連休2日目だった昨日の夜は、ステーキ食べてビール飲んでボジョレヌーボー飲んで、風呂も入らずぶっ倒れたのだった。寝たのは多分、9時とか10時とか。おかげで今朝は、8時前に全員が目を覚ました。
「そろそろあったかいうどんが恋しいねー」
「あったかいのがいいよねー」
と、数日前に届いたばかりの「千趣会」のさぬきうどん、今月の「田村」のうどんを茹でる。ここのところ毎回冷たいうどんに冷たいだしの組み合わせで食べていたので、あったかいうどんは久しぶりな気分。温めただしからは、ぷわんといりこの良い香りが漂ってきた。
「うわー!田村の匂いがするー!」
「ちゃんとするー!」
けっこう感動してしまいながら、刻み葱をかけてすり胡麻を添え、冷凍もののかき揚げなど乗せながらずるずる。
今日はいーい感じに寒くて鍋日和だなぁ。
「清月」のロールケーキ(プレーン)
ほうじ茶
午前中ふらりと近所に買い物に行き、ラーメンでも食べる?とか言いつつ昼食は結局抜きにしておやつの準備。夕飯にと食材を揃えた水炊きの準備もし始める。我が家の水炊きはたっぷり準備に6時間くらいかかる愛と根性の鍋料理だったりするので、こういうなんにもない一日ででもないと、なかなか作れなかったりするのだった。
「この週末はどっこも出かけなかったけどねー」
「パーティーしたし、ステーキ食べたし!」
「1回外食したくらいの値段で3日間豪華夕食にありつけたんだから、安いものよね」
どうも我が家は、美味しいもの食べていれば幸せであるらしい(ある意味安上がり?)。
おやつは、一昨日遊びに来てくれたMさんが作ってくれたスィートポテト。そしてまだまだ残っている「清月」のロールケーキ。
「スィートポテトにほうじ茶って似合うよね」
なんて言いつつ、熱いお茶をずるずる啜りつつ甘く滑らかなスィートポテトをぱくり。うまー。
(鶏肉・キャベツ・人参・長ねぎ・うどん)
日本酒(神亀・活性にごり)
「水炊きにしよう!」
と思ったきっかけは、ポン酢を購入したことに始まった。
数日前にいただいたメールで「旭ポン酢ってご存じですか?美味しいですよー」と"旭ポン酢"なるものを教えていただいたのだけど、調べてみると、このポン酢、多くの人にめちゃめちゃ愛されているポン酢であるらしい。大阪のお店が作っているポン酢なので、大阪近郊では割とメジャーらしいのだけど、関東で扱っている店はかなり少ないということだった。
「このポン酢を使い始めると、他のものは使えなくなる」とか「とにかく何にかけても美味しい」といった熱烈な愛好者の言葉は、我が家がへんこの胡麻油を愛好してやまないのとすごく似ていて、そりゃなんだか美味しそうだなぁと買ってみることにしたのだった。通販してくれる大阪の酒屋さんから、小瓶を3つ。それが届いたのが一昨日だ。
で、今日の昼から地獄の水炊きスープ仕込み。「博多風本格白濁スープ」とかいうあおり文句で料理雑誌に紹介された作り方だったのだけど、鶏ガラたっぷり使ってガンガン強火で炊いてつくる白く濁ったコラーゲンたっぷりスープは、「これを食べつけると人間がダメになってしまう」料理の1つであると我が家で認定され、「人間がダメになる水炊き」という呼び名になっている。しょっちゅう作りたいところではあるのだけど、何しろ手間と面倒と腕力を要するので、そうしょっちゅうは作れないのだった。おかげであまり人間がダメにならない。
まずは鶏ガラを熱湯で湯通し。表面の色が変わったガラをざっと洗って汚れを落としたら、たっぷりの熱湯に再び沈めて炊いていく。強火でガンガン2時間くらい火を通せば、骨がかなり脆くなってくるので、長い木べらや頑丈な鉄製お玉などを寸胴鍋の底にドガンドガンと打ちつけてガラの骨と肉を砕いていく。木べらでガラをみじん切りにしちゃうような勢いで砕いていけば、スープはすっかり豚骨ラーメンのスープのように白く綺麗に濁ってトロンとしてくる。それを水炊きのスープに使うのだ。アクを丁寧にすくうのも大変だし、骨を砕くのも力と体力が必要だし、最後にスープを漉すのも、肉や骨に含まれたスープを最後にぎゅうぎゅう渾身の力で押し出していくのでトドメとばかりに体力が奪われる。夕方スープができあがる頃には、大抵いつも疲れ果ててしまうのだった。
「冷蔵庫の中に、かなーり前のにごり酒が突っ込まれたままだよ」
「アメリカ行く前から入ってたから……少なくとも1年半以上前からってことだね」
「多分2年くらい前から……?」
とおそれおののきながら、その古いにごり酒を開けて飲むことに。昨夜の二の舞は踏むまいと、夕食前に風呂に入り、「よーし、酒飲んでそのまま寝ても大丈夫だぞー!」という態勢を整えてから鍋の準備をした。具はキャベツと人参と長ねぎでシンプルに。骨つき肉も事前に火を通し、その茹で汁も白濁スープの材料として使われている。
台所のコンロに予備のスープをちょっとだけ煮つめていく方向で火にかけ(どうしてもキャベツとか入れるとスープが薄味になっていっちゃうので)、卓上コンロでぐつぐつ土鍋を火にかけつつ肉を食べ、キャベツを食べる。水炊きの主役は鶏肉ではなくてもしかしたらキャベツなんじゃないかと毎回思ってしまうほど、この白濁スープで煮たキャベツは甘くて美味しい。今回初めて使ってみたその「旭ポン酢」も、確かにすんごく美味しかった。具体的に言うと、刻み葱をポン酢につけて食べただけでも美味しいと思えるほど、美味しい。スーパーなどに広く出回っている大手メーカーのそれに比べると、酸味は強め。でもイヤな感じの酸っぱさではなく、柑橘果汁のすっきりした香りと甘さの漂う酸味なので少しも気にならない。下にべったり残る甘さもなく、かといって柑橘の味ばかりが残るでもなく、自然な味のポン酢だった。こりゃ確かに、何にかけても美味しいかもしれない。
「うはー、人間がダメになる水炊きに、人間がダメになるポン酢……」
「やばー」
「酒が進むー」
と、最後にぺろりとうどんを食べた後、まだ9時にもなっていないというのに一家揃って沈没してしまったのだった。
この連休、3日連続喰い倒れというか呑み倒れというか……。
蜂蜜入りホットミルク
三日連続飲んだくれて夜更かしもせずにとっとと寝ていた堕落していた連休。昨夜は午後9時前にして、
「寝るぞー」
「がおー」
と布団に倒れ込み、久しぶりの日本酒を楽しんだだんなはものの数秒で高いびきをかきはじめた。しかも、「高いびき」なんて可愛いレベルものじゃなく、そのグゴゲゲゲとかいう音は工事現場の騒音級。こりゃダメだ……と私は別室のサブベッド(M井ベッドとも言う)で寝たのだった。
今日は早朝ジムに行く予定だというだんなは午前6時にひっそり起きて出勤していった。数時間後携帯メールを確認すると、
「なんで別室で寝てるの?家庭内別居?」
と泣き顔フェイスマークつきのだんなからのメール。いやー、家庭内別居もなにもー、私はだんなと結婚したけど、だんなの高いびきとは深い仲になりたくないなー、みたいななー。
朝御飯は、息子と二人で一昨日作ったビスケット。あっためたそれをそのままモソモソと囓り、ホットミルクに蜂蜜入れてうす甘くして飲んだ。
ほうじ茶
連休中のテンション(主に美味しいものを食べたいという欲求に基づくテンション)がキューッとしぼんでしまい、今日はいまいちやる気のない一日。外は雨だしやる気はないし……と録画ビデオを見てみたり(やっとX-FILES全話放送が8th seasonに突入)、パソコンいじくってみたり。
昼御飯はやっぱりやる気のないまま、
「ロールケーキ1切れでいいやぁ〜」
とプレーン味のそれをさくっと切ってさくっと食べた。ちょびっとずつスライスしてちまちま食べているから、なかなか減らない。ちょっと嬉しい。
吉野家の半熟卵
昨夜の水炊きスープ
麦茶
雨の中、息子を幼稚園に迎えに行って疲れ果てる。夕食の材料がないではなかったのだけど、日が暮れて気温が下がるに従ってただでさえ少ないやる気が更にぷしゅるるるとしぼんでしまった。今日はもう、なんにもしたくなーい、と、だんなにその旨話してみる。
「御飯炊くからー、水炊きのスープもあるからー、トンカツとか適当な総菜買ってきてぇ〜」
だんなの提案は、
「牛丼で、いい?もしよければ」
いい、いい。すんごく、いい。そうだよ、我が家最寄り駅には、今月上旬にやっとやっと吉野家が開店したのだ。これまでは電車に乗って他の町に行くか、あるいはきっつい坂道を下った自転車15分ほどの距離のところにいかなければいけなかったのだけど、今は駅からの帰宅途中に気軽に牛丼が購入できる。オープンした感動に身を浸してはいたけれど、まだその悦びを享受してはいなかった。吉牛食べるの、久しぶりかも。
私は吉牛が大好き。だんなはもっと吉牛が好き。アメリカに暮らした昨年、ものの数ヶ月で吉牛の味に飢えてしまって渡米後4ヶ月後に行ったニューヨークで真っ先に吉野家を訪れて涙しながらむさぼり喰った記憶がある。身近にあるとそれだけで安心してそんなに飢えちゃったりはしなかったりして、食べるのはひっさしぶりだった。今は生卵じゃなくて温泉卵みたいなのがあるのねー。
昨夜のスープを温め、発砲スチロールに入った牛丼をがふがふとかっくらう。卵と紅生姜乗せて食べて、満足。
今週はイベント盛り沢山。今日は数ヶ月前から漠然と約束していてやっと実現した、Tさんとのランチ。お互い仕事だー風邪だーなんだー、と、あそこに行こうここに行こうと言い合っているけど一向に実現せず、本日やっと1軒、人形町の「アル・ポンテ」というイタリアンに一緒に行けることになったりした。
朝は軽くシリアル一杯。
「僕もそれでいい」
「ぼくもねー、カリカリでいいなー」
と、親子揃ってフルーツグラノーラ。せっかく先日「フルーツグラノーラばっかじゃ金がかかる」とチョコフレークを買ったのに、それもついついグラノーラ……。
待ち合わせは午後1時頃に水天宮の駅で、ということになったのだけど、数十分早く出て八丁堀に寄ることにした。東京駅の真正面から隅田川に向かってびよーんと延びる一直線の太い道、その隅田川寄りのあたりに「翠江堂」という小さな和菓子屋さんがある。いちご大福が、すごくすごくすごくすごーくすごーく美味しい。「こんな美味しい食べ物が世の中にあったのか!」と思ってしまうほど、美味しい。苺が出回る季節だけに販売される、晩秋から初夏までのお楽しみだ。
まだ11月ということでちょっと不安になり電話で「いちご大福、もう作っていらっしゃいますか?」と聞いてみると、
「はい!美味しい苺が入荷するようになったので、ついこの間から作り始めておりますよー」
とのこと。うきうきと買いに行った。我が家に6個、Tさんのお土産にと数個、
「今!すぐ!食べますので1個だけ紙袋に入れてください」
と、おまけに1個。
うすーくぷわぷわとした白い餅皮にくるまれたのはあっさり味のこし餡で、その中には他のどの材料より重量感のある大粒苺がどどんと1個(場合によっては2個)包まれている。あまり長時間持ち歩いたり、温かい場所に置いてしまったりすると、苺の水分がじゅくじゅくと表面に染み出てベタついてきてしまうので、とにかくなるべく温めることなく速やかに食することが大切だ。一番美味しい食べ方は、買うなり数百メートル先の隅田川沿い遊歩道に行き、ベンチに座って食べることだと、私は密かに思っている。で、さっそく1個。白い粉がサラサラこぼれてくるのを服につけないようにしながら隅田川沿いの植え込み脇に腰掛けてがぶりと噛みついた。
甘く爽やかな酸味のある果汁が餅と餡とに絡まって口の中におさまると、
「なぁ〜んでこんなに変な組み合わせなのに、こんなに美味しいかなぁ〜」
なんて不思議に感じてしまいつつも、幸せなその味に顔がニヤけてしまう。昼食前だというのにいちご大福など食べてしまいつつ、待ち合わせ場所へ(その後歩いて人形町に向かい、ちょっと迷ったりする)。
ランチコース\2,500
前菜盛り合わせ
二色のトマトのパスタ
鶏肉のカツ モッツァレラチーズ挟み
デザート盛り合わせ(チョコレートケーキ・はちみつムースのミルフィーユ・苺のコンポート)
エスプレッソ
グラススプマンテ
「……翠江堂からここまで歩かなきゃ良かった……」
激しく後悔しながら、汗みどろで地下鉄2駅分歩いて待ち合わせ場所にたどり着いた。Tさん、和菓子屋さんの中からひらひらと手をふって、
「ごめんなさい!ちょっと買い物、していっても良いかしら?」
と「壽堂」という古めかしい和菓子屋さんで名物菓子だという「黄金芋」を買っていた。え?私にいちご大福を?どうもありがとう〜と、Tさんからは黄金芋を「はい、じゃあ、こっち、味見してみて」と一包みいただいてしまった。互いに甘いものをざくざく持って、ランチのお店に向かう。
昔は人形町近くに料理教室のオフィスを持っていたのだというTさん、何かとお世話になったりお世話したりしていたのが、イタリアンレストランの「アルポンテ」というお店のシェフ、原さんだったのだそうだ。私もひっさしぶりなんですけどね、と、公園沿いの静かな一角にある店を訪れる。パリッと各テーブルに白いリネンがかけられた店内は、派手ではないけど静かな煌びやかさがある。いただいたのは、3種類ほどあるランチコースの中から一番安い2500円のもの。それでも前菜・パスタ・メインディッシュ・ドルチェとけっこう充分な量が楽しめた。数時間後にはすっかり満腹な状態に。
メニューは選択できるものはなく(料金がもっと高めのメニューはパスタやメインが選択制になっている)、あらかじめ決まったものが次々とやってくる。厨房はてきぱきと機能的に動いている風が見えるし、お店の雰囲気は悪くないし、でも給仕の若いおにぃちゃんの口振りが、
「えー、前菜は……柿とかいちじくとか。……あと、えーとチーズを生ハムでちょこっと巻いた……(ごにょごにょと語尾がはっきりせぬままフェードアウト)」
といった感じで微妙に消化不良気味。料理も美味しかったし雰囲気も落ち着けるのに、なんだかちょっと勿体ないなぁ……と感じたのが「接客」だったりした。
前菜は、4点ほどの盛り合わせ。薄くスライスした柿に干しいちじくを添えてバルサミコ酢を軽く添えたものだとか、ブロッコリーとカリフラワーのマリネ、柔らかなチーズを巻いた生ハム、など。果物の使い方がほんのり風変わりで盛りつけも美しい。どれも変に奇抜な味のものはなく、安心して食べられる「イタリア料理ってこういうもの」といった風の味つけだ。
パスタはオイルベースの極細パスタ。赤色のトマトと緑色のトマトを両方使い、オリーブで風味をつけた料理だった。トマトは新鮮だったけれど、甘味や酸味のバランスなどの感じから、「色合いの目的以外に2色のトマトをわざわざ使うことはないかなー?」という印象も少々。塩加減や火の通り具合、麺や具の量のバランスが良いだけに、もうちょっと互いに個性のある赤と緑のトマトだったらもっともっと美味しい料理じゃないかな、と思えたりした。
メインディッシュは鶏肉を薄く叩き、モッツァレラチーズを挟んでカリッと揚げたカツ。菜の花のソテーと黄色味がとても強いじゃがいも、ザワークラウトにも似たビネガー漬けキャベツが添えられる。カツにナイフを入れると、肉の間から溶けたチーズと刻みハーブがとろんと出てきて、良い感じ。
たっぷりの料理を楽しんだ後、更にたっぷりのドルチェが出てきた。甘くどっしりした、まるでザッハトルテのような濃厚なチョコレートケーキに、蜂蜜入りのムースをクッキー生地に挟んだミルフィーユ仕立てのお菓子、そしてバルサミコの香りが漂う苺の温かいコンポート。皿の周囲はくるくるとチョコで絞り飾りがついていて、見事なサイズとボリュームの皿だった。グラス入りのスプマンテを飲みながら前菜を食べ始め、エスプレッソで締めるまでずーっと食べ物関係のおしゃべりばかりしていて、胃袋も口も舌も、すっかり「おなかいっぱい」な状態になった。ちょっとのんびりめスタートのランチだったので、いつのまにか店内はほとんどガラガラに。
「そ、そういえば"パソコンの使い方講習"とかしようって言ってませんでしたっけ?」
「そういえば!……あらー、遊びの予定ばっかり入れちゃって、いけませんね」
「また食べに行きましょうねぇ〜(←口の根も乾かぬうちに)」
今度はあそこもいいね、こっちもいいですよ、なんて言いながらロイヤルパークホテルに先日オープンしたのだというお総菜コーナーを一緒に覗いてからホームのあっちとこっちに分かれて帰宅した。Tさんに誘っていただくようになって、「気にはなってたけど行ったことはなくて!」という店にあちこち行けて、すごーく幸せ。
シーフードカレー
ポテトサラダ
ナン
ビール
夕方まで預かってもらっていた幼稚園に息子を迎えに行き、息子と2人の夕御飯。ロイヤルパークホテルのペストリーショップにはパンやケーキと共に総菜類も売られていたのだけど、それらは館内にある中華料理店やフレンチのそれぞれのお店のシールが貼られ、思っていたより多くの種類が売られていた。オムライスやハンバーグを始めとして、小龍包や肉まんなどまである。小さな容器入りのサラダもあるし、シーザーサラダなども。近隣のサラリーマンなどが「ちょっとだけリッチなお弁当に」と買っても楽しめそうな内容のショーケースだった。
買ってきたのは、海老がごろごろ入るシーフードカレーと、100gほどのポテトサラダ、フルーツ入りの杏仁豆腐。
数日前、我が家近所のスーパーで安売りされていた真空パック入りのナンを買ってきていたので、それを温めてカレーつけつつ息子と2人ぺたぺたと食べた。とろみ強めのカレーは、インド系というより明らかに「洋風」のもの。充実したじんわりくる辛さがある、大人っぽい味のカレーだった。ナンより御飯の方が似合うかも、レーズンと揚げ玉ねぎたっぷり散らした白い御飯が似合うかも……と思いつつ食し、ちょっと残ったそれは明日の昼御飯にしようと心に決めて、さらさらっと夕御飯を済ませた。
明日の夜は銀座で宴会。銀座で焼き鳥。……ジム行って運動もしてこよ……。
人形町「壽堂」の黄金芋
ほうじ茶
朝食が和菓子なのは「いかがなものか」と思うのだけど、保存し続けるとどんどん美味しくなくなっていくいちご大福を放置するわけにはいかず、
「今朝食べないと、次に食べる機会はきっと明日とか明後日とかになっちゃよね、君は特に」
と、だんなと一緒にいちご大福。更に、Tさんからいただいた「壽堂」というお店の黄金芋なるお菓子も一緒にテーブルに出した。まるでおやつのような、朝御飯。すみません……(誰に謝ってるんだか)。
ん?これ、ちょっと、大粒かも……とビニールの包みを開いたいちご大福は、苺2個入りのものだった。ちょっと小ぶりの苺は2粒包んでくれることもあるとはいえ、そんなに頻繁に出会えるものじゃないのでなんだか朝から得した気分。「翠江堂」のいちご大福を食べるまでは、「苺をあんこでくるむなんて、そんな邪道なこと!」と思っていたりしたのだけど、今はもう、普通の大福などよりも好きな食べ物になってしまいつつある。今日もやっぱり美味しかった。
そして、けっこう強めにシナモンの香りが漂うさつまいもの和菓子、「黄金芋」。表面が粉っぽい茶色い物体の中には、和風スィートポテトとでもいうような、黄色いホクホクのさつまいも生地が入っている。その形状と品名から、私と夫などはついつい
「黄金か……」
「"女王様の黄金"……」
「やめ!それ以上言うな!」
と危険な会話を朝日のあたるテーブルで繰り広げてしまいながら、ひと囓り。いい感じにシナモンが効いていて、「おいも!」というシンプルな味なのに上品な口当たりと淡めの味がとても美味しかった。人形町を訪れたときには、また買ってしまいそうだ。
牛乳
今日は夕方からお出かけということで、昼はまたーりサラサラッと昨夜の残りで食事。「ロイヤルパークホテル」の地階にあるショップで買ってきたシーフードカレーは昨日の夕御飯だったのだけど、まだ少量残っていたので御飯にかけて食べた。やっぱり、けっこう辛めのカレー。だんなも私も辛いものがそれほど得意ではないということもあるのだけれど、我が家で作るどの料理よりも辛いくらいの味だった。とんがった辛さではなく、適度にスパイス感も感じられるじんわりした辛さで、でも小麦粉たっぷりといったトロンとしたルー。旨かった。
焼き鳥サービスコース
(正肉・手羽・つくね・砂肝・レバー・うずら玉子・ピーマン・銀杏・とりスープ)
鶏そぼろ釜飯
ビール・焼酎(沖縄・サンゴ礁)・冷酒
今日の夜は、もう数日でアメリカに帰っちゃうDちゃんと飲み。ここ1ヶ月ほど日本にいた彼の本来の住まいはアメリカ西海岸。昨年1年アメリカ南部に住んでいた我が家を
「西海岸はいいぞー。なんでも美味しいぞー。遊びにおいでー」
と誘いまくってくれて、最後の最後に私たちは西海岸に立ち寄って彼と会ってきたのだった。今回は
「日本はいいぞー、銀座はいいぞー。美味しいもの食べにいこーう」
とこちらが一生懸命誘ってみたりして。
待ち合わせは7時だったので、幼稚園から帰ってきた息子と一緒に夕方から銀座をぷらぷら。あちらこちらにあるクリスマスツリーを眺めつつ、ビッグカメラに寄って阪急1階のクリスマスショップを見て、プランタンの食器や雑貨の売り場を見て、地階の食料品街をひやかしつつソフトクリームなども食べてしまいつつ、明治屋と伊東屋でお買い物。
「おかーさーん、おかいもの、ぼくはつまんないよー……」
とブーたれていた息子も、プランタン地下で"ソーテルヌワインに漬けこんだレーズンをくるんだチョコレート"なるやけにアダルトな味わいのチョコレートの試食をしてからやけに御機嫌になっていた(……もしかして……酔った……?)。
で、午後7時前に私と息子とだんなとDちゃんがそれぞれお店に直接集合。
「うわ!俺が一番だと思っていたのに!」
と、先に3人揃っていた我が家を見てDちゃんはやけにびっくりしていた。集まったのは、銀座の裏通り沿いにある小さな焼き鳥屋さん「与志万」。手頃な値段で美味しい焼き鳥が食べられる。レバーや砂肝嫌いの人が「ここのだったら食べられる」というほど、その手のものが美味しい。昔は酒が独自ブランドのもの1種類しか置かれていなくてそれだけが物足りなかったのだけど、ここ数年で何種類もの焼酎が並ぶようになって、それもまた嬉しいところ。そして!なんといっても!釜飯が美味しい〜のだった。「焼き鳥たらふく食べた後に釜飯でシメ」という流れが心地良くて、何かとこの店を訪れてしまうのだった。だんなは職場の宴会などでもこの店を使っていたので、店のおやっさんに「あ、いつもどうも!」とすっかり顔を覚えられていたりした。
1本1本焼かれて次々と出てくる焼き鳥をつまみつつ、久しぶりのDちゃんとおしゃべり。
「日本はハロウィンが終わるとクリスマスなんだよね。おかしい!」
「そうそう、やっぱりサンクスギビングの茶色い季節を間に挟んでこそのクリスマスだよね!」
なんて話をしたり、「アメリカに行くと太るというけど、実はアメリカから帰国した直後の日本の食事が一番太るよね」なんて話も。
アツアツの手羽食べて、軟骨入りのコリコリ食感のつくねを楽しんで、最後は釜飯。Dちゃんは基本である「五目」、私は「鶏そぼろ」、だんなは「牡蠣」。
「みんなでつつきあうと美味しいよぅ〜」
と、それぞれの釜飯を1膳ずつ分け合いつつ(釜飯、普通に食べると1人前が軽く4膳分くらいあるもんだから……)がふがふと食べた。なんといっても鶏そぼろ入りの釜飯である「鶏そぼろ」と「五目」がこのお店のキモなのだけど、でも塩味系の「鮭」とか「牡蠣」もまたしみじみと美味しかったりする。冬季限定牡蠣釜飯は良い感じにふくふくぷりぷりとした牡蠣がたくさん入っていて、かすかについたお焦げも幸せに美味しかった。
ミルフィーユ
アッサムティー
「私たちの何がいけないって……」
「両刀だってことだよね」
「酒飲んでも食欲が衰えないし、どころか"甘いものもオッケー!"だってのが……」
とか言いつつ、焼鳥屋を出て喫茶店に向かう。水だしコーヒーとコーヒーゼリーがめちゃめちゃ美味しいお店だとかもあるのだけど、つい足を向けてしまうのは「ドゥリエール」のミルクレープが食べられる「ガルリ・カフェ」というお店。1人1個のケーキはちと重いけど、でもちょっと食べたいんだよねぇ〜とか言いながらミルクレープとミルフィーユを注文してコーヒーや紅茶を飲みつつ二次会。
穴ぐらのように薄暗くてアールヌーボー調のオレンジ色のあかりがゆらゆら揺れていたりするこのお店が大好きで大好きで(銀座内に2〜3店舗はある)、でも薄暗いもんだから店内で小説とかは読めなくて、それでもかつて営業の仕事をしていた頃ちょくちょくサボってここで紅茶を飲んでいたりしたのは秘密。
「いいなぁ〜Dちゃん、あと3〜4日したらアメリカでハンバーガー食べ放題ね」
「いや、せりあさんそう言うけどね、たとえば寿司なら7日続けて喰っても飽きないけど、ハンバーガーは3日食べると飽きるって」
「そりゃそうだけどーアメリカうらやましー」
どうやら焼鳥屋で飲んだビールと焼酎と冷酒はけっこう回っていたらしく、やや怪しいろれつになりながら午後9時過ぎにお開き。ふにゃふにゃになって帰宅した後は風呂にも入らず(またか……)沈没したのだった。
牛乳
「仕事はいつもまとまってやってくる」がなんちゃらの法則にあったかなかったか知らないけれど、とにかくそんな感じ。昨日お仕事をちらっといただいて、「ややや、仕事だやったやった」と思っているうちに、別の場所からもメールがいくつも舞い込んだ。
でも今日は、午前中にちょっと動いていたいのよー……と、バナナ1本食べた状態で息子を幼稚園に送りだし、その足でスポーツジムに。じゃじゃっと泳いで帰ってきて、それからはずっとお仕事したり、気分転換にちょこちょこメール書いてみたりしているうちに、昼食のことをうっかり忘れてしまっていた。……あ、もう、2時前……?
飲むヨーグルト
慌てて息子を迎えに行き、帰り途中でスーパーマーケットに寄ってきた。
「今日は、おとーさん遅いって言ってたから、夕御飯簡単にしちゃっていーい?」
「おかーさんおかーさん、コロッケなんて、いいんじゃない?」
「おー、いいねぇーコロッケ。手抜きしていいかな?」
「ぼくはねぇ、コロッケが好きだから、コロッケだと嬉しいんだよー」
スーパーのコロッケでも何でも美味しい美味しいと言って食べてくれる息子にありがたさと罪悪感を同時に感じつつ、でもコロッケのパックをカートに入れる。ついでに牡蠣フライのパックなぞもカートに突っ込んでみた。
「そういえば、お昼御飯も食べてないじゃーん」
と、50円引きシールが貼られたチョコとクリームのハーフ&ハーフの菓子パンも1個。30円引きシールが貼られた飲むヨーグルトのパックも買ってきて、パソコン前にコップ置いて片手にパンひっつかみつつマウスをカチカチやってお仕事続行。な、なんか、今日の食事はすさんでる……(ま、贅沢な食事が続いていたから……)。
麦茶
「あーもー、美味しいもの食べたいなぁ!」
と、仕事一段落して溜息ついていたら、息子が
「おやつ、おやつは何があるのかなー?」
台所をぷらぷらしていた。冷蔵庫を開けた後、
「こんなものが、ありましたー!」
といちご大福が2個残っていたパックを持ってきた。いちご大福、いいねぇ。すばらしすぎだよ、と冷たい麦茶をコップに入れて、こたつにすっぽり収まって、いちご大福にかぶりついた。6個買ってきたいちご大福は、これで全部なくなった。
一昨日の昼に買ってきたいちご大福は、さすがにいちごの状態が今ひとつなものになってしまっていたけれど(写真は一昨日、買ってきて帰宅した直後に撮ったもの)、それでも美味しく感じることは変わらなくて、しみじみ美味しくいただいた。
小さな小さな店で、支店もこれまでなかったのだけど、去年に初の支店が晴海トリトンスクウェア内にオープンしたのだと、お店のおばちゃんが話してくれた。晴海とはこれまた微妙な不便な場所で、どうせだったら東京駅構内あたりにオープンしてくれると嬉しいのになぁと思ってしまう私だった。うう、東京駅にあったら上京するたび買っちゃうのに。八丁堀から徒歩10分はちときつい……。
ポテトコロッケ
レーズンパン
アイスアールグレイティー
かくして、かなり手抜きな夕御飯。冷蔵庫内に、先日の牡蠣パーティー時の残りのタルタルソースがあるのを良いことに、
「おおっ、タルタルソースつけるとけっこうまともな味じゃなーい」
とか言いながらスーパーの牡蠣フライをつつく。これまたスーパーの安売り品だった大手メーカーもののレーズンパンなどつまみつつ、揚げ物を適当につまんで夕食終了。あー、やっとここ数日連続していたような胃の膨満感が取れたよ……。
ネギチャーシュー麺
本当は、今日は上野に行って鰹節削り器を研ぎに出して、ついでに新宿にも行って気になっていたうどん屋にも行って……という予定だったのだけれど、今日は朝から雨雨雨。しかもめちゃめちゃ寒い。
「……やる気なくなったぁ〜」
と起き抜けにメールチェックしていると友より「明日の晩一緒に夕食を?」と誘いが入っていた。
「明日にも都心に出るならー」
「用事を済ませるのは明日でいいやってことで」
「今日はだらだらしていましょうか」
予定変更して、今日は地元でだらだらモード。そういえばこないだっから美味しい豚骨ラーメンが食べたいって言ってたんだっけ、そういや今日は29(ニク)の日だっけ、とかあれこれ話が広がって、朝飯も食べずにそのまま近隣のショッピングモールまで出かけることになった。
我が家最寄り駅からバスに乗り、20分くらい行ったところにワンズモールという名のよくあるタイプのショッピングモールがある。トイザラスがあり、衣類中心の専門店が並び、ダイエーなんかもくっついていて……という、ちょっと小規模の特にこれといった目当ての店もないショッピングモールだ。ここに数週間前、「ラーメン劇場」とかいう名前のラーメン店の集合スポットがオープンした。ラーメン店に全然詳しくない私はさっぱり知らない名前ばかりだけど、鹿児島の「我流風」とか徳島の「徳福」とか北海道の「竹麓輔商店」とか東京の「いちや」とか「桔梗」とか、傾向の異なるラーメン店が6店ばかり揃っているらしい。福岡の豚骨ラーメンの店「拉麺帝国」とかいう店も入っていた。……うーん、やっぱり知らない……。
ともあれ、気にはなっていたのでトイザラスに寄りついでにふらりとお出かけしてみた。到着は11時半、続々とランチ客が押し寄せつつある時間帯で、暗いフロアに面した各店の入り口付近には行列ができつつある。
「やっぱり豚骨なのよねー」
「あの白く濁ったスープが食べたいのよねー」
と、「拉麺帝国」の食券を買い、5人ほどの列を5分ばかり並んでから店内のテーブル席に案内された。
私はネギチャーシュー麺、だんなは普通のラーメン。どうせ息子がけっこうな量食べちゃうだろうしとチャーシュー丼も頼んでみた。やってきたのは、好みな感じにギトギトヌルヌルの濃厚な白濁スープ。店内にはそれほどケダモノ臭さは漂っていないけれど、厨房はいかにもそれっぽいむわんとしたケダモノ臭が充満している。プラスチック製のどんぶり、縁にもたれかかるようにチャーシューがぐるりと並べられ、縮れのない細い麺に山盛りのねぎ、こってりスープ。
入れられたチャーシューの温度でスープがちょっとぬるくなっちゃってそれが悲しいなー、とか、1杯900円以上取るラーメンだったら(←ネギチャーシューメンは確か950円)、プラスチック製じゃなくて陶器のどんぶりがいーなー、とか、ちょこちょこ思うところはあったのだけど、味はなかなか。放置して数分後にはコラーゲンの膜がぷるぷるしてきそうな濃いスープは久しぶりに食べた「ちゃんとした豚骨ラーメン」の味がした。刻み葱と錦糸卵とほぐしたチャーシューが盛られた小さな丼もだんなと私でがっふがっふとつつき、そしてだんなは
「あ、替え玉1つねー」
などと早々に注文している。息子も、「もっと食べるよー、もっともっと」と彼用に持ってきてもらった小どんぶりをわんこそばでも食べているような勢いで空にしている。どうやら我が家、皆揃って豚骨好きであるらしい。
替え玉は、厨房からアミに麺を乗せチャッチャとふっているおにいちゃんが席までテーッと走ってきてどんぶりに入れてくれるのだけど、その2玉目を平らげた直後、だんなのどんぶりに再び替え玉が滑り込んできた。
「え?頼んでない、頼んでない!」
慌てて出した言葉も間に合わず、どうやら隣のテーブルのお父さんが頼んだ替え玉が間違って投入されてしまったものらしかった。
「うわっちゃ!スミマセン!いや、サービスってことで。どうぞ!」
と、言われてそのまま替え玉2玉目に突入。親子3人で合計4玉は、さすがにちょーっと多かった。いや、美味しかったから良いんだけど。
(牛肉・豚肉・水菜・えのきだけ・人参・大根・豆腐・うどん)
ビール・麦茶
別に今日がニクの日だからというわけではないのだけれど、私は無性にしゃぶしゃぶが恋しかった。今朝から私はだんなに訴えていたのだ。
「今日はねー、しゃぶしゃぶ!しゃぶしゃぶったらしゃぶしゃぶったら、しゃぶ〜」
「……なんで?いきなり?しゃぶしゃぶ?」
原因は、CMだった。昨日ぼへーっとテレビをつけっぱなしにしていたら、美味しそうなしゃぶしゃぶが出てくるCM(ポン酢の宣伝だったかなぁ……)を3〜4回見てしまい、辛抱たまらんようになってしまったのだ。サブリミナル効果でも混入されていたのかもしれない。とにかくもう、ポン酢と胡麻だれでしゃぶしゃぶを食べなければいけない気分満載なのだった。
で、幸い今日はニクの日。毎月9日19日29日はニクの日ということで、お肉屋さん「ニュークイック」はその日特売セールをやっている。全体的になんとなくお安くなり、肉を買うにはもってこいの日なのだった。うきうきとしゃぶしゃぶ用豚肉としゃぶしゃぶ用牛肉、
「ちょっとだけ良い肉も買っちゃう?」
「こっちの霜降り入りの肉もほんのちょっと買っちゃう?」
と、ちょっとだけいい肉を200g、一番安い牛しゃぶ肉を400g、更に安い豚しゃぶ肉を300g買ってきた。……買いすぎだ。
土鍋に昆布を入れ、沸かす。肉の他は水菜とえのきだけと大根と人参、それに豆腐。あとは最後に肉のエキスが染み出たスープを飲みつついただくつもりで、うどん。胡麻だれは冷蔵庫内に残っていた"ミツカンごましゃぶ"だったけれど、ポン酢は先日大阪の酒屋からわざわざ通販で購入した「旭ポン酢」。確かに一度食べるとその果実感とか爽やかさが忘れられなくなってしまうポン酢だった。しゃぶしゃぶが食べたくなったのもCMと共にこのポン酢のせいかもしれない。
「この、ビニールにくるまれている肉の感じが高級感を醸し出してるよね」
「いかにも、"高級ですよぅ!"って感じだよね」
「たとえ100g180円でもね……」
なんて言いながら、1枚1枚肉をひらひら湯につけつつタレにつけて食べる。アメリカのステーキは最高だ、赤身肉は最高だ、としょっちゅう思っているし言ってもいるのだけど、でも和牛の霜降り肉も、やっぱり美味しい。ていうか、あのどっしり脂の乗った霜降り肉は、「しゃぶしゃぶ」という調理法のために存在しているんじゃないかと思うほど、この食べ方と肉の具合がしっくりと来る。霜降り肉は……ステーキという感じじゃないのよね。霜降り肉なんかステーキにしたら300gも食べられないし(食べんでよろしい、という話もあるけど……)。
ポン酢に刻み万能葱をぶわーっと散らして、さっと湯通しした水菜やえのきをくるんで食べる薄い薄い肉は格別だった。乳臭さがある牛肉もそりゃもう美味しいのだけど、でも豚肉のしゃぶしゃぶも大好き。豚には圧倒的に胡麻だれよね、あーもーたまんないわね、とか言いながら、結局900gの肉を家族3人で食べきってしまったのだった。……ううう、だから買いすぎだって……言ってないけど。
カフェオレ
練乳いちごヨーグルト(森永)
昨日は一日中ずーっと雨。今日も朝からしとしとイヤな雨が降っていた。寒い日の雨ほど憂鬱なことはない(雪だったらけっこうわくわくしたりするんだけれどもー)。
「でも!今日は外出である!」
「アメ横に行かなければならないのである!」
と、気力をふるいおこして出発と食事の準備。今日の朝御飯は、息子の熱烈なリクエストにより、卵とチーズのホットサンド。息子は本当にホットサンドが大好きらしい。
私がパンにマーガリンを薄く薄くぺたくた塗っている間にだんなはコーヒーメーカーをセット。ゆで卵をマヨネーズで和えて、ピザ用チーズと共にパンに挟んでホットサンドメーカーに。
「そうそう、ヨーグルトも買ってきてあるんだよー」
ミニカップ入りのヨーグルトも食卓に出した。
最近の息子と私の中でのヒットは森永の「練乳いちごヨーグルト」。この季節、いちご入りのヨーグルトは各メーカーからわらわらと発売されているのだけど、なんといっても「練乳いちごヨーグルト」が私と息子の中で盛り上がっている。酸味少なめ、いちごたっぷり、練乳のあの甘ったるい香りと味がこれまたたっぷり。
「ほらほら、美味しいんだよー」
「おいしいよー。ねー?おかーさん」
と、だんなに一口食べさせてみたところ(彼は別メーカーのジャージー牛乳ヨーグルトを手にしていた)、
「これは!ヨーグルトじゃない!練乳いちごそのままじゃないか!」
となんだか憤慨していた。そこが美味しいのにー。
午後になって雨が止んでから外出。錦糸町でユニクロ見てヨドバシカメラ見て、巨大な100円ショップなども見て、そしてアメ横へ。目的地は、老舗の乾物屋さん伊勢音だ。馴染みのネットショップクック&ダインでこの伊勢音さんの鰹節などを扱っていたことから知ることになり、我が家にはいつもこの店の削り節器と共にこの店の鰹節が常備されている。自分で鰹節をシャーコシャーコと削ってつくるだしは、本当の本当に美味しい。
……で、先日私が調子に乗ってシャーコシャーコやっていたら、逆向きに鰹節をかいてしまって、刃こぼれさせてしまったのだった。アメ横内にある伊勢音さんのところに削り節器を持っていくと無料で研いでくれるということで、研いでもらいに向かったのだ。なんでも12月は多忙ということで無料研ぎのサービスはお休みするらしいので、年内なら今日が最後のチャンスだった。
日曜夕方のアメ横は、相変わらずの大混雑。古めかしい店構えのその店を見つけ、
「あのー、削り節器、研いでもらえます?」
と尋ねてみると、鰹節と同様にいーい感じに水分が抜けちゃったようなおっちゃんが、
「はいはいはいはい、今日が最後だもんね。ちょっと待っててねー、研いだげるよー」
と刃を手に奥に引っ込み、早速シャーコシャーコと研ぎ始めてくれた。
店頭でほげーっと待つ私たちの前にはお店の鰹節で取っただしを入れたタンクがあり、お客に温かいだし汁をミニカップに入れて振る舞っている。私たちも1杯いただいたのだけど、店のおっちゃんは
「ぼうやも飲むかい?……でも、あちぃからなぁ〜」
と紙カップを二重にしてだしを入れ、ついでに氷も1個落として冷ましてから息子に渡してくれたりしている。ちょっと目を離しているうちに、
「もう一杯飲むかい?」ともう一杯ついでくれ、更に近所の別の乾物屋から干し葡萄を手のひらいっぱいもらってきて「ほら、食べなー」と紙カップに入れて渡してくれちゃったりしている。んな、わざわざ他の店から干し葡萄を……。
ものの15分ほどで、ピッカピカに研ぎ直された削り節器が戻ってきた。タダで研いでもらっただけでその店を去るのは申し訳ないので、ひじきやいりこをいただいていく。おっちゃんが話していたんだけど、
「いやね、"すみませんけど、研いでくれますか?"なんて来る人にはね、いいよいいよ研いであげるよそのへんの店ちょっと見てきてよすぐ研ぐから、って快くお受けできるんだけどね、ときどーき"タダで研ぐってから、持ってきてやったぞ!"なんてのが、いるんですねぇ。あれはイヤだねぇ」
だそうで。……そんなお客もいるのね……。
「やっぱりどんどん切れなくなるからね、しょっちゅう持ってきてよー。全然違うからね」
と声をかけられ、ピカピカの削り節器を抱えて次は表参道へ。
人参の一口ピュレ
厚岸産生牡蠣 キューバのライムで
ジビエのサラダ with 白トリュフ
ルーマニア産キャビアの一口カッペリーニ
海苔のピリ辛クリームソースのストラッチ 駿河の赤海老 with 白トリュフ
サフランの焼きリゾット 牡蠣とレタスの温かいソース with 白トリュフ
牛タンのグリル with 白トリュフ
プティフール
紅玉リンゴのあたたかいパイ with 白トリュフ
エスプレッソ
グラススプマンテ
夕食を食べるのは久しぶりかもしれない、青山の「Cucina Tokionese Cozima」で夕御飯。
きっかけは、昨日届いたメールだった。先日、大人5人子供1人で牡蠣70個を食べるパーティーを開いたのだけど、その牡蠣の仕入れのときにお世話になったのがこのお店。パーティーのメンバーだったTさん夫妻はそれはそれはあの牡蠣の味が忘れられなかったらしく、
「もう1回食べたい!お店で食べて、お店ではどうやってアレンジして食べさせてくれるのか食べてみたい!」
と数日前、今日の夕食にと予約を入れたのだそうだ。で、どうせだったら我が家にも声をかけよう!と、「突然ですけど御一緒しません?」とメールを送ってくださったのだった。断る理由もなく、「ええもう喜んで喜んで!」と日曜の夜にぞろぞろとCozima。タイミングよく山のような生牡蠣を仕入れたばかりだということで、ゴージャスな内容のディナーだというのに1人あたり6個7個くらいのたっぷりの牡蠣を食べる展開になったのだった。
そうそう、で、今はちょうど生の白トリュフのシーズンでもある。普通のトリュフは黒いもの、でも白トリュフというものも存在する。イタリアではアルバ産のものが有名らしく、黒いものより香りが強い。その白トリュフ、今年はものすごーく採れ高が少ないのだそうだ。
「日本じゃ、タイユバンロブションあたりが大量に仕入れてるんですよねー」
なんて話も聞いたのだけど、Cozimaにもまだちょこっとあるらしい。単品メニューにも登場することがあるみたいだけど、1個まるごと買い上げてコース料理の中であれこれ使って使い切ったりということもできる(ずーっと前、黒トリュフでそんな事をやったことがある)。
「白トリュフ、気になっていたんですよねー」
「4人だったら……アコガレの"1個買い"できるかなぁ」
「いくらくらいするのか、聞いてみましょうか?」
ごにょごにょと話し合い、マネージャーの樋代さんに白トリュフを持ってきてもらった。木製皿にころりと2個置かれ、ガラスのドーム蓋をかぶせられた白トリュフ。直径5cmほどのそれは、支払う予定のコース料理の価格が倍額になっちゃうほどのお値段だった。えっと……1gで800円とか、そんな感じ。鼻息で吹き飛ぶ分量が、800円。ばくっと30gも囓れば2万4千円。鼻血出そうな金額だ。あー、でも、白トリュフ。
「いっちゃういっちゃう?」
「白トリュフ、食べちゃう?」
「……忘年会ってことで……」
「まだ11月だけどね……」
思わず額に汗してしまいつつ、結局その白トリュフを1個いただくことにした。もう、似合う料理には全てガーリガーリとやっちゃってください、という感じ。
そうこうしているうちに、突き出しの1品。小さなスプーンにひとすくい、にんじんのグラッセのピュレを盛りつけたものがやってきた。ほんわかとにんじんの香り、そして野菜からくる優しい甘さ。ふわんと空気をたっぷり含んだそれを息子も一緒になってぺろりと食べ、次はいきなり生牡蠣が1人3個。添えられるのはキューバ産の酸味爽やかなライム1かけで、それをぎゅうと絞ってツルリと食べる。ああ、あの牡蠣パーティーで食べた牡蠣だー!と皆で盛り上がりつつ、牡蠣とライムが似合うことにちょっとびっくり。牡蠣にはレモンが定番だけど、でもライムもすごくよく似合う。牡蠣ー、スプマンテー、牡蠣ー、スプマンテーとしばし無言でちゅるちゅると食べる。
そしてボリュームたっぷりサラダの前菜。ルッコラとバルサミコ酢という馴染みの食材と和えられているのは、フォアグラのムース、エゾ鹿のグリル、リード・ヴォーという面白い組み合わせの肉類。ワインの香り漂う煮りんごも添えられ、そして上からは白トリュフがガリガリガリガリと何切れも。トリュフの香りはものすごいものだけど、白トリュフはまた格別にすごかった。全員の皿から一斉にむわんと独特なトリュフの芳香が立ち上って、もうそれだけで酔っぱらってしまいそう。エゾ鹿のケダモノ臭さとかフォアグラのこってり具合とか、リード・ヴォーの独特な食感だとかが、1皿の上にあっては不協和音を醸し出しそうなものなのに、妙に調和している。口直しのリンゴがほどよく効いて、しかも何を食べてもトリュフの香りがふわふわと。
「あー、美味しい……」
「涙ぐみそうなほど美味しい……」
前菜2皿目にして、本気泣きしそうなほど、美味しい。
続く料理は、ほんの一口分のキャビアのパスタ。
「トリュフとフォアグラとキャビア……」
「世界三大珍味だー」
「同じ日に一気に食べるのって初めてかも」
「食い合わせが悪いとかって……ないよね?」
宝石が詰まったショーケースでも見るかのような目つきになっている私たち。ほんの一口分の、きんきんに冷やしたカッペリーニに香り豊かなオリーブ油を和え、上にこんもりとキャビア〜。パスタには刻んだ万能葱が混ぜられ、キャビアの上にほんの風味づけにと刻み生姜が乗っているのがこのお店らしい。
あは、あははは、キャビア美味しい〜。美味しいけど、比較できるほど食べつけてないからどのくらい美味しいのか自分でもわからない〜(だんだん壊れつつある)。
更に続くパスタは、今度は自家製の「ストラッチ」という不揃いな幅広の薄い板状のもの。生クリームと海苔をベースにしたソースに柚子胡椒の香りがふわふわと。プリッとした赤海老が緑色のソースに絡まり、そして上にはこれまた白トリュフ。白トリュフの香りが絶えず漂う食卓だけど、でも料理の印象が全て異なりしかも「トリュフの印象しかない」なんてことも全然ない。ちょっと優しい味の料理で一息ついて、次は焼きリゾットと牡蠣という組み合わせ。
サフラン風味のリゾットをこんがりと両面焼いて中華の「おこげ」のような感じに仕立て、そこにかけられるのは牡蠣とレタスとベーコンを煮たとろみのある「あん」。そして上にはまたもや白トリュフ。まるで中華料理の「おこげ」そのもので、でもちゃんとイタリアン。……でも、中華料理屋で食べたことがあるような味でもあり……面白い料理だった。牡蠣は割としっかりめに火が入っているけれど、縮こまったりしておらず大粒でブリブリと光っている。牡蠣とレタスとベーコンという組み合わせ、割とシンプルな印象なのに深い味がして美味しかった。
6皿目はメインディッシュ。今日は牛タン!
だんなはここしばらく、水曜の夜には毎週毎週この店で食事(だいたい前菜・パスタ・ドルチェという組み合わせらしいけど)をしているのだけど、なんでもまだ一度として同じ皿が出てきた事がないのだとか。
「毎回すげぇ!って思ってるんですよ」
とだんなが言うと、皿を持ってきたシェフのKさんが、
「いやー、そろそろ尽きそうですよ。"よし、次からは2周目だ!"ってなりそうですよー」
なんて笑っていたけれど、でも多分やっぱり同じ皿は出さないのよ……と私は思っていたりする(Kさんはなかなかどうして負けず嫌い……)。
煮込んで煮込んで煮込みまくったタンシチューにも負けないような、ふんわり柔らかい牛タンは、ごろりと巨大だった。大きな大きなひと塊に火を通し、1人分ずつ切り分けたという感じ。ルッコラなどの葉野菜と共に、火を通したトマトとキノコも添えられる。そしてやっぱり白トリュフ。最後の最後まで白トリュフの香りを堪能できて、私たちはずーっとニヘラニヘラしっぱなしだった。
「今日のドルチェは、リンゴの温かいパイを……」
焼きあがりまで20分くらいかかるので、それまでこちらを、と出された小さなプレートに乗るプチフールをぽいぽいつまんでドルチェを待つ。プレートには、ホットワイン(スパイスを効かせた、冬の夜にはこれ!なワイン)をキーンと冷やした一口ドリンク、リキュールグラスに入れられた洋梨のソルベ、きんかんのコンポートとキウイ、胡麻の薄焼きのお菓子、フローズンストロベリーが入ったホワイトチョコ、キューバのライムの一口ムース、などなど。
「ワイン、一口ずつ飲もう」とか、
「ムースは食べたことあるから、あげるー」とか言いつつ、焼き菓子パリパリ割ったりしながら皆でわけあって食べる。
そしてまたもや白トリュフの香りが!
やってきた四角く小さなリンゴのパイの上には、最後の最後の白トリュフがほのかに何枚かかかっていた。
「うわー、最後までトリュフだー!」
とのけぞったり笑っちゃったりな私たち。
「いやー、"もっと削っちゃおうかなー、いや、でももうちょっとだけ残して最後に使おう"とか色々考えられて楽しかったですよ」
とKさん。トリュフ尽くしの最後の皿は、やっぱりトリュフなのだった。
薄く四角いパイ生地の上に、数枚の薄切り甘酸っぱいりんご。アツアツのそのパイの上からはシナモン風味のアイスクリーム。アイスの上から白トリュフ〜。個性的な香りなのに、トリュフというのはリンゴやシナモンなんかにも似合ってしまう、なんとも不思議な食べ物なのだった。最後のパイもばーりばーりもーりもーりと平らげ、2時間半ほどみっちり楽しんだ夕食は終了。
息を吐くたびにトリュフの香りが漂ってきそうな中、へらへらと帰宅したのだった。近年希にみる大豪遊。後悔はしないのよー。