食欲魔人日記 04年04月 第4週
4月19日 月曜日
クリームソースのペンネ。グラタンチック。
自家製 鰺の一夜干し
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
御飯
麦茶

今日から数日、真面目にお仕事(&お勉強)しなくてはと思っていたのに、今日は昼過ぎから夕方まで幼稚園の保護者会なのだとか。しかも明日は別の学年の保護者会ということで午前中のみ保育。毎日の2時の帰宅も早いと思うけど、それじゃ今日と明日は全然仕事になりそうにない……とほんのりブルーな月曜の朝。

1週間の出張帰りのだんなのために、昨日1日かけて自家製干物を作ってみた。最初はスーパーで
「鰺の干物、買おうかなー」
と魚コーナーを眺めたのだけど、いまいち美味しそうじゃないカピカピにひからびたようなものが1尾200円もしたので諦める。他に何かないかな、と冷蔵ケースを眺めているところで刺身用の丸のままの鰺と目が合った。こちらは3尾で390円。だったら、自分で干物を作っちゃおう、と、買ってきた。

まだまだ魚をさばくのは苦手だけれど、鰺は一番数多く扱った魚なので、他よりは少しだけまともに扱えるようになったと思う。"ぜいご"を取り鱗を除き、腹を切ってはらわたとエラを抜いてからキッチンばさみも使って"開き"にする。干す前に濃いめの塩水に漬けておく、という手法もあるみたいだけど、私は普通に塩をふって、あとナンプラーをチャチャッと軽くふりかけ、軽く身を揉むようにしてなじませてから干している。網(アウトドア用の、食器を乾かしたりするために使う吊り下げ式のもの)に魚を入れて外に出し、そこから一昼夜。"半生"といった感じのフクフクした白い身の一夜干しができあがった。

だんなは「朝は白い御飯と味噌汁がいい」という嗜好なのだけれど、和朝食は洗う皿や鍋の数が多かったりするものだから、つい私の好きなパンを出してしまうことが多い。御飯と汁物とこんがり焼いた干物という朝御飯は久しぶりだった。数分おきにグリルに放り込んだ干物の焼け具合をチェックしながら他のものを準備する。

自家製の干物は美味しい。ほんとにほんとに美味しい。安い干物を買ってくると、"何やら得体のしれない、舌が痺れるようなイヤな感じの塩辛さ"があったりするのだけど、自分で作るとそんな事はない。ほんのり生っぽく、でもちゃんと"干物"っぽくなった鰺が楽しめて、「……めんどくさがらずに、また作ろう」と思ったのだった。

卵とチーズのトーストサンド
牛乳

午前中、必死にお仕事(いや、お勉強が7割くらい)。
「はぁ……保護者会イヤだなぁ、憂鬱だなぁ……行きたくないなぁ……」
とボヤきながら、行かないわけにはいかないので1人昼食の準備。何がイヤって、春の保護者会は"お世話係"なるものの選出イベントがあるのだ。"お世話係"は園児たちからは"お母さん先生"と呼ばれ、イベントの際には出動して先生の補佐をしたりするのだった。

簡単に作った昼御飯は、トーストサンド。ゆで卵を刻んでマヨネーズで和え、バター塗ってチーズ乗せてこんがり焼いた薄切り食パンで挟んで食べた。ホットサンドも美味しいけれど、カリッと香ばしく焼いたパンで作るサンドイッチもそれとはまた違った食感でとても好き。8枚切りのパンで作ったので、けっこう食べ応えがあった。卵とマヨネーズとパンはやっぱり黄金の組み合わせ。

鶏肉とじゃがいものクリームソースのペンネ
マグロとミックス野菜のサラダ
アイスティー

出張帰り後の初出勤、だんなが早く帰れるはずもなくて、息子と2人の夕御飯。あれが冷蔵庫に残ってるな……これもあるな……と考えつつ、息子に
「……夕飯、どうしよっか?」
とお伺いをたててみる。
「ぼくのー、ぼくの、好きなもの、言ってもいーい?」
笑いながら近づいてきた息子が、耳に口を当ててゴニョゴニョと呟いた。
「あのねぇ、クリームのスパゲティがねぇ、いいと思うよー」

息子は本当にクリームソースのスパゲティが好き。クリームソースベースであればグラタンでもマカロニ&チーズでもドリアでも、何でも良いらしいのだけど、とにかくクリームソースが大好き。白い御飯を食べたい気分でもあったのだけど、生クリームの残りもあったのでリクエストに応じることにした。

今日のパスタは、スパゲティではなくペンネを使用。パスタの茹で鍋にじゃがいもを皮むき器で薄く削りつつ放り込み、一口大の鶏肉も放り込み、ペンネと一緒に茹でてしまう。別鍋では生クリームを加熱して軽く煮詰め……るつもりだったのだけど、ちょっと煮詰めすぎてしまってソースとしては微妙に少ない分量になってしまった。まぁいいやー、と、適当に、茹でたパスタとじゃがいもと鶏肉を生クリームのソースで和える。これならいっそグラタンにすれば良かった、と思わなくもない。

で、昨夜の残りのマグロの刺身をサラダ野菜と合わせてドレッシングで和えて、パスタの供に。夕方から夕食の直前までせっせとお仕事していたこともあり、ちゃちゃっと短時間で夕食の準備を調えた。
「いいにおいだねぇ!おいしいねぇ!」
一緒に食卓を囲む人が自分の料理をそう言ってくれると、"あーもー疲れちゃったから、今日はカップ麺だお茶漬けだ"と思っていたやる気の無さも吹っ飛ぶってもので、
「ごめんねー、クリームっぽくなくなっちゃったよ。グラタンにしちゃえば良かったね」
なんて言いながら、2人でもりもりとグラタンもどきクリームペンネを平らげた。

4月20日 火曜日
モスバーガーに、ビーフシチューがあるんです
ミニ牛丼温泉卵乗せ
麦茶

「えとね、ロールケーキが1人分残ってます。で、作った牛丼の残りが1人分あるでしょ、で、昨夜のクリームソースペンネの残りも1人分強あります」
「……俺はロールケーキを食べるだろう、そりゃ」
「だよねぇ。で、私は牛丼を食べるわけよ。息子はきっと"カリカリがいいなー"とか言うわけよ」
「見事にバラバラだ」
「そう、まるでバラバラの家族の心を反映しているかのように!」
「うちの家族、バラバラだったのか……」
「そう、バラバラだったのよ、実は。気がつかなかった?」
「知らなかった……」
「そうね、私も知らなかった」

朝からダークな会話をしながら、見事にバラバラな品物が並ぶ朝の食卓。だんなの前には一切れ残ったロールケーキ(昨夜の夕飯後に私と息子で1切れずつ平らげていた、その最後の残り)と淹れたてコーヒー。私の前には、土曜の晩に作った牛丼の少々残っていたものを御飯にかけたものと麦茶、温泉卵も1個残っていたのでそれも添える。そして息子の前にはフルーツグラノーラ。

ネットオークションで100円ちょっとで落札した温泉卵作り器はなかなか重宝。要するに小さな魔法瓶みたいなもので、卵2個をセットして熱湯注いで蓋して20分くらい待てば温泉卵ができあがるようになっている。20分待てば、コンビニで売られているようないかにもな温泉卵ができあがるのだけど、10分ちょっと経ったところで取り出したトロトロ半熟状態のそれも、丼ものに乗せたりサラダに乗せたりととても便利だ。

ピーナッツバタートースト
メグミルクヨーグルト
アイスカフェオレ

息子、今日は昼前に帰宅。特に買い物する用事もなかったので、とっとと家に帰ってきて、ありもので簡単な昼御飯を済ませる。
「ホットサンドでも作ろうか?ツナとか卵とか、ベーコンとか」
息子に聞いてみれば、
「ピーナッツバターのパンがいいなぁ」
だそうで。そんなに好きかピーナッツバター……と、苦笑いしながら、トーストしたパンにピーナッツバターを塗ってやった。

確か、エルビヴィス・プレスリーの大好物が、熟したバナナをスライスしてピーナッツバターと共にパンに挟んだサンドイッチだったなぁ(更にそれをバターを溶かしたフライパンで焼いたとも聞く)と思い出して、
「……バナナも挟んでみる?」
と息子にお伺いをたてたのだけど、「いらなーい」とのこと。私一人で甘ったるいサンドイッチを食べる気分にもならなかったので、普通のピーナッツバター塗りトーストにとどまった。ついでに"メグミルクヨーグルト"も食べてみる。メグミルクと同じく赤いパッケージに独特の丸っこいロゴ。メグミルクが発売された頃、「うわー、真っ赤なパッケージだよ、度胸あるなぁ……」と思ってしまったのを思い出す。

牛乳のパッケージは今のところ「おいしい牛乳」の方がメグミルクより好きかな。理想は"シンプルきわまりないホルスタイン柄"(GATEWAYの箱みたいな)なのだけど、なかなかそういう牛乳は出ないわね。

「モスバーガー」にて
 ビーフシチューセット \710
 アイスティー

午後は息子をうっちゃらかして(というか一人で遊んでいただいて)、ひたすらお仕事&お勉強。軽めの昼御飯だったので3時過ぎにはお腹が空いてきてしまったのだけど、息子が外で遊んでいるのを良いことにそのまま空腹を無視して作業を続行。夕方にはもう「何か食べなきゃ倒れる」という気分になった。ヨレヨレになって遊び疲れて帰ってきた息子も、そんな感じ。だんなの帰宅は今日も遅いらしかった。

「あーもー……気力ないし、どっか食べに行っちゃおうか?」
「いくー」
「ラーメンとか?……ああ、モスバーガーとか」
「もす!モスバーガーに行くー」

一度、夜のモスバーガーに行ってみたいと思っていたのだ。発売店舗は限られているらしいのだけど、モスバーガーには「夜メニュー」なるものがあって、「トマト煮ハンバーグセット」と「ビーフシチューセット」が夕方5時から発売される。値段は700〜800円と、かなりお高め。でも、ビーフシチューがどういう味なのか、密かにずっと気になっていたのだった。

ぼくはねぼくはね、チーズのハンバーガーとポテトと、オレンジジュースと、スープもたべたいなー、と細かな要望を出している息子と手をつないでおしゃべりしながら店に向かう。ビーフシチューはそうたいした量もなさそうで、ハンバーガーを1個追加注文しようかしらとも思ったのだけど、息子のセットのポテトやオニオンリングを分けてもらえることを想定してビーフシチューセットのみを私は注文。追加ドリンクはほんのり割引価格で160円。合計870円という金額は、やっぱりファーストフードにしてはかなり高めに思われた。

やってきたのは丸っこいボウルに入ったビーフシチューと、フランスパンチックな温かいパン、そしてバター。シチューの上にはピャーッとクリームがかけられていた。味は、ほんのり微妙に「ああ、こんなものか」とごく微量に期待はずれな感じ。モスバーガーのクラムチャウダーがすっごく好みな味なのでその期待がビーフシチューにもあったのだけど、その味はいたって"普通"という感じ。じゃがいもやにんじんや玉ねぎ、そして牛肉が大ぶりにゴロリゴロリと入っていて、苦さ控えめ甘さほんのり、の優しい味のビーフシチュー。でもどこかレトルトというか冷凍というか、それはディズニーランドでの食事で感じるような、"ちゃんとした食事っぽい外見だけど、味は妙にジャンクな大量生産風味"といったものだった。

「うーんうーん、この価格払ってこれ食べるなら、普通にバーガーのセット注文するわね」
と、新たにひとつ学んで、やっぱりいまいち物足りない分量だったシチューを啜る。つい息子の分のポテトをもりもり食べてしまったよ。ごめんね息子。

4月21日 水曜日
鶏肉の炒めかけ御飯、ワンプレートディッシュ風……
フルーツグラノーラ with 牛乳
味わい練乳いちごヨーグルト

だんなの姿を丸一日、見なかった。昨日の帰宅は日が変わる頃になってからで、今日の出勤(ジム経由)は午前6時過ぎ。晩も朝も私は寝こけていた。ううう、「家族の心はバラバラ〜ン」とか昨日ふざけて言ったことに対する呪いでしょうか。ていうか、早起きしろよ自分。

「おとうさんは、昨日はかえらなかったのかな?」
「うんにゃー、ちゃんと帰ってきたよ。君もずっと寝てたからねぇ」
息子と2人の朝御飯は、簡単にフルーツグラノーラ。パンあっためて卵も焼いて、オレンジなんか添えちゃって〜……という"御立派!"な朝食を用意したい気持ちもあるのだけれど、朝にガツンと食べ過ぎちゃうと息子はお弁当をほとんど食べられなくなっちゃうのだった。だからここしばらくの朝御飯は質素気味。
でもヨーグルトは食べちゃうのよ。今日は大好物の練乳いちごヨーグルト。

野菜とチーズのサンドイッチ
アイスティー

息子も午後まで幼稚園ということで、今日は一人静かにお仕事。でも、昼頃にスポーツジムに行ってボディパンプやるんだもんね、と決意してあれこれ頑張ってみる。10時過ぎに社長から電話があって報告や質問をして依頼も受けて、
「あーもーわからんなー、ここをこうしたいのに、なんでそうならんかなー」
とキーボードを叩きまくって、気がつけば12時過ぎ。スポーツジムに行く時間を通り過ぎていた。あああああ、月曜も行けなかったのに、今日もスルーしてしまった……次に行けるのは金曜日。せめて金曜はたくさん動いてこよう。運動しないと肩凝りも激しくなるし。

「カップラーメンでもちゃちゃっと食べてジム行こうと思ってたのに……」
トホホな気分になりながら、でもジムに行こうと思っていた時間の分、余裕ができちゃったなぁとサンドイッチを作成。ここ数日ジャンクなものばかり食べていた気がするので、野菜をどっさりパンに挟むことにした。パンにバターをしっかり塗って、レタスとトマトとキュウリと玉ねぎとピーマン。上からニョロッとマヨネーズをかけ、薄切りチーズをぺろっと一枚。上からもう1枚のパンをかぶせて、軽くぎゅうと押さえたらできあがり。トマトは厚切りにしたし、レタスもゴワッとどっさり入れた。

「……いっそ、ベーコンをカリッと焼いてBLTサンドにすれば良かったかもー」
と思いつつ、すっかり分厚くなったサンドイッチをがふがふと食べる。絞ったマヨネーズがいまいち足りなかったので、手元にマヨネーズのチューブ構えて絞りながら食べちゃう。ジムには行けなかったけど美味しいサンドイッチが食べられたので、良しとしよう。そして明日、せっせと歩こう、せめて……。

鶏のオイスターソース炒めかけ雑穀飯
かぶと油揚げの煮物
水菜と豆腐のサラダ風
豆腐と舞茸の味噌汁
ビール(ミラー)

今日は、今日こそはちゃんと夕飯を作るぞぉ〜……ということで、午後にちまちま献立を考える。午後5時6時になって「さて、今日はどうしましょ」と思っても、私はちゃんとした夕飯をなかなか作れなかったりする。せめて4時くらいには「冷蔵庫にこれとこれがあるから、これとこれを作ろう」と指針を決めておかないと動けないのだった。何しろ未だに"何も見ずにちゃっちゃと作る"ということが苦手なのだ。あれこれ作ってもそのレシピを覚えることは苦手なので、
「あれー、あの料理は酒と醤油以外に何入れるんだっけ?味醂?砂糖?」
「あの、あのとき作った茄子の何とかした料理って、どういうのだったっけ?」
とレシピデータベースを検索しまくることになる。レシピの類を何も見ないで食材との対話だけでちゃっちゃと料理を作れる人こそ"料理上手"と言われてしかるべき、と思っているので、私がその域に達することができるのは一体これから何年かかるやら……(20年くらい経ったらマシになるかしら……なって欲しいなぁ)。

で、ちゃんと献立を考えた後の作業はけっこう早い。米を研ぎ、味噌汁あるいは煮物類の下ごしらえからはじめ、煮物ができるタイミングに合わせて御飯を炊き始め、最後に炒め物などの直前仕上げの料理に取りかかる。忘れっぽいのでその日の献立を適当にメモ帳に調味料の分量などと共にメモしてマグネットで台所の棚に貼り付けて台所に立っている。

今日のメインディッシュは、鶏肉の中華炒めほんのりカレー粉風味。鶏肉を炒め、酒で風味づけして醤油とオイスターソースと豆板醤とカレー粉で適当に味をつけ、最後に刻み万能葱をざっくり混ぜたもの。それを御飯にかけて食べよう!と、準備したのは雑穀飯。

以前、広尾のACQUAVINOで雑穀飯に煮込みソースをかけたランチプレートを食べ、その雑穀飯のプチプチくにゅくにゅした感じがけっこう気に入っていた。で、先日「六穀」なるものを見つけて「これであの雑穀飯が作れるかしらー」と買ってきてみたのだ。入っているのはもち麦、黒米、赤米、こきび、ういろう豆、みどり米、というものであるらしい。米3合に対し大さじ2加えて普通に炊くだけ。

んが、たとえば一口に「カレー粉」と言ってもメーカーやお店でその配合が様々であるように、この「六穀」飯がお店の雑穀飯と同じものになるとは限らないのである。炊きあがった米は、黒米と赤米の効果で綺麗な紫色になっていた。とても耽美で美しい色合いなのだけど、でも黄色っぽい肉料理をかけて食べるには色合いのバランスが悪そうだ。
「かと言って、これに赤いトマト合わせたりするのも猟奇的な色合いになりそうだし、緑や黄色を紫に合わせるのも微妙にエキセントリックな感じだし」
しばし考え、「この御飯に何か添えるとしたら、海苔か佃煮くらいしか思いつかないわ」という結論に至った。でも、今日は気にせず肉料理ぶっかけ飯にして食べちゃう。紫色の御飯はもちもちしていて香ばしくて、なかなか美味しかった。多分、体にも良い……のかな。

楕円の皿に御飯と炒め物を盛りつけ、あと2品。カブと油揚げとほんのり甘く薄口醤油で煮つけたものと、水菜と豆腐に"焼き肉のタレ"をかけたもの。その焼き肉のタレは、先日、青森在住のHさんが「せりあさんが好きに違いない!」とわざわざ送ってくださったものなのだけど、青森の農協が作っているもので、「スタミナ源」という名前がついている。にんにくたーっぷりということで、いかにも私が好きそうな感じのものだ。焼き肉をするまで開封せずにいようと思っていたのだけど、我慢できずに開封してしまった。冷や奴にかけたり茹で肉にかけたり、色々使えるタレらしい。開封したとたんにプンとにんにくの匂いが漂ってきてわくわくしてしまった。野菜や果物たっぷりといった風の自然な味のタレで、確かに美味しいものだった。ああ、これで焼き肉したいかも。

で、それらの料理を全て1つの皿に盛りつけ、あとは豆腐と舞茸とわかめを入れた味噌汁。一皿料理だとボリュームがあまりないような感覚が沸くけれど、食べ応えはなかなかのもの。息子もちゃんと野菜も肉もよく食べた。味噌汁は2杯平らげ、3杯目を要求しようとして
「……そんなに飲んだら、お皿に残った御飯も野菜も食べられなくなるんじゃない?」
と私に止められ、
「……じゃあね、おとうさんがかえってきたらね、いっしょに飲んでもいーい?」
とのこと。そんなに好きか、味噌汁が。

だんなの帰宅は9時過ぎの予定。家で夕食食べるからね、と連絡があったので、これから料理を温め直すのだ。そして息子は3杯目の味噌汁を飲むのね……。

4月22日 木曜日
一人ランチ、ちょっと豪華め
自家製 鰺の一夜干し
まぐろの刺身
かぶと油揚げの煮物
なんばんみそ・しょうゆコンブ
豆腐と舞茸の味噌汁
雑穀飯
冷茶

今日は味噌汁も残ってるし、昨夜の雑穀飯の残りもある。冷蔵庫内には、先日手作りした鰺の干物も1尾分。
「今日は和朝食ができる〜♪」
と、あれこれ皿を並べてみる。まぐろの刺身なんかも出てきたので、昨日の煮物と合わせてちょっと豪華な朝食になった。御飯のお供も小皿に盛りつけてちょこちょこと。

ほのかに紫色の雑穀飯は、冷めてもモチモチした食感と香ばしい風味でなかなか美味しかった。朝食用にはレンジでチンしてそれぞれ盛りつけ、息子のお弁当にはおにぎりにして入れてみる。雑穀御飯のカレーライスなんかも美味しいかもね(紫の御飯に黄色のカレーじゃ、色合いは激しく悪そうだけれどね……)。

溜池 「過門香」(かもんか)にて
 大海老チリソースセット \1360
 フカヒレスープ&デザートセット \840

今日はお仕事。息子はお義母さんに頼んで幼稚園に迎えに行ってもらってそのままみていて貰うことになっている。仕事といってもまだまだ勉強することばかりで、色々と教えてくれる大学生のM君は午前中は大学の授業ということなので私の出勤は午後から。
「今日も溜池で旨いものを探してみるべさー」
と、ちょっと早く出てランチ混雑前の溜池に到着した。週に一度だと思うと、1500円くらいのものでもまぁ良いか、という気分になって、あちこち眺め歩いてみる。

今日入ってみたのは、「過門香」という中華料理店。都内に何店か展開しているお店なのだけれど、マンゴープリンがそこそこ美味しい、という噂を聞いていたお店だった。やけにスタイリッシュな外見で、
「うーん……あんまり好きな雰囲気じゃないかもー」
という印象を抱きつつ、「一人ですー」と指をひらひらさせながら入店。まだお客も少なくて、テーブルごとに区切られた4人がけの席に通された。

ランチセットは1000円から1300円ぐらいまで。あんかけ御飯や点心のセット、担々麺などがある。
「うー、海老食べたい。高いけど、海老食べたい」
と、「大海老チリソースセット」なるものにしてみた。海老チリソース炒めとスープ、お粥又は御飯、ザーサイと和え物がセットになって1360円。それに840円足すと、セットのスープがふかひれスープにかわり、好きなデザート1品がついてくるのであるらしい。マンゴプリンは550円。それだけ追加しようかとも思ったのだけど、どうせだったら……と、ふかひれセットにしてしまった。ああ、これで2000円を超えてしまった。かなり豪華な一人飯。

私の偏見も多分にあるけれど、やけに内装にこだわりすぎている店というものは店員さんの態度がさっぱりダメだったり、料理も盛りつけ重視で分量も味も納得いかないものが多かったり……という気がしてしまう。そういう意味でこのお店も「なんだか、"こだわりすぎ"って感じ?」と最初思ってしまったのだけど、店員さんたちの目配りも行き届き、テーブルにやってきた中国茶はキーンと冷たいものだったりして、とても居心地が良かった。キンキンに冷えた中国茶をくぴくぴ飲んでいるとほどなく一人分のポットがやってきたのだけど、そのポットの中にも冷たいお茶がたっぷりと。今日は半袖で歩いても良いくらいの暑さだったのだけれど、そのお茶が本当に嬉しかった。

さほど待つことなく、蓋つき容器に入ったふかひれスープと、正方形のトレイの上に乗せられた料理も目の前に。たっぷり2口分くらいある大きなブリブリの海老が5尾ほど入ったチリソース炒めは辛さ控えめ、とろ〜んとしたタレがたっぷり絡んで、皿の一番下には揚げワンタンが敷かれている。卵の白身と大きな蟹肉数個が入ったスープもしっかりだしを取られたちゃんとした味がして、三日月型の区切りつき小皿には茄子の揚げびたしとセロリの和え物、色の薄い上品な味のザーサイが入っていた。
「うー、高いだけあって、美味しいかもー」
と、真っ昼間、一人で海老をもりもりと。スープもたっぷりな分量だったので、腹一杯になってしまった。

で、デザートはココナッツ風味のソースがかかった小ぶりのマンゴプリン。果肉もどっさり入ったプリンはほのかな酸味もきいていて、なかなか美味しいものだった。果肉の多さがとても嬉しい。
……さ、美味しいもの食べたし、しっかり勉強しよ……。

新橋 「日々楽日」にて
 \3500コース
 旬野菜のおひたし
 おつまみ三種盛り
 鮮魚刺身三点盛り
 炭火串焼き5種盛り
 大根とおでんの三種盛り
 本日のサラダ
 手造りぬか漬け三種
 稲庭うどんせいろ 薬味
 シャーベット
 ビール・オレンジジュース&ウォッカ・シークワーサーサワー
 などなど

午後1時から6時頃までお勉強。先日linuxコマンドを教わり、今回はSQL。Excelは触ったことあります?データベースは?という話から始まり、頷いているうちに簡単なコマンド説明から一気に難しい内容まで詰め込まれた。頭がぐにゃぐにゃ。勉強とは別に、私が今の知識でもできる仕事もしっかり存在していて、時間があるだけやることは山盛にある状況になった。……がんばろ。

今日は飲み会。この仕事を紹介してくれた大学の一級上の先輩、Yさんと「久しぶりだし、一緒に飯でも」ということになっている。だんなも顔見知りなので、3人で飲むことになった。Yさんが予約してくれた新橋の小洒落た居酒屋に集合し、ビール飲んだり焼酎飲んだりサワーをあおったりしながらコース料理その他もろもろを数時間かけてパクパクと。お店は広く、薄暗く迷路のような通路沿いに小部屋のように仕切られたテーブル席がいくつも並び、とてもお洒落な雰囲気なのだけど、店員さんの動きはあんましよろしくない。呼んでもこなーい、料理もおそーい、という状態で、でもそれゆえにたくさんおしゃべりすることができた。

実はY先輩は、「私の知る二大変人」の一人だ。もう一人はもちろんM井さん。M井さんとは激しく違うけれど、Yさんも静かに変人道を突き進む人だった。顔はめちゃめちゃ良いし(私が知る中でダントツトップの美形男性)、めちゃめちゃ稼ぎが良いし、物腰は柔らかいしで、一見完全無欠で実際も限りなく完全無欠なのだけど、でも変人。コンビニで買い物してほんの数秒並ばなきゃいけない間でもその時間が惜しくて本を取り出して読んでしまったり、たとえ彼女が存在していようとも町中でビラ配りしてるようなおねぇさんに話しかけて電話番号を聞きだしてしまったり(←それも肉体的おつきあいどうこうに持ち込もうというんじゃなく、純粋に"お話したいから"……だったかな)、数百万円持ってラスベガスに赴いて遊んでみたり(それもまた一度や二度じゃなく、ほぼ定期的に)、こう、じわっとくる"変"オーラ漂う人なのだった。なんというか、普通の人が「あ、これやりたいな、やりたいかも」と考えて、でもそこで立ち止まったりしている間に、「あ、これやりたいな。やっちゃおう」と即座に行動に移す人、みたいな。しかもその行動のフリ幅が妙に大きいな、みたいな。

で、今日の話の内容は、こちらが「運動っていいよぅ〜」なジム話を展開し、Y先輩が「ラスベガスでねぇ〜」とギャンブル話を展開したり、という感じ。
「僕ね、最近プチバブルで。2人で3万、2人で5万なんてとこ食べに行っても全然気にならなくなっちゃったなぁ……」
とか言ってても、もう全然腹も立たない。あーそーですかー、じゃあ、奢ってください、ということで、私の分は奢ってもらってしまった(だんなは「年下男性に奢られるわけにいかーん!」と自分の分をきっちり払っていた。それもまた漢だねぇ)

料理はなかなか食べ応えがあったし、なかなか美味しかった。ふわっとした衣で揚げた海老が出たり、脂の乗ったカツオが出たり。ガーリックチップを散らしたサラダとか、軟骨やレバーなども入った焼き鳥盛り合わせとか、何故か大根と卵とがんものおでんとか。最後には稲庭うどんが巨大なせいろで出てきて、チョコ入り苺シャーベットで締めになった。3時間近くに渡っての飲み食いをしてしまった。

調子に乗って飲んでしまったので急いで帰ろうと思ってもふにゃふにゃになってしまい、結局滅多に乗らないグリーン車で帰宅。だんなの実家で待っていた息子に
「もー、おーそいよー。ねむくなっちゃったよー」(ていうか、寝てた……)
と怒られながら、夜道を3人で手つないでぽてぽてと家に帰った。
来週はお父さんと3人で牛タン屋さんに行って、来月半ばにも飲み会があるのよ。それは息子も一緒に皆で行こうねー。

4月23日 金曜日
はっぴばーすでーの、おこさまランチ
「スワンベーカリー」の
 クリームパン
 てりやきチキンパン
牛乳

昨日は溜池で仕事を終えてから、飲みの約束をしている新橋までてくてくてくてく歩いてみたのだった。山形のアンテナショップがあったので寄ってみたり、本屋をみつけると寄ってみたりして向かったので、たっぷり1時間ほどかかってしまった。地下鉄に乗れば2駅の距離だったのだけど、なかなか歩きごたえがあった。で、寄ってきた店のひとつが「スワンベーカリー」。以前銀座で働いていたとき、職場の近くにこのパン屋さんがあったので何度となくお昼御飯に買って食べていた、割とお気に入りのパン屋さん。銀座店で買って食べたその時のクリームパンはほんとにほんとに美味しかった。

スワンベーカリーは、ヤマト運輸によるパン屋さんで、働いているのは障害者が中心。何も知らずに「新しいパン屋さんだ〜」と店を訪れ、何度か買い物しているうちにレジの人や奥でパンをこねている人たちが障害者であるらしいということに気がついた。そのうちポロポロとマスコミでも紹介されて、その店が障害者を前向きに雇用しようとしている場所であるとか、そのパン作りにはアンデルセンの技術も使われているとか、色々な事を知ることになった。

時々、駅の改札近くなどで「障害者が作ったクッキーでーす」などと保護者らしき人が声をあげ、子供たちが看板を掲げたりして販売しているのを見ることがあるけれど、"障害者が作ってるんだから、買ってよ"みたいなノリはどうも好きになれない。健常者が作ろうが障害者が作ろうが、その品が良いと思えば買うし良くないと思えば買わないだけのことであるし、そういう意味でも「スワンベーカリー」の姿勢は好きだった。今は店を訪れるかなりの人が「ヤマトがやってる、障害者を多く雇っているパン屋さん」ということを知っているのかもしれないけれど、お店はただただ普通のパン屋さんとして営業している。障害者が働いているから買うわけでもないし、働いているから避けるわけでもないし、ただ好きだから買いに行くのよ……という、そういう文化(というと大袈裟だけど)が浸透すると良いことだな、と思う。

買ってきたのはクリームパン2つとチョコクロワッサン、カレーパン、てりやきチキンパンをそれぞれ1個ずつ。息子が1個、だんなと私が2個ずつの想定だったのだけれど、早朝ジムに早起きして出かけて行っただんなはカレーパンだけを食べて行ったらしい。目覚めると、パン袋の中には4個のパンが残されていた。

「……君は、どれ食べる?チョコにする?クリーム?」
「んとねー、今日はねー、クリームがいいな」
「おっけー、クリームねー。私もクリームにしよう。あとチキンのと」
などと話し合い、クリームパンとてりやきチキンパンをもりもりと食べる。以前銀座で買っていたときはもっともっとクリームが美味しかったような気がするのだけど、今回食べたそれは割と"ふつう"で、それだけがほんのり悲しかった。でも、もっちりしたクリームパンの生地も、フランスパン寄りのカリサク生地に甘辛く味つけされた鶏肉やマヨネーズが詰められたものも、どちらも好みな味だった。……さて、チョコクロワッサンが余っちゃったぞ。

「スワンベーカリー」の
 チョコクロワッサン
牛乳

午前中は一週間ぶりのジム。てけてけとステップ台を踏みしめて45分のプログラムに参加してきた。午前中ずっとジムに籠もる勢いであれこれやろうかなとも思ったのだけど、色々やることもあるので2時間ほどで帰宅。お昼御飯は、朝御飯の続きでチョコクロワッサンを囓ることにした。

板状のチョコがクロワッサンの端から端まで突っ切ってドカンと入っている豪勢なチョコクロワッサン。"チョコクロワッサン"とは名ばかりで、「どこらへんいチョコが!?」と探したくなるほどチョコが少なめなものもあったりするものもある中、どこから見てもチョコクロワッサンな外見をもつ見事なチョコクロワッサンだった。

……そういえば、会社勤めしていた頃、飲み会があると帰りに家の近所のコンビニに寄り道してチョコクロワッサン買ってたなぁ……と思い出す。酔っぱらって電車に乗って家までぽてぽて歩いていくと、その頃にちょうど「なんかこう、パンとか甘いものとか食べたいのよねぇ〜」と、ラーメンが食べたくなるのと同じような感覚で食べ物を欲してしまうのだった。で、ちょうど良いのかコンビニに売られているチョコクロワッサン。あの頃は若かったなぁ、なんて思っちゃったりして(今は、アイスとかヨーグルトとかが食べたくなるわね……)。

自家製おこさまランチ
 ポテトコロッケ・鶏の唐揚げ
 揚げウィンナ・自家製ポテトチップス
 千切りキャベツとキュウリ・トマト・オレンジ
 マカロニ&チーズ
 コーンスープ
ビール(MGD)・麦茶

「不二家」のショートケーキ
カフェオレ

今日は息子の6歳の誕生日。「早いけど、これが誕生日プレゼントだからね」と数ヶ月前に自転車を買ってあげたので、プレゼントはなし。でも恒例の「自家製おこさまランチ」のお祝いの準備がある。

「子供が喜ぶものって言ったら、おこさまランチでしょう!」
ということで1歳の誕生日から始まったその"おこさまランチ作成イベント"もこれで5回目(1度だけ誕生日が旅行中だったので中止)だ。毎回ちょっとずつ内容を変えているのだけれど、今回は息子にリクエストがあるかどうか聞いてみる。

「誕生日、ケーキは用意するとしてさ、他に何が食べたい?」
「んとねー、えーとね、マッケンチーズ!」
「チーズマカロニですか……」
あとは?コロッケとか食べたくない?なんていくつか質問した結果、今回の内容が決定した。これまでピラフやスパゲッティを作っていたのだけど、マカロニ&チーズで。おかず類は揚げ物中心で、息子が好きなコロッケと唐揚げ、ついでに揚げウィンナー(これはだんなの好物)も。コロッケにはキャベツでしょー、隅っこにオレンジなんかがあると良いわよね、と、写真のようにできあがった。夕方5時から作り始め、だんなが帰宅した7時半まで動きまくった。コロッケはやっぱり大変。

しかし、今回は料理の色のバランスが激しくよろしくない……。揚げ物は茶系だし、最後にパン粉をふってカリッとオーブン焼きにしたマカロニ&チーズももやっぱり茶系で、全体的に皿の上が黒茶けたイメージに。ピラフの白とかナポリタンスパゲッティの赤とかは大切な要素だったんだなぁと思い知った。うー、一生懸命作って盛りつけたんだけど、色合いがいまいち……(悲しい……)。

私一人が苦悩する脇で、今日はとっとと帰ってきてくれただんなと息子はしっかり喜んでくれた。私は揚げ物があんまり得意じゃないのだけれど(衣がベチャッとしたり、衣がべろんと剥がれてしまったり……)、今日は全体的に上手くいった。唐揚げはパリッカリッと揚がったし、コロッケも破裂することなく美しい。遊び半分に、皮むき器で薄くスライスしたじゃがいもを揚げてポテトチップスを作ってみたのだけど、これがまた素朴な感じで美味しかった。

「ぼくの、ぼくの好きなものばっかりだー」
と、手前から順々に、マカロニ、揚げウィンナ、ポテトチップ、唐揚げ、と食べ進む息子。結局刻みキャベツまでは到達できず、コロッケも2個盛りつけたうちの1個しか食べきれなかったけれど、それでも大変によく食べた。私とだんなは、息子の皿より一回り大きな皿に1つ1つの要素の盛りを多めにしたもの。
「大人用の、おこさまランチだねー」
「おとなさまランチ」
「……お殿様ランチ?」
「いや、夜だからおとなさまディナー!」
おとなさまランチでもお殿様ランチでも良いのだけど、おこさまランチは大層手間がかかる。手間がかかるけど、作るのは楽しいし、食べるのも楽しいから一年に一度くらいはしばらく頑張ってみようかなぁ、と。

そして、ろくそく立ててフーッとやったのは、不二家のショートケーキ。ケーキ調達はだんなに頼んだのだけど、夜の帰宅時には、既に小型サイズのホールケーキが売り切れで、駅ビル内の他のお店もあれこれ見てくれたようなのだけど、
「……コストパフォーマンスとかその他もろもろ考え合わせて、やっぱり不二家になりました……」
と、ホールケーキの大サイズになった。このクリームたっぷり加減とか、苺どっちゃり加減、野暮ったいほどに感じられる全体のバランスが、確かにいかにも「誕生日ケーキ」という感じがする。おとなさまランチで満腹のところ、更に1/6カットしたホールショートケーキをほおばって、今日もジムに行った効果が見事になくなっちゃったのだった。
誕生日おめでとう、息子ー。「もう、おこさまランチなんて恥ずかしくてヤだ」と言うまで、おこさまランチ、作り続けるわよ。ふふふ。

4月24日 土曜日
注文するとドラが鳴る、スペシャルラーメン
稲毛 「元氣一杯」にて
 スペシャルラーメン \1190
 焼売・焼き餃子

最近、どうも遅くまで寝ていられなくなった私は午前8時過ぎに布団を抜け出したのだけど、だんなと息子はまだまだ爆睡中。一人で洗濯してみたり、花に水をやってみたり、ネットサーフィンしてみたりして皆が起きるのを静か〜に待っていた。全員が起きたのはもう10時半近く。

「んー……昨日のコロッケが残ってるから、パン焼いてコロッケと一緒に食べる?」
と提案してみたのだけど、なんかちょっと、「ちがう……」という感じ。夕飯の食材を買いに行きがてら、ラーメン屋さんに行ってしまうことにした。私と息子が2人で何度か行っている、「元氣一杯」というお店。だんなは何年も前、この店が開店した直後に「ここのラーメンはなんて旨いんだ!」とそれはそれは足繁く通っていたそうなのだけど、人気が出るにつれてどんどんどんどん味が落ちていってしまい、ついに足を向けなくなってしまったのだそうだ。私はその"かつての味"は知らないのだけど、この店はそんなに嫌いじゃなかったりする。

今回注文してみたのは、「スペシャルラーメン」なる、ちょっとすごいもの。トッピング可能な9種類の材料を全て乗せたものなのだそうで、派手な外見写真をメニューで見るたび、「……きになる……」と思っていたものだった。お腹が空いていたこともあり、試してみることにした。

鰹だし風味のトンコツスープの白濁が見えないほどにトッピングされたのは、コーンと煮卵、わかめ、ほうれん草(高菜かな?)、ピリ辛刻みねぎにメンマ、明太子、見えないところにチャーシューが数枚、そして何枚ものベラベラと扇のように広がった海苔。わかっちゃいたけど、すごかった。そして、スペシャルラーメン注文時に欠かせないイベントが続く。店員さんがおもむろに
「スペシャルラーメンを御注文いただいたので、ドラを鳴らしたいと思います!お客様のお名前、伺っても宜しいですか?」
と尋ねてきた。えっとー、せりあ(仮名)で、とお願いすると、
「はい!本日、せりあ(仮名)さんにスペシャルラーメン、御注文いただきましたぁ〜!ありがとうございましたぁ〜!」
店中に高らかと響く声で宣言し、店名が記された巨大な金色のドラをゴモモモ〜ンと一発、そして拍手。開店直後ということもあり、店内に他のお客は2人だけだったのでたいして恥ずかしくもなかったのだけど、でも私たち以上に店員さんも照れくさそう。

まぁ、とにかく、具沢山なラーメンだった。麺はどこ?という風に必死にかきわけ、明太子が全部スープに混ざってしまわないように注意しながら、コーンや葱を堪能しながら啜っていく。今日のスープはほんのりケダモノ的生臭さが強かった。で、明太子が溶けたせいもあるけれど、ちょっと塩辛かった。これで3回このお店のラーメンを食べたことになるのだけれど、その時によってやけに鰹風味が強かったりあっさりしてたりと、味がけっこうバラバラなように思う。後でだんなに聞いたら、
「んー……一番いけてなかった時よりはマシになったかなぁ……でも可もなく不可もなく……って感じかなぁ。そうそう、味ねー、毎回違ってたよ、この店……」
とのことで、昔っから味の不安定さは変わっていないらしい(とほほ)。

でも、家の近所にこのくらいのレベルのラーメン屋さんがあるのはけっこう嬉しいことで、私(と息子)はまたきっと行ってしまうのだ。

「不二家」のショートケーキ
カフェオレ

午後は数時間、だんなと私はずーっとパソコンの画面に向かっていた。JALのマイレージキャンペーンで、6月は少なめマイルで海外行き航空券が引き替えられるのであるらしい。んで、だんなは6月上旬にごそっと休みを取れるのであるらしい。
「……香港、行けるね……」
「いっそ中国」
「いや、この機会に沖縄とかなー」
「ハワイは……マイル足りないか」
ここに行くとホテルが高そうとか、どうせだったら高松にうどん食べに行くのはどうかとか、話はぽんぽん飛びながら、結局南国ビーチ方面で航空券を取れるかどうか手続きしてみることにした。取れるといいなー、行けるといいなー。

私は夕方にスポーツジム。今週一度もボディパンプのプログラムに参加できなかったので、今日の夕方に行ってくることにした。昼前にラーメン食べただけじゃ運動できないわね、と、おやつに食べたのは昨夜のバースデーケーキの残り。直径15cm強、Mサイズのホールケーキはいつも買っている13cmのSサイズよりも迫力がある。昨夜皆でぺろっと半分食べたので、今日のおやつに残りの半分をぺろっと食べた。

ロールケーキを端からめくりながら食べてしまう私も人のことを言えないのだけど、息子のショートケーキの食べ方は、
一番上の苺にくらいつく
→上部のトッピングクリームをフォークですくって舐めまくる
→クリームが少なくなったところで上部スポンジをめくって食べる
→カステラ下部に現れたクリームと苺を食べる
→最下層のスポンジを食べる
という、すごく面妖なもの。本当に人の事は私も言えないのだけど、
「息子ー……その食べ方はね、どうかと思うよ」
と言わずにはおれない。

だんな特製焼き餃子
羽釜御飯
ビール(MGD)

「餃子熱が高まってきたわけじゃないですか」
数日前、だんなが言った。

「……へ?……誰の?私の?」
「君と僕の」
「いや、私は別に。"きたわけじゃないですか"とひとくくりにしないように」
「えー、だって、高まってきたでしょ?こない?俺はもう、きまくりなんだけど」
「……そう……」

で、うやむやのうちに今日の献立は焼き餃子。でも私は6時半から7時半のプログラムに参加するためにジムに行こうとしているのだ。帰り、8時前になるよ?一人で餃子包むの、すごーくイヤじゃない?と尋ねてみると、
「いや、君は昨日おこさまランチ一人で作ったじゃない。それに比べれば、もう、全然……」
ということだったので、遠慮なくジムに行ってきた。ヨレヨレになって帰宅すると、大きなバットにたっぷりの餃子が並びつつある。お風呂の準備もありがたいことに整えられていたので、ひとっ風呂先に入らせてもらってから、私も餃子包みのお手伝い。

「おこさまランチ作るの、やっぱり大変だったでしょ?」
「うーん……おこさまランチ2回に対して餃子3回、ってとこかな、同程度の大変さは」
「え?俺はねー、おこさまランチ1回に対して餃子5回だな。餃子作るのは苦にならんよー」
おこさまランチはそんなに高レートなのかそうなのか、なんて事を話しながらふたりで包み包み。餃子を包むのは私もそんなに嫌いじゃないのだけど、でも一人で包み作業をえんえんと続けると思うとちょっと憂鬱。誰かとおしゃべりしながら包みたいところだ。だから、我が家の餃子はいつも週末に作られている。

運動の後のビールの美味しいことったら。そして焼き立て餃子の美味しいことったら。
「あーもう、ビールと餃子の組み合わせだけで、私はもうこれだけで"最期"まで行けます、って気分だよ」
「いやー……俺はやっぱり、白い御飯がないと。最後に御飯と味噌汁と餃子の組み合わせがあってナンボでしょ」
作った餃子は70個強。2回に分けて焼いた餃子はそのうちの60個。ボディパンプでバーベルぶんぶん動かしてなんども"天国の門"が開きそうになったのだけど(脳裏にお花畑が広がった、とも言う)、疲れた体にビールと餃子の組み合わせはまた違った意味で天国に行っちゃいそうだった。

私もだんなも良く食べたけど、今日の夕飯でなんといっても凄かったのは我が息子。
餃子を12個食べ、それ以外にも
「あ、マッケンチーズのこってるの、たべたーい」
と昨夜の残りのマカロニ&チーズを小丼一杯ほども食べ、更に昨夜のコーンスープの残りも2杯平らげ、白い御飯もきっちり一膳食べきり、
「これもこれもこれも、ぜーんぶ好き♪」
と、たいそう御機嫌だった。今からこの調子だと、数年後がめちゃめちゃ怖い。高校生になった頃なんか、できれば想像したくない。

4月25日 日曜日
"ココイチ"でトッピングいろいろ(ハマッてます……)
ミニコロッケサンド
牛乳

昨日の夕方は私がスポーツジム。今日の午前中はだんながスポーツジム。
「……週末に交代でジム行って、何やってんでしょうね私たち」
「まぁ……よろしいんじゃないでしょうか、特に予定もないし」
と、近所をぷらつくだけで終わる予感の今回の週末だった。

ジムに向かう前のだんなに軽く何かを食べさせようということで、朝御飯は小さめサイズのコロッケサンド。息子の誕生日ディナーに作成した小さめサイズコロッケがちょうど3個余っていたので、ロールパンに挟んで食べることにした。切り込みを入れたロースパンの切り口に薄くマーガリンを塗り、温めたコロッケを挟んだらとんかつソースをどっばー、とかける。

手間はかかるけど、自分の家で作るコロッケはめちゃめちゃ美味しい。外で買ってくるコロッケはすごく美味しいものもたくさんあるけれど、でも衣が妙に厚くてゴテッと重いものだとか、噛んで染み出る油の味がどこか気持ち悪かったりすることもある。自家製コロッケは衣が薄く、素朴な味でとても良い。我が家のコロッケは、以前小林カツ代さんの本を読んで覚えたやり方で、マッシュポテト状にしたじゃがいもに少しのコンデンスミルクを垂らして作る。あとは炒めた玉ねぎとひき肉を入れる、ごくごく普通のコロッケだ。カレー味とかかぼちゃ入りとか作ってみたい気もするのだけど、コロッケが食べたいときはポテトコロッケが食べたいときなのでなかなか浮気はできないのだ。

稲毛 「CoCo壱番屋」にて
 チーズカレー \550
 コーントッピング \150
 うずら卵フライトッピング \150
 ラッキョウ \30

お昼は、運動を終えただんなと待ち合わせて、ジム近くにあるカレーチェーン、CoCo壱番屋に行くことに。先日私が行って、「けっこう美味しかったよ。メニューの種類もすごかったよ」とあれこれ報告して、「俺も俺も」という気分になったらしかった。お子様メニューもあるということで、一家揃ってココイチのカレー。

揚げニンニクからトンカツまで、何十種類もあるトッピングを自由に組み合わせられるということで、今日はいろいろ遊んでしまった。
「えっとねー、チーズカレーでね、トッピングにコーンとうずら卵のフライ、つけてください」
揚げ物はやめよう、肉を大量に食べるのもやめよう、という思いで注文したのだけど、うずら卵のフライをつけた時点でその思いはあんまり意味をなさなくなっているような気がしないでもない。
息子はお子さまカレー(甘口カレーにハンバーグ、ウィンナーとナゲットとジュースとゼリーとお菓子のセット)、だんなはオムエッグカレーにカニクリームコロッケトッピング。それぞれ全く違った外見のものを、しばし無言でわしわしと食べた。

カレールーの中にチーズが溶けて、コーンが散って、上にはずらりと卵のフライが並び、私の皿はなんだかとても愉快な外見。
「あっはっは、好きなものだらけ〜♪」
と嬉しくなってしまい、やっぱり御飯が多めだわと思いつつ今日もぺろりと完食した。ぴよーんと溶けて伸びるチーズが舌に心地良くてすごーく美味しい。息子の皿にもコーンを分けてやりながら、子供も好きそうなアイテム満載のカレーを平らげた。

手巻き寿司
 マグロ(3種)・カンパチ・帆立・甘海老・イクラ
 玉子・ツナマヨ・納豆・刻み葱
甘海老の味噌汁
缶チューハイ(グレープフルーツ)

昼食ついでに、スーパーに寄って夕飯の献立について家族協議。何がいいかねー、と肉や魚を見て歩き、途中の平棚で安売りをしていた"ちらし寿司の素"と目が合った。いいないいなちらし寿司いいな、でもなー、刺身買うと高いしなー……と考え、
「どうせ寿司なら、手巻き寿司!」
結論が出た。だんなだんなだんな、と、ふりかけを探していただんなを呼び寄せ、
「手巻き寿司!どうでしょう!」
提案してみる。おー、良いんじゃない良いんじゃない、うん、良いかも、と、あれこれ買ってきた。手巻き寿司はすごーく久しぶりで、あれも食べようこれも用意しよう、とわくわくしてくる。

が、午後5時半過ぎ、もうすぐ御飯を炊き始めますよという段になって、私の手は困ったことになってしまった。
「あちゃー……しまったー」
「……どした?」
「あのさ、足首が痛かったんだよね、数日前にひねったみたいで。でさ、バンテリン塗ったのね、今。……手が、バンテリンくさー……」
「洗ってらっしゃい!」
「洗ったよ、二回も石鹸つけて洗ったよ、でもね、くさー……」
「……」
「これで魚とか触って準備したらね、もれなく手巻き寿司がインドメタシン風味になるよ?」
「……もうもう、なんで夕飯直前にそういうの塗るかなー、もー」

だんなはブチブチ言いながら、それでも殻つき甘海老を全部剥き、その殻を使って甘海老の味噌汁を仕立ててくれた。私は極力直接触らないようにしながらパック入り刺身を細く切り揃えて並べていく。寿司酢は酢60ccに砂糖大さじ4、塩小さじ3を一度煮立てて作り、それを炊きたての3合の御飯にビャーッとかけて寿司飯にした。うちわ引っ張り出したり、棚の奥にしまわれている飯台も引っ張り出したりと、だんなも私もせっせと動き回った。

そしてテーブルの上には3合分の酢飯と、刺身各種にツナマヨ、納豆などのイロモノも。1袋分の焼き海苔も積み上げ、各自巻きまくって食べまくった。前回手巻き寿司をしたときは、息子は何も自分で巻くことができなかったと思うのだけど、今日はあれこれ楽しそうに自分で組み合わせて食べている。
「ツナタマいってみよ。これはきっと美味しいと思うぞー」
「ぼくはね、ぼくはね、なっとうを食べるなんだよ」
「……俺は、"外で喰ったら高いぞこれスペシャル"にしよう」
「……どんなだよ……」
これとこれを組み合わせるとこうだああだ言いながら結局、茶碗一杯ほどの酢飯と小皿1枚分ほどの刺身を残して、食べ物は盛大に消失した。ネギをこれでもかとまぶしたマグロのたたきとイクラを巻いたのなんかを腹一杯食べられて、すごく満足。

「きょうのごはんもバースデーパーティーみたいねー」
今日も息子は御満悦。確かに手巻き寿司はちょっとしたパーティーみたいだわね。