アイスティー (白牡丹)
目覚まし時計は鳴っていたはずなのに全然起きられなかった月曜日。だんなが置きだしてメールチェックしている音で目覚めてみると、時計稼働後30分が経過していた。あらららららら。
「新しくできたうどん屋でも寄ってくよー」
とだんなが早めに出勤していった後、だらだらと朝御飯。相変わらず残っているJohanのチョコアーモンドブレッドが今日の朝食だ。好きなものは続いても食べられちゃうのよねー、なんて思いながらはぐはぐと口と手をチョコでべたべたにしながらのチョコパン。……そろそろ別のもの食べようかな。
納豆
ご飯
麦茶
最近何かと外食してあれこれ食べているので、家にいるときぐらいはなるべく節制しようかなぁとそれなりに殊勝なことを考えている私。
冷凍ご飯をチンして、冷蔵庫に残っていた水菜をおひたしに、あとは納豆。
「粗食でごめんねー」
"そしょく"の意味もわからない息子にそう言って出したところ、
「ぼくはねぇ、納豆が好きだから、いいと思うよー?」
とフォローされた。1パックの納豆、7割方を息子に奪われながらの昼御飯。
私は納豆が大好きで、納豆入りの炒め物とか納豆入りの味噌汁を作るのも大好きだったりするのだけど、我が夫は納豆が大の苦手。納豆料理をするのは、なかなか難しかったりするのだった。今度また昼御飯ででも、「豪華納豆尽くし」とかやっちゃおうかなー(夕方まで納豆臭が漂いそうだわ)。
蒸し鶏ときゅうりの胡麻和え
水菜と三つ葉のナムル
根菜のスープ
鶏入りの炊き込みご飯
ビール・麦茶
人形町「柳屋」のたい焼き
冷茶
6時過ぎたら夕食の準備を始めようと思っていたところ、5時半過ぎにだんなから
「いま、人形町〜。今から帰る〜」
と電話があった。え?なになにそんなに早いの?聞いてないよー、とそこから慌てて夕食の支度。タイムリミットは約1時間。冷蔵庫にあるものを眺めて献立は考えてあったので、急いで料理をはじめた。まずは、残っていた鶏むね肉を葱と生姜と共に茹でていく。茹で上がった肉1枚はゆで汁と一緒に米に加えて炊き込みご飯にし、更に肉1枚は細かく割いて薄切りきゅうりと一緒に練り胡麻と醤油と砂糖で和えてサラダ風に。残ったゆで汁には大根とにんじんを加えて更に煮込んでスープに。ちょっとクタッてきてしまった水菜と三つ葉があったので、ざくざく刻んでナムルにし、あとは半端に残っていた茄子と牛肉を炒め物にすることに。
茄子が油を吸うので中華鍋にたっぷりめのサラダ油を入れ、まず薄切りにんにくをカリッと揚げてにんにくを除けておく。鍋に残った油で茄子を炒めたら皿に盛り、続いて牛肉に軽く塩をふって炒めたらそれも茄子の上に盛りつける。空になった中華鍋に日本酒ジャーッと入れてアルコール分を飛ばし、醤油と砂糖をちらちらっと放り込んで揚げにんにくも加えたら軽く煮詰めて肉の上からぶっかけておしまい。どこかの本で見た茄子と牛肉の炒め物の作り方だった。
1時間ほどわちゃわちゃと動き続き、最後の肉炒めに突入したところでちょうどだんなが帰ってきた。今日は我が母も我が夫も何だかお土産づいていて、母はYoku Mokuのゼリー4つを、だんなは人形町の「柳屋」のたい焼き8個を帰るなり私に差し出してくる。母よ母よ、「アメリカ行って、まぁ〜た太って帰ってきたんじゃないの?真面目にダイエットしなさいよ」というその口でゼリーセットですか。だんなよだんなよ、「スポーツジムまた入会するの?がんばってね」というその口でたい焼き8個ですか。どいつもこいつもー、と怒りながらも顔は笑ってしまう私。
思いの外こってり味に仕上がった茄子と牛肉の炒め物をつつきつつ、それよりは優しい味のナムルや胡麻和えをつまみながらビールや炊き込みご飯をばばばばばっと食べる。今日のデザートは、日持ちのするゼリーよりはと、たい焼き。
大抵いつでも数人の客が列を作っていて、「私、10個ね〜」「あ、私は16個」と驚くほどのたい焼きを買っていく人が多い「柳屋」のたい焼き。ビミョ〜にあんこがはみ出ていたり、ビミョ〜に餡の入り方が均一でなかったりするのだけど、ここのたい焼きは素朴な素朴な味でしみじみとした美味しさがある。皮が薄めで若干淡泊な味わいで、中に詰まっているのが好みな感じの粒餡なのがまた嬉しい。久しぶりのこの店のたい焼き、オーブンで数分焼いて温める間に冷茶をいれて、夕食後に齧った。どこか愛嬌のある鯛型の、周囲に焦げのついたパリパリ部分を堪能しながら1人1個のたい焼きデザート。あんこサイコー。
アイスカフェオレ
調子こいて買ってきたJohanのパンがまぁ〜だ残っているので、問答無用に朝御飯はそれ。明日の朝はご飯を炊くことにしよう、と密かに心中誓いつつ、チョコたっぷりのパンをはぐはぐと齧る。ここしばらくは、何度食べても「うまー」「止まらぬー」「食べ飽きぬー」と思っていたのだけど、さすがに満喫したというか、ちょっと飽きてきたというか。
根菜のスープ(昨夜の残り)
麦茶
昼御飯は、冷蔵庫内に保存したままだった自家製ハッシュドビーフを食べてしまうことに。昨夜の残りのスープを温め、冷凍してあったご飯を解凍し、小鍋でハッシュドビーフを温める。大丈夫かな……とふんふん匂いを嗅いで、トマト味のソースを小指ですくってペロッと舐め、「……おっけー」と呟いていたら、背後に息子が立っていた。
「ぼくもーぼくもーぼくもーぼくもー」
と背中に寄りかかってきた後、同じように味見をさせろと要求してくる。ふんふんと匂いを嗅いで、スプーンですくったソースを一口。私と同じ口調で「おっけー」とか言っている。あまりヨソでそんなことしないでよー頼むから、と忠告しておいたけど、息子の前ではあまり"嗅いだり舐めたりして食べ物の鮮度を確かめる"ってことはしない方が良いかもしんない(子供ってやつぁ、覚えた事をすぐ外でやりたがるし……)。
で、特段デンジャラスな風味もなかったハッシュドビーフを息子と2人食べる。私はしょっちゅう「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」と「ビーフストロガノフ」がごっちゃになってきてしまうのだけど、トマト味こってりのハッシュドビーフを食べていて、「ああ、ビーフストロガノフって生クリーム入ってるんだっけ。そっちの方が多分私の好みだな、きっとな……」と、今度はビーフストロガノフを作ろう、と思ったのだった。ご飯にかけて食べる料理ってのが好きなんだわー。
カルビとかロースとかハラミとかタンとか
合鴨の塩焼き
ピートロ
ユッケ
サンチュ×2
ライス×2
石焼きビビンバ
ビビンバ
ビール×6
サワー系×2
コーラ×2
杏仁豆腐
……で、合計21000円くらい(ゴチ)
今日は1年ぶりの再会となる友人、M井さんと夕御飯。
だんなの大学時代の1学年上の先輩なのだけど、私も息子も仲良しさん。私の友人にはちょっと変わった人もけっこういるけれど、この人は極めつけの変人だ。息子が産まれる以前も以後もちょこちょこ遊びに来ては泊まっていく彼は、「わたくしの快適な夜のために」とソファベッドまで購入して我が家に置いてくれちゃって(メーカーも品も私が好みのものを指定したので"無理矢理置いってった"というより"買っていただいちゃった"という思いが私には強い……しかもそのベッド、今は母のベッドになっちゃってますし……)、居間の天袋には「M井さんセット(寝間着用ズボン、翌日出勤用のシャツや靴下、ついでにぱんつも)」が常に突っ込まれている。
M井さん、ずっとずっとアメリカに遊びに行きますよー、なんつってたのに、結局休暇とお金とその他諸々の折り合いがつかなくて渡米中の我が家にやってくることはできなかった。都会の風景にも似合わないけど大自然にはもっと似合わなさそうな色白で神経質そうなM井さんを、大雑把なアメリカ大自然の中を連れ回そうと思っていたのに、ついでにこれでもかと巨大なステーキを喰わせようと思っていたのに、残念無念。
「もうアメリカには行けないかも」という懸念が沸き上がり始めた今年4月の上旬、
早ければ3週間後、遅ければ2ヶ月後の再会の日まで壮健なれ。2ヶ月後だったらおわびに焼き肉でもご馳走するので胃も壮健なれ。というメールが届き、更にゴールデンウィークに突入した直後
こちらの国では黄金週間に入りましてございます。結局のところ、ほぼ暦通りの出勤となってしまいました。もはや、6月の再会(=焼き肉)を楽しみとするしかなく、大変にがっくしにございます。という焼肉続報メールが。
帰国早々、いつにしようどうしようとメールのやりとりを始め、ほどなく
さてその帰国祝いの宴(不渡米ペナルチィとは敢へて言はづ)ですが、24日にて了解いたしました。と内容が確定した。食べ放題の店ではないのに食べ放題ということで、遠慮なく奢っていただくことにする。
帰国祝い 〜大人の焼き肉の夕べ〜
6月24日(火) 19時30分くらいから(?)
食べ放題の店ではないのに食べ放題(デザート付き)
場所:由紀殿の一存にて確定(?)
→詳細は追々決めましょう。
目的の店は、我が家近くにある「牛角」ではなく、ちょっと違うところに行ってみようということで西千葉にある「草の家」というところ。麻布や新橋に同名の高級店があるけれど、そことは関係ないらしい。それでも店頭に「松阪牛一頭買い」なんて幕がべろーんと垂れ下がっていたりして、ちょっと前から気になっていた店だった。
「どーもどーもお久しぶりです」
「おひさしぶりでーす」
「これはこれは、お久しぶりにございます」
駅前で待ち合わせ、ぺこりぺこりとご挨拶。「すぐに出せるところにないと困ってしまうじゃないですか」という理由で、スーツの下に常に様々なブツを携帯しているM井さんだけど、スーツ外にもバッグの中に様々なブツをしのばせている。「両手があいてないと、いざという時困るでしょ?」という理由で人を殴り殺せそうな角形バッグを背中に装着し、今日も彼の外見はぱっと見モビルスーツのようだった。相変わらずですねM井さん……。
で、M井さんを肴に焼肉というか、焼肉を肴にM井さん。
1皿700〜800円、5種類の肉3人前のセットが4000円前後という価格帯のお店で、味はそこそこ良かったけれどコストパフォーマンスはあまり良くない印象だった。手書きっぽい文字が踊るメニューは最近流行のスタイルの店かな(女性客歓迎!とか、ちょっと珍しいメニューがあるよ、みたいな)と思わせるけど、焼肉メニューはスタンダードなものばかり。ホルモンものはけっこう揃っているけれど、葱なんちゃら味噌なんちゃら月見なんちゃらというバリエーションは特にない。ただ、テーブルには粗塩と粗く砕いた胡椒とわさびを盛った小皿と共に醤油もやってきて、好みの味つけで食べられるようになっていた。
「最初からこんなに良い肉取らなきゃよかったね」
「最初はどうせガツガツ食べるんだから安いのでいいよ、安いので……」
「本日はわたくしの奢りだと申し上げておりますのに、お二人ともそんな、控えめな事を……」
なんて言いながら、最初に取った5種類の肉盛り合わせをガツンガツンと焼いていく。炭火で焼ける肉が香ばしい。
結局、その3人前セットを平らげた後、カルビ3皿にピートロ、合鴨、ハラミ、ギアラあたりを追加注文して食べまくった挙げ句、ビビンバまで注文してぺろりと食べた。私は更に杏仁豆腐も。調子に乗って食べまくり飲みまくったせいで、お会計は2万円ちょっと。
「渡米費用と比べましたら安いものですから」
と、宣言通りM井さんは気っぷ良く万札をひらひらさせて奢ってくれた。ごちそうさまでしたー。
で、彼はやっぱり我が家に泊まるのである。「帰るのがめんどくさい」というよりは「もっと話をしたい」という風情で我が家に集い、だらだらごろごろ。
彼が肌身離さず持ち歩いているA3版の通称"M井ノート"というものが存在しているのだけど(しかも常に2冊のノートが連結した形になっており、1つはプライベート用、1つは仕事用と使い分けている)、会えなかった期間のM井さんの思いの丈を今日もちらりと覗けてしまった。(グレーの文字は私のコメント)
現状の生活スタイルにはかなり無理がある。
(その後雑に1日のタイムテーブルが描かれる。6時と8時の間ほどに矢印入りで赤文字)
←ここでビール飲んでしまうのが良くない?
……なんでも、家帰って一杯飲んで寝て、深夜に起きて活動してからまた寝る、という生活をしているらしい。
心掛け
帰ったらフロと食事をとって、とりあへづ早目に寝る。
→6時間後に起床するよう心掛けよ。
20時→2時
22時→4時
24時→6時
とする。あとは疲れ具合によって+3h寝てもよしとする。
上記のタイムスケジュールを書いた後、色々考えたらしい。
いつも同じところで間違うのは、指が覚えていないから。
ピアノの上達が行き詰まっているらしい。
6/4(水) 6/6(金)は休めそう。さっそく秋葉へ。
秋葉行くなよ……
相変わらず、全てを理解するにはまだまだ道遠きお人よ……。
鶏肉とキュウリの胡麻和え
水菜と三つ葉のナムル
冷や汁
麦茶
昨夜は友人M井さんと焼肉宴会の後、いつもの「我が家お泊まりコース」に。
日付が変わるちょっと前まで話まくった挙げ句、翌朝である今日はちょっと早く家を出たいということで、ちょっと早起き。"油こってりニンニクがっちょり"な食事の翌朝だったので、さっぱりしたものが良いかなと昨日のうちに冷たい味噌汁を準備しておいた。ご飯を炊き、冷蔵庫に残っていたおかずを銘々皿にちんまり盛りつけ、あとはすり鉢とすりこぎを取り出す。
豆腐をゴーリゴーリと細かくつぶし、おろし生姜とナムプラー、胡麻油を混ぜ合わせる。ぐずぐずになったその豆腐をしらす干し、揉み海苔と一緒にご飯に盛りつけ、わしわしと食べる。つい先日、雑誌で見かけた料理だったのだけど、そのぐずぐずな豆腐が妙に美味しそうで気になっていたのだった。
「というわけで、本日初挑戦の料理なんですけどー」
とテーブルに出すと、だんなもM井さんもちょっとイヤな顔をした。
「初挑戦ですか……」
「毒味役ですか……」
と不穏な顔をしながら、ぐずぐず外見の豆腐を炊きたてご飯にこんもり盛りつけ、しらすと共にもみ海苔もたっぷりと。二日酔いの翌朝にはちょうど良いような(って、別に二日酔いではなかったんだけど)、優しい味の丼だった。豆腐としらすとナムプラーってどうよ?とちょっと思ったりしたのだけど、これが妙に似合う。生姜をちょっと強めにきかせて、全体的に強めの味に調えた方がご飯と似合う気がする。
我が夫もかなりなおしゃべりだけど、M井さんも暇さえあれば口が動くような人なので今日もよく喋る。
「……あ、なんかね、M井さんがお腹一杯になってきたよ」
と苦笑いしたら、
「それはいけません。わたくしはこれから無害な事を話すように致します」
とか言いながら、やっぱり色々喋っている。楽しいんだけどねー、すごく楽しいんだけどねー、2週間会わないと懐かしくなっちゃう人なんだけど、12時間くらい顔合わせてるとお腹一杯になっちゃうんだわ。ビタミンCみたいに体内に蓄積できない栄養素みたいなものらしい。
「お腹一杯」とか言いながら、「まーたきてねー」と出勤するだんなとM井さんをお見送り。今日はお友達と会ってくるのさー。
フォアグラとリー・ド・ヴォーのサラダ
グリンピースの冷たいスープ
仔羊のロースト ローズマリー風味
洋梨のシャルロット
ペリエ・紅茶
11時に千葉駅で待ち合わせてお会いしたのは、Kさん。Web日記書き仲間としてもう3年以上前に知り合ったのだけど、知り合った当時に数十キロ離れたところに住んでいた私たちが、我が家の転居で10km圏内くらいに入った。会いましょ会いましょ、と何度かお会いしている。今日はメリケン土産を持って、一緒に食事しましょー!と繰り出すことになったのだった。Kさんの車に乗り込み、ランチに向かったのはずっと行ってみたいと思っていた「Chez Ken」(シェ・ケン)というお店。最近は新検見川あたりにも支店を増やして「味が落ちた」という話もあるようだけど、ちょっと前に「かなり美味しいフランス料理屋さんが千葉の辺鄙な場所にある!」と噂になったのをなんとなく覚えている。
車に乗らなきゃ行けない場所、とKさんに聞いていたけれど、本当に、「どうやって行けっちゅーねん」という場所にその店はあった(帰ってから調べたところ、モノレールに乗って行けば良いらしいけど、なんとなく不便)。テーブル数は15くらいしかないようなこぢんまりとした店に、感じのよい接客係さんが2人、きびきびと動いている店だった。フランス料理は前向きに好きな料理なのだけど、普段は何故か中華だイタリアンだとにんにくの風味漂う料理ばかりに足が向いてしまいがちなので、かなり久しぶりなフランス料理。しかも、リードヴォーだポワレだテリーヌだフォアグラだと、かなり気合いの入ったフレンチだった。お昼の一番スタンダードなコースは2500円。それぞれ複数ある前菜メニューから1つ、メインディッシュメニューからも1つ、デザートを1つ選び、更にパンとコーヒー紅茶がついてくる。
「私は!1000円プラスだけど仔羊食べちゃいますっ!」
「せりあさんせりあさん、スープも取っちゃいます?」
「うー、500円プラスだけどスープも取っちゃいます!」
と、質素に頼めば2500円のコースを、あれこれ追加料金ものをくっつけたりした挙げ句、各々夫や子供には報告できないリッチな昼御飯になってしまった(本日息子は母とお留守番)。
最初は、"本日の前菜"から、フォアグラとリードヴォーのサラダ。葉野菜やトマト、にんじん、火を通したパプリカなどの上に火を通したフォアグラと、これまたトロットロに煮込んだようなリードヴォー(仔牛の胸腺肉)が数切れずつ乗っている。さっぱりしたオイルのドレッシングに、こってりねっとりしたフォアグラと子牛肉。追加で頼んだ"本日のスープ"は、グリンピースの緑色鮮やかな冷製スープにゼリー状にしたコンソメが混ざり、上には泡立てたミルクの泡が乗ったもの。メインディッシュは骨つき仔羊をローストして、ほんのり香菜をきかせてトロットロになった肉汁とワインをベースにしたソースをかけたもの。どれも、「そうそう、フランス料理ってこんな感じ」と想像の範疇におさまるような、変にとんがったりしていない、安心して食べられる味のものばかりだった。冒険はしていないけど、基本を外さず堅実に、という感じ。しっかり甘さが感じられるデザートも、しっかりねっとり練りこまれたカスタードクリームが詰まったケーキが良い感じだった。
「ゆっくりランチ〜」
「幸せですねー」
なんて、「日記には書いてないけど、色々あるのよねー」「そうよそうよ」なんて楽しい話や不穏な話をしながらあれこれ話した。
帰り道、「そうそう、美味しいロールケーキが食べたくてー」と呟いたら、
「あ!寄ります寄ります?いつも買っている、ほら、"チューリップ"ってお店、通りますよ」
と速攻お返事をいただいて、そのままひゅるるるるーっと「チューリップ」でアーモンドロールケーキ購入。帰宅してから母と息子と3人で食べたのだけど、素朴で優しい味のロールケーキだった。そうそう、こういうシンプルで素朴なロールケーキが一番好き。願わくば、表面にパラパラッと散らされたアーモンドがなければ、より一層好みだなぁ。
「Johan」のレーズンパン
ビール
夕方遅くに母と息子とロールケーキ食べちゃって、しかもだんなは帰りが遅そうということで、非常にやる気のない夕御飯。そごうの特設コーナーで売られていた美味しそうなウィンナー(4種を好みに組み合わせて15本1000円なり)を茹でた後パリッとフライパンで焼きつけ、粒マスタードを脇にごってりと盛りつけた。それとレーズンパンを傍らにビールをぐいぐい。息子はその夕飯じゃあまりに可哀相だと、そのメニュープラス卵御飯。
どこかの地方のウィンナー屋さんが出店していたようなその店のウィンナーは、期待以上に美味しかった。火を通すとムチムチとはち切れそうな外見になり、パリッと皮が破けて肉汁と共に中の肉がほろっと崩れる。モッツァレラチーズが入っているというチーズウィンナーは、ところどころでぴょーんとチーズが延びてきて、ビリッと後味に辛さが残るチョリソも香ばしく良い感じだった。
「あら、美味しいわね」
「でしょ?美味しそうに見えたのよー」
「ぼくも、ぼくももっと食べるー」
と、3人で奪い合うようにウィンナーをぼりぼり齧り、簡単に済ませた夕御飯。この一食はちょっと地味めだったけど、なんだか毎日飽食気味〜。
アイスカフェオレ
本日の朝御飯はカレーパン1個。昨日、千葉そごうで買ってきたのだけど、何だか笑えるお店だった。
「皆様にー、大変人気のガラムとマサラのカレーパンでーす」(店頭女性)
「カレーパンでぇぇぇす」(店員唱和)
と、声張り上げて営業している。
カレーパンかぁ……と思わず立ち止まって眺めたところ、
「ただいま揚げたてカレーパンを御提供できまーす」(店頭女性)
「御提供できまぁぁぁす」(店員唱和)
と再びセールストークが始まった。大鍋で揚げているカレーパン、油を切って網に乗せた後、
「ここで、秘密のスパイスをふりかけさせていただきまぁす」(カウンター内女性)
「はい、秘密のスパイスでぇぇぇす」(店員唱和)
と、巨大なミルをごぉりごぉりと動かしている。秘密も何も、それって胡椒類とあとはコリアンダーとかクミンとか、要するにインドカレーにおなじみのスパイスばかりじゃ……?と、透明なそのミルの中身をぼけーっと眺めてしまう。
セールストークは、まるで都内を時々走っている黒い車の人たちのようだった。だみ声で「北方領土をへーんかん、せよー」「へーんかん、せよー」なんてやっているアレを思い出してしまって、苦笑いしてしまいながらも2個買ってきてみた。妙なお店だけど、なんだか美味しそうには見えたのだった。
オーブンで5分ほどかけてこんがり温めたカレーパン。球をぺこっと軽く潰したような丸いカレーパンの中には、粘度緩めの辛さ強めなカレーが詰まっていた。店名がガラム&マサラというだけあって、スパイス臭ぷんぷんのちょっと独特なカレーパン。
私:
牛バラ肉入り香港麺 ¥800
糖朝特製マンゴプリン ¥600
息子:
五目炒飯 ¥750
パパイヤ・杏仁・白きくらげのスープ ¥550
Tさん:
ピータンと豚肉入り粥 \700
マンゴ入りタピオカ ¥550
外食続きの今日この頃、今日もだんなを見送って洗濯物を干した後、息子と一緒にお出かけした。今日の目的地は表参道。香港の人気スィーツ店「糖朝」が青山に日本初出店を果たしたのはもう1年近くも前の事だけれど、香港で食べられた美味しいマンゴプリンが果たして日本のその店でも食べられるのか、非常に非常に気になっていたこの1年だった。今日は仕事仲間(というより、もはや"お友達")のTさんをお誘いして、一緒にお食事。Tさんは既に何度かこのお店に来ていて、色々な話を聞いていた。他の人からも、「香港なみに美味しい!」とか「でもマンゴプリンはいまいちかも」などと、ちょこちょこ噂は聞いている。もうオープンして1年近くになるというのに今でも行列ができるお店と聞いていたので、開店の11時より前に到着するようにと店頭で待ち合わせすることにした。
予定より1本早い電車に乗れ、お店の前に到着したのは10時45分。なのにすでに5組ほどのお客が店頭で待っており、開店するまでの間に数十人がずらりとお店の前に列を作ることになった。私たちが入店できた時も、帰る時も平日だというのに変わらずの行列ができていて、驚くほどの人気のお店だ。
「せっかく念願の糖朝にいらしたんだから、せりあさん、色々食べなきゃ損ですよ。私も協力しますから!全部違うもの取りましょね!」
とTさんの協力のもと、テーブルには麺と粥と息子のリクエストにより炒飯。デザートもしっかり3種。店内はモダンなしつらえになっていて、どこか銭湯を思わせる(白い壁とか床のタイルとかが、なんとなく……)香港のお店に比べると、随分と洒落ていた。ずらりと並んだ料理、取り皿をいただいてあれこれつまんでの昼御飯。
一品料理だ炒飯だビールだと、香港のお店にはそこまで色々はなかったと記憶しているのだけど、このお店はデザートも食事もどんとこーい、という感じの品揃えになっていた。1杯450円のビールを飲みながら一品料理をちょこちょこつまんでデザートで締めたりすると、夜の食事にはとても安上がりに済むらしい。
私の注文した牛バラ肉入りのつゆ麺は、煮込んだ牛肉から八角の香りがぷわんと漂ってくるものだった。少々の青菜とたっぷりの煮込み肉が具になっていて、醤油ベースのスープは素朴で素直な味なのだけど、ベトナム麺を啜る時に感じるような微妙なジャンク感も漂ってきたりして。ピータンと豚肉がざくざく入るお粥をTさんから分けてもらいつつ、息子からは私の麺を奪われつつ(代わりに炒飯を奪取しつつ)、食事終了。どれも美味しかったけれど、普通に美味しいというか、「近所にあって、しかも行列してなかったらちょこちょこ行くかも」てな感じの味。そもそも香港の糖朝も「もうね、おいっしーの!香港に行ったらまずあそこに行かなきゃいけないの!」という類ではなくて、「そこそこ手軽でそこそこ美味しいし、時々懐かしくなっちゃう店なのよね。メニューの豊富さが嬉しいし」という風な店だったりするので、そうそう、そんな感じで良いのよね、という気はする。
で、デザート。私は当然マンゴプリン。Tさんはマンゴ入りタピオカ、息子にと私が勝手に選んだのは「西洋なし・杏仁・白きくらげのスープ」。残念ながら白きくらげのスープは西洋なし入りのものはお休み中ということで、西洋なしではなくてパパイア入りのものに変更することになった。
果肉が少ないとか固すぎとかいう話を聞いていたけれど、マンゴプリンは想像を越えて充分美味しいものだった。「果肉が少ない」と言われた頃からリニューアルしたのか、スプーン1すくいにちゃんと果肉が1かけ乗ってくる程度には充分果肉が入っている。果肉が飾られ、エバミルクもかけられ、ころんとハート型をしたマンゴプリンは、久しぶりに食べる美味しいものだった。
「せりあさんっ、ここは厳しく厳しく、批評しなきゃダメですよっ」
とT先生がニヤニヤしながらせっついてきているのに、「あ、美味しいです。悪く言えない……」とプリンを前にぐにゃぐにゃになる私。何より今日、強烈だったのは麺でも粥でもマンゴプリンでもなく、ましてやマンゴー風味たっぷりでめちゃめちゃ美味しかったマンゴ入りタピオカでもなく、「パパイヤ・杏仁・白きくらげのスープ」だったりした。
陶器に入れられ、紙で蓋され蒸されたスープ。蓋を開けるとふわんと良い香りが漂ってくる……と思いきや、何だかとんでもない匂いが周囲に漂い始めた。好意的に表現して、"身体に良さそうな香り"というか……非常にビミョ〜な匂いがする。透明なスープに沈むのは、たっぷりの白きくらげとパパイヤが数切れ、杏仁の粒が数個と、あとはナツメらしき赤いものが2粒ばかり。スープをすくって一口啜ると、その漂う香りそのままの何ともビミョ〜な味が口中に広がった。
「これはまた……ビミョ〜な……」
絶句する私を前に、Tさんが「なに?なに?どうしたのせりあさん!?」と目を細めて笑いながら聞いてくる。いや、いいから、どうぞ……と器を押しやると、同じく一口啜ったTさんが同じように絶句した。
「身体に……良さそうですよね」
「ナツメとかね、白きくらげも身体に良いんですよね」
視線を中に彷徨わせながら話し合う私たち。
あのね、あの……言っちゃいけないと思いつつ、言っちゃいますね。あの……東南アジアに、独特に体臭の濃いお兄ちゃんとか、いるじゃないですか。欧米人じゃなくてね、東南アジアのお兄ちゃん。その兄ちゃんのね、足の裏とか脇の下の匂いにそっくり、というか……そのもの、っていうか……。
と、言葉をごにょごにょ濁しながらも言い切ったところ、Tさんは本格的にゲタゲタと笑い出してしまった。
「あ、足の裏の匂いですか〜……!」
「いや、だってね、本当にそんな感じなんですよ〜」
泣き笑いしながらもそれでもちょこちょこレンゲを器と口に往復させる私。後半、Tさんが見かねてか
「ねぇね、楽しみにしてきて、そのスープで終わらせるって何だか悲劇ですよ。私のタピオカと交換しましょ?ね?最後、こっち食べた方が良いですって!」
とスープとタピオカをトレードしてくださった。私が最後、美味しいタピオカ入りのマンゴースープで締めたということは、Tさんは足の裏の匂いのスープで締めたということで……。すみませんすみませんすみません。今をときめく料理研究家に大変なものを押しつけてしまいました。
多分そのスープ、西洋なしのバージョンだったらここまで凄いことにはならないような気がする。ナツメの独特なツンとくる風味と、白きくらげの乾燥臭さというか埃臭さのようなものと、パパイヤの青臭さ生臭さが悪い方に悪い方に絡まっちゃって醸し出された香りと味、という感じ。今日は結局、
「足の裏、ですね……」
「足の裏、なんですよ……」
と、さっぱりわからない会話をしながら店を後にすることになった。こ、今度は美味しいロールケーキ買いに行きましょう先生。ロールケーキだったら絶対足の裏の匂いはしないはずですし。
トマトと茄子の重ね焼き
青椒肉絲
羽釜ご飯
「糖朝」の叉焼飽・カスタード饅
ビール・麦茶
「糖朝」にはレジ近くにテイクアウト用の諸々が売られていて、マンゴプリンはじめ、叉焼飽やカスタード饅を買ってきてみた。デパ地下をぷらぷらした後帰宅すると、数日前に注文したながしま農園の旬野菜セット※が届いている。そうだった今日だった、野菜が届く予定だったんだー、と段ボールを開けると、かぼちゃに茄子にピーマンに美味しそうなトマト。小松菜とルッコラ。これは夕飯、気合いを入れて野菜料理を作るかなぁと冷蔵庫の買い置きものや今日買ってきたものと見比べながらあれこれ作ってみた。
かぼちゃは細かく千切りにして、さっと湯に通して玉ねぎとカリカリベーコンと混ぜ合わせる。ドレッシングはマヨネーズをベースに粒胡椒やコンソメで味を調えたものをぶっかけて混ぜる。シャキシャキした歯ごたえが信条のサラダになる予定だったのだけど、うっかりかぼちゃに火を通しすぎて見事なまでの"マッシュかぼちゃ"になってしまった。千切りかぼちゃのサラダを目指していたのは私一人だったし言わなきゃわからないわよね、と、そのまま無言で静かに方向転換して、ドレッシングはそのままにかぼちゃのマッシュサラダに転向。周囲にこんもりルッコラも盛りつけた。
茄子は薄切りにして水にさらした後塩胡椒して小麦粉まぶしてこんがり焼きつけ、トマトとモッツァレラチーズ(ピザでもしようかと今日たまたま買ってきたのだった)と順々に層にして積み上げてオーブン焼きに。苦み強めのブリブリしたピーマンは残っていた豚肉と一緒に青椒肉絲にした。饅頭があるわイタリアンなものがあるわで、ジャンルバラバラな夕御飯。
熟した甘いトマトや味の強い茄子、苦みがはっきりしたピーマン、どれも「おおっ」と静かに唸ってしまうような美味しさだった。普段、「肉うまー」「魚うまー」と、蛋白質系の美味しさばかりに目がいってしまうのだけど、野菜がしみじみ美味しいというのもシアワセだなぁと思う。
ほんのりニンニクの香りのする叉焼飽も、オレンジ色の餡が鮮やかなカスタード饅もかなり美味しくて、「おいしーおいしー」と皆で大騒ぎの夕御飯。
でも、やっぱり今日一番インパクトがあったのは足の裏の匂いのスープ(ああ、もう……)。
アイスプーアル茶
「うぉー!551!551蓬莱の豚まんが懐かしい〜!」
とだんなが騒ぎ出したのは、日本に帰ってきて早々の事だった。あー、そうだね、豚まんは恋しいね、と頷いている間に我が夫は早々に通販申し込みを済ませたらしい。昨夜我が家に大阪からのクール宅急便が届いたのだった。中には豚まんと焼売とマンゴプリンがうじゃーっと詰まっている。
「どこにしまうのよー。冷蔵庫パンパンよー」
と文句垂れながら冷蔵庫の隙間にお店のロゴ入りの赤い箱をぎゅうぎゅうと詰め込んだ。
今日の朝御飯には早速この豚まんを。
餃子とか焼売とかラーメン、マンゴプリンまである大阪のこのお店、主軸商品は「豚まん」だ。ちょっと色の薄い肉あんが詰まる豚まんは、玉ねぎもたっぷり入っているらしく、ほのかに甘い。微妙にジャンクな味も感じられるこの店の豚まんが、私もだんなも大好物だった。
朝から蒸籠を出し、シューシュー湯気の出始めた鍋の上に竹製のそれを乗せて蒸すこと10分ちょっと。ほんのり甘みのある皮をぱかんと割って、はふはふ言いつつだんなと食べた。豚まん、私は無節操にソースかけるのも醤油かけるのも好み。辛子も美味しいし、この店の醤油用のタレ(酢醤油)をつけて食べるのも、それはそれでかなり美味しい。……でも一番好きなのはソースかな。
セイロンミルクティー
本日の私の朝食は2回。昨日銀座をぷらぷらしたときに、「そういや母が好きだったっけ……」と、松坂屋デパートに入っていた「ベノア」でスコーンを買ってきた。今日は母の仕事が休みと聞いていたので、遅い朝食にクロテッドクリームこってりつけたスコーンを食べようかなぁと思っていたのだった。……でも、豚まんが届いちゃうし。
「え?そういうことだったら豚まんは僕だけが食べたのにー」
と、豚まんもぎゅもぎゅと食べながらだんなが言う。
「いや、だってさー、豚まん届いたら食べたいじゃない。そいでもって、クロテッドクリームつけたスコーンも当然食べたいわけよ。残る道は、私が朝食を2回食べる!これしかないわけで」
「いや、これしかないってこと、ない……と思うけど」
だんなに呆れられ、同様に母にも「あんたさっき、肉まん食べてたじゃない」と呆れられ、それでも朝食を2回食べている私。妻としての、娘としての気づかいがわからないかなぁ、もー。
スコーンを購入した後、デパ地下でナカザワのクロテッドクリームを探したのだけど、どういうわけか見つからない。結局、三越のチーズ売り場で発見した怪しげなクロテッドクリームを買ってきてみた。ごろりと丸いガラスの瓶に入っているのだけど、瓶の中にはクロテッドクリームとストロベリージャムが半量ずつ縦に区切られて納められている。
「お好みでぇ、クリームを多めとか、ジャムを多めとか、混ぜ合わせてお召し上がりできるんですよ〜♪」
とチーズコーナーのおねぇさんの口上につられて買ってきたのだけど、初めて見た面白い品だった。最近はヨーロッパからもじゃんじゃんクロテッドクリームが輸入されるようになったらしい。
瓶をよくよく見ると、商品名は"English Clotted Cream with Strawberries"(こんなの)。英国製で、説明書きによると
「スコーンとかワッフル、クロワッサン、チョコレートケーキやアイスクリームにつけて食べてね〜♪」
なんて事が書いてある。ストロベリージャムはなかなか渋い色合いで、ジャムと接するクリームもうっすら紅色に染まっていた。生クリームほどの牛乳臭さはなく、バターほどのくどさはなく、生クリームを煮詰めて煮詰めた後にこってりとホイップしたような風味。クリームはちょっと固めだったけれど、オーブンで軽く焼いたスコーンを半分にぱかんと割ってこてこてなすりつけて食べると、「そうそうこれこれ!」的な嬉しさが口の中に広がった。デニッシュ食べるほどの甘ったるさはないし、スコーンは砂糖っけも油っけもなかったりするからなんとなくヘルシーな気がしないでもないのだけど、実は何よりも油がっちょりの高カロリー食なのだと思う。
お供はセイロンティーでいれたミルクティー。豚まんの後にこんなもん喰うのはどうよ、と思いつつ。
蒸し鶏冷やし中華
グラスビール
本日はのんびりまたーり図書館へ。息子は自分で電車の本を山のように借り、母は小説をばかすか借り、私は料理の本をちらりちらりと借りてきた。1時間以上も図書館内をうろうろしてしまい、出た時にはすっかりランチタイムを過ぎようという時間帯に。
「……そこそこ美味しいたぬきそばの店があるけど?食べてく?」
と母と息子を振り返ったところ、
「ぼくはねぇ、冷たいうどんが食べたいなんだよー」
「おばあちゃんはね、おそばやイヤだわーどうせだったら冷やし中華が良いわ」
と好き勝手な事をほざく我が息子及び我が母。私もあまり協調性がありあまっている性質ではないけれど、我が息子も我が母もかなりそれに乏しいらしい。どうするのよもーもーもー、と愚痴愚痴歩き、途中でラーメン屋さんの「旨麺」横を通りかかったので、ここでいいじゃん冷やし中華あるじゃん、とそこで済ますことにした。すまんね息子。冷やしうどんはまた別の日にちゃんと美味しそうなところに食べに行こう。
「グラスビールがあるってよー」
「じゃあそれも飲みましょ」
と、母と2人で昼からビール(でも少なめ)。胡麻だれの冷やし中華は、品名どおり蒸し鶏がメインの具でたっぷりと盛られていた。他にはキュウリとかトマトとか、揚げたワンタンの皮とかが美しく散らされている。縮れた黄色の麺がしこしこキュッキュとしていてなかなか良い感じだった。さすがにヘビィなダブル朝食が胃に響いていたので、私は息子と1皿を半分こ。
マルゲリータ(トマト・モッツァレラチーズ・バジル)
生ハム&ルッコラ
ミックス
炒めウィンナー 粒マスタード添え
ビール
美味しそうなトマトとルッコラが手元にあるので、夕食はピザ。アメリカの巨大なオーブンが嬉しくて嬉しくて何度も焼いていた自家製ピザだけど、日本で焼くのは今日が初めて。我が家には電子レンジ機能をメインに使っている小型めなオーブンとオーブン機能しかついていないちょっと大きな電気オーブンの2つがあるのだけど、どちらを使ってもアメリカのレンジのサイズにはほど遠い。せっかく持ち帰ってきたテフロンのピザ台はどうも入らないらしいということに愕然としながら、それでも強力粉にドライイーストや湯や塩、オリーブ油を放り込んでせっせと生地練りをしてみた。1時間ほど発酵させたら、これまで4等分にしていたところ6等分にして直径20cmほどの小さなピザ生地に仕立てていく。
具は、シンプルにトマトとチーズとバジルのマルゲリータ、それと生ハムとルッコラ。オーブンの余熱を始めたところで、280度で焼くのが理想であるにも関わらずオーブンの限界が250度であることが発覚。しょうがない、とできるだけの高温で生地の素焼きを始めたのだけど、3分経っても6分経っても香ばしそうな焦げ目ができてくれない。こりゃ大変だと、
「オーブン2つ動かすからクーラー止めてぇ〜ブレーカーが落ちちゃう〜」
などとばったばたしながらピザを焼いていった。
じっくり腰を据えて様子を見ながら焼いていったところ、1枚目2枚目はべたっとぐんにゃりした風に焼き上がっていた生地が3枚目にはそれなりにパリパリと香ばしく焼けるように。「ピザはねぇ、油っこくて胸やけしちゃうわ」という母にトマトソースを使わない薄焼きピザを食べさせたかったのだけど、そこそこ美味しく食べていただけたようだった。ぐんにゃりと焼けちゃった1〜2枚目のピザを前にして、
「ホントはね、もーっとパリパリなの。パリパリで美味しいの!」
「本当に美味しいんですおかあさん!」
と、私とだんなで必死に弁解してみたり。3枚目のパリパリピザでその美味しさはどうにか伝わったようだけど、せっかくアメリカで培ったピザ焼き道は何だか後退してしまったみたい。今度は我が家のオーブンで美味しく焼けるように頑張ろうと強く決意した私だった。
麦茶
数日前、我が家にうどんがガバーッと届いた。まだアメリカにいたときに、
「今申し込むと、6月から届くみたいですよ奥さん!」
「おおー、いいね、毎月うどん」
「ま、本場ほど美味しくない……とは思うけど」
「でも面白いからおっけーおっけー」
と、ぽちぽちとホームページのボタンをクリックしまくって注文した品だった。
それは、通販会社(家具とか雑貨を以前からちまちま買ったりしていた)の千趣会の「恐るべき讃岐うどん」というもの。申し込むと、月代わりで香川のうどん屋さんのうどん及びだしがクール便で届けられるというものだ。数日前に届いたのは、行ったことのない店、「味でこい」のうどん。湯で薄めて沸騰させた後に使えと説明書きがついている濃縮だしと、冷凍うどんがセットになっている。
「万能ねぎ、ないよ」
「今日のところはまぁ、すり胡麻だけでいいや」
と、朝から湯を沸かしてうどんを茹で、だしは冷たい方がいいよねと昨夜のうちに沸騰させた後冷蔵庫で冷やしておいたものを取り出す。
「これはもう、加ト吉の冷凍うどんなんて、ぜんっぜんメじゃないね!」
……と、目から鱗がだばだば落ちてくるほどの感動はなかったものの、ところどころくねっと捻れがあるピチピチしたうどんはなかなか美味しかった。だしは、香川のその店で食べたことがないので何とも言えないのだけど、「……讃岐うどんのだしなのに、こんなに色が濃くていいのかな?」と思ってしまうような、醤油の色がちょっと濃いめに思われるもの。いりこの風味も感じられなくはないけれど、今ひとつ物足りなく感じる味だった。……まぁ、こうしてとどいたうどんが香川のそれと大差ないようなものだったら、香川にわざわざ食べに行きたいとは思わないものだから、これで良いのだ、と思うところもあったりして。
あー、高松行って、「はりや」で腹一杯かしわざる喰って、「池上」のおばちゃんに癒されて、「谷川米穀店」で唐辛子山盛りにして醤油垂らして大喰って、「宮武」でゲソ天2つ盛ったひやひや食べて、「山越」で行列気にせず釜玉お代わりして食べちゃったりして、挙げ句に「谷川製麺所」で大根入りのだしを大量にかけつつ2玉くらい食べちゃったり……したいなぁ……って。一日何玉喰うつもりなんだお前はと。
烏龍茶
今日はおでかけ。高校時代の友人たちと「せりあちゃん日本にお帰りなさい」お食事会をしようということで、食事の予約は六本木ヒルズのバリ料理屋さんに午後7時。2人の友人とはそこで合流することにして、午後4時にSちゃんと待ち合わせて六本木ヒルズをぷらぷらしてみようということになった。
うどん1杯で夕方まで持たせるのはちょっときついと、出発前に551蓬莱の
豚まんと焼売をつついていく。玉ねぎとラードたっぷり、てな感じの豚まんの具は、どうもそのまま焼売の具にも転用されているような感じがしたりして、
「皮が違うだけじゃんねー」
「いや、でも焼売がこれまた美味しいんだわ」
なんて言いつつ、ぶりぶりと巨大な焼売をつつきながら皮がほんのり甘めの豚まんを齧る。豚まん、やっぱりソースかけるのが好きだわぁ……。
Richy Rich Mango Pudding
キャラメルティー
午後4時、六本木ヒルズの"巨大クモ"の前でSちゃんと半年ぶりの再会を果たす(Sちゃんはアメリカに遊びに来てくれたので昨年末にも会っているのだった)。想像はしていたけれど、いや、想像以上に六本木はすごい人。以前、まだ工事をしている頃に仕事だ食事だとこのあたりを通りかかることがあったのだけど、その頃とは比較にならないほどの人がうねるようにそこら中に溢れている。
「クモのとこ、来たけどー、Sちゃんどこー?私ね、壁に水が流れているところ背にしてるんだけどー?」
「あ、わかったよー。今行くー」
と、待ち合わせ場所にやってきても携帯電話かけなきゃお互い会えない始末。
24時間営業だという、ちょっと洒落た風のスーパーマーケットを覗いてみたり、中国茶屋さんを覗いてみたり、六本木ヒルズのイメージキャラクターであるロクロク星人(こんなの)のグッズがあるショップを覗いてみたり。でも、どこも目眩がしてくる程のすごい人だった。ちょっと休もうにも、喫茶店にも行列している。かと言って、お店を覗いて歩こうにもやっぱり店内もすごい人だし。
私は、皆にお土産を渡そうと紙袋にベニエミックス3箱(1箱1kgほど……)を持っていて、他の荷物もちょこちょこあったりして、1時間もすると
「ダメ……Sちゃん、疲れたよわたしゃ……」
と早々に休憩を要求。
「ついては休みたいのですが、あの店にマンゴプリンがあるそうなのであの店を所望します」
と、無理矢理にIdee Caffeという店にSちゃんを連れていったのだった。
確か、元は雑貨屋(というか洒落た家具屋という印象も)のIdee、最近カフェだお洒落な花屋だとあれこれ展開中であるらしい。この店も、他の六本木ヒルズ内のお店と同じくあれこれ凝ってていかにも今風のお店だった。正直な話、私はいわゆる"カフェ"というものがあんまり好きではなく……繁華街にあって雑誌にも載りまくったりしちゃうような"居心地の良い人気のカフェ"とか行ってみたところで居心地が良かった試しがなかったりして……。どちらかというと「神保町の雑居ビルの地下にある古びれたコーヒー屋」とか「銀座だけど妙に辺鄙な場所の、営業する気がなさそうに見えてしまう喫茶店」みたいなところの方が何度も行く気になったりするものだから、自分は流行にどうしても乗れない人間なのだと思う。お洒落なカフェって、なんか尻の収まり所が悪くって。
で、「おー、オシャレじゃのー」と、滅多に来ないカフェを堪能しながら、1杯600円ほどのキャラメルカフェと、1個450円のマンゴプリンを注文。久しぶりだねとぺちゃぺちゃお喋りしていたから紅茶がなかなか来ないのも、水すらやってこないのもさほど気にならなかったのだけど、それにしても注文したものが出てくるのが遅かった。15分ほど経過して、「へんだね?」と首を傾げていたところ、店員のおにぃさんが
「……す、すみません。伝票がなくなってしまって……」
と恐縮しながらやってきた。もう一度注文を伝えると、ほどなくお茶のセットとマンゴプリンがテーブルに。ステンレスの小さなポットに入ったお茶をだばだばだーと小さなガラスのカップに注ぎながら、引き続きおしゃべり。Richy Rich Mango Puddingという、すごい名前のマンゴプリンは、確かにリッチな味わいだった。小さなガラスの器に固められたプリンは、こってり濃厚。
バリ風春巻とか、
ガドガド(ピーナッツソースのサラダ)とか、
鶏肉のサテとか、羊肉のサテとか、
イカの炒め物とか、海老カレーとか、
ナシゴレンとか、
バクミゴレンとか、
マンゴプリンとか、
アラックのカクテル、ビンタンビールとか、
覚えてないほどいろいろ飲み食いして1人4500円くらい。
午後7時、向かったところは"ジュンバタン・メラ"というインドネシア料理屋さんがプロデュースしたのだというバリ料理カフェ。Sちゃんが予約しておいてくれていたので待つことなく席につけたのだけど、店頭にはずらりと10人ほどのお客さんが列を作って席が空くのを待っていた。ヒルズ内には、「カウンター席だけで構成されたロブションのフランス料理屋さん」とか、「上海に本店がある人気の小龍包屋さん」など、あれこれあれこれ面白い店があるらしいのだけど、どこも同様にすごい人だ。私とSちゃんが席について数分後に次々と2人友人がやってきて、仕事の内容も方向性もてんでばらばらの4人が久しぶりに集まって、「おひさしぶりー」「かんぱーい」と、東京タワーが良く見える吹き抜けの席でビールやカクテルを持ち、乾杯。
「どれも素晴らしく本場バリの味!」というにはちょっと苦しいような、でも手軽な価格の料理がメニューに並ぶ。安いけれど、安いだけあって量は少なめだし、あまり凝ってないものが多い。ナシゴレン(インドネシアのチャーハン)だったら、もっとこう鶏肉とか海老とか野菜とかが入っていても良いんじゃないかなー、と思ったり(ただのご飯炒めに揚げ卵が乗っているだけのような感じだった)。
「サテ!サテ取ろう!……1皿500円だから……多分きっと少ししかこないんだわ……」
「じゃあ2皿とってー、鶏とヒツジとか」
「私、海老の料理が食べたいんだけど」
などと、わいわいやりながらつつく料理は、それはそれでシアワセで楽しかった。ココナッツジュース入りのアラック(ココナッツのお酒)のカクテルや、マンゴジュース入りのアラックのカクテルや、ビンタンビールをかぱかぱ飲む。全体的にピリ辛味の料理が多く、「うわっ、これ辛い!」とヒーヒー言いながら更にカクテル1杯注文してしまったり。
3ページもあるデザートメニューからマンゴプリンを見つけた私は当然最後にマンゴプリン。ココナッツのソースに浸った南国チックなマンゴプリンをつつきつつ、
「あ、お土産渡すからー」
と紙袋からベニエミックスその他お土産をどかどかどかとテーブルに並べ、「重いけど持って帰ってー」と手渡した。
恐ろしいことに、私たち、出会ってからもう十数年が経過している。
「高校時代は、今頃の年のこととか全然想像もしてなかったけどね」
「40歳とかになってもやっぱりこうやって年に何度か会うのかしらねー」
「アレだよ、60過ぎて会合するときはやっぱり巣鴨に集まらなきゃ!」
なんて高笑いしながら、午後9時半頃にお開きとなった。あんまりノリは昔と変わっていないような気がするんだけど。
麦茶
昨日の朝に引き続き、千趣会の「恐るべき讃岐うどん」の冷凍うどんで朝御飯。今月から取り始めた「月変わり讃岐うどん宅配」なのだけど、今月のそれは「味でこい」というお店のもの。
昨夜私は宴会で家を空けていたのだけど、私がいない間にだんなと息子は近所のスーパーに買い物に行き、葱やら天かすやらその他諸々を買ってきたようだ。
「今日もうどんですけどー、でも今日は天かすがあります!」
という心強い我が夫の一言で日曜の朝は始まった。
毎月別の店の、冷凍麺とか冷蔵麺とか色々なタイプのものが来るらしいのだけど、今月のはとりあえず、市販のものでお馴染みの冷凍麺。ぐらぐら茹だった熱湯で数分茹でて水でぬめりを取ればできあがり。私もだんなも冷たいうどんが好きなので、麺もだしも冷たい"ひやひや"にして食べる。上からは、天かすをどっぶぁーっと。
シュガーベニエ
アイスカフェオレ
「ビデオテープがないので!ヨドバシカメラに行こうと思います!」
というだんなにつきあって一家皆でお買い物。今日は「29の日(にくの日)」だからして、近所の肉屋さんで特売だということもあり、本日の目標は「ビデオテープ購入及び肉購入」ということになった。
買い物ついでに寄ったのは、千葉パルコ内にある「Cafe du Monde」。スタンダードな揚げドーナツが食べたいねと、今日は生クリーム添えとかジャム添えの"ディップベニエ"ではない、"シュガーベニエ"なる普通のものを頼んでみた。ディップベニエより数回り大きい、「そうそう、これがベニエよー」と頷きたくなる、かなり本物っぽい揚げたてベニエがテーブルにやってきた。何しろ揚げたてなのが嬉しくて、1人1皿のベニエを昼御飯代わりにもちもちとつまむ。そろそろ家で山盛りベニエを作って食べようかなぁ……(でも、いかにもカロリー多そう、ていうか多いし、何だか家中にあれこれ食べ物があるし……)。
茹でとうもろこし
しらすぼし
焼き茄子と舞茸の吸い物
羽釜ご飯
ビール
のんびり買い物し、我が家最寄りのお肉屋さんであれこれお肉も購入し、帰宅。今日のおかずはどうしましょー、と肉を買った後にあれこれ考えたところ(買い物前にそういうことは考えておくべきだと我ながら思う)、だんなから
「肉豆腐!肉豆腐が食べたいなー」
とリクエストが入った。
「にくどうふ?なにそれ?」
「えぇぇ?おゆきさん、作ったことなかったっけ?すき焼きみたいな醤油と味醂のタレで牛肉と豆腐を煮るの。肉じゃがよりこう、ちょっと汁汁してて」
どうやら私は肉豆腐なるものを作ったことがなかったらしく(そういえば、実家ではそういうもの食べてなかったわと思いつつ)、では作ってみましょうとやってみることにした。
だし汁に醤油と味醂と酒を同量ずつ加えて沸騰させ、牛の切り落としをひらひらさせながら玉ねぎと共に煮ていく。玉ねぎと牛肉が煮えたら、豆腐を加えて色よく煮ればできあがり。だしを取ったついでに吸い物も作り、何を具にしようかと悩んだ後、舞茸と焼き茄子を入れることにした。本当は丸ごとの茄子をこんがり焼いて皮剥いて裂いて……とやると良いらしいのだけど、めんどくさいので輪切りにして軽く油を敷いたフライパンであぶるだけにすることに。いただきもののとうもろこしを茹で、品数の割に手間はかかっていない夕食の準備が整った。
「そうそう、肉豆腐ってこんなだよー。うん、旨い旨い」
適当に作った肉豆腐だったけれど、だんな的には「そうそうこれこれ」といったものだったらしい。ちょーっと汁気が多すぎて、"汁汁している"というよりも"汁びたし"という感じになってしまったのだけど、すき焼きよりちょっと薄めの味のそれは、ご飯にもビールにも似合って美味しかった。また作ろう、うむ。
アイスプーアル茶
ここ数日、豚まん・うどん・豚まん・うどんな朝食を食べているような気がする。昨日ちらっと、
「明日はパンにしようかなー、なんてなー……」
と呟いたのだけど、
「いや、豚まんでしょ、ここは」
我が夫に速やかに却下された。そんなに豚まんが好きか。そんなにうどんが好きか。いや、私も好きなんだけど。
起きるなり、熱いプーアル茶をいれ、氷をみっちり詰めたポットに一気に注いでアイスプーアル茶に。独特のカビ臭さというか埃臭さのあるお茶なのでアイスで飲むとより一層その匂いが鼻についちゃったりするのだけど、飲み始めるとけっこうクセになる。夏の朝の麦茶はサイコーだけど、アイスプーアル茶もまたサイコー。私もだんなもアイスプーアル茶が大好きなのだった。
麦茶
「最近外食がやたらに多いので家にいるときはせめて粗食に」キャンペーン。本当に粗食になっているのかいないのか今ひとつ自信はないけれど、昼御飯は冷やし中華にしてみた。いつだったか作った棒棒鶏用の自家製たれがある。これを使おう、と、冷やし中華用の麺を茹で、キュウリとハムを刻み、錦糸卵も準備して上から少量のスープでのばして味を薄めた棒棒鶏たれをぶっかけた。練り胡麻や酢や砂糖、ラー油などで作ったたれだから、素直で素朴な味がする。長ねぎや生姜たっぷりのそのたれを息子が横から覗き込んで
「なんかねー、これはちょっと、辛いと思うなー」
と不安そうに呟いたので、息子の分は更にスープで薄めて醤油と砂糖で味を調えてみたり。
醤油と酢と砂糖を混ぜたような、醤油ベースの冷やし中華のたれも美味しいけれど、胡麻味のそれも旨い。夏になると麺コーナーに出現する「つけ麺」も大好物。野菜や茹でて裂いた鶏乗せて食べるのが、これまた。
息子の幼稚園か保育園も何とかせねばならないねぇ。8月からの途中入園の審査に無事通ると良いんだけど、さてどうなることやらなー。
千切り南瓜のサラダ
大根と人参のスープ
羽釜ご飯
ビール
桃
先日の"29(肉)の日"に買ってきた豚バラのブロック肉。だんなが調子に乗って3ブロックも買ったものだから、冷蔵庫の中は豚肉(しかも脂たっぷりバラ肉)がみっちみちに詰まっていたりした。
「豚バラ、やっぱり角煮で食べたい?」
と昨日のうちに聞いてみたところ、うんうんと激しく頷かれたので角煮を仕込むことに。角煮をするなら一晩おいて翌日に食べるように仕込むのが一番美味しくできると思うのだけれど、だんなは明日飲み会だ。明後日は私も一緒に食事会ということで、今日仕込んで今日食べるしかない、ということになった。で、昼前からちまちま仕込み。
バラ肉を塊のまま茹でて、茹で上がったそれを角切りにした後に醤油と酢を合わせたタレにつけつつ、まずは全面こんがりと焼き色をつけ、それを水と醤油と砂糖のタレでひたすら煮込んでいく……という我が家の角煮の作り方は、もう5年近く前に中華料理人、脇屋友詞さんの本(かムックか雑誌か)で見かけたやり方だ。砂糖と醤油の配合は非常にわかりやすく、水2リットルに対して醤油100ccに砂糖100gという割合。かなり甘めのこってりした味になるのだけど、醤油を浸して焼き付けた肉の表面に適度に濃い味が染みついていて、ちびちびつまんで日本酒傾けたりするにはかなり良い感じに仕上がる。
一度このやり方で作ってから
「"これ"だ!」
「"これ"が我が家の味だ!これからこれが我が家の味!けってーい!」
と問答無用に我が家の角煮はこの味になった。時々、もっとしょっぱいものが良いなぁとか、もっとエスニックな味のものがいいなぁと別の味にも浮気するけれど、この角煮は変わらず一定の期間をおいて作られ続けている。3切れも食べると満腹になるこってり角煮だ。
煮上がった角煮に添えるように茹でた小松菜と練り辛子を用意。豚を茹でた時のゆで汁は大根と人参を入れてスープにした。野菜っけが足りないので、千切り南瓜を十数秒サッと茹でて薄切り玉ねぎと一緒に市販のドレッシングでちゃちゃちゃっと和えたサラダも用意。だんなが帰ってくる頃には、家中に醤油と砂糖があわさった甘ったるい匂いが広がっていた。
今日作って今日食べるのだから、と、蓋をしたダッチオーブンでじくじくじくじく煮込んだ角煮。重い重い鋳鉄の蓋でぴっちり上を塞いでも隙間から湯気がシューシューと絶え間なくでて少しずつ煮詰まっていく。2〜3度水を加えながら煮詰めていった角煮は、食べる頃には見事な飴色になっていた。
「いっひっひっひー」
「ふっへっへっへー」
不穏な笑みを交わしながらトロトロになった脂と肉を層を崩さないように齧っていく。うみゃー、うみゃみゃー、とビール片手に1切れ。続いてご飯片手に2切れ。今日作って今日食べるんでも、ちゃんと美味しくできるんじゃないかこいつめー、と肉と鍋を褒め称えて夕食終了。
そしてデザートは、良い感じに熟した桃!お義母さんが今日の午前中に
「八百屋さんでいっぱい買ったからー」
とお裾分けしてくれたのだった。ごろごろと袋にいくつも入れられた桃は、まだ季節には早いと思われたのにやたらと甘くて美味しかった。白い飯、醤油と砂糖で煮込んだ肉、果汁たっぷりの甘い果物。ああ、日本の食べ物ってすばらしい……。