食欲魔人日記 04年10月 第4週
10月18日 月曜日
近所のイタ飯屋さん。仔羊のラグーが美味しかった〜。
ホテルの朝食ブッフェ
 かまぼこ・切り干し大根の煮物
 ねぎとろ
 肉じゃが・だし巻き卵
 まぐろの佃煮・煮豆
 焼売
 ポテトサラダ・コーン
 御飯・味噌汁
 スパゲティミートソース
 メロン・オレンジ・杏仁豆腐
 オレンジジュース・牛乳・お茶

「……また早く目が覚めちゃった……」
午前5時過ぎ、途方に暮れる私。旅行に行くと毎回毎回早起きしてしまう私だけれど、今回の早起きも格別だった。5時半にお風呂がオープンするというのが昨夜から心のどこかに引っかかっていたのか(このホテル、24時間入浴可能じゃなくて、深夜は入浴できなくなるのだ)、お風呂がオープンする前にきっちり目覚めてしまったのだった。だんなと息子はまだ寝ているようなので、1人ぷらぷらーっと露天風呂に向かってみる。

湾の向こうに見える山の上が赤く染まり、暗かった空がどんどん青くなってゆく。とんびが20羽くらい山の上をぐーるぐーるするのも見え、海や山の景色をボーッと見ながらガラガラの露天風呂に30分くらいつかっていた。風が冷たいし、お湯がかなりぬるめなので、年輩のお客さんはお湯があったかい内湯にばかりに入っている様子。なので露天風呂は昨日も今日もほとんど人気がなくて、こぢんまりとしているけれど快適な露天風呂を独り占めして満喫した。その後脱衣場のマッサージチェアに座って肩や腰をぐりぐりしてみてからふにゃふにゃと部屋に帰還。最近のマッサージチェアは高性能で気持ちがいいね。

その後、6時過ぎにはだんなと息子も風呂に向かい、帰ってくるのを待ってから皆でホテルの朝食ブッフェに。宿泊にはこのブッフェ代も含まれていて、ブッフェ以外には選択肢がないらしかったので、団体のお客さんたちと一緒にだだっ広い宴会場であれこれ食べてきた。料理は基本的に和食。ごくわずかにパンとかスパゲッティとかスクランブルエッグなどもあったけれど、基本は鯵の開きとか冷や奴とか焼き海苔、納豆、という感じ。

味噌汁が悲しいほど薄くて味気なかったりしたけれど、でも煮物なのは案外ちゃんとした味。味がほっこり染みてる肉じゃがとか、このへんの名物らしい(お土産もの屋で山のように売られていた)まぐろの佃煮、じゅわっとだしが染み出てくるだし巻き卵あたりはなかなかの美味しさだった。朝からねぎとろがあるのもちょっと嬉しい。
「うわーい、ねぎとろ丼〜」
と、御飯の上にねぎとろ乗せて食べたりして。

息子はコーンサラダとトマト、スパゲッティミートソースにフルーツと杏仁豆腐とオレンジジュースで朝からもりもり良く食べた。あきらかに缶詰な風情のミートソースだったけれど、息子が食べているそれが美味しそうに見えてきて、私もだんなもついミートソースもらってきて食べてみたり。

食後は数十分だけ部屋でごろごろしてからチェックアウト。もう荷造りも完了!という頃に、
「ねぇね、ホテルでちゃう前にー、もういちどお外のおふろは?行ける?」
なんて息子が言い出した。露天風呂がそれはそれは楽しくて気持ちよかったのだそうで、朝にもしっかり入ってきたのにまだもの足りなかったらしい。
「もう一度来ようね。また温泉行こうね」
と宥めて、ホテルを後にした。さて、今度はいざいざ鴨川シーワールド。

鴨川シーワールド内「サンクルーズ」にてランチブッフェ
 自家製ピクルス
 鮭のエスカベッシュ
 チキンのゼリー寄せ
 バスク風ハンバーグ
 イタリアンオムレツ
 イタリアン肉団子
 トマトソースのスパゲッティ
 ポークカレー
 フルーツゼリー・クールゼリー
 プチシュークリーム・苺のケーキ
 オレンジジュース・アイスティー
などなど

さて、宿からシーワールドまでは電車で数駅の距離なれど、外房線は1時間に数本(下手すりゃ1本くらい)しか電車がないみたい。ちょっと調べたら、宿のすぐそばにバス停があることがわかり、その路線は「鴨川シーワールド」駅を経由して鴨川駅まで行くらしい。キャリーバッグをからころ引いて、地元の人で混雑する路線バスに揺られて水族館に向かうことになった。30分くらいかかったけれど、のどかな港町の光景を眺めて行くのが気持ちよく、10時頃には無事に鴨川シーワールドに到着。気温もぐんぐん上がってきて、気持ちの良い一日になった。

ここは、一度来てみたいと思っていた水族館。何が目当てというわけではないのだけれども、願いかなって多分一番はしゃいでいたのは私だっただろうと思う。この水族館のメインは、イルカやアシカのショー。3000円くらいする入場料はこの何種類ものショーをみるための金額と思わなきゃ、ちょっとお高いものだなぁとも思うし。

「えっとー、これからイルカのショーだってさ。それから30分ごとにシャチでしょ、ベルーガでしょ、アシカでしょ……あ、あとペンギンの餌やりショーなんかもあるみたい……」
案内ペーパーを並べてあれこれあれこれ考えて、結局3時過ぎに園を後にするまで5つもショーを見てしまったのだった。イルカ見てーベルーガー(シロイルカ)見てーシャチ見てーアシカ見てーもういっちょイルカ見てー(←最後のこれは予定外で、たまたま通りかかって見たのだった)。合間に展示水槽も見て歩かなきゃいけないし、お昼御飯も摂らなきゃいけないしで、かなり忙しい散策になった。

昼御飯は、鴨川シーワールドホテルに隣接する「サンクルーズ」というブッフェレストランで。セルフサービス式のレストランで最低800円くらいしちゃうような、あんまり美味しくない(と思われる)料理を食べるよりは、ブッフェの方が良いかしら?……なんて適当にそこにしてみたのだけれど、料理の種類の半分がほんのりいまいちな味で半分が割合に美味しくて、という感じ。やけに「イタリアン」とか「イタリア風」といった枕詞のついた料理名が多くて、その実ケチャップやミートソースの味付けが多かったように思うのだけれど、ハンバーグや肉団子はそこそこ本格っぽい味。

「えへへ、ピラフもあったけど、小碗にカレー盛ってきちゃった」
「あ!ミニカレー、なんかいいな。俺もミニカレーにして持ってこよう」
なんて互いの皿を眺めながらひととおりぱくぱくと。微妙にジャンクな味の、スポンジとやけに甘いホイップクリームとイチゴジャムで構成されたケーキなんかが妙〜にくせになる味だったりした。息子は朝食に続いて昼食もスパゲティにご執心。

しっかり食べて、午前に引き続き午後もショーを見たり水槽を眺め歩いたり。
私もおおいに楽しんだけれど、息子が
「すごい!イルカジャンプすごい!かっこいー!」
「アシカ!かわいいねぇ。すごいねぇ、パチパチしてるよー」
と大騒ぎ。色々と楽しかった。9月の下旬に産まれたばかりだというバンドウイルカの赤ちゃんはめちゃめちゃ可愛らしかったし、巨大なシャチも間近に見ることができたし。

私の愛する愛するマンボウも2匹。「水族館の水槽では、マンボウが直進して頭を打ち、骨折してしまうのでビニールの柵もつけています」なんて説明書きのついたマンボウの水槽では、ふよふよもたもたとマンボウがビニールで囲われた中で泳いでいて、他の魚以上にな〜んにも考えていないようにたゆたっていた。よく見るとちょっと不気味な感じもあるけれど、でもそのちょっと気持ち悪いところがまた好きなのよね。……畳1畳分くらいはありそうなのに、これでまだ赤ちゃんなのだそうで。
イルカをこれでもかと間近で見られたし、初めて「シロイルカ」なるものも間近で見られたし(これがまた……かわいい……)、海獣でお腹一杯にして夕方、鴨川を後にした。

電車内で
 チーズちくわ
 かっぱえびせん
 ビール

行きは外房線の普通電車だったけれど、帰りは特急で。なんでも数日前に新型車両がデビューしたのだそうで、だんなが「乗れる?これに乗れる?」と目を輝かしていたため、新型車両が走る便にねらいをすませて乗車。

「乗る前に、ビール買うだよ」
「じゃあ、つまみも要るよ?」
「……チーズちくわ!」
「うん、いいけど……でも私はかっぱえびせんなんかが恋しい……」
「あー、いいねかっぱえびせん。じゃあかっぱえびせんも」
なんて言いつつ、乗車前に駅前でわちゃわちゃとお買い物。他にお客もほとんどいなかった新型車両に乗り込んで、「わー、リクライニング以外に、座るところが前にスライドするじゃん!」「トイレもきれい!」「色々と高性能〜」「かっくいー」とあれこれ触りまくったあげく、席でビールかっくらって後半は眠りつつ帰路についた。

ビールとかっぱえびせんって、案外良く似合うのよ。美味しいのよ。
ああ、また温泉行きたいねぇ。

稲毛 「トラットリア ヴィーノ」にて
 ピッツァビスマルク
 カルボナーラスパゲティ
 仔羊肉とポルチーニ茸のミートソースの手打ちパスタ
 スペイン産イベリコ豚のロースト
 グラスワイン×2
家族で分け合って、もぐもぐ。

アフォガット
を、我が家でデザートで。

我が家近くまで戻ってきたのは午後6時。
「夕飯、どうしよ……」
「中華な炒め物とか、チャーハンとかが恋しいかも……太閤園?」
「太閤園?」
「太閤園!」
という話になって、お気に入りの中華定食屋さんに向かってみたのだけれど……本日は臨時休業。

家族全員
Σ( ̄□ ̄;)
こんな↑顔になって立ちすくんでしまい、
「休みだ……」
「どうしよ……」
「臨時休業だなんて……」
と、とりあえず一旦駅の方に戻っていく。「ここはどう?」「あそこは?」と話し合い、息子の「ピッツァ、食べたいなー」のリクエストに応じて、「トラットリア ヴィーノ」という、ちょっと気に入っているイタ飯屋さんに行くことになった。ランチには何回も来たことがあるけれど、ディナータイムに来るのはこれが初めて。そんなに高くはなさそうだし、軽くピザとパスタくらいでもいいしね、と入ってみることにした。

印刷されたメニューもあるけれど、店頭・店内に黒板には「本日のおすすめ」も山のように。値段はおおむね良心的で(その分、分量はちょっと控えめかなという感もあるけれど)、前菜・プリモピアット(パスタかリゾット)・セコンドピアット(魚料理か肉料理)と3品取っても4000円でお釣りがくるくらいの価格設定になっている。ちょっと豪華にオマール海老のパスタがあったり、その日に仕入れた魚介をオーブン焼きにしたりというのもかさご1尾の料理で1200円と、割とリーズナブル。

「お、ビスマルクピッツァ、だってよ」
「イタリアンソーセージと生たまごのピッツァ……それだな、うん」
「あとねぇ、黒板に仔羊のラグーのパスタってのがあるよ」(私は目が悪いのでだんなが代わりに読んでくれている)
「あ、私、それでー」
と、ほとんど黒板に載っているものばかりで注文。息子にピッツァ、私とだんなはパスタを1皿ずつ、そしてメインディッシュを1皿取ってだんなと2人で分けっこすることにした。グラスの白ワインを1杯いただいて、料理を待つ。

薄焼きパリパリのピッツァは、大きく薄いボローニャソーセージがたっぷり散らされ、中央には固まった卵の白身とトロトロの黄身がクシャッと広がっている。縁はパリパリのサックサク。
仔羊のラグーのパスタにはフレッシュと思われるポルチーニ茸(イタリアの松茸、という感じの香りのつよーいきのこ)が香りをぷんぷんまき散らすように混ぜられていて、一度団子にしてから崩したような羊の挽き肉の独特な香りがそのきのこの香りとよく馴染んでいた。優しい食感の幅広の手打ちパスタにざくざくしたソースがたっぷり絡んで、脇には骨付きラムチョップが1切れ。レアっぽく火が通った肉は塩胡椒が適度に効いていて柔らかく、うまーだった。

1皿2100円のメインディッシュ、スペイン産のイベリコ豚のローストは、バルサミコを軽く煮詰めたようなソースがほんの少量、まわりに散らされている。グリルした栗とさつまいもが添えられていて、それも素朴な味わいで美味しかった。薄切りにして8切れのイベリコ豚は、少量ながらやっぱりイベリコ豚!という味わいで、とろけるような脂の甘さがとっても素敵。お高い豚肉ゆえに、これを食べるときは「イベリコ食べるわよ、イベリコなのよ」と、肩につい力なぞ入ってしまって、予約して気合い入れて思い立って食べるものというイメージがあったのだけれど、こんなにフラッとお店に入ってフラッと食べてしまって良いのでしょうかという感じだった。やっぱりこの肉、この4倍量くらいを一気にグリルしてガツンと食べたい感じなのだけれど、そうするとお値段はやっぱり倍、更に倍!ということになっちゃうわけで、なかなか手が出せない。

で、結局、昼のパスタセットがお気に入りだったこのお店はやっぱり夜もなかなかお値打ちで美味しくて、満足して店を後にしたのだった。
デザートも食べちゃおうかと思ったのだけれど、旅行でお財布もちょっと危ない状態だったので、続きは家で。コンビニでバニラアイスを買って帰宅。

「私は片づけするから、その間に……」
「その間、俺はエスプレッソを淹れまーす」
と、分担して帰宅するなりがさがさと活動し始め、片づけの手を一時休めていただいたのは「アフォガット」。適当な器にバニラアイスを入れ、上からアツアツのエスプレッソをジョーッとかけたのが、アフォガットというデザーで、バニラアイスが溶けてまろやかな味になったエスプレッソを啜るのも、エスプレッソの風味がついて熱でやわくなったアイスクリームを食べるのも、どちらも美味しい素敵なデザート。アイスクリームを自家製にしたり、バニラアイスじゃなくてマスカルポーネチーズ入りの濃厚なものにしたりと色々遊べるデザートだけれど、簡単でシンプルで美味しいんだな。

2日間の小旅行。これでもかと温泉に入って、これでもかと水族館を堪能して、とりあえず色々と溜まっていたものが頭のてっぺんの穴からシューッと抜けていった感じ。何だか、「仕事でやらねばならぬこと」もいくつかシューッと抜けてった気がするのだけれど、それは明日になったら必死にかき集めようと思う。だんなも息子もお疲れさまでした。楽しかったねぇ……。

10月19日 火曜日
お義母さんのビーフシチューは絶品♪
「山下」のうどん あつあつ
麦茶

昨夜はどうも夢見が悪かった。

私とだんなは2人で向かい合わせに座り、イタリア料理らしき前菜の皿をつついている。皿の上に乗るものはお値段のお高そうなものなのに、どういうわけかテーブルは学食のように左右に長ーく伸びていて、周囲(というか左右)には何人も私たちと同じように向かい合って食事をするお客さんたちが座っていた。妙なシチュエーションだったけれど、気にせず
「これ、美味しいよ。半分食べる?」
「ああ、皿に乗ってるの、けっこう違うね。皿とっかえて半分こしようか」
なんていつものようにだんなともぐもぐ食べていたところ、隣に座っていた見知らぬ女性が
「あら美味しいの?私にもちょうだい」
と、勝手に私の皿から肉団子(なぜゆえに肉団子……)を1個プスッとフォークに刺して、食べちゃった。

「なにこの人……?」と怪訝に思いつつ軽く睨みつけて、引き続き食事を……とだんなの方に顔を向けると、更に
「あら、美味しいわね。そっちもちょうだい」
と別の料理にもフォークを伸ばしてくる。で、私はブチ切れた。
「あなた、誰?あなた、友人でも知り合いでもなんでもないんだからそういう事するのやめてくれない?」

はっきりとそう言った自分の声が耳にまで響いた感覚があって、それで目が覚めた。ものすごくリアルな怒りの感情を持ったまま目が覚めてしまって、
「……なんだかなぁ……」
と時計を見ればまだ6時。……ありゃりゃあ。

そんな夢を見る要因となったいくつかの要素に心当たりはあるんだけど(昨日、家族で分け合って食べたイタ飯が美味しくてとても楽しかったなとか、あとはちょっと巻き込まれているごたごたした事とか)、でも自分がこれほどはっきりとそのごたごたに怒りと不快の感情を持っていたのかと自覚できてしまってちょっとびっくり。そうね、友人でも知り合いでもないものね。友人は全力で守るし守りたいし信頼もしてるけど、そうじゃないから。

「へんな夢見たよ……」
とだんなに報告しつつ、うどんを茹でて朝御飯。今日は「山下」のうどん。13分ほど茹でて、温かいだしをぶっかけて、葱はないので胡麻をゴリゴリすってかけて食べた。

ぴよーんと伸びる長いうどんは独特なノビノビクニュクニュとしたコシがあって、好きな歯ごたえ。2玉分しかなかったので、息子にはお気に入りのシリアルを食べていただいて、旅行あけでちょっとお疲れ気味のだんなは職場に、息子は幼稚園に、私はパソコンの前(仕事だ)に。

バタートースト
お義母さんのビーフシチュー少々
ラム酒入りホットミルク

今日は「雨」の予報が出ているけれど、朝はなんとかまだ曇り空。お義母さんから
「ビーフシチュー、いっぱい作ったんだけど、食べる?鍋持って取りにいらっしゃいな」
と連絡をもらっていたので、朝のうちに大きなタッパー持って行ってきた。息子を幼稚園に置いて、その足でそのままだんなの実家に
「ビーフシチューいただきにあがりましたぁ〜」
と寄ってくる。巨大なタッパーにたっぷりのビーフシチューと、付け合わせのじゃがいもを貰って帰ってきた。

お義母さんは時々、驚くような料理も作るけれど(紫芋のクリームシチューとか←衝撃の色だった……、世にも塩辛いマカロニグラタンとか)、でもビーフシチューはとってもとってもとっても美味しい。他にも色々と美味しいものを御馳走になってきたけれど、でもビーフシチューがダントツ一番の美味しさなのだった。毎回、3日ほどかけてよーくよーく煮込んで作られるシチューで、いただくときにはもう肉がフレーク状にホロホロになっているのが常。にんじんなども消える寸前の状態で、ゆえに煮くずれやすいじゃがいもは食べるときに添えるということになっている。

今日のは、牛のバラ肉とスネ肉と肩ロース肉を煮込んだものだそうで、細かく砕けた肉や、まだ原型をとどめた肉がざっくざっくとソースに混ざっていた。当然これは夕御飯だけれど、美味しそうだなぁ……と、お昼御飯にバタートースト添えてちょっとだけいただいた。今日は寒くて寒くて、あんまり寒くて、つい昼間っからラム酒垂らしたホットミルクなど用意してしまう。

赤ワインとトマトを入れてことこと煮込んだようなシチューは甘さ控えめの大人の味。もうほとんど消えて形はわからないけれど、玉ねぎやマッシュルーム、いんげんなんかもさりげなく一緒に煮込まれているようだった。バターたっぷり塗って焼いたトーストを、シチューにどぼんと突っ込んでみたりしながら一人飯。

お義母さんのビーフシチュー たっぷり
羽釜御飯
「FLO」のサラダ
 ゴルゴンゾーラとペンネのサラダ
 海老とブロッコリーのサラダ
ビール(モルツ)・アイスティー

今日もやっぱりだんなも激ジョブだろうしと、夕飯はもう「お義母さんのビーフシチュー&白い飯」で決定済。午後にスーパーでサラダ用の野菜なぞも見てきたのだけれど、ここんところの長雨でどれもこれもうんざりするほどの高値だったりして、何も買わずに帰ってきちゃったのだった。だから夕飯はビーフシチューと御飯のみ!

そう決めて、さてそろそろ御飯でも炊くかな、と思っていたら、携帯電話が鳴った。息子がすかさず
「あ!だんなだ!」(液晶に「だんな携帯」の文字が出る)
と、
「もしもし?のぞだよ?きょうかえってくる?」
なんて先に話し始めている。数十秒後に
「おとなにかわりまーす」
という声と共に、私に電話を返してくれた。はい、おとなに代わりました。今日帰って来られることになったの?

明日は確実に激ジョブだと確定しているので、今日は帰ってくるとのこと。しまった、それなら1玉350円だったレタスでも買ってくるんだった、と思っても後の祭りで、
「うげ。ごめん……ビーフシチューしか用意できないや……サラダでも、買ってきて?」
とお願いしてみる。ついでに
「あちゃー、明日のパンもなかったや。買ってきて?」
ともお願いしてみる。すみません……。

かくして、食卓には、だんなが買ってきてくれた「FLO」のサラダが2種類と、あとはお義母さん特製ビーフシチューと白い御飯。サラダは、ゴルゴンゾーラチーズを使ったクリームソースを和えたペンネときのこ、そしてタルタルソースで和えられたブロッコリーとぶりっと大きめの海老の2種類。サラダつまみつつビールを軽く1/2缶ずつ飲んで、シチューに御飯をぶっこんだりしながらさらさらっと夕御飯にした。

本来のハヤシライスとは違うけれど、だんなの実家では、このビーフシチューを御飯にかけたものを「ハヤシライス」と表現している。義妹はこのハヤシライスが大好きで、今日も朝から山盛り食べて出勤してったわよーん、なんてお義母さんが楽しそうに言っていた。息子もさっそく、「いただきます」の直後に
「ねぇね、ごはんにね、カレーかけたらおいしいと思う?」
なんて、それを実行していたりした。いや、でもこれね、カレーじゃないから。ビーフシチューって言うから。

大人っぽい味のビーフシチューは息子にも好評で、家族全員、よく食べた。ずーっと前(結婚して最初の秋か冬頃)に、ルーズリーフにこのビーフシチューの作り方をお義母さんに書いてもらったのだけれど、どうも引っ越したときのどたばたでどこかにやってしまったみたいで。いつか同じ味のものを作れるようになりたいから、今度もう一回お願いしますと頭を下げて書いてもらってこよう。いや、しばらくは寸胴鍋にたーっぷり作ってくれるお義母さん手製のものをタッパーに入れてもらってくる、ということで。

10月20日 水曜日
テキトーに作ったスープスパゲティは息子に好評でした
ホットサンド こんたまちー
カフェオレ

まーた台風が来ているみたいで、朝から大雨。今日は息子の幼稚園、幼稚園都合で午前保育なのだそうで、大雨の中をたったの2時間ちょっとの保育時間のために送迎しなきゃいけないらしい。それは……激しくイヤだ……。
「というわけで息子さん。今日はいまいちおかーさんの体調もよろしくないということもありまして、幼稚園をお休みしませんか?行ってもたったの2時間で帰って来なきゃいけないし。この雨の中。」
「うん、いいよー……電車でゴー、やってもいーい?」
「うん、良い良い」
ということで、今日はもう休んじゃうことに。

昨夜、
「明日のパン、買ってきてくれる?」
と頼んでみたところ、だんなが買ってきたのはサンドイッチ用のパンと、コンビーフ。どこから見てもそれは「ホットサンド用セット」。そんなに好きですかホットサンド……。

そんなに好きかね、と呟きつつ、私もホットサンド大好きなので異論のあるはずもなく、ホットサンドの準備。ついでにホットコーヒーも準備。前回、粉と水の分量がわからなくて通常より3倍くらい濃いコーヒーを淹れちゃったのだけれど、今回は上手くいった模様。マヨネーズ和えゆで卵とコンビーフ、チーズのいつもの組み合わせで「こんたまちー」なホットサンドを準備した。

「うー、寒い寒い」
「……冬用の布団、出そうよ……」
「あんまり寒くてさ、倉庫からストーブも出せないんだよ」
「寒いなら出せよ!ていうか、まずこたつでしょ?」
「ああ……こたつかぁ〜」
なんて言いつつ、まだ冬用布団もこたつもストーブも出していない。でも、そろそろ出した方がいいのかも。うー、さぶっ。

ホットサンド、毎回ついつい卵とかコンビーフにしてしまうけれど、そのうちリンゴを甘く煮たのを準備してシナモンアップルとか作ってみようかなぁ。カラメルまぶした焼きバナナとピーナッツバター詰めたりとかも、いいかもしれない。

お義母さんのビーフシチュー
つめたい御飯
アイスティー

「すんごいねー」
「きょうも、雨だねー」
空を時々眺めつつ、今日は一日家でおとなしく。さんざんテレビなどでも騒がれているけど、今年は本当に台風が上陸しまくりの年。また葉野菜がお高くなってしまうのかしら、と考えてしまったり。

外に出かける気力もなく、お昼は昨夜の残りの「お義母さんのビーフシチュー」。ごろっと大きな塊肉が鍋にまだ残っていたので、それを軽くほぐして残ったソースで和え、昨日炊いた冷や御飯にかけて食べた。肉がざくざくごろごろ、にんじんやいんげんなんかもまだまだ混ざっていて、それをカレーライスやハヤシライスのように御飯にたっぷりまぶしつけていただいた。汁気がほとんどなくなって、すっかりペースト状。
「おばあちゃんのカレーライス、おいしいねぇ」
「うん、おいしいねぇ〜。でもね、これはカレーライスじゃないんだよ。ビーフシチューなんだよ」
なかなかわかってくれない息子に(何故だ、味は全然違うじゃないかー)、カレーライスとビーフシチューの違いを説明してみる。
「ほら、カレーはこの匂いがするでしょ?ビーフシチューはしないでしょ?」
と、ターメリックの匂いをかがせてみせたりして。

コーンと鶏肉のスープスパゲティ
オレンジジュース

だんな不在の夕食。雨の中買い物に行くのがどうにもだるくって、家にある適当なありもので済ませることにした……が、こういう時に限って、適当な缶詰も肉も魚も手元にない。野菜もない。
「……鶏肉、発見。……あー、コーン缶もある……」
じゃがいもや人参、玉ねぎはあるから、これでクリームシチューにしようかなとも思ったのだけれど、使いさしのカッペリーニ(細〜いロングパスタ)の存在が以前から気になっていたので、これをスープスパゲティ風にして食べちゃうことにした。

鶏肉は2cm角ほどに切り、パスタと一緒に数分茹でる。別鍋にクリームコーンの缶詰をあけ、牛乳を注ぎ、顆粒鶏ガラスープと塩で味つけ。いつも作るコーンスープよりは牛乳を少なめにして味を濃いめにし、塩味もちょっと強めに。あとは深皿の中央に茹でたてパスタと鶏肉を盛りつけ、濃厚なコーンスープをたっぷり周囲に敷けばできあがり。こりゃもう絶対息子が好きな味に違いない、と思ったら、案の定ツボだったらしい。

「わ!コーンだ!コーンのスパゲティだー!」
お肉とコーンとスパゲティだぁ……と皿の中をフォークでつつきまわした後、
「すごいねぇ!すごいなパスタだねぇおかあさん!」
と絶賛しながら平らげてくれた。わかりやすい嗜好だなぁ。

子供っぽい味のパスタなので、子供っぽい味のものを添えようと、お供にはオレンジジュース。

10月21日 木曜日
優しい味のかぼちゃのリゾット
バナナとピーナッツバターのホットサンド
牛乳

昨夜は台風が関東地方にやってきて、ずっと窓ガラスが雨風でガタガタ言い続けていた。朝にはカラッと晴れてるかしらと期待していたけれど、朝も雨。だんなはこの雨の中、朝ジムに向かっていった。

息子と2人の朝御飯は、初挑戦の具のホットサンド。いつもいつもコンビーフと卵とチーズ、それに時々ハムやスパムやツナという組み合わせにはちょっとだけ飽きがきていたので冒険してみようかなぁと。

熟してやわらか〜くなりつつあったバナナを具にしてみよう、と、スライスしたそれをピーナッツバターと一緒に詰めることにした。確か、エルヴィス・プレスリーの好物にそんな食べ物があったはず。それはホットサンドじゃなくて、サンドイッチパンの間にフォークで潰したバナナとピーナッツバターを挟んだものだったと思うけれど(で、そのサンドイッチをバターでこんがりと焼く、なんてバージョンもあるらしい)、それをホットサンドで試してみる。

マーガリンを薄く塗ったパンをホットサンドメーカーにセットし、ピーナッツバターを内側に塗る。スライスしたバナナを散らしてもう1枚のパンで蓋をし、あとはスイッチを入れて5分。数分後にあま〜い匂いが台所中に広がって、こんがり焼けた甘味ホットサンドをテーブルに出した。

焼けたバナナが甘いことは知っていたけれど、それにしても甘い甘い。元々柔らかなバナナだったので、もうとろけそうな食感になったバナナが、柔らかくなったピーナッツバターと絡んでジャム状になっていた。バナナとピーナッツバターの相性は確かに良かったけれど、でもこれなら甘さ控えめのピーナッツバターを使った方が良かったかもしれない。
「おいしいですか?」
「おいしいよー」
「いつもの、チーズや卵のホットサンドとどっちが好きですか?」
「んとね、チーズとたまごの」
「そうですか……」
と、息子にも"いつものホットサンド"を超える魅力はなかったようで、今回はちょっと失敗。

めげずに色々作ってみようと思うのだけれど、おすすめホットサンド教えて♪なんてサイトを見つけたので当面はネタに困らなさそうだ。2chの料理板のまとめサイトだそうだけれど、いいなぁ……すてきだわ。
(クリームチーズとハムとか、玉ねぎとトマトとチーズとバジルとか、ピザトーストの具材を詰めるとか、美味しそう〜)

いくら御飯
麦茶

仕事したり漫画読んだり、今日はたらたらだらだらのんびり過ごし、昼御飯は適当にいくら御飯。先日、だんなの実家でお義母さん手製のビーフシチューと一緒に手製のいくらも貰ってきたので、それを御飯の上にこんもりと乗せて食べる。これに、青菜のおひたしでもあれば嬉しいのだけれど、青菜がもうどれもこれもがお高くて、買う気になれない〜……台風のばか〜……。

お義母さんの作るいくらは、ほんのり(いや、はっきり)鰹だし風味。なぜかというと、漬けつゆに市販の「めんつゆ」を使っているからなのだけれど、それはそれでけっこう美味しいかな、と……。いやでも、せっかく安くはない生すじこ買ってきていくらに仕立てるなら、美味しい醤油とお酒で漬けたほうが良いんじゃないかな、とも……。

かぼちゃとスティルトンのリゾット
鮭と野菜のスープ
アイスティー
ハーゲンダッツアイスクリーム(リッチミルク)

今日の夕飯はありものでなんとかしよう、と、リゾットとスープを作ろうと思っていた……ら、夕方5時頃に
「なんか、すっごく調子が悪いから、これから帰るー……」
とだんなから電話。だんなの職場、数週間前から激ジョブが続いているのだけれど、現在糸が切れたように担当者たちがバタバタと風邪や病気で倒れているらしい。中には鼻血が止まらないという、「それってヤバいんじゃ……?」という人もいるらしく……心配。
考えていたメニューは、ちょうど病人にも良さそうなものだったので、そのまま予定していたものを作ることにした。

リゾットは、以前Tさんにレシピをいただいた、かぼちゃと青カビチーズを使ったもの。オリーブ油とバターで玉ねぎを炒め、米も炒め、そこに白ワインを注いでアルコールを飛ばしてから角切りにしたかぼちゃと共にブイヨンで炊いていく。仕上げにバターとおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ、最後にゴルゴンゾーラと刻んだイタリアンパセリ、ローストしたアーモンドなどを散らせばできあがり、というものだ。手元にあるのは、クラフトのパルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノとは隨分違う……)だし、同じ青カビチーズでもゴルゴンゾーラじゃなくてスティルトンだったりして、「先生、ごめん……」と心中謝りつつちょこちょこ違ったものに。

リゾットは、米を炊く鍋の脇にフツフツと沸騰させているブイヨンの鍋(鶏がらや野菜でちゃんとスープストックを取れば最高だけど、めんどくさい時は顆粒鶏ガラスープを溶かした湯に野菜くずやローリエを適当に入れて煮込んでおくと良い感じ←今回はこれ)を用意しておき、少しずつブイヨンを足して「常にひたひた」くらいの水量にし続る。あまりかき混ぜるとネバネバしたリゾットになってしまうので、あまりぐちゃぐちゃ混ぜないように。最後に加えるチーズはクラフトのパルメザンチーズじゃちょっと味気ないかなと、一緒にピザ用チーズもちょっと混ぜてとろ〜んとした感じにしてみた。かぼちゃのかけらがごろごろ入るリゾットを器に盛りつけ、最後に青カビチーズをポンポンと散らしていく。
残りものの鮭は、玉ねぎとにんじんとじゃがいもとパプリカで具沢山のコンソメスープにし、コンロ全部をフル回転であれこれ作っている間に、だんながふらふら〜と帰宅。先日、めまいが酷くて休んでいたことがあるけれど、それと同じような感じっぽい。

「じゃあ、御飯やめとく?……ちょびっと、食べる?」
「うん、ちょびっと食べる……」
だんなの前に出すものとは思えないほどちょびっとの、リゾットとスープ。どちらも案外優しい味に美味しく仕上がっていて、「あ、美味しいじゃーん、美味しいじゃーん」と、私もちょっと嬉しかった。平日の夜6時過ぎに一緒に御飯食べるなんて、まずないことで、それが息子には嬉しそう。

かぼちゃのリゾットに青カビチーズとイタリアンパセリの香りはものすごく良く似合う。そのまま食べると鼻の奥がムガーッとなってしまう青カビチーズ(そこが美味しいところではあるんだけど)だけれど、こういうちょっとした風味づけにすごく便利。時々、レストランのメニューでサラダに散らされていたりクリームソースの風味づけに使われていたりするけれど、我が家でも上手に使えるようになるといいなぁと思う。ちょっとすると忘れて、冷蔵庫の奥に突っ込んだままにしてしまったりするのよね……(今回、冷蔵庫の奥から引っ張り出した)。

「食後にアイス、食べよう。具合悪い人もいるし、1個だけ、みんなで」
と、食後にはハーゲンダッツのリッチミルクのミニカップ。先日スーパーで特売していて、大好物の「カスタードプディング」と「リッチミルク」、そして「エスプレッソ」をちょこちょこと買ってきてみた。私はなんといっても「カスタードプディング」が好物なのだけれど、「リッチミルク」もしみじみ美味しい。練乳舐めてるような濃厚なミルク感があり(でもさすがに練乳ほどは甘くないのよ)、バニラとはまた違うほわほわとした幸せな味。
「はい、だんなどーぞー。あーん」
「ぼくも、あーん」
「はいはい、息子さんにも、あーん」
我が家の男2人に餌付けしつつ、小さなカップはすぐに空になってしまった。
……ああ、ハーゲンダッツのアイス使ってパフェ作るのも……いいなぁ……(なんて贅沢な)。

10月22日 金曜日
でっかいでっかいメンチカツを揚げました。
「やまうち」のうどん ひやひや
抹茶入り玄米茶

昨日ヨレヨレのヘロヘロで風邪気味なのか早めに帰ってきて早々に寝ただんな、
「うん、今朝はね……17ダメーくらい」
なのだそうで。87ダメーくらいだったら、どんなに仕事が山積みでも「休め!いいからゆっくり休め!」となるところだけれど、休んでいるわけにもいかないようで、ぼへーっと起きてきた。

朝御飯は、昨日届いたばかりの千趣会の月替わり冷凍さぬきうどん、今月は「やまうち」。

「最近、食べたことあるお店のが続いてるよね」
「うん、"がもう"とかね」
「"山下"とかね」
とか言いながら、「やっぱりやまうちだったら、ひやひやでしょー」と氷水を準備する。十数分茹でた麺を水で揉み洗いし、最後に氷水にじゃぶじゃぶつけてキュッと冷やし、それをどんぶりに盛りつける。だしは、説明書によると「一度湯と合わせて沸騰させてから冷やせ」(←衛生上そうしろとのアドバイス)とあるけれど、めんどくさいので冷水で希釈。冷たいうどんに冷たいだし、それに刻み葱とすり胡麻をトッピングしてちゅるちゅるちゅーと食べた。

シャキシャキした、断面が四角いうどんに、いりこの風味のだしは、ほのかにあの「やまうち」の味が感じられる。キーンと冷えたうどんは、「これこそさぬきうどん」という感じがして、ますます美味しく感じられる。私が「ひやひや」が大好きなだけだと思うけれど、冷たいだしに入れた冷たいうどんは「これ!」と拳を握りたくなっちゃうのね。シコシコキュキュとした冷たいうどんならではの歯触りが心地よい。

そうそう、この店、
「どこまで行くの?」
「この道、まーっすぐ。とにかくまっすぐ。山に入るまでまっすぐ。山に入ってもまっすぐ」
なんてどうしようもないナビをしながらレンタカーで向かった店だったなぁ、と思い出す。すぐ近くに2両編成のローカル線が走っていたりして、なんとものどか〜なお店だった。小皿に入ったちらし寿司が何だかめちゃめちゃ美味しかったりして。

……はぁ、香川行きたい……。

かぼちゃとスティルトンのリゾット(昨夜の残り)
鮭と野菜のスープ(昨夜の残り)

一人の昼御飯は、昨夜の残りのリゾットとスープ。ちょうど1人分くらいずつ残ってしまっていたので、冷蔵庫に入れておいたそれをレンジでチンして食べることに。

「半日おいたリゾットって……どうよ……」
と不安を感じつつチンしたのだけれど、やっぱり「2日目のお粥」とか「2日目の雑炊」となんら変わらぬ風情のものになりはてていた。せっかく1粒1粒がサラサラした状態になるように、んでもってちゃんと「アルデンテ」っぽくなるように炊きあげたのに、もうすっかり米が水分含んじゃってブクブクになっちゃって、なんだこりゃなシロモノに。
「あ、味は悪くないんだけど、でもやっぱり美味しくない……」
と思いながらもそもそと食べた。歯触り舌触りが違うだけで、こうも美味しかったりいまいちになっちゃったりするものかしら、と面白いとも思えてしまう。

2日目のリゾットはいまいちだけれど、それを言ったら2日目のパスタもいまいちだし、2日目のピザもかなりいまいちだ。イタリア料理って、作ってすぐに食べるのが基本なのかしら。前日のスープに、固くなったパンを入れて……なんていうのはありみたいだけれど。

教訓。リゾットは、ちゃんと食べきれる分量を作ろう。

千葉ペリエ「VEGETERIA」にて
 ビタミンたっぷりベリーミルク \350

今日の午後は、息子の音楽教室。なかなか日々練習するという習慣はつかないけれど、音楽教室そのものはとても楽しいらしい息子。それでもだんだんと教わる内容もレベルがあがってきていて、今日は苦悶の表情で両手で「ミーミーソーミーミーソー」なんて弾いていた。うーん……がんばれよー……。

教室の後は、軽く近くをお買い物。最近、千葉の駅ビルの地下食料品売り場がリニューアルしたということで、「どんなお店が入ってるのかなー」とお店を眺めに行ってみた。我が家最寄り駅の駅ビルと同じ系列のモールなので、テナントもかなり重なっていて、あんまり目新しいものはない様子。ただ、1階に新しい野菜ジュースのお店を発見した。VEGETERIA(ベジテリア)というそのお店、どうやら総菜屋さんR1/Fの系列のお店であるらしい。メニューをざっと見て、「お……美味しそうかも」と思い、息子と2人で1杯ずつ飲んでみた。

息子は、「エネルギー補給フルーツミックス」250円。バナナがベースの、オレンジやパイナップルが入るフルーツだけのミックスジュースで、とても飲みやすい甘いもの。メニューは果物ベースのジュースが4割、野菜ベースが6割という感じで、ケールのジュースとか30品目ジュースとか、全体的に体によさそうな色合いのミキサーが並んでいる。私は「ビタミンたっぷりベリーミルク」というものを。苺やブルーベリーやラズベリーなどを牛乳と一緒にミキサーにかけたもので、なんでもにんじんのジャムも入っているとか。

どちらもトロンと濃度高めのジュースで、お腹一杯になるような飲み応えのあるものだった。適度な甘さでなかなか美味しい。
「ベリーの350円はちょっと高いけど、ミックスフルーツ250円はちょっと嬉しいかも……うん」
と思いつつ、でもそのうち30品目野菜のジュースを飲んでみようかな、なんて思ってみたりして。

巨大メンチカツ
マカロニサラダ&千切りキャベツ
コーンスープ
羽釜御飯
麦茶

雨で1週間ズレたとはいえ、先週運動会があったばかりなのに、明日の土曜日も幼稚園でイベントがあるそうな。明日は「オリエンテーリング」。園の周囲を、黄色いリボンを探して街の中を探検するのだそうだ。親子の触れ合いの手助けをとか何とか、幼稚園側の思いはあるのかもしれないけれど、
「園児1人につき大人は1名でお願いします。父母2人の参加は×、兄弟姉妹も連れてこないで」
なんて言われてしまうと、何が狙いなんだかよくわからなくなってくる。どうせ行くなら、親子3人で行きたいのに、なぜ1人じゃなきゃ駄目なのよー……。

秋のイベントといえば運動会だけでもけっこうな負担なのだから、妙なイベントを増やさないで欲しい……と泣きたくなりながら
「ねぇ……休んでもいい?いい?息子か私が風邪ひいてってことにしてさー。行きたくないよこんな変なイベント……」
と泣き言を言っていたら、
「それじゃ息子、可哀想じゃん。行きたいよなぁ?いいよ、俺が行ってあげる」
と、だんなから有り難い申し出が。息子も、平日あまり帰ってこられないお父さんと一緒に行動するのはとても嬉しいらしく、「お父さんがいるときはお風呂はお父さんと一緒」「運動会の親子競技もお父さんと一緒」「自転車、一緒に乗るのはお父さんと」「温泉もお父さんと」と、お父さんべたべた。当然、
「おりえんてーりんぐ、お父さんといきたいなぁ」
なんて言ってるのであった。じゃあ、せめて明日は美味しいお弁当を持たせてあげよう、と、トンカツを揚げることに。

前ふりが長くなっちゃったけど、明日のお弁当用にトンカツを揚げるついでに、今日の夕飯も揚げ物にしちゃおうという目論見なのだった。チキン南蛮はちょっと前に作ったし、唐揚げもコロッケも作ったし、あとはメンチカツかな?ということに。メンチカツなら添え物はやっぱり千切りキャベツでしょう、と、1/2玉で200円近かったキャベツ(しかも小さいし……)を買ってきた。しかも1本150円のきゅうりもサラダ用にと買ってきた。ほうれん草、「お、これ150円だ」と思うと葉っぱ10枚くらいしか入っていなかったりして、ほんとに根菜以外の野菜は壊滅的という感じの今日この頃。

まずは、明日のお弁当にも入れようということでマカロニサラダの作成。マカロニは茹でて、ざっと塩と少量の酢をまぶしておく。玉ねぎは薄切りして塩もみ、にんじんは薄切りにしてさっと茹で、薄切りにしたきゅうりと共に全てを合わせ、あとはマヨネーズをにょろにょろと。ごくごくありきたりな風のマカロニサラダを作り、そしてメンチカツ。

メンチカツは簡単なようで色々とレシピにバリエーションがあり、混ぜる玉ねぎもみじん切りにしたのを生のまま入れたり、炒めてから挽き肉と混ぜたりと色々だ。使う肉からして豚肉だけだったり合い挽きだったり。六本木の定食屋さんでは鶏ひき肉が使われていたっけ。あとはシンプルに塩胡椒を加えるだけとか、卵とパン粉を加えるとか、牛乳に浸した食パン加えるとか、ケチャップだウスターソースだナツメグだと、とにかく色々。

しばらく手持ちの様々な店のレシピを眺めていたのだけれど、
「……もう、わかんなくなっちゃったから、適当に作ろう……」
と、適当にやっちゃうことにした。合い挽き肉にみじん切りにした玉ねぎを混ぜ、卵1個、パン粉少々、塩と胡椒とナツメグと2たらしほどのウスターソースを混ぜていく。ぺたぺた成形したら、粉はたいて溶き卵つけてパン粉つけて揚げるだけ。ごろっと大きなやつを作りたかったのでそうしてみたところ、フライパンに入れた油の表面からメンチカツの頭が常に突き出てしまうような、大変に揚げにくい状態になってしまった。

「しまった……これじゃ鍋底の焦げたパン粉もカツにくっついちゃうし、大体、火が通らなさそう……やばい……」
鍋に巨大メンチカツを沈めてから、「だめじゃん」と気がついた。とりあえず火を弱めにして、焦がさないようにしながら中までじっくりじっくり火を通す。そういえば、巨大さがウリのメンチカツが名物のお店のも、上から見た大きさはすごくとも厚さはそんなになかったよなぁ……と今更ながらに納得してみたりして。ともかく、成形して鍋に入れちゃったものはしょうがないので、ころころ転がしながらじっくりじっくり揚げていった。できあがったのは、ダチョウの卵かというサイズ(いや、そこまですごくはない……はず)の、大きな大きな俵型のメンチカツ。息子は、アヒルの卵くらいのメンチカツ。

とんかつソースをどばばーとかけてから「ちゃんと火、通ったかな?」と中央をナイフでざっくり切ってみたら、いーい感じに肉汁がダラダラと溢れてきた。火もばっちり通っている。好みな感じの"ふわふわしっとり"じゃなくて"ざくざくどっしり"とした風の口当たりだったけれど、これはこれでメンチカツらしいメンチカツができあがっていた。息子も
「これ、ハンバーグ?ハンバーグのコロッケ?」
と喜んでくれた。小さく「でもぼくは、コロッケのほうが好きだなぁ……」とか言っていたような気もするけど気にしない。

炊きたて御飯に、先日のスパゲティ作成で余っていたクリームコーンを使ってのコーンスープ、そしてカツとサラダと千切りキャベツという洋食屋さんのような夕御飯。

10月23日 土曜日
ハツ、だいすきー
イングリッシュマフィン
ハムエッグ
カフェオレ

土曜日なのに、今日は早起きして弁当作り。箸で食べることをおおいに推奨している息子の幼稚園は、だけれどこういうイベントの時にはいちいち
「外で食べるので、手で食べられる食べやすいものをお弁当にしてください」
とプリントで知らせてくる。だったら無理に箸じゃなくても、「フォークやスプーンを使って美味しく食べられるもの」でも全然かまわないのじゃないかなぁ……と考えてしまうのだけれど、どうにも融通の利かないところがある園なのだった。確かに、ポロポロしたチャーハンなんかは外で食べるのにふさわしくないかもしれないが、そういうのはそれぞれの家のお弁当作成担当者が考えれば良いことじゃないかなと思うんだけどなぁ。

「……まぁ、確かにカツ丼は息子には食べづらかろうし、なぁ」
と、だんなのお弁当はカツ丼に、息子のお弁当はおにぎりの脇に「かつ煮」を添えたものにしてやる。カツは一口サイズに切っておいたし、これなら手でもてなくても箸で刺して食べられるに違いない。あれこれ準備して、朝御飯用にとコーヒー淹れたところでだんなと息子に声をかけた。

朝御飯は、イングリッシュマフィンをトーストしたものに、ハムエッグを挟んだもの。ハムの上に美しく目玉焼きを作って、それを美しくマフィンにサンドして……というのを想定していたのだけれど、フライパン1つで一気に3つのハムエッグを作ろうとしたら卵は好き勝手な方向に流れていくし、全然ハムの上におさまってくれないしで、かなり散々な外見になった。こういう時のために、今度100円ショップで目玉焼き用のわっか(こんなの)を買ってきたほうが良いかもしんない。

バターを軽く塗って焼いたモチモチしたマフィンと、半熟の目玉焼きと炒めたハム、カフェオレの朝御飯。私はそれほど「イングリッシュマフィン」というパンに愛着がないのだけれど、だんなは大好きなのだそうな。卵料理やハムやソーセージにとても似合うパン。

カツ丼
マカロニサラダ
麦茶

かくして8時半過ぎに、息子とだんなは連れだって幼稚園に向かっていった。幼稚園近辺の道のそこかしこに黄色いリボンがついていて、それを集めながら公園から公園にと向かっていくオリエンテーリングが催されるらしい。私は1人、お留守番(園児1人につき大人1人のみが付き添いなのだそうで)。

一人でだらだらしているのも何なので、せっかくの天気なので布団を干し、ここしばらくの長雨ですっかり汚れていた窓ガラスの掃除もしてみる。洗濯掃除も済ませ、あとはちょこちょこ仕事したりメール書いたり。12時になって、
「そろそろだんなと息子もお弁当の時間になったかなー……」
と思いながら、昼御飯の支度をした。だんなと息子と一緒に、私もカツ丼。小鍋に酒と味醂と薄口醤油を熱し、薄切り玉ねぎをさっと煮て、一口大に切ったとんかつを並べ、溶き卵でとじる。どんぶりにチンした冷凍御飯を盛りつけ、ほかほかのカツ丼を作った。そういえばお弁当にはマカロニサラダも入れたんだっけ……と、小鉢に昨夜作ったマカロニサラダも盛りつける。

安売りの、とんかつ用豚もも肉を買ってきて作った一口サイズのカツだったけれど、ちょっと薄すぎたし脂っけも少なめな肉だった。カツ丼にするなら、もっと厚めのもっとオイリーな肉の方がそれっぽくて良かったかな……と思いつつ、ちょっと淡泊な味のカツ丼(揚げ物に淡泊もなにもないんだけど)をがつがつと。

午後1時半、
「これからねぇ、かえるよ。今ね、いるところはね、休んだところ出たところ」
だからそれは一体どこだ、という内容の電話が息子の声でかかってきた。すぐに携帯電話は持ち主のだんなの元に渡されたようで、
「あ?おゆきさん?お父さんだよ。今ねぇ、休んだところ出たところ」
野太い声で同じ事を言われた。だからそこは、どこだ。……プリント見たら、神社で解散、となっていた。あー、神社の境内でお弁当食べて、そこで解散したのかな。
2人が帰ってきて空のお弁当箱を得意気に掲げてくれたのは、それから15分後くらいのことだった。おつかれさまー。

「牛角」にて
 キムチ \290
 やみつき塩キャベツ \290
 にんにくホイル焼き \390
 タン塩 \590
 ネギタン塩 \630
 極上角切りロース \980
 牛ハツ焼き \390
 熟成ハラミ タレ \590
 たっぷりホタテのうま塩バター焼き \390
 幻のカシラ \390
 ねぎすじ焼き \490
 お子様クッパセット \580
 冷麺(ハーフ) \390
 カルビクッパ(ハーフ) \430
 ハイビスカスデザート (無料)
 白玉きなこアイス \180
 デカレンジャーアイス ブルーベリー&パイン \290
 生ビール 2×\490
 生グレープフルーツ×ピンクグレープフルーツ酎 \490
 シークワーサーサワー \390
 焼酎(伝蔵)ロック \490
 コカコーラ \290
を家族でもりもり。……喰ったなぁ……。

数日前に、だんなから
「土曜日、焼き肉行かない?」
との提案が。私は私でその前日あたりから
「ステーキ丼食べたい……めっちゃ食べたい……」
なんて考えていて、どうやら私もだんなも牛肉に飢えていたらしかった。異論のあるはずもなく、今日の夕飯は焼き肉。いつも通り、他の選択肢を一切考えることなく牛角に向かった。徒歩圏内で行けるお店じゃなかったらここまで通うことはないかもなぁと思うのだけれど、同じ距離圏内にあるお店でここまで安くてこの味のレベルで、というバランスの良いお店が他にはあんまりなかったりするのだ。御飯もの麺ものもあれこれあってデザートも安くて案外美味しくて……となると、つい足が向いてしまう。

今日はとにかく肉っぽい肉をもりもり食べたくて、最初にキムチと塩ダレ和えキャベツを注文してそれをポリポリ時折つまみ他はひたすらもりもり動物性蛋白質と格闘した。珍しいことにサンチュも、サンチュに肉と一緒に巻いて食べるための白い御飯もなし。更に珍しく、魚介もとってみたりして。

刻み葱がたっぷり別容器にやってくるネギタン塩に、初めて注文してみた1皿980円の角切りロース(これが、肉汁がじゅわっと滴る、なかなか美味しい肉だった……しあわせ……)。レバーに似た風味だけれどコリコリとした砂肝に似た食感が楽しめるハツ、最近外さず注文しているハラミにスジ焼き。最後には炭火の上に置いた鉄板の上にバターを溶かし、帆立をじゅーじゅー焼いて食べた。

息子は淡々と、
「きょうはね、おこさまやきにくセットじゃなくてね、このクッパセットにするよ」
と一人渋くタン塩つまみながらクッパのスープを啜っている。私とだんなが「いぇーい、ハツー」「角切りロースも乗せちゃうよー」と顔を脂ぎらせてせっせと肉焼いて喰ってる脇で、静かにクッパを1人前食べ終え、セットについてきた小さなプリンを食べた後にデザートメニューなんか眺めている。

せっせとあれこれ焼いている途中、何度か店内がぐらんぐらんと揺れた。自分が単に酔っているだけかと思ってしまったけれど、お酒が並ぶ棚なんかもぐらんぐらんと揺れている。電車の食堂車で御飯を食べてるみたいな感じ。
「あれ?揺れてるよね、揺れてる……地震だ……」
「あぁー、揺れてますねぇー」
「なんか、遠くが震源っぽいのにこれだけ揺れるってことは、遠くの方でかなりでっかいのがきたのかな……」
なんて、それでも危機感薄く店員さんと話ながら、それでも網の上の肉をひっくり返すことは忘れずに、のんびりと焼き肉を楽しんでいた。帰ってきたら、新潟が大変なことになっててびっくりだ……。

今日もたらふく肉を食べ、最後は私がハーフサイズの冷麺、だんなはハーフサイズのカルビクッパ。
「カルビクッパ、辛くて美味しいね。……辛いけど、とまらないー」
「おゆきさん、そう言いながら俺の焼酎奪って飲まないでよ」
小さめどんぶりに入るそれぞれの飯と麺をとっかえっこしながら、シメも堪能。デザートには、ファックス会員無料サービスの「ハイビスカスのデザート」なるものをいただいてみた。小さなガラスの容器に、アロエのゼリーみたいな寒天状のものと、苺のシャーベット、シークワーサーシャーベット、ハイビスカスのシャーベットがそれぞれ小さく1スクープずつ。全体的に酸味が強めのさっぱりした冷たいデザートで思いの外美味しい。冷たい麦茶を最後に飲み干し、手と口を温かいおしぼりでコテコテ拭いてから、身体中焼き肉臭くなってお店を後にした。何しろ焼き肉に行くと身体中が臭くなるから、だからいまいち電車に乗って食べに行く気がしないのよね……。

まだ時刻は7時半頃。
「100円ショップ寄っていこうー」
と生鮮品も扱う100円ショップで長ねぎ買っちゃったりして、長ねぎ持ったままゲームセンターに寄って1ゲームだけダーツ。更に長ねぎ持ったままマツキヨに寄って洗剤などを買い、長ねぎ持ったまま本屋にぷらっと寄って帰ってきた。長ねぎ以外にも100円にんにく買ったり100円茹で筍買ったりしたのでビニール袋を持っていたのだけれど、ねぎが長いので袋からずり落ちてしまうものだから、しょうがなしに手で直接長ねぎ持ってぷらぷらと。

「……微妙に羞恥プレイだよね」
「うん、これ、明らかに罰ゲームだ」
ビニール袋を持ってくれていただんなが、長ねぎ鷲掴みして歩いている私を見てニヤニヤしていた。長ねぎというアイテムは、なんでこんなにどうしようもなく持つ人の見た目を格好悪くしてくれるかなぁ。フランスパンなんかだったら格好つくのにね。

10月24日 日曜日
ほんとに「気まぐれ」な自家製ピッツァ
イングリッシュマフィン1/2個
バターロール
一昨日のメンチカツ
カップスープ(コーンスープ)
牛乳

天気の良い、暖かな日曜日。今日は特に予定はなく家でのんびりと過ごす予定。
8時過ぎには早々に息子が起き出し、続いてだんなも起きた模様で、私はその十数分後にもそもそと起きた。朝御飯は、ありものを適当に。

一昨日の晩に作ったメンチカツが2個残っていたので、
「……食べたい?」
とだんなに聞いたらば即答で「たべたい!」と。それをオーブンレンジの「揚げ物カラッとモード」とかいうもののスイッチを入れ、その間にイングリッシュマフィンをトーストする。オーブンはメンチカツで使用中なので、フライパンにバターを落として2つに割ったマフィンの切り口を温めることに。弱火でじくじく温めていくとパンの断面は茶色くいーい具合の焦げ目がつき、中まで温まったそれをバターロールと一緒にパンを大皿に盛りつけてテーブルの中央にどかんと置いた。温めたメンチカツはざくざくと一口サイズに切り分け、それもテーブルの中央に。パンやカツやバターに適当に手を伸ばしながら、のんびりと朝御飯をいただいた。

「メンチカツ、うまー!」
一昨日、メンチカツを食べることはできなかっただんなはやたらと嬉しそう(←メンチカツがとても好きらしい)。でも息子は、
「君は、メンチカツとハンバーグどっちが好きなの?」
「ハンバーグー!」
「じゃあ、コロッケとメンチカツは?」
「コロッケー!」
「コロッケとハンバーグは?」
「どっちもー!」
なのだそうだ。メンチカツはちょっと優先順位が低いらしい、我が息子。

「京樽」の
 江戸前ちらし
抹茶入り玄米茶

今日は、やろうと思っていたことをせっせとこなす1日になった。冬用のガスストーブを物置から引っ張り出す。冬用の布団を天袋から引っ張り出す。こたつ布団も引っ張り出す。種を蒔いて育てていたビオラの苗が大きくなってきたので小さなポットに1株ずつ植え直し、先日届いたバラの苗は大鉢に植えてやる。だんなはだんなで、毎冬恒例の豚味噌鍋用の味噌練りを始めた。

「いい匂いですよー、おゆきさん」
「……うん、ベランダでしゃがむとさ、めっちゃいい匂いが……」
「ああ、匂い成分は空気より重いってことですかね」
「そういうことだねぇ……」
ビオラの苗をいじくりながら、味噌の匂いをすーはーすーはー嗅いでみたりして。

お買い物にも行ってきた。今日はチーズが届くので、ピザを作る予定。
「ルッコラがあるといいなぁ」
「ソフトサラミみたいなのもあるといいなぁ」
「トマトも要るよ」
なんて言いつつ、あれこれあれこれ買ってきた。相変わらず野菜は信じられないほどの高値で、しかも葉野菜のみならずきのこやいんげん、ピーマンまでもがほのかにお高くて、悲しい。来週はだんなにもせっせとお弁当を作ってあげようと思っていたのだけれど、
「いいよ、おゆきさん……これなら、外で定食食べた方が安いぐらいかも」
と言われ、確かにそうかも……と、野菜はあまり手を出さない方向で。比較的立派で比較的安かった(それでも298円だったかなぁ)のほうれん草とピザに使う材料だけ買ってきた。ほうれん草、大切に食べよう……。

昼御飯は、買い物ついでに買ってきた「京樽」のちらし寿司。マグロ2切れとサーモンと帆立と海老とイカと……と刺身があれこれ盛りつけられている。お義母さんから先日いただいたイクラがまだ残っていたので、それをガバッと添えてみたりして。

こういう、市販のちらし寿司にさりげなーく添えられているピンク色のでんぶが実は密やかな楽しみだったのするのだけれど、今回のこれにはでんぶが入っていなくて少々切なかった。むかーしむかし、まだ小学校低学年の頃の私はお寿司屋さんに行っても穴子といくらしか好きなものがなくて、時々母がピンク色のでんぶの軍艦巻きをお願いして作ってもらってくれた記憶がある。回転寿司でも見ることのない、ドピンクの軍艦巻きが、かつての私は大好きだった。多分、今も好きなんだわ。

自家製ピッツァ
 マルゲリータ(トマトソース・モッツァレラ・バジル)
 フォルマッジョ(モッツァレラ・カチョカヴァロ・スティルトン・パルミジャーノ)
 カプリチョーザ(トマトソース・トマト・挽き肉・オリーブ・マッシュルーム・ピザ用チーズ・生ハム・ルッコラ・温泉卵)
 カプリチョーザ(トマトソース・トマト・挽き肉・アンチョビ・マッシュルーム・モッツァレラ・カチョカヴァロ・パルミジャーノ・生ハム・ルッコラ・温泉卵)
 ビール(モルツ)・サンペレグリノ
 「アドナイ」のヨーグルト

予定通り、今日の昼過ぎに北海道からの荷物が我が家にやってきた。中身はアドナイのヨーグルトとモッツァレラ、そしてカチョカヴァロ。アドナイのカチョカヴァロ、美味しかったなぁ〜、ヨーグルトも美味しそうだなぁ〜、と、乳製品だけのお買い物で送料込み8000円強という内容はどうよ、と思いながらもついつい申し込みしてしまったのだった。モッツァレラチーズといえば、イタリアンの前菜「カプレーゼ」(スライストマトとスライスモッツァレラ、バジルを並べてオリーブ油と塩でいただくシンプルな料理)だけれど、冷たいまま食べるよりは、ピザに散らしてとろけたそれを食べる方が私は好き。なので届いたばかりのモッツァレラを使ってピザを作ることにした。もちろん、生地から自家製だ。

強力粉(フランスパン用の準強力粉というものを買ってきてみた)500gに、ぬるま湯300ccに塩とオリーブ油とドライイーストを溶かしたものを混ぜていく。指先で粉と水を混ぜ合わせ、なんとなくひとまとまりになったところでまな板の上でこねこねこねこね。ツルンと表面が綺麗な感じになったら、まとめてボウルに入れ、表面に薄くオリーブ油をかけたらボウルにラップをして、温かいところで1〜2時間。

「あったかいところ……どこに置こう?」
「こたつの中とか」
「あー……でっかいオーブンにイースト発酵モードがあったっけ……」
「こたつの中とか」
「うん、今日はオーブンに入れてみよう」
だんなが妙に「こたつの中」をお勧めしてくれたけれど、今回はオーブンにおまかせ、ということで。さすがに完璧な温度設定なのか、2時間後には大変に膨らんだ立派な生地ができあがった。

膨らんだ生地は、6つに分け、軽く丸めてからまな板に並べ、固くしぼった濡れ布巾をかけて10分。発酵させている間に、水煮缶のトマトに塩とオリーブ油とローリエとバジルの葉を加えて10分ほど煮込んでトマトソースを作っておいた。あと、牛ひき肉はオリーブ油でポロポロに炒めて塩だけで味つけ。他の材料のピザの具っぽく切り揃えておいた。温泉卵も作ったぞ。

さて、一番大変な「焼き」。これまでオーブン使ってやたらと時間がかかって失敗したり、スキレット使ってみたり魚焼きグリルを使ってみたりとあれこれ挑戦してきてみたけれど、基本に立ち返ってオーブンでいくことにした。以前こういうアドバイスをいただいていたので、それも参考にしてあらかじめ一度目の焼きを済ませておくようにしてみる。更に、前回こびりつかせたりして散々だった手持ちのピザストーンを、今回は存分に余熱をしてからオーブンの上段にセットして使ってみることに。うまいことピザ生地をすべらせてオーブン内に出し入れしなければいけないのだけれど、それはシリコン製の柔らかく薄いまな板を使ってなんとかなることが判明。あれこれ工夫を重ねた結果、今日のピザは限りなく完璧に近いすんばらしいものになった。材料もすんばらしいしね。

1枚目はマルゲリータ。トマトソースと、アドナイのモッツァレラ、そしてベランダでまだまだ成育中の摘みたてバジルの葉を散らす。2枚目はクワトロフォルマッジョ(4種のチーズ)。モッツァレラと、薄く削ったカチョカヴァロ、そして青カビチーズのスティルトンと、塊のをゴリゴリおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ。下焼きしておいたので5〜6分で次のピザを続々とテーブルに出すことができて、今日は間延びすることなく存分にピザを楽しめた。

久しぶりのアドナイのモッツァレラは、相変わらず美味しい。とろけてピヨーンと伸びるチーズは1m以上もぴよよーんと伸び、すごく滑らかな舌触り。少ししか使わなくても口の中に牛乳の香りがぶわっと広がってくる、素敵な味の優しい風味のチーズだった。舌にどっしりとした後味のある、粘りのあるようなカチョカヴァロも、熱を加えるとこれも素晴らしくとろーんとよく伸びる。トマトを使わない、ただただチーズだけをトッピングした4種のチーズのピザがすんばらしく美味しくて、奪い合うように6切れのそれが消えていった。

モッツァレラを楽しめるものを2枚続けて出した後は、「カプリチョーザ」(気まぐれピッツァ)。トマトソースの上に更に輪切りにしたトマトを並べ、炒めた挽き肉、スライスしたブラウンマッシュルーム、更にオリーブだアンチョビだとあれこれあれこれ使ってみる。焼きあげてから最後に散らすのは生ハムとルッコラというゴージャスさで、更にとどめとばかりに中央に温泉卵。ぐじゅぐじゅ潰しながらピザに散らしていただいた。

「にゃー!このピザ、めちゃめちゃ美味しいじゃん!」
「具沢山のピザ……やっぱりいいなぁ……好きだなぁ……」
「アンチョビもさりげなく入れたんだよ。わかる?わかる?」
「わかるわかる」
「あのねぇ、ぼくはね、もうおなかいっぱいだから、あとはね、この1枚でいいや……」
家族3人、にゃーにゃ騒ぎながら焼きたてのピザを次々食べていく。途中、市販のピザ用チーズも使ったりしたけれど、どれも泣けちゃうほど美味しかった。ピザストーン、ちゃんとしっかり余熱しておけばかなり使えるものだということもやっとわかった。前回、ピザ生地がこびりついちゃったりして途中で洗ったりしたからうまくいかなかったんだねぇ……(←途中で濡らして温度下げるなんて最悪じゃん……)。

そして食後も「アドナイ」つながりということで、届いたばかりのヨーグルトを。瓶入りの加糖と無糖が2つずつ届いたのだけれど、とりあえず加糖のものをあけてみることにした。これまた、今まで食べたことのない味のヨーグルト。とろーんと濃厚な粘りがあって、チーズのような生クリームのような、でも爽やかな酸味は確かにヨーグルトという、なんとも表現のしがたい味。

「生クリームみたいだ!」
「いや、でもそこまでコッテリしてないし」
「なんかほら、牛乳の上に浮かぶクリームみたいな」
「ああ、うん、そういう匂いだよね」
「なんだこりゃー」
「すごい味だー」
最後のデザートまで驚かされっぱなしの、今日は冬支度&「アドナイ」の1日だった。しっかしこのヨーグルト、美味しいよ……無糖はまた違う風味みたいなのだけれど、それを食べるのもまた楽しみ。