんのりスパイシーなカレーの味が染みている。鶏にかけるとすこぶる美味しい。
子供達も食べられるようにと、11種類あるサイドディッシュからはスープやコーンのマフィン、コーンサラダにグリーンサラダ、トルティーヤチップなどを選んでみた。
私もH夫人も良く食べたけど、子供たちも良く食べた。
Sちゃんは
「とりさん、とりさん」
と鶏肉はバクバク喰うし、息子も息子でトルティーヤチップやマフィンにかぶりついていた。
ひととおり平らげた後は、
「由紀さん、このビデオ一緒に見ません?」
と、先日日本の友人がくれたのだという「真珠夫人」のビデオを見ることに。横山めぐみ主演のとんでもない展開のお昼のドラマが妙に人気だったというのは聞いていたけど、ゴールデンタイムに総集編を放映するほどとは知らなかった。ビデオはまさにその総集編版で、2人でゲラゲラ笑いながら2時間しっかり見続けてしまう。
見終わる頃には、すっかり2人とも
「これは……クセになりますわね」
「アナタも?アタクシにもそう思えてなりませんわ」
とすっかりキャラが変わっていた。いやー、久しぶりに面白いものを見てしまった。
その後は子供の相手などしながら酒を酌み交わし、子供達が散らかしてもので部屋が大荒れに散らかったところでだんな達が帰宅。時刻は11時半を回っていた。男たちは男たちで、地ビール屋に行った後、巨乳おねぇちゃんが店の店「HOOTERS」を2次会会場にして飲んだくれていたらしい。男女共に楽しめた夜だった。何しろ真珠夫人だし。
ここ3日ほど、ちょっと困ったことになっていた私。
右目が日を追って見えなくなってきている。
最初に一昨日、「あれ?」と思った時には「右目だけで見ようとすると隨分ぼやけるなぁ、モニターが見えないなぁ」といったくらいであったけど、昨日はあからさまに右目の視界が暗くなった。昨日の夕方の時点でだんなにカミングアウトし、
「なんで早く相談してくれなかったのー」
と叱られながら薬局に行ってみるも「薬は……特に思いつかないわ。病院へ早めに行くことをお勧めするわね」とつれない返事(そりゃそうだわね)。とりあえずビルベリー(ブルーベリーと同じく目に良いらしい)のタブレットを購入し、気休めに目薬などつけながら昨夜はHさん宅で遊びまくり、そして今朝を迎えた。
悪化している。これじゃ姫川亜弓だ。アンドレだ。白内障か網膜剥離かとあれこれ目の疾患をインターネットで調べてみたけど、どれも今ひとつ違うっぽい。さすがに焦り、研究室スタッフのMさんに
「お医者さん紹介してください〜」
と泣きついたのであった。はっきり言って、アメリカの病院に素早くかかるにはコネとネゴが必要だ。正攻法で行ったら「町の診療所に予約の電話→数日後(あるいは数週間後)やっと診療→それじゃ手に負えないと大病院に紹介状を書いて貰う→更に数日後(あるいは数週間後)大病院で治療」という手順を踏まなければならない。
とりあえず、Mさんに一報入れた後、急いで食事してMさんのところに行くことに。
そういうときにコーンフレークは有り難い。流し込むように食べて、いざいざいざ。
アイスティー
Mさんの折衝の甲斐あって、今日の昼過ぎ一番に大学病院の眼科で診てもらえることになった。
「本当は予約がいっぱいいっぱいなんだけど、"それは早めに診た方が良いだろう"って言ってくれて」
とMさん。しかも通訳サービスまでつけてもらえるらしい。嬉しい限りだ。
一度家に帰り、昼御飯は「いいのいいの、僕がやるから」とだんな特製ナポリタンスパゲッティ。こんな困った事態になって、風邪の時から再び、だんなの料理人魂に火がついてしまったらしい。またしばらくおさんどんを任せることになってしまう予感がひしひしと。
ベーコンと玉ねぎだけが具のシンプルなシンプルなナポリタンスパゲッティ。だんなの作るそれはバターがたっぷり入っていてほんのり甘く、じっくり炒めたベーコンがたまらなく美味しいものだ。今日のも日本の喫茶店のナポリタンのように美味しかった(←果たしてそれは誉め言葉なのか)。
軽く食べた後、いそいそと大学病院へ。
油揚げの味噌汁
羽釜御飯
日本茶
葡萄
1時過ぎに大学病院へ行き、それからなんと5時間半。
さんざんライトで照らされ、あれやこれやと検査され、目玉ぎゅうぎゅうと押されたり何十枚も写真撮られたりした挙げ句、わかったことは
「普通の検査で確認できる症状がない。視神経が腫れていることは確認できたけど、右目が見えない原因は不明。ただ、視力が極端に下がっているという事実は確認できた」
ということだった。
「ウィルスでそういう症状が出ることもあるし、そうじゃないかもしれない。これは治ると思うけど、今の病状から回復傾向になるか、もうちょっと悪化してから回復傾向になるかは断言できない」
といかにもな英語的もってまわった言い回しで説明を受けた。明日、血液検査を受け、更にMRI(←脳味噌輪切りスキャン?)も申し込んで、その2点の検査結果から正確な診断を下すことになるらしい。……ううう、何だか大事になってきた。一体私の目はどうなってしまったのだ。
幸いというか何というか、通訳に来てくれたRさんは研究所スタッフMさんの知り合い(というか友人)で、非常に楽しい人だった。多忙な主治医があれこれ席を外している間さんざんあれこれお喋りし、気が隨分とまぎれた。我が家と同じく食べることが大好きという彼女、15年もこの町に住んでいるということで
「あそこのベトナム麺が美味しいですよ」
「あの店はメンフィスバーベキューを食べさせてくれる店で」
「そうそう、あそこのフライドチキンはとってもお得」
とお勧めの美味しいお店をたくさん教わってしまった。ベトナム料理屋の隣にあるベトナム食材屋には春菊が売られているのでスキヤキができちゃいますよ、とか。
そんなこんなで、帰宅は7時。
検査で目をぎゅうぎゅうやられた所為で、本当はちゃんと見えるはずの左目すらボヤけるようになってしまっていて(検査後にボヤけるけどこれは数時間で治る、と説明は受けていた)、かなり気分はアンドレ(しかも末期アンドレ)だった。「おお……俺のオスカル」とか呟いてみたり。
どうでも良いけど、主治医はムスカ(←「天空の城ラピュタ」の極悪人、"跪け!命乞いをしろ!"の人)にすごく似ていて、ちょっと不安な私だった。
さすがに見えぬ目で夕食の準備はできず、だんなの
「夕飯は生姜焼きで良いかな?」
の声にこくこく頷いて生姜焼き定食ができるのを座して待たせていただいた。
生姜焼きに、ちりめんキャベツの千切り(イタリア料理"リボッリータ"を作ろうと思ってちりめんキャベツを買ってきておいたのだった……いつになったら作れることやら)、油揚げに味噌汁に羽釜御飯。
御飯が炊ける間の30分ほどで千切りキャベツも味噌汁も肉も全て準備が整って、だんなの調理レベルが目に見えて上がっていることに驚く私。だんなは料理は上手だが段取りはいまいちだった筈だ(失礼な)。
だんなの料理は何かと一品料理が多く、それを私は「やっぱり君の料理は男の料理だ」と何かにつけてからかっていたのだった。塊肉を手切りにした豚肉も好みな程度のちょっぴり厚めの薄切りだし、千切りキャベツもしっかり細い。
この調子でリボッリータも筑前煮(←そのうちやろうと言っていた)もお願いします>だんな
油揚げの味噌汁
牛乳
「右目が見えんようになった」
と昨日この日記に書いたところ、「お大事に」メールがたくさん届いて感激している私。ありがとうございます、ありがとうございます。
お医者の友人Tさんからは「専門外ですが」と言い添えて「でも、どうもこの病気ではないかと」と参考文献がメール添付でやってきて(これがまた専門用語尽くしな難解ぶりで笑えてしまった)、更に我らの大友人M井さんからは「わたくし本人、心身の疲弊で難聴になって入院したことがあり、従兄弟もまたストレスで視力障害を起こしたこともある」とその経緯を書いたメールが来たりした。M井さんのメールの最後は
「毎日元気いっぱいで食欲魔人な生活をされている由紀殿ではありますが、環境の急変を力業でカバーした反動とかあるかもしれません。ともかく、ゆったりとくつろがれることが必要かと想像します。」
なんて言葉で締められていて、"環境の急変を力業でカバー"の文章に朝から笑わせていただいた。
いや〜、しかし、今日も相変わらず右目は悪くなる一方。
今日は8時45分に病院に行き、血液検査とMRIの予約をする事になっていた。
昨日のうちに、残り御飯をだんながおにぎりにしてくれていたので、昨夜の残りの味噌汁を飲みつつ1人1個おにぎりを食べて速やかに出発。これ以上なくシンプルな塩おにぎりだったけど、"冷や御飯"は今ひとつ食べる気にならなくても"冷やおにぎり"はたまらなく美味しく食べられるのが不思議だ。
Cha glo (Vietnameses Egg Rolls) $2.00
Gol chuon (Spring Rolls) $2.50
Hu tieu (mi) tom cua (Shrimp & Crab Clear (Egg) Noodle Soup) $5.50
Pho tal nam gau gan sach (Eye Round, Well done Flank, Tendon, Stripe Noodle Soup) $5.25
ココナッツジュース
朝9時。大学病院の眼科受付で「昨日、MRI検査の予約を入れるように言われたんだけど?」と申し出ると
「えっと……予定は詰まっているんだけど、"急ぐように"と言われているから1週間後のこの日はどう?あとは……一番早くて来週火曜日の夜8時」
という返答が。"急ぐように"に対して一週間後になるんかい!とアメリカならではの流れにちょっと脱力。たまたまそこを通りかかった主治医のローマン先生(ムスカ似)に
「……今日もまた悪化しちゃってるんですが……MRIは火曜日が最短と言っています」
と訴えたところ、先生が「もっと早くだ!早く!」とMRIセンターと直談判を始めてくれた。その結果、MRIは本日の午後4時に。何事も訴えてゴネなければこの国では進まない、という感じ。
その後、血液検査だけを終え、夕方までは時間があるので研究室で報告しがてら昼御飯も食べてくることに。
今回のこの騒動で、通訳として知り合ったRさんが教えてくれたベトナム料理屋に行ってみることにした。家や大学からは少々遠め、うらさびれたモールの一角に「Miss Saigon」というベタな名前の店があるらしい。そこの麺料理が美味しいのよ〜、生春巻きや揚げ春巻きも最高なのよ〜、という事だったのでうきうきと行ってみた。
何も知らないで入るには、かなり勇気の入る店だった。店の一角にはカラオケ用のステージがあり(これがまた古くさい)、ぽつぽつと置かれたテーブルや椅子もくたびれた様子。12時まであと10分という時間帯なのに、店の奥には常連らしいベトナム人オヤジが5〜6人たむろする他は1〜2組の客がぽつぽつと食事しているだけだった。しかも何だか薄暗いし、店に入っても店員さんの姿が見えない。
それでも、数分待って出てきた店員からメニューを貰い、半信半疑ながらフォー(ベトナム汁麺)を2つ注文、生春巻と揚げ春巻もつけた。ドリンクメニューからココナッツジュースも注文し、最初に出てきたドリンクをちびちび飲みつつ料理を待つ。
ココナッツジュースは、"ココナッツミルクジュース"ではなく"ココナッツジュース"だった。透明なココナッツ風味のジュースがコップに満たされ、底にはココナッツの白い果肉がペラペラと数枚入っている。バリ島で飲んだことがあるような感じの、ちょっと青臭いジュースだ。でも旨い。
そして料理は、どれもこれも美味しかった。ブリブリ大きな海老が2〜3尾入る生春巻きは豚肉も入り、バジルやコリアンダーの風味も濃厚な食べ応えのあるもの。甘酢のタレとピーナッツの甘いタレの2種類ともがものすごく良く似合う。太くて巨大で良い感じ。
揚げ春巻は、湯葉の皮で春雨や蟹肉を巻いて揚げたようなもの。中華の春巻とはまた少々違ったハーブの香りがする春巻で、皮はサクサクパリパリ。2本盛られた皿のうち1本を息子が奪って平らげていた。
春巻と共にテーブルにやってきたのは、楕円の皿にたっぷり盛られた生のモヤシやバジル、コリアンダー、ライム、輪切りにされた唐辛子。
「……これ、生で食べるんじゃないよね……」
「麺に入れろってことだよね……」
「ま、入れて食べてみよう」
と、麺が来るまで待ってからそれらを適当に放り込みつつ食べた。私の注文した麺は、海老と蟹入りの透明スープのビーフンと卵麺ミックスの2色麺入りのもの。だんなのは牛肉ベースのスープにビーフンが入り、ハチノス(牛の胃袋)だのスジだのタンだのが入った豪華なものだ。
「このね、"Tendon"って牛スジのことなんだよー」
とメニューからめざとくその文字を見つけただんな、その品を注文してどんぶりをさらって「スジだスジだ」と喜んでいた。
ほんのり甘さのあるスープは、ほんのりジャンクな風味。それでも我が家の近所で"ラーメンに餃子(しかもマズイ)が乗っている"と噂される日本(もどき)ラーメン屋に行くよりはよっぽどこちらの方がまともな麺料理だと思う。新鮮なパクチーを山盛りかけて食べた麺は、懐かしい味すらした。ベトナム料理はさっぱりわからないけれど、せっかく手頃な値段で食べられる店を知ったことだし、ちょっと勉強してみようと思う。
セロリスティック
青梗菜と豆腐のスープ
ビール
桃缶
そして夕方、人生始めての「MRI」検査を受けた。
細い寝台に寝っころがり、狭すぎるカプセルホテルの内部のようなところに入れられて"ギギャギャギャギャ"だの"ブンブンブンブン"だの言うマシンで脳味噌輪切り画像を撮られてきた。「音がうるさいですからね」と耳栓を貰ったけれど、耳栓していてもその音ときたら"電磁波で脳が千切りになっている気分"という感じ。貴重な体験をしてしまった。
めでたく6時頃には帰宅して、すっかり「俺はしばらくおさんどん担当決定」と覚悟してくれたらしいだんなが
「よっしゃ、冷蔵庫の鶏手羽を唐揚げにしよう!」
と宣言。今日の夕飯は唐揚げとなった。
私もあれこれ横から、
「青梗菜、スープにしてしまってはどうか」
「セロリがあるからスティックにして囓ろう」
などと口だけを出しまくり、そうして、"唐揚げ囓りながらビールを飲もう"という夕飯になった。
醤油やおろしにんにく、おろし生姜を揉みこみ、片栗粉をつけて揚げていく。見事にカラッと揚がった手羽は中までしっかり火が通っていて見事なものだった。衣は私好みの薄めなサクサクで、完璧な出来映えだった。巨大な巨大な手羽は、1つ食べても、もも肉1本食べているような食べ応えがある。バリバリ肉を食べながらビールを飲んだ。
そしてそして、デザートは桃缶。
「ほら!せっかく病気なんだから桃缶食べないと!」
と、前回風邪ひいていた時にすっかり食べ忘れていたので、今回こそ桃缶。試しに買ってきてみたこちらのメーカーの桃缶(ミニサイズ)は、ちょっと小ぶりな黄桃が8つ割りにされて2個分ほどがシロップ漬けになっていた。私好みの白桃は売られておらず、こちらで見るのは黄桃ばかり。他のお菓子の甘さなどに比較すると、驚くほどに甘さ控えめの桃缶だった。けっこう美味しい。
目の診断は、とりあえず週明けの月曜日まで保留らしい。週末は目を酷使せずにまたーり過ごすことにしよう(ネットサーフィンが趣味の私にそんなことができるのだろうか、果たして)。
「週末は静養しましょうねー」
と決めた、今日は土曜日。どうも症状をあれこれ調べたところ(この日記を見た方からの助言があったり、この町に来ている、ある留学生夫人が眼科医ということが判明してちょっと電話で話をしたり、で)「多発性硬化症」などというすごい名前の神経系の病名が上がってきてしまった。全ては検査結果がはっきりしないとわからない事だし、とりあえずあまり深く調べたり考えたりしないことにした(でも助言、大変嬉しかったです。ありがとうございます)。
朝御飯は、
「ホットドッグ食べるぅ〜?」
と言うだんなの言葉にすまん、と思いつつ
「ごめん、なんかちょっと違う感じ……」
と、息子と一緒にコーンフレーク。だんなはホットドッグ。
スーパーマーケットで山のような種類が売られているコーンフレークだけど、主流はどうもケロッグ社とポスト社らしい。一度たまたまポスト社のものを買ってみたら口に合ったものだから、ずーっとポスト社のものだけを選んで買っている我が家だった。今食べているのは各種ナッツ入り。
ビビンバ
テールスープ
ビール(コロナ)
「Alpha Bakery」のロールケーキ(チョコ)
カフェオレ
今日は私は家でごろごろ。
午前中も早くから
「今日はビビンバ!ビビンバを作るぞ!」
と宣言していただんなは、息子を連れて食材買い出しに出かけて行った。山のようなモヤシやゼンマイ、ひき肉が入った買い物袋の中には、牛テールもごろごろと。
「ビビンバと共に、テールスープも準備しようと思いま〜す!」
もうだんな、料理が楽しくてしょーがないという感じ。袋にはきっちり"もうすぐ無くなりそうだったゴミ袋"とか"ちょっとストック量に不安が出始めていた片栗粉"なども入っていた。もうすっかり主婦っぽい。
ネットサーフィンも避けねばならない、本を読むのもダメ、とにかく目を使っちゃダメ、となると、私はほとんどやることがない。しょうがないので「オペラ座の怪人」のCDなど流して一緒に歌ってみたり。……暇。
あとは嗅覚と聴覚に神経を集中させて
「おー、テールが煮えとるのー」とか
「おー、人参刻んでるのー」などと、だんなの準備っぷりを観察。ダッチオーブンにてテールがぐらぐら煮えているし、他のコンロではモヤシが茹でられ、ゼンマイが炒められ、台所からは熱気がむわむわと寝室にまで漂ってきた。気がつくと、半袖半ズボンにて汗みどろで厨房に立つ我が夫。
「……御飯の準備、そんなに気合い入れなくてもいいんだよ……?」
と苦笑いしながら言うと、
「いや、おゆきさんが具合悪いから気合い入れてるというわけじゃなくて……俺がビビンバ食べたかったの。だから良いの」
と言いつつ、煮える大鍋の前でせっせとモヤシに胡麻油を揉み込む我が夫なのだった。テーブルにはお馴染みのモヤシやゼンマイ、人参や大根の他、アルファルファのナムルなんてものまで準備されている。
我が家にある"どんぶり"と言ったらラーメンどんぶりしかなく、それにこんもり盛りつけたビビンバときたら壮観だった。御飯は軽く茶碗に1.5杯分くらい。御飯より多いくらいのナムルをこんもり盛りつけて、炒めひき肉もトッピングし、さっと1分ほど火を通しただけの卵を乗せる。コチュジャンを添え、あとはわしわしとかき混ぜまくってから、食べる。
「野菜たっぷりでヘルシーよね」
「……でも、胡麻油たっぷりだから実は高カロリーなのよね」
などと言いつつ、どんぶりいっぱいのビビンバをせっせとかっこんだ。ほの甘い人参も、適度に甘酢が染みた大根も、にんにく風味たっぷりの豆モヤシもすごく良い感じ。しかも2時間ちょっと煮込まれたテールスープはしっかり白濁していてゼラチン質もぷるぷると柔らかく、これまた素晴らしく旨かった。あまりにもテールがたっぷりで、「テールスープ」というよりは「テールの煮込み」という印象だったのが笑える。
しかも今日はデザートつき。買い物ついでに足を伸ばして、ロールケーキまで買ってきてくれただんなに感謝しつつ、ゴロゴロしていた割にはすっかり食べ過ぎてしまったのだった。
スノウボール
カレーパン
カフェオレ
昨日、だんなが足を伸ばして買ってきてくれた激旨パン屋さんのパンにて朝御飯。
ふわふわのシュー生地にバナナの輪切りとホイップクリームが詰まった「スノウボール」が目下のところ我が家の人気を集めている。室温でほったらかしておくと翌朝にクリームがペショペショになってしまうため、冷蔵庫で保管するのがコツだ。
そして、これまた人気のカレーパン。
この店を愛してやまない(なんでもオーナーと仲良しらしく、パン屋を開く前に"これ、商品になるかなぁ?"と幾度となく味見台にされたらしい)研究室スタッフMさん曰く、
「カレーパン、いいわよねぇ。あれ、お店に行く度にたぁ〜っくさん買ってね、冷凍すると良いわ。オーブンで温めればバッチリよ」
だそうなのである。私はカレーパンへの愛はそれほど強くはないはずだけど、ここのカレーパンは確かにすこぶる美味しい。「ああ、カレーパン食べたいな」と思った時に想像する、理想のカレーパンそのものという味がする。
大きさは、若干でかい。もちもちとしたパン生地はこんがりサクッと揚げられていて、適度な分量のパン生地の中にひき肉ベースのカレーが詰まっている。細かな野菜もたっぷり入るカレーは適度に素材の歯ごたえがあり、適度に細かい。辛さも辛すぎず、甘すぎず。オーブンで中まで温まるほどに熱して食べると、身もだえするほど美味しいのだ。
「なんかさ、アメリカのカレーパンじゃないよね。人形町とか森下って感じの味がするよ」
と私は毎回感じてしまう。
だんなが友達になった韓国人留学生が、
「日本のパンのレベルってすっごく高いよね。世界的にも有名だよ」
と、だんなに言ったのだという。「へぇ、そうなんだ?」と驚いたら、「なんだ、知らなかったのか!」と、もっと日本のパンに誇りを持てと諭されてしまったのだとか。
青梗菜と豆腐のスープ
自家製ジンジャーエール
目の具合は良くなってはいないものの、「家に閉じこもってるとそれだけで病人気分になるし」と、ちょこっとアウトレットモールに買い物に行ってしまった。
40マイルほど離れたところにあるそのモールには布団及びリネン類の専門ショップがあり、羽毛布団などを安く買うことができる。冬も近づき、さすがに今ある寝具じゃ不安だということで、布団を買ってみた。
定価300ドルほどのダブルサイズ羽毛布団が60ドル。ラルフローレンの掛け布団(というよりは心許ない薄さの、コンフォートカバーとかいうやつ)が20ドル。アウトレット屋ゆえ、数年前のものの型落ち版などだったりするのだろうけど(実際、"こ、これがラルフローレン?"と笑っちゃうほど悪趣味な柄のものもあったりする)、安い事は良いことだ。
数時間の買い物を終えて帰宅し、昨夜の残りのナムルでビビンバに。
ビビンバには合わないだろうかと思いつつ、しばらく前に私が作ったジンジャーエールを飲んでみた。刻み生姜を湯でフツフツと煮出し、ついでにレモンの表皮なんかも入れてみる。ハチミツと砂糖を適当に入れて漉し、"ジンジャーエールの素"っぽいシロップ状のものに仕立てて冷蔵庫に入れておいたのだった。あとはクラブソーダで割るだけ。
本当は、厳密な「生姜の量」だの「砂糖の量」だのあるらしいけど、これ以上なく適当に作ったシロップだ。生姜の風味がちょっと強めで甘さが弱い、そのくせハチミツ臭がぷんぷんするジンジャーエールになってしまった。理想のジンジャーエールにはまだまだ精進が必要な感じ。ジンジャーエール道もなかなか険しき道のようだ。
あんかけ焼きそば風スパゲッティ
2日目のテールスープ
ナムル各種
ビール
静養しとくべきと思いつつついついネットサーフィンなどしてしまったり、だんなに「ここ、ここ、面白いことが書いてある」と教えられ、ホームページを音読してもらったり。
夕方に「Kolis Inn」を眺めていただんなが、
「エンジェルヘアーパスタでラーメンっぽいものが再現できる」
なるものを読んでくれ、ああ、中華麺っぽいものが食べたいなぁと思ったのが本日の夕食の始まりだった。
「夕飯……何食べたい?」
とその数十分後に聞かれた時、ついつい正直にリクエスト。
「豚肉のうま煮みたいなのが食べたい」
「ふんふん」
「そいでね、御飯じゃなくて麺にかけて食べたい」
「ん〜?中華麺、っすか?」
「いやいや、インスタント麺美味しくないから、いっそのことスパゲティにかけちゃうというのはどうだろう」
「???すぱげってぃ?」
「焼きそばみたいな感じにしてさ……いや、案外美味しいかなって思ったんだけど……」
しばらくハニワ顔で顔中のパーツを「?」にして固まっていただんなは
「うん、じゃあ、やってみるか……」
と初めての「あんかけ焼きそば風スパゲッティ」に取り組んでくれた。ものの本には「麻婆茄子風パスタ」だの「ラーメン風パスタ」だののレシピが掲載されていたりすることだし、そうそう不味いものにはならないはずだ。がんばれ、だんなー。
ちょっとクタクタめに茹でたスパゲティに、豚肉と葱の中華風あんかけソース。スパゲティはやっぱりスパゲティ以外の何物でもなかったけれど、思った以上に美味しく食べられた。塩気のない麺に、ちょっと塩強めのとろみのあるあんが良く似合う。ちゃんと中華な味がする。
「うん、"皿うどん"みたいだ」
「確かに"やわさら"という感じだな、うん」
と、ちょっと感動しながら怪しい中華風パスタを啜り食べた。妙な油の味がするインスタント麺使うより、まっとうなスパゲティ茹でた方が、こういう料理には美味しいかもと確信したほど、これはこれで"こういう料理"として食べられた。
そのへんのスーパーマーケットでは売られておらず、アジア食材屋に行かなければ買えない長ねぎは、ちょっとばかり貴重品。ナムル作りと今日のこのスパゲティで、せっかく買ってきた長ねぎはあっという間に消費してしまったらしかった。