コーヒー(練乳入り)
ここのところ、毎朝食がパン食になっている。何故かというと、母がいる間はパン好きの母が何かと菓子パン総菜パン食パンフランスパンその他諸々を買ってきてくれていて、その余波で食パンがあれこれ半端に残っているからなのだった。イギリスパンのサンドイッチ用食パンがあるんだけど、これはホットサンドメーカーに入れるには幅が足りないしなー……と、今日はカヤトーストに。
4枚の薄切りパンをオーブントースターで焼いて、シンガポールで買ってきた「Ya Kun Kaya Toast」(店名とおり、カヤトーストが名物のお店)というお店のカヤジャムをこてこてと厚めに塗る。無塩じゃない、普通の塩入りバターもちょっと厚ぼったく削って2枚のパンの間に挟めば、カヤトーストのできあがり。バターの塩気がじわっと美味しいカヤトーストは、私の大好きなココナッツの味がする。卵が入った、ココナッツ風味の甘いペーストは、"ジャム"というよりも"ピューレ"のよう。芋羊羹のようにねっとりと甘い。
買い置きの牛乳がなくなりそうなところだったので、じゃあ今日はこうして飲もうとホットコーヒーに練乳をちろちろと絞って、シンガポールのお店で食べたような"コピ"にしていただいた。甘いトーストに甘いコーヒー。美味しいけど、これを食べるのは時々にしておこう……。
ランチパスタセット
前菜盛り合わせ・サラダ・パスタ・デザート・ドリンク
今日は突然に、お仕事。溜池の仕事のボスから、「今度の仕事、客先への説明とか対応を君にお願いしたーい」と言われて、半蔵門のとある会社にボスと一緒に出向くことに。……でも、突然にそう言われても、今日から息子は冬休みだし、急すぎて息子の世話をお願いできるあても見つからず、「子連れで良いならー」と返事する。「それでもいいから」と言われ、息子と一緒に外出。
昼御飯は乗換駅で食べて行こうかねと、錦糸町の駅前ビルをぷらぷら歩いた。だんなと息子に渡すクリスマスカードもまだ買ってなかったなと文房具屋を覗き、
「さて、お昼御飯は何を食べたいですかー?」
と息子に聞いてみる。
「んとね、ミスタードーナツ!」
「……それは、お昼御飯っぽくないなぁ……」
「じゃあね、バターコーン!」
「それは居酒屋メニューだよ……」
こりゃダメだと、「じゃあ、スパゲティかチャーハンか、どちらかを選びなさい」と選択肢を与えてみた。
「スパゲッティー!クリームの、スパゲッティー!」
そうですか。
歩いていたビルの中に、Bella,Bella!を見つけ、ちょうどいいやとここに入ることにした。昔、銀座4丁目交差点近くにも店を構えていた、都内に何店舗か展開しているカジュアルなイタ飯屋。そこそこ手軽な価格でそこそこ美味しいので、だんなと独身時代によく御飯を食べていた。確か結婚式二次会の打ち合わせに幹事をやってくれた友人達と食事したのが最後だったから(で、その直後に銀座のその店は無くなってしまった……)、もう7年以上も行っていないことになる。錦糸町店に入ったのは今日が初めてだった。
懐かしいなぁ〜と思いつつ、私は前菜とデザートがついてくる1300円くらいのパスタセット。息子にはカルボナーラスパゲッティ。セットについてきた飲み物をジンジャーエールにして、息子と2人でちるちると飲みながら料理が来るのを待つ。前菜のプレートには小さなサイズのポタージュスープとガーリックトーストと生ハムメロンが乗っていた。
「あー。おかあさん、ぼくね、スープが飲みたいなぁ」
「はいどうぞ。全部飲んでいいよ」
「ありがとー。……ねぇね、おかあさん?」
「今度はなぁに?」
「そのね、生ハムも食べたいなぁ〜」
「じゃあ一口あげるよ、メロンと一緒に食べてみ」
「わー、ありがとー。……あとね、おかあさん?」
「はいはい、パンも食べたいのね、一口ね」
と、結局全てを半分以上奪われる。しかも、私のセットパスタは息子の単品メニューのそれよりもずいぶんと分量が少なくて、ちょっとだけ物足りない思いをすることになってしまった。「物足りないから、よこせー」と、息子のカルボナーラもちょっとだけいただいた。
どれも、普通に美味しい安心して食べられる味のものばかり。悪く言えば、「このカルボナーラだったら、うちでも再現できる味だな〜」なんて思えるものだったりして、それゆえに(?)息子ははぐはぐむしゃむしゃとえらい勢いでカルボナーラを平らげている。
3種から選択できた私のパスタは、茄子のトマトソースのスパゲティ。揚げ茄子がごろりごろりと入ったほんのり酸味の効いたスパゲティの上にはバジルのでっかい葉が1枚べろりと乗っていた。デザートは、大きなチョコケーキにホイップクリームを添えたものと、レモンのシャーベット。これも半分以上息子に奪われ、
「はぁ〜、おなか、ぽんぽん」
という息子の向かいで微妙に物足りない私。
……今度は、息子もランチセットを選んでやることにしよう……(最近の息子の食物摂取量は、ほんに侮れぬ……)。
チーズケーキとアイスティー
アイスカフェオレ
……おなか、たぷたぷ……
午後3時、ボスと一緒に半蔵門の某オフィスにご挨拶&打ち合わせ等々。おっちゃん数人とおばちゃん数人のほんとに小さな事務所みたいな会社で、息子に会議卓の隅っこを貸していただいた。
「これ、うちで作ったパズルなんだけど〜」
と広報用のパズルが出てきたり、
「これ、食べるかなー?」
と鯛焼きが出てきたりして、「いーかい、お母さんはお仕事でここに来たのだからね、はしゃいだり騒いだりしちゃダメだよ。おとなしく、ゲームしながら待っててね。"おかあさーん"とかいうのも、なるべくやめてね」と言い含めていた私も、ちょっと緊張気味だった息子も、2人してちょっとびっくり。息子はそれはそれは静かに、空気のようになって隅っこで物も言わずパズルしたりゲームボーイ触ったりして待っててくれた。気がつけば2時間もその会社で打ち合わせしていて、その間ちゃんと1人で待っててくれた息子に感謝感謝。私も疲れたけど、息子はもっと疲れたことだろう。
私とボスもそのお客さんのところで鯛焼きと日本茶をいただいたのだけれど(鯛焼き、人形町の"柳屋"の味がしたよ……あの焦げ具合とか、皮の感じとか)、お客さんの会社を出てから
「ボウズ、えらいなぁ!すごくいい子に待ってたから、ジュース奢ってあげよう!」
というボスと一緒に喫茶店で一休み。小さな喫茶店でバナナシェイクとベイクドチーズケーキをいただいて(私はそのチーズケーキを半分こして一緒に食べて、あとはアイスティー)、
「おお、もう5時半か。……確か、だんなさん、この近くに勤めてるんだよね?タクシー乗って近くで下ろしてあげるから、だんなさんと一緒に飯でも食って帰れば?」
との計らいで、だんなの職場近くまで連れていっていただいてしまった。
「……というわけで、今、君のビルのすぐ近くにいるわけですが」
とだんなに電話してみたのだけれど、
「ごめん……あと1時間くらいはかかるかも」
との返事。じゃあ待ってるよー、と、近くのコーヒーショップに籠もっていて、よって昼過ぎから私も息子も日本茶飲んだりジュース飲んだりコーヒー飲んだりと、大変にお腹がたぷたぷになってしまったのだった。お父さんと一緒に夕御飯食べたいのに、なんかもお腹もいっぱいだしお酒も飲めないという感じ。あーららららー。
チキンカツ \780
「あはははは、合流できたはいいけど、なんかお腹たぷたぷなんだよー」
「ぼくはね、ぜんぜんおなかすいてないなんだよー」
「……なんだよ、君たち……」
もうすぐ7時になろうというところでだんなと合流できた頃には、私も息子もお腹がたぷたぷしていた。でも、一緒に御飯食べたかったんだもんねー、と、3人で新橋界隈をぷらぷらぷら。
「俺もねー、明日仕事だから、あんまり飲みたい感じじゃないし」
「あー、飲むのはね、無理かもー」
「じゃ、ラーメンとか?」
「ラーメンもねー、ちょっと違うかもー」
「ぼくもダメかもー」
一緒に御飯食べようと言っておいて、なかなかワガママな事言ってる私と息子。結局、何度かランチタイムに入ったことのある「洋食すいす」に行くことになった。銀座などに「グリルスイス」という名のお店があるけれど、それとは全く違う店。狭く古いビルの地下、細く急な階段を下りたところにある小さな昔ながらの定食屋さんという風なお店だ。わらじサイズのメンチカツが名物で、昼も夜もメニューは一緒。
「俺は……カツカレーだな」
「私ねー私ねー……かきフライ……いや、メンチカツ……いやいや、今日はチキンカツかな。うん、チキンカツにしよう」
「ぼくはね、ぼくはね、ひとくちだけでいいんだよ」
メニューをざざっと眺めてカツカレーとチキンカツを注文。あと中瓶のビールを1本だんなと半分こ。
"巨大な皿に美しくちんまりとした盛りつけ"が昨今の小洒落たお店での盛りつけの定番だけれど、その流行に真っ向から反旗を翻らせるように、この店の料理は"けして大きくはない皿に、あふれんばかりの揚げ物を乗せる"というのがそのスタイル。メンチカツも毎回溢れそうな(いや、しっかりと溢れている)勢いなのに、チキンカツもやっぱりでかかった。
カレーを盛りつけるような感じの楕円の白い皿にこんもりと刻みキャベツ。そのキャベツを覆い隠すようにバババーンと巨大なチキンカツ。大きなもも肉1枚を開いて平たくして揚げたそのチキンカツ、一口大にざくざく切られているなんてこともなく、ただただババーンと盛りつけられている。特別なソースなんてものもかかっておらず、お客は卓上に置かれたソースをわっしと掴み、だばだばだ〜と垂らしてから適宜ナイフでざっくざっくと切って口に運ぶのだ。スープや味噌汁などはついておらず、あとはたっぷりとした分量の御飯がついて780円。このストイックさが今時では珍しい感じがして、なんとも心にぐっとくる。密かに大好きなお店だった。しかも、なんてことないのに、この店の揚げものは美味しいんだなぁ。そりゃもうメンチカツが美味しいんだけど、チキンカツもしっかりと美味しい。
おなかいっぱいだよ、とか言っていたのに、バリバリワシワシ、これでもかとチキンカツを堪能した。昔なつかしの揚げ物、という感じで、私は大変にこの味が好きだ。水分たっぷり取ってお腹がたぷたぷだったはずなのに、ビールの美味しさも腹に染みた。油も染みた。
……明日は粗食にしよ……(おやついっぱい食べたし……)。
麦茶
先週末の土曜日から息子の冬休み(長いよー……1ヶ月近くあるよー……)は始まっているのだけれど、今日が本格的に休みらしい休みの1日。昨日は仕事場に連れてってしばらく待たせてしまったり、寒い中てくてく都心を移動したりと色々とお疲れだっただろう、と、起きるまで寝かせてやることにする。だんなは朝ジム。せっかくだから、私もたーんと寝かせてもらおう……と思ったのだけれど、うっかり早起きしてしまい、うっかりテレビゲーム始めてしまう。2周目のドラクエもいよいよ佳境で、前回は色々すっとばして最低限のことだけやってクリアしちゃったのを、今回は1つ話が進むたびに全ての町や村を回って村人の話をもう一度聞いてみたりのねちっこい攻略をしている。持つ武器によってグラフィックが変わるから、いちいち全種類揃えて持ち替えてみたりして。
母親の私が朝からそうやってうきうきゲームしている背後から、息子が
「おかーさんは、はやおきしてドラクエやっているんだねぇ……」
ほんとにドラクエが好きなんだねぇ、はまっちゃってるんだねぇ……なんて呟きながら息子が起きてきた。9時を過ぎたところで、
「きがえてきまーす」
ともそもそ着替えをし、
「じゃあ、あそびにいってきまーす」
と外に出ていってしまった。すぐに歓声が外から聞こえたところを見ると、近所の子供達も外に出て遊び始めたところだったようで、すぐ近くからきゃあきゃあと色々な声が聞こえてくる。
そういえば、私も息子も朝御飯食べてなかったじゃん……と気づいたのはそれから少し経ってからで、
「はぁ〜ただいまっ!もうね、おなかすいちゃって、たいへんだったなんだよー」
とか叫びながら息子が帰ってきたのはもう12時を過ぎた頃。そりゃ、朝から何も食べずに遊んでいれば腹も空くよ……と、
「じゃあうどんでも茹でようかね」
と鍋を出したところ、
「ぼく!上の!あの!どんべぇ食べたい!」
と冷蔵庫の上に乗せた籠を指さされた。あそこにはカップラーメンのストックがごろごろと積んであって、息子はそれが密かに気になっていたらしい。現在の一番のお気に入りの"赤いきつね"は、その籠には入っていないけれど、でも「どん兵衛」があることは把握していたらしかった。
「あー、どんべぇね、そんなのあったねぇそういえば……」
と、椅子出して籠からがさがさと買い置きカップラーメンを取り出す。リクエスト通り息子がどん兵衛で、私はとんこつ味の「一平ちゃん」。久しぶりのカップラーメンは、それはそれで美味しいなぁと思ってしまう。
「おかーさんのは、白くて、ちょっとこいー味がするね」
「あー、そっちのうどんのは、優しい味だもんね」
ぼくはこのカリカリが好きなんだなぁ〜と、うどんにトッピングする天ぷら(もどき)を手で掴んでバリバリ食べている息子。いや、それね、うどんに乗せて食べる天ぷらだよ……と教えてあげたんだけど、
「えー、天ぷらは、こういうのじゃないよ。これは、おせんべだよ」
と押し切られた。確かにそれはそうなんだけど。うーん。
冷たいパンプキンスープ \140
牛挽肉のカツレツ \480
チーズフォッカチオ \150
ドリンクバー \115
なんともジャンクな昼御飯だったので、夕御飯はちゃんと野菜を食べようと、白菜と鶏肉を使ったさっぱりした煮物なんかを考える。さて、じゃあそろそろ米でも計量しとこうかな……と思ったところで、玄関のチャイムが鳴った。なんでも、この建物でガス漏れしている恐れがあるとか何とかで、ちょっとガスを止めるとのこと。1時間くらいで終わりますから、と言われたのでガスストーブやら何やらを消して待っていたのだけれど、6時半を過ぎてもまだ復旧しないみたい。そうこうするうちにだんなから「今から帰るよー」コールが来てしまい、こりゃ食事の支度はダメそうだと外食しちゃうことにした。
じわーっと冷たい風が吹く、今日はけっこう寒さを感じる日。昼にもラーメンだったけど、夜もとんこつラーメン食べに行くのでいっかー……と、"餃子無料券"を持って、駅の改札でだんなと待ち合わせして、お気に入りのラーメン屋さんにてくてくと歩いて向かう……途中で、「サイゼリヤ」の看板と目が合った。
「あー、サイゼリヤ……」
「うん、サイゼリヤだねぇ……」
「あー!ぼくねぇ、ラーメンよりねぇ、サイゼリヤがいいなぁー!」
どうするどうする、サイゼリヤにしちゃうしちゃう?とその場足踏みしながら数十秒の家族会議をし、予定ではまっすぐ行くはずだった道をにょろにょろと曲がって、大型スーパーの地階にあるサイゼリヤに向かうことになった。
これまで何度も入ったことがある、イタリア料理的ファミレスのサイゼリヤは、とにかく謎なほどにお安い。セット価格などがない代わりに、500円くらいのメインディッシュに100円ちょっとのライスとかフォカッチャとか、あるいは300円程度のミニピザとか、あれこれ組み合わせて楽しめるようになっている。スープもたったの140円。ファーストフード店の価格より安いくらいだ。味は……「それなり」という感じだけれど、その微妙なジャンク加減がけっこうツボにはまったりもする。
でも、今日食べたものはジャンクきわまりない味といった風のものだった。初めて食べた「牛挽肉のカツレツ」は、ノンフライなのだそうで、「ヘルシー!」なんてメニューについている。この料理に限らずこのお店の肉料理はたいていそうだと思うけれど、皿を兼ねた鉄板をキンキンに加熱して、冷凍してあるおかずを上に乗せて焼き上げる、という風であろうことが容易に想像できるものになっていた。衣の一部が鉄板にぺったり貼り付いていて、要するに「衣つけて揚げずに焼いたメンチカツ」という感じ。怪しい味のドミグラスソース風のソースと、ケチャップを適当ににょろにょろとかけていただいた。添え物はフライドポテトとバターコーン。チーズ味のもちもちパンをもぐもぐ食べながら、いつも以上にジャンクさが漂うサイゼリヤ飯を堪能した。
今日は冬至。
そうと自覚せずパンプキンスープなど飲んできたのだけれど、ゆずも買って、おうちでゆず湯。
D−ポップ
エンゼルクリーム
カフェオレ
「ミスド買おう。ミスドミスド」
だんなはここ数日、ミスタードーナツに関心を寄せている。我が家に6枚あるグッズの交換チケット、今回のグッズは私としてはあんまり興味がないのだけど、だんなはポン・デ・ライオンのテープカッターが欲しいらしい。
「わぉ!全品100円セールやってるじゃん。ラッキ〜〜♪」
と昨日の夜にお買い物してきた。全品100円だからドーナツ6個購入してチケット3枚、グッズを貰うためにはあとドーナツ2個が必要となる事態になった。あと数日で今回のグッズキャンペーンは終わっちゃうし、また数日以内にドーナツ買わなきゃいけないということなのかしらん……(私はしばらくドーナツはいらないわという感じだわよ、だんな……)。
まだクリスマスイブイブイブ、年末というには早すぎるこの時期だけれど、だんなは今日が最終出勤日なのであるらしい。9月10月の頃のあまりの激ジョブぶりに、「いいよいいよ年末はたっぷりお休み」ということになったらしかった。長い長いお休み、特に予定はないのでだらだら楽しむ予定。
で、朝御飯にドーナツもぐもぐ。息子も私もお気に入りのD−ポップ、エンゼルクリームとストロベリーとシュガーレイズドとチョコファッションとゴールデンチョコレートとココナッツが全て一口サイズでころころと紙箱に収まっている。なんてことないけど、ほんのり得した気分になれるミニサイズドーナツが、私はもとより息子も大好き。見ていると、息子は明らかに「好きなものから先に食べる」という風で、チョココーティングしてあるものとかクリームが詰まっているものだとかをまず最初に平らげている。私は「好きなものは最後に残す」方針なので、ストロベリーあたりから先に食べはじめ、バタークランチあたりが最後にくる。現実にドーナツ6個も食べるのはちと不可能だけれど、一口サイズのこれなら色々味わえて、満足満足〜。
あんだんすーおむすび
麦茶
だんなも今日で仕事が終わりだしと、私も真面目に一日家でせっせとお仕事。外から近所の子供達の声が聞こえてくると
「ぼくも!ぼくもあそびに行ってきまーす!」
と飛び出して行ってしまう息子なので、じゃあ昼御飯は適当に軽く食べられるものを……と、おむすびを作っておいてみた。
ありものの具で作ったので、鮭フレークのが1個あんだんすー(沖縄の豚味噌)のが1個のごくごく簡単なものを2組作って、海苔も巻いてから皿に乗せ、ラップにくるんでテーブルに。茶碗に盛りつけた冷たい御飯はいまいちぐっと来るものがないけれど、おむすびは冷たくても美味しいのよね。少量入れるだけで御飯にコクと甘みがつく「あんだんすー」は特に便利でお気に入り。豚バラ肉を赤味噌や砂糖、醤油や泡盛なんかで煮込んで作るらしいのだけれど、今のところ瓶詰めされた加工品でしかその味を知らない。いつか自分で作ってみたいなと思いつつ、スプーン1杯のあんだんすーを中にぎゅっと詰めておむすびを作った。
12時過ぎに
「ただいまー!」
と元気に帰ってきた息子に「おむすび、あるよー」とその2個のおむすびの乗った皿を差し出し、同じ内容の皿を自分にも。今日は風も冷たく気温もそれなりに低い一日だったけれど、汗かいて帰ってきた息子は氷を入れた麦茶を2杯飲み干した。
浅漬け白菜
おから和え
麦茶
買い置きの鶏肉を大根と人参と一緒に中華風の煮込みにして、あとは白菜と豆腐で中華風のスープかそれとも味噌汁にして……とあれこれ考えていたのだけれど、夕方、だんなから「今日は遅くなりそう」の連絡が。しかも、夕方の鐘の音と共に帰ってきた息子は
「なんかね……つかれちゃった……」
とか言いながら昼寝を始めてしまい、6時を過ぎても7時になっても起きる気配がない。
息子が朝まで寝てるならそれはそれでいいし、起きる時間によっては夕御飯を作ることにしようかな……と、全体的に私もやる気がなくなってテレビゲームの電源を入れてペケペケ遊んでいたところ、8時を過ぎてやっと息子が起きてきた。「おなかすいたー」の声に、ちゃちゃっとごく簡単な夕飯の準備。
親子丼みたいなものが恋しかったので、大根との煮物にするはずだった鶏肉は一口大にして、醤油と味醂と酒と水を大さじ2くらいずつ合わせた中で適当に火を通す。本当だったらここに溶き卵を流し入れるのだけれど冷蔵庫の中には卵が1個しか残っていなくて、さてこの1個の卵をどうしようかと考える。鶏肉の鍋に流しても、調味料と一緒になってぐちゃぐちゃになってしまうのが目に見えてるし、と、別鍋に調味料を少しだけ入れて、ここでスクランブルエッグ状に火を通してしまうことにした。御飯の上に鶏肉乗せて、スクランブルエッグ状の卵をかけたちょっと反則親子丼。昨夜豆腐屋さんでもらってきたおからの和え物(豆腐が2丁、厚揚げ3つ、おから和え1パックで500円だったのだけれど、「これも持ってってー!」とおから和えをもう1パック袋に入れてもらっちゃったのだった)を小鉢に盛って、味噌汁にするはずだった白菜は時間不足で浅漬け風に。
「あはは、創意工夫もなんもなくてゴメン……」
と、ちょっと遅めの夕御飯はちょっと少なめに盛りつけて、息子と2人丼飯をかっこんだ。……よく考えたら、明日の夜もチキンで、明後日の夜もチキン確定なんだわ。これから数日、鶏肉尽くし。
麦茶
「ここんところ、毎朝パンだー」
と嘆いていただんなの心境を鑑みて、
「うどんでも茹でようか」
と言ってみる。幸い千趣会から今月のうどんが届いたばかりなんだよね、と、さぬきうどん「白川」なるお店の麺を茹でてみる。
私はさぬきうどん、圧倒的に"ひやひや"(冷たく締めた麺に冷たいだしをかける)が好きなのだけれど、こう寒いとしみじみ"あつあつ"が恋しくなる。今日はあつあつ。もっちりした舌触りの、でも"強い"感じはない優しい歯触りのうどんだった。「白川」というお店は行ったことがないし、この冷凍麺でそのお店の魅力の何割程度が再現されているのかはわからないけれど(お店は手打ちだけれど、こちらは当然機械で作ってるものだだろうし)、でも、これはこれで美味しいな、と。じっくり煮含めた油揚げとか乗せて食べたくなる味の麺とつゆだった。
とんこつらーめん チャーシュー乗せ
だんな、スポーツジムの祝日プログラムに出かけてしまう。
「でさー、ラーメン食べたいんだよね、ラーメンラーメン。ほら、あの店の」
と誘われ、運動後のだんなと待ち合わせて一緒にラーメン屋さんに。……運動した直後にガーッとこってりラーメン食べて、ガーッと大量に水飲むのは肉体的にはどうなのかしら。「運動の成果、台無し」という気がしなくもないけど、でも運動後のラーメンは確かに美味しい。しみじみ美味しい。
私は特に運動していたわけじゃないので(私は明日、久しぶりにジムに行ってくるのよー)、息子と2人で分け合うつもりでとんこつラーメンの大盛りを。去年一昨年あたりは、"大盛りラーメン頼んだら、その増量された分くらいをきっちり食べる"というのが息子のラーメン摂取量だったのだけれど、最近は"大盛りラーメン頼んだら、自分の取り分がその増量された分くらい"になるようになった。300円足してチャーシュートッピングしてもらったら、どんぶりに花が咲いたように丸い断面のチャーシューがどんぶりの縁にぺたぺた7枚くらいくっついてきた。あとはきくらげと、海苔と刻み葱という、スタンダードなトッピング。
「東京とんこつラーメン」なるものがどのようなジャンルなのかは知らないけれど、このお店のスープはどれをいただいても、かなりこってりめ。脂も濃厚なら塩加減もかなり濃厚で、でもそのこってりとろみのあるスープにはファンも多いみたいだ。休みの日や平日の夜などには大抵客席がある程度埋まっている。
何度か食べたことのあるとんこつラーメンは、あいかわらずのこってりさだったけれど(でも、コラーゲントロトロのこってりというのとは微妙に違って、けっこう脂っこい……)、だんなの頼んだ新発売のぶたみそラーメンは更にコテコテギトギトトロトロ。褐色のスープの中にはそのスープの色に染まったごっつりした太めの麺が沈み、上には甘辛味で炒めた豚バラ肉がモヤシと共にどっさりとトッピングされていた。肉もやし炒めをラーメンにトッピングしました、みたいな感じ。ビジュアルにも圧倒されたけど、大変に食べ応えがありそうだった。
「煮卵、ひとくちあげよう」
「んじゃ、こっちのチャーシューもちょりっとあげよう」
だんなのどんぶりとあれこれ交換しつつ、私の麺は半分近くが息子のどんぶりに消えていった。でも、麺がそのくらい減ってくれてちょうどいいくらい、ここのラーメンはコテコテ……。
「R1/F」の海老とブロッコリーのタルタルサラダ
豆腐と水菜のサラダ
クラムチャウダー
ビール、麦茶
さて、今日はクリスマスのイブのイブ。
クリスマスにはモスバーガーから毎年「モスチキンパック」なるものが発売されていて、密かにそれを楽しみにしている私とだんな。いつもバーガー屋さんで1人1個、時々食べるだけのモスチキン、腹一杯食べるのはクリスマスがチャンスなのだ。いや、別に、普段もまとめ買いしようと思えばできるし、クリスマスに特に味が違うってこともないし、予約したときにもらえるグッズもあんまり興味なかったりして、「別に今でなくとも」というものではあるのだけれど、まぁ、なんとなく。
「……で、5個パックですかね?」
「いやー……それじゃ、ちょっとだけ足りない?」
「じゃあ10個パック?」
「それじゃ多い……」
1ヶ月ほど前、あれこれ悩んで悩んで、結局「残っても、まぁいいや」と10本パックを予約した。今日はビール飲んでチキンもりもり。買ってきてすぐに食べようということで、「夜7時に取りにきまーす」と伝えておいた。
お昼の買い物ついでに買ってきた、海老とブロッコリーのタルタルサラダと、あとは私が用意した豆腐と水菜のサラダ。水菜をざくざく刻み、細切りにしたキュウリやパプリカも混ぜ、そこにしっかり水切りをしておいた豆腐を手でちぎってざっと混ぜたサラダには、にんにく風味の和風ドレッシングをかける。
スープはだんなのリクエストでクラムチャウダー。バターとサラダ油で玉ねぎとベーコンを炒め、そこに小麦粉ふったら貝を茹でた茹で汁を加えてダマにならないように混ぜていく。玉ねぎが柔らかくなったら、別鍋で火を通しておいたじゃがいもとにんじん、殻から身をはずしておいたはまぐりと、牛乳をだばだばだ〜と加えて、あとは沸騰するちょっと前まで温めればできあがり。はまぐりがたまたま安売りされていたからこれをを使ったのだけれど、大粒でプリッとしていて悪くない。確か"クラム"って「二枚貝」のことだから、アメリカのスーパーではあさりともはまぐりともつかない、微妙に大きさの違う(あさりより大きく、でもはまぐりほど大きくない)貝が売られていたような記憶が。
小麦粉を大さじ2以上入れたのに、その割にいまいちそれっぽいとろみがついてくれなくて、「お店で食べる、あのドロ〜ン」としたクラムチャウダーには一体何がどのくらい入っているのだ」と思ってしまうできあがりのクラムチャウダー。
「ん、でも、美味しいよー」
とだんなは言ってくれたけど、でもあのトロトロまったりーな口当たりのクラムチャウダーを目指したいところ。あれこれレシピ見て研究してみよう……。
御飯を一応炊いてはみたものの、ビール飲んでチキン食べてー、サラダつまんでまたビール飲んでー、とだらだらだらだらした夕御飯になってしまい、結局だんなと私は御飯はなし。代わりにチキンは3つずつ食べちゃって、満腹になっちゃったのだった。
「年末年始モード」はまだ始まったばかりなのに、今からこんなに飲んだくれてだらだらしてどーするのー。
2日目のクラムチャウダー
アイスカフェオレ
今日はクリスマスイブ。だんなも冬休みに突入して、至極まったりとした一日になる……かと思いきや、息子のピアノ教室はいつも通りあるし、私は私で
「昨日はボディパンプのクラスなかったから、今日ジムに行ってきますっ!」
と鼻息荒いし、肝心のディナーの材料もまだ揃ってないしで色々とバタバタなのだった。
朝御飯は、ちょっと久しぶりのホットサンド。昨日安売りほうれん草を2把買ってきたは良いけれど野菜庫がぎちぎちで収納する場所がなく、大きなボウルに水張って、台所に生け花のように飾っている(←小林カツ代さんの本で見た"青菜類の収納方法"だそうで)のだけれど、見るたびに「あー、これ食べてあげなきゃ」と思ってしまう(←その「食べなきゃー」と思わせるところも収納の効果なのだそうだ)。
「……というわけで、ホットサンドにしたいわけですが、このほうれん草の存在もすごく気になるわけです」
「……じゃあ、炒めてホットサンドに詰めちゃうというのはどうだろう?」
起きるなりだんなとごにょごにょ話し合い、今日は初めての"ほうれん草ホットサンド"。卵をいつも通り茹でていつも通りマヨネーズ和えにし、いつも通りピザ用チーズも用意して、それらを一口大に切ってバター炒めしたほうれん草と共にパンの間に挟み込む。できあがりは、「もうちょっと塩気があった方が良かったかもー」という印象ではあったのだけれど、いつもと目先が変わってとても美味しいものになった。とろけたチーズとほうれん草の相性もすごく良いし。
「これは、"れんたまちー"?」
「いや、"すぴたまちー"の方が美しいのじゃないだろうか」
「"たまなっちー"とか」
「……それじゃいまいちわけがわからない……」
このれん草サンドを今後どのように呼べば良いのか話しつつ、滋養たっぷりな味のするホットサンドをもぐもぐ。
ほいじゃ私は運動してくるよー。
抹茶入り玄米茶
ここのところペースが落ち気味だった上に、息子が午前保育になっちゃってからは全然行く余裕のなかったスポーツジムに久しぶりに行ってきた。なにしろ、最近発表になったボディパンプの新曲には、私の大好きな「オペラ座の怪人」が含まれているらしく、「そりゃもう行かなきゃ、新曲が流れるシーズン中は特にせっせと行かなきゃ」という気分になる。
プラスチック製の2kgのバーベルに1kg、2.5kg、5kgのバーベルを自分の筋力に合わせてセットし(同じスクワットをするにしても、マッチョなお兄ちゃんは24kg位の負荷でやるし、初心者ならば7kgくらいで……という感じ)、各筋肉を鍛え上げるこのプログラム、久しぶりに参加するなら当然負荷は落とすべきなのだけれど、生ぬるい負荷に戻すのも何だか悔しいものがあり、明日明後日の筋肉痛は覚悟の上でがんばってしまった。
バーベルを使う8種類の種目、一応私の中では「どんなに久しぶりでも、最低でも中1個(負荷7kg)」という目安があって、
「中/中2/中小/中2/中小(中)/中/中/中(中)」
こんな流れで今回はやってみたのだけれど、だんなはこれが
「大/大2/大中/大中小/大(大)/大/大中/大(中)」
こんな内容になるようで。……はぁ〜、早く最盛期の「最低でも中小(負荷9kg)」に戻せるようにがんばらなくちゃ。確か最盛期は
「中小/大小/大/大小/中小(中)/中小/中小/中小(中)」
くらいでやっていたはず。そろそろ本腰入れて真面目に運動再開しよう。ちゃんと運動していると、肩凝りや腰痛と無縁になってすごく毎日快適なのです(でもその代わり筋肉痛と蜜月関係になりますが)。
で、噂の「オペラ座の怪人」はチェストプレス(仰向けに寝転がって胸の上にバーベルをおろしてあげる、胸の筋肉の運動)で使われていて、地獄の「28回連続シングル(普通はせいぜい8回とか、多くても16回)」があるとか。ボディパンプは音楽に合わせて「スーパースロー」(4拍でおろし4拍であげる)「ツーツー」(2拍でおろし2拍であげる)「スリーワン」(3拍でおろし1拍であげる)「シングル」(1拍でおろし1拍であげる)などを組み合わせて運動するのだけれど、同じ動きを繰り返すのがなかなかつらい。疲れた時のシングル連続は、かなりつらいものがあるのだった。
で、そんな地獄の28連続シングル、かなり戦々恐々として臨んだのだけれど、私の大好きな大好きな曲を聴きながら「ザ、ファ〜ントムジオペライズゼア〜〜〜」とか一緒に脳内で歌いながらへこへこ動かしていたら思ったよりは楽勝だった。それより「ありえない……」と脳裏にお花畑が広がったのはランジと肩だったりして。
かくして、クリスマスイブだというのに汗くさくなりながら、ざっと泳いでシャワー浴びて帰宅。鶏肉を取り置きしてもらっていたお肉屋さん「ニュークイック」に寄ってきた。数ヶ月前から丸鶏が焼きたくて焼きたくてたまらなくなっていて、それじゃクリスマスに焼こうかと
「やっぱり予約しておいた方が確実ですよね?」
と数週間前にお願いしておいたのだ。せっかくなら美味しい鶏がいいなと、
「日向鶏とか赤鶏も、丸鶏で入りますか?だったらお願いしたいんだけど」
とお願いしてみたところ、
「入荷したら、ちゃんとお取り置きしておきます。……が、時期が時期なので、お店自体に入ってこない可能性もありまして、その場合は普通の国産若鶏になっちゃいます」
とのこと。普通の若鶏だったらちょっと悲しいなと思いつつお店に向かったところ、めでたく今日は1羽だけ日向鶏が入荷していたのだそうだ。2kg弱の日向鶏で、価格はたったの1800円。後から考えると、国産若鶏の価格と間違えたんじゃなかろうかとも思える安さだった(だって100g98円だもの、それじゃ……)。
めでたく鶏肉も入手できて、お昼御飯にとおいなりさんを1人2個見当で購入して帰る。釜揚げいなり2個、五目2個、高菜わさび2個。あったかいお茶淹れて、私は釜揚げと高菜わさびをいただいた。あまじょっぱい煮汁を含んだ油揚げが疲れた筋肉に染み渡る。特に、そのお店の「高菜わさびいなり」は私のお気に入りで、ほのかに青臭い高菜漬けの風味とじわっと刺激臭が漂うわさびの組み合わせが不思議と甘い油揚げに似合っている。わさび、私は成人近くなるまでどうにも好きになれなかったのだけれど、その分を取り戻すように今は大好物な食べ物になってしまった。わさび風味のポテトサラダなんかも、すごく美味しいのよね。
チーズ(Saint André) with クラコット
「シェ・ケン」の野菜のテリーヌ・イワシのマリネ
豆腐と水菜のサラダ
ほうれん草のポタージュ
シャンパン(Veuve Clicquot Yellow Label Brut)
白ワイン(Drink&Eat Chicken)
Tさん特製 マスカルポーネクリームのロールケーキ
カフェオレ
「さて、午後は息子のピアノなわけですが、鶏の仕込みもあるわけです。だんなは、どっちやりたい?ちなみに、ピアノを選んだ場合は"コケコッコ・サンデー"の練習をしてから行かねばなりません。親がやらねばならないパートがあるのだよ」
大きな鶏肉をとりあえず我が家で一番寒い場所だろう玄関近くに置いておき、だんなに相談。
「コケコッコサンデーの練習するくらいなら、鶏の下ごしらえしています」
と即答されたので、鶏の仕込みはだんなにおまかせすることにして、私と息子はピアノ教室にお出かけ。
せっかく千葉駅方面に出たのだからと帰りにデパ地下を覗いてみたのだけれど、クリスマスイブのデパ地下は「こんなに混んでるそごうは見たことがない」というほどの混雑ぶり。ケーキを買う人、予約していたのを受け取る人で菓子売り場はごったがえし、総菜売り場も鶏だテリーヌだハムだローストビーフだと美味しそうなものが色々と並んでいる。そういや、前菜みたいなのは特に考えてなかったなぁ……と売り場を眺め歩き、普段はデパ地下に出店していない「シェ・ケン」の販売ブースがあったので2つばかり前菜を買ってきてみた。
「シェ・ケン(Chezz Ken)」は、この界隈ではちょっと有名なフレンチレストラン。千葉県内にいくつかお店を構え、一度だけKさんと本店に行ったことがある。フォアグラとリードヴォーの前菜がすごく美味しかった記憶が。そうそう、鴨も食べたんだっけ。
「……息子は、どれ食べたいかなー?」
「ぼくねぇ、この、きれいなの!」
「ほー、野菜のテリーヌかぁ……」
たっぷり3人分ありそうなイワシのマリネは500円、2種類のテリーヌが1切れずつスライスされたのは400円くらい、と、そこそこ手軽な価格。前菜にシャンパンと一緒につつくにはちょうどいいかなと、マリネとテリーヌを1パックずつもらってきた。他には1000円のスモークサーモンのパックとか、2500円(!)のフォアグラのテリーヌなんかもあったりして、あとはメインディッシュにもなりそうな鶏もも肉のきのこ詰めとか、色々。
「そういうわけで、前菜買ってきたよー、あと、チーズもね」
袋をがさがさ言わせて帰宅すると、だんなは鶏のお腹に詰めるためのガーリックピラフを用意して待っていてくれた。人には言えないほどのにんにくとバターを入れて作ったのだという1合半くらいの分量のピラフを、鶏のお腹にぎゅうぎゅう詰める。1時間半ほどかけてじっくりとオーブンで焼く間にお風呂も済ませちゃって、冷やしたシャンパンと焼きたての鶏でお祝いした。
オリーブが添えられたイワシのマリネは、適度にビネガーが効いているけれどとても優しい味。コンソメのジュレが添えられた魚介入りの3色テリーヌと、淡いピンクの蟹入りのテリーヌは1切れを3等分して各自の小皿に盛りつけた。ふわふわした白カビチーズ、サンタンドレ(Saint André)はクラコットに乗せて、それでとりあえず小瓶のヴーヴクリコをだんなと2人、1本ずつ。息子にはシャンメリー。軽くそれらをつついたところで、ジャジャーンとオーブンから鶏肉を出した。見かけは悪いけど、少しでも温かさが持続するようにと天板ごとテーブルに出しちゃって、ざくざくナイフで切って好みの部位を心ゆくまでむさぼり食べた。2kgの鶏は、さすがに食べきれないほどあって、家族皆で大満腹。その残ったところを翌日どうしようかというのもお楽しみのひとつだ。
今回は、パリッと焼けた皮とか肉汁たっぷりのもも肉なんかをひたすらに塩胡椒の味でシンプルに食べたいということで、ソースの類は全然用意しなかった。
「おにく、いっぱいねー。すっごいねー」
「でっかいでしょー。でも!更に!ここをあけると、ほら、御飯が!」
「うっわー!すっごーい!」
丸鶏を焼いたのは初めてじゃないはずだけれど、息子はおおいに喜んでくれた。肉よりもガーリックピラフの方が心に響いたみたいで、せっせと掘ってせっせと食べている。こってり濃厚ガーリックピラフと、シンプルな塩味の鶏肉は食べ飽きることなく美味しくいただけて、家族揃って腹一杯になってしまった。……前菜、軽めにしておいて、ほんとうに良かった……。
食事の後はプレゼント交換して、その後はケーキ。
「クリスマスケーキは、マキシムドパリのナポレオンパイがいいなー。ホールで」
「高いし、食べきるの大変だからダメ」
「え〜」
なんて会話を繰り広げていた数週間前、確かにでっかいホールのケーキとか買っても食べきるのがつらいのは本当だし、正直なところ、クリスマスケーキって、他の時期に買う同じ店のケーキより味は落ちているような気がする……(スポンジとか、やっぱり冷凍しちゃうところが多いのかな……)と、あれこれ悩んでいたのだった。そんな折、Tさんから、「よろしければクリスマスに合わせてロールケーキをお送りしようと思うんですが」とこれ以上なく有り難いお申し出が。デコレーションしてしまうと輸送中に崩れてしまうから、仕上げはせりあさんが自分でやってね、と、ロールケーキの箱と、飾り用のクリームやチョコレートや粉砂糖、ツリーのミニ菓子なんかが綺麗に袋詰めされた箱がクール宅急便で今日の午前中、やってきたのだった。
問題は、クリームを絞ったりするセンスが私には全く少しもないこと。ちゃんと絞り出し袋に納められ、絞り出し用の金具までありがたいことにセットされていた淡いオレンジ色のクリームを、「これ、絞り出しただけで美しく仕上がるならいいんだけどねぇ……」とにょろにょろと絞り、案の定美しくいかなかったのでスプーンでコテコテと全面になすりつけ、更にフォークでスジつけてブッシュドノエルっぽくしてみたりして。1本のロールになっていたケーキは、端を斜めに切り落として、切り株のようにロールケーキ本体に乗せてみた。あとは、ヤバイところを削ったホワイトチョコと粉糖でごまかし、一緒に送っていただいた葉の形のチョコとかクマさんとかツリーとかをドスドスドスとトッピング。愛らしいクマやツリーのおかげで、なんとかそれっぽいケーキになった……と、思いたい。
スポンジケーキに巻かれているのはバニラ風味のマスカルポーネチーズ入りのクリーム。パインと桜桃が一緒に巻かれ、表面にコーティングしたのはアプリコット入りのクリーム。マスカルポーネの存在のせいか、全体的にミルクっぽい味の優しい味のロールケーキだった。淡い甘さのアプリコットクリームが、ふわふわと杏の香りが漂ってとてもすてき。
せっかくお菓子づくりの先生と仲良くなれたことだし、私も少しは菓子作りの腕を上げたいところだけれど、なかなかプリン・ババロア・ゼリー系から先に進めない自分が情けない……来年はちょこちょこケーキを焼いてみようかな。デコレーション含めて。
プレゼントは、息子へはプラレールの山手線(サウンドつき、ドア開閉つきのなんかすごいやつ)セット、だんなから私には新しいお財布(と、同じわちふぃーるどの入浴剤)、私からだんなにはMETのカバネクタイとカバマグネット、シンガポールで買った名刺入れとマネークリップのセット。
そんなに飲んだつもりじゃないのに、シャンパンミニボトル1本と、ワイングラス2杯くらいであっけなく酔ってしまった私とだんなは
「うーふふふー」
「プレゼントプレゼント〜」
「クリスマス〜」
とか言いながら、「え?もうねちゃうの?えぇ?」と、プレゼントでさっそく遊びたい息子を尻目に、とっとと爆睡してしまったのだった。
これからしばらく、こんな感じで飲んだくれの日々が続くのかしら。年末だし(で、日記の更新が翌日になる、と……)。
ポン・デ・リング
ハムタマゴパイ
アイスカフェオレ
昨日はすっかり酔っぱらって、残ったローストチキンをほぐしたりすることもせず、火を消したオーブンに残った鶏を突っ込んだまま寝てしまった。さて今朝はそのチキンの残りでサンドイッチにでもするかなーどうしようかなーと思っていたところ、起きてきただんながわくわくと
「ミスド?ミスド行ってお買い物してくる?」
妙に目を輝かせながら聞いてくる。ああそうだ、この人、ポン・デ・ライオンのテープカッターを欲しがってた(で、それを貰うにはカードが1枚足りない)んだっけ……と、思い出し、
「じゃあ私、和風なんちゃらとかいう四角いドーナツのー、栗味のやつ。あとね、もう1つはしょっぱい系がいいな」
とリクエストしてだんなを送り出した。
「なんかね、全然品数なかった……」
帰ってきただんなは、心なしかショボーンとしている。息子からリクエストされたD-ポップはなかったし、私の四角い和風なんちゃらもやっぱりなかったらしい。でもだんなの好物のエンゼルクリームはあったみたいだし、私の好きなハムタマゴパイもあったみたいだし、あんまり深刻な事態にはならなかったようだ。和風なんちゃらの代わりにだんなが選んでくれたのはスタンダードなポン・デ・リングで、シュガーコーティングされたもちもちドーナツを選択してくれたのがちょっと嬉しかった。そうそう、この手のが食べたかったのよ〜と、アイスカフェオレ傍らにもぐもぐ。
で、だんなはそのまま一昨日に続き今日もスポーツジムに出かけていった。昨日調子に乗ってじゃかじゃか動いちゃった私は、今日は前代未聞のレベルの筋肉痛(翌々日じゃなくてしっかり翌日に痛くなったというのが救いというか)。こたつから立ち上がるだけでビシィッ!と腿や胸に激痛が走り、立ち上がるまでよたよたと10秒くらいかかる始末。そのたびに「ぐえぇっ」とか「ぐおぉ」とか「拳王は地に膝などつけぬわぁ!」とか呻いているので、そのたびに息子が
「おかあさん、だいじょうぶー?」
と背中押したり手を引っ張ったりと助けに来てくれるありさまだった。ここ数週間の不摂生がたたって、普段はそんなに筋肉痛にならない腹筋や二の腕までビキビキに痛いよ……(でも悔しいから月曜か水曜にまたジムに行ってくるよ……)。
麦茶
ジム帰りに適当に夕飯の材料見繕ってきてくれると嬉しいな、そろそろ魚介が恋しい気分……とだんなに伝えておいたら、
「お昼はちゃんぽんでどうでしょう、んで、夜は天津丼でいかがでしょう」
と提案された。
だんな、ここ1ヶ月近く何かにつけて「天津丼、天津丼」と呟いたり、「年末はアメ横にカニを買いに行こうー」とか言ってきたりしていて、私は「スポーツジムか職場あたりで、怪奇カニ星人にでも取り憑かれたのかしら……本物のだんなはどこかに幽閉されていて、目の前にいるのはだんなの皮をかぶったカニ星人だったりして……」なんて思っていたのだけれど、まだ私の目の前にいたのはカニ星人だったらしい。うんいいよ天津丼、と答えたら、3肩入って1パック700円くらいという、妙にお安いカニを買って帰ってきた。あとは豚肉とかシーフードミックスとかキャベツとか。
「奥ちゃん、ちょっとお手伝いお願いできますかー」
と言われ、私がやったのは「うずらの卵の殻むき」。10個の茹でうずら卵の殻をせっせと剥いている間に、だんなは材料を切って準備してそれをじゃかじゃか炒め、別鍋でちゃんぽん麺を茹でつつ、スープを作りつつ、具沢山のちゃんぽんを作ってくれた。運動してきただんなを慰労して、だんなにはうずら卵4個、私と息子が3個ずつ。簡単に顆粒鶏ガラスープで作ったというスープだったけれど、魚介のだしが程良く出ていて、ちゃんとちゃんぽんらしいちゃんぽんの味になっていた。美味しいわ美味しいわ。
鶏と大根のスープ
ほうれん草のナムル
水菜のサラダ
ビール(ボックタイプ手作りビール)、麦茶
Tさん特製 マスカルポーネクリームのロールケーキ
紅茶(アルゼンチン)
今日の午前中、今時珍しい、真っ黄色のビールケースが我が家に届いた。昨月キリンビールの「ビールづくり体験教室」に参加して作った、私たち(私とだんなとFさん夫妻の4人)がせっせとかき混ぜたり漉したりして作った手作りビールがやっとできあがってきたのだ。中瓶で20本。参加者全員分が我が家に届いたことになるので、折り返し急いでFさん夫妻宛に半量のビールを送ってみた。明日には届くそうなので、お楽しみにー>Fさん
「ビールだし、天津丼には似合うよねぇ」
と、私は午後から天津丼に合わせたスープ作り。昨夜のチキンを丁寧にほぐし、肉は肉で別に取っておき(ボウルにたっぷり1杯取れた)、米粒などを丁寧に取り除いて骨は鍋の中に。水を加えて骨からスープを取ってみた。アクを丁寧にとりながら強火で10分ほど煮立て、あとはフツフツ言うくらいの弱火に落として30分くらい。濃厚でとっても美味しいスープができたので、それを漉してから改めてほぐしたローストチキンの身を少しと拍子木切りにした大根とねぎを加えて煮込んでみた。肉はまだ残っているから、サラダに混ぜるかサンドイッチにするかしてまた明日食べることにしよう。
で、台所でずっとわさわさと飾られていたほうれん草は、まとめてナムルに。ここ数日なかなか食べきれずにいた水菜のサラダもテーブルに出し、あとはメインディッシュの天津丼。
早めにお風呂を済ませちゃおうと、今日も食事前に入浴したのだけれど、私が風呂から上がると怪奇カニ星人がうきうきとカニの身を殻から外しているところだった。そんなにカニですか、カニなんですか。
だんなに得意料理はあれこれあるけれど、最たるものがこの天津丼だと思う。蟹肉(今回みたいに豪華に蟹肉を使うこともあれば、缶詰で済ませちゃうことも)を千切り筍と斜め切りにした葱と一緒にざっと炒め、それを溶き卵を合わせてから、こ〜んがりと丸く焼いていく。中華鍋を持っただんな、くーるくーるうりゃ!と、それは見事に表面こんがり中はふわっと、最高の状態に焼き上げてくれるのだった。プロは1つの中華鍋で一気に2つ3つのカニ玉を作っちゃうらしいけれど、そうなるのも遠くはないかなー、なんて思ったりして。で、上からかける甘酢は酢と醤油と砂糖を使った、甘さ控えめのさっぱり味。天津丼とかカニ玉というと、ケチャップ色のどよ〜んとした濃いめの甘酢を思い出す事が昔は多かったし、それが好みでもあったのだけれど、今は酢と醤油の味のさっぱり甘酢がとても好き。
そんなこんなで、「クリスマスの夜」っぽくない天津丼の夕御飯。それでも昨夜のローストチキンの骨でとったスープは最高の味がしたし、食後のケーキもやっぱり美味しかったし、何しろビールが美味しくてもう最高だった。
喉ごしシャープで豊かなコクが特徴だという、私たちが作ったビール「ボック」。ピルスナータイプの、いつも飲むようなビールに比べるとほんのり色は褐色がかった深い色。ほのかに甘くこっくりとしたコクがあって、後味はさっぱり。思ったよりもずっとずっと美味しいビールで、「手作りビール教室」のラベルも何やら可愛らしく、
「美味しいじゃん美味しいじゃん、私たちのビール」
「市販されているのに負けてないじゃーん」
とはしゃぎながら、とりあえず1本半分こして飲み干した。
この美味しさに真に貢献してくれたのは、私たちがわやくちゃやっている間にずっとそばについて指導して調整してくれていたインストラクターさんのおかげなのだけれど、これだけ美味しくできるとなるともう1回行って別の種類のビールを作ってみようかなとか、どうせだったらビール作成キットを東急ハンズで買ってきて家で作っちゃおうかなとか……。
カップスープ(コーンクリーム)
オレンジジュース
イブに焼いたローストチキン、ほぐした身がまだまだ残っているので、それを使って今朝はチキンサンド。サンドイッチパンをこんがりトーストしてバターを塗り、そこにレタスと薄切りキュウリと輪切りパプリカをどさどさ挟んで更にどさどさとチキンをトッピング。上からた〜っぷりマヨネーズ絞りかけて、上から蓋するようにもう1枚のパンでぎゅうとおさえればできあがり。ほのかににんにくの香りがする塩気のある鶏肉はサンドイッチにしてもたまらなく美味しい。お供には、だんなが
「やや!ややややや!」
とか言いながら棚から引っ張り出してくれたカップスープ。私はコーンでだんながポタージュ。イブ直前のスーパー大安売りで買ってきたオレンジジュースも封を開け、ちょっと豪華な朝御飯になった。
「……チキン感がいまひとつ足りない……」
「んじゃ、もっと詰めればいいじゃん。ほれほれ」
「ん」
なんて言いつつ、チキンたっぷりマヨネーズたっぷりボリュームたっぷり。
ここ何週間か、すっかり「ドラクエ廃人」になっていた私。家事全般かなりおろそかだったし唯一得意で唯一好きな家事であったはずの料理すら手抜きする始末で、それがやっと今、憑物が取れたように色々な事をしたくなってきた(ドラクエ、とりあえずラスボス倒してその先も行ったし、あとはレベル上げて残る強敵を少しずつ倒して……という消化試合モードになりつつあるので)。
今朝は金魚の水槽が隨分汚れてきていたので水の交換ついでに洗ってやり、ベッドのシーツや布団カバーも洗濯。年賀状作成にも取りかかり、ここ1年に撮ったデジカメ写真をあれこれ眺めて並べたり切ったり貼ったりと画像加工ソフトを駆使して「親戚に配るための息子写真入りバージョン」と「友人知人恩師仕事先一般に配るノーマルバージョン」を作成。ジェットインクのプリンタ、ファインモードで印刷すると素晴らしく綺麗だし、最近のインクジェット対応の年賀状の用紙の質も良くなったような気がする。印刷と見まごうばかりの綺麗な仕上がりに自分でうっとりしつつ、楽しい作業にしばし没頭してしまった。明日投函すれば元旦には間に合うかな。
天狗旬彩御膳 780円
そんな感じに、私は「今日はせっせと家事モード」になっていたのだけれど、息子は朝から
「ボーリング、いこ?ね、ボーリング」
とうるさいうるさい。そういえば、以前「ボーリング行きたいの?そーねー、今度ねー」とか言って息子を何度も宥めていたし、昨日ちらっと「ダーツしに行こうか、それともボーリング?」なんて話もしていたっけ。でも私は運動後2日目の壊滅的筋肉痛に今日も悩まされていて、だんなもだんなで昨日のジムの余波が肉体にビリビリきている状態だ。
「……息子さん……今日はボーリング、やめにしない?」
「そうそう、お買い物しに行くだけにしない?」
筋肉痛父と筋肉痛母が2人でそう提言したのだけれど、「でもー、ぼく、ボーリングしたいんだよ」だそうで、ならばと3人でボーリングをしにお出かけした。6号の玉をどんごろどんごろノンガーターレーンで2ゲーム転がした息子は満足そうで、ゲームを通してずっとノンガーターだった(息子の投げる時だけノンガーターになるわけじゃなかったのね)その恩恵で、私もじわっと良いスコアが出せてしまったり。
「ガーターにならないから、恥ずかしくないもんねー」
と、初めて全力で11号の玉をぶんぶん転がしてしまった。……で、筋肉痛は悪化した。
お昼御飯は、
「ぼくー、ココイチのカレーがいいな。おこさまカレーがいいな」
「俺はねぇ、カレーだったらナイルがいいな」
「あ、私はねぇ、カレーだったらシバがいいな」
3人でそれぞれ希望が異なってしまい、ボーリング場の出口で「じゃあジャンケンだ!」ということに。あー、でも私、カレーというより御飯の定食が食べたい気分なんだよねぇ……と周囲を見渡して「天狗」の看板が視界に入った。
「あ、ねぇねぇだんな。天狗は?天狗の定食は?」
「それー!それ!イイ!」
「えー、カレーはぁ?」
「天狗、天狗いいよねぇ」
「うん、天狗だよなぁ」
多数決により、息子の意向は無視の方向で昼飯は「天狗定食」になってしまったのだけれど、でもお子様ランチの存在に息子も案外嬉しそうだったので結果オーライだ。
私が頼んだのは「天狗旬彩御膳」なるもの。他の定食のほとんどが600円台なのにこれだけ780円と、ちょっとお高め定食。その分おかずが豪華で、鶏唐和風ソースがけに天ぷら盛り合わせ、ねぎとろに温泉玉子に大根とシソのサラダ、漬物、そしてお代わり無料の味噌汁と御飯がセットになっている。ランチタイムに天狗に入ったのはこれが初めてなのだけれど、思いのほか混雑していて、席は7割以上が埋まっていた。700円出してお釣りがくる価格て「牛すき焼き定食」なんかが食べられるのだから大変にお手軽だなぁと思う。しかも御飯と味噌汁お代わりできるのだ(←重要)。
「そう、重要なんですよ、御飯のお代わりは」
だんなは力説する。特に牛すき焼き定食の場合、すき焼きをおかずに御飯を1膳いただいた後、御飯お代わりをいただき、最後に"すき焼き食べるのに使った生卵の残り"をかけて食べるのが最高なのだとか。で、今日もちゃんとそれを実践しているだんななのだった。私はさすがにおかずがあれこれあったのでお代わりはもらわずに、せっせとおかずを食べまくる。
天ぷらは海老とイカとししとう、「魚の小鉢」とメニューにあった一品はねぎとろだったのも嬉しかった。わーい温泉玉子だ、わーいねぎとろだ、わーい唐揚げだ、と、いかにも居酒屋チックなちょっと濃いめの味のあれこれをもぐもぐ。この界隈、ランチにこういう定食を食べられる店はそんなに多くなくて、これからもこの手のものが恋しくなったら活用させていただこうと密かに思ったのだった。
息子のお子様ランチには海老フライやフライドポテト、ナゲット(白身魚のフライだったかな?)、ふりかけ御飯の他にオレンジジュースとプリンがついてきていて、それもほんのり羨ましい内容だった。全員綺麗に皿を空にして、満足満足。
手巻き寿司〜♪(たーっぷり〜♪)
ビールとか日本茶とかりんごとか
昼御飯、カレーじゃなくなっちゃったから、夜にカレーだな。うん、そだな。と、カレーの材料買って帰って、家で仕込み。今回はビーフカレーだぞー玉ねぎいっぱいだぞー、とあれこれ仕込んで、じゃあ御飯も準備しようねと計量して吸水させたところで義弟から
「今日手巻き寿司やるけど食べに来る?」
と連絡があった。手巻き寿司は嬉しい、すっごく嬉しいけど、ここまで御飯の準備をしちゃったところでの誘いは、ちょっと困るものもある。
「断って、家でカレーか?」
「それともカレーはとりあえずうっちゃって、寿司か?」
しばし家族会議を開き、「スシ!」ということになった。息子が「おみせにいくの?おばあちゃんちで食べるの?……ふーん」と、ちょっと心配そうな顔をした後、おもむろにだんなの実家に電話をかけて
「あのね、たまごといくらはあるのかな?あるの?あるなら、食べにいくね」
と確認をしていた。息子……玉子といくらがなかったら行かないつもりだったんですか、もしかして……。
で、せめて自分たちの飲みものくらいは持っていこうと、スーパーで冷えたビールを買い込んでだんなの実家に。義妹は外出中ということで、お義母さんとお義父さん、義弟と私たち3人の6人で食卓を囲むことになった。どーんとたっぷり色々用意してくれたお義母さん、ブリにサーモンにスズキの昆布じめ、イワシの卯の花漬け、いくらに玉子に納豆に漬物各種にキュウリや貝割れ大根、食卓から溢れそうなほどあれこれ用意されていた。遠慮なくたーっぷりあれこれいただいて、たーっぷりあれこれ飲んできた。
"慣れ寿司"みたいな味のものが大好きな私は卯の花漬けが気に入ってもりもりと食べてしまい、
「最後の1切れ、誰か食べな〜い?」
「はいっ、私いただきますっ」
と、最後の1切れまできっちりいただいてしまう(ヨメとしていいのか、それで……)。
「そうか、由紀さんはそういうのが好きか」
うんうん、とお義父さんに頷かれるし。
息子は"遊んでくれるお兄ちゃん"とおおいに慕っている義弟くんとゲームしに彼の部屋に消えていき、食後はだらだら1時間くらい居間でお義父さんお義母さんとおしゃべり。あちこち海外旅行に行っているお2人からヨーロッパ旅行の話を聞いたり、
「ほんっとにね、海外の食べ物ってね、ダメなんだよね」
というお義父さんの、「悲しかった食べ物話」を聞いたり。鶏肉ダメ羊肉ダメ、香菜やナムプラーみたいな異国の風味がするものも全般的にダメ、というお義父さんは旅行先での食生活は大変につらいものであるらしい。韓国のキムチ臭さは許容範囲(というか大好き)だけれど、中国でさえ、「中国四千年の匂いがしてきて、もうダメ」なのだそうだ。
「由紀さんは、だいじょうぶかそういうの」
「ええ、大丈夫ですねぇ〜……今のとこ、どこの国でも"これはダメ"というのはなかったですね」
「アフリカとか中近東も大丈夫か、シシカバブーとか」
「ああ、ああいうのも大好きです!」
「そういう人は、いいよねぇ……海外旅行、楽しいよなぁ……」
お義父さん、久しぶりに息子たちとお酒を飲めたのが嬉しかったのか、終始御機嫌でいろんな話をしてくれた。結婚当初は私の事を何と呼んで良いのかというのにも戸惑っていたみたいだけれど(で、私も父親がいない生活が長かったので、これまた父親の存在というのに慣れてなくて)、最近徐々に円滑なコミニュケーションが取れるようになってきた。
帰りがけには、またもやお義母さんから「福袋」状態に色々な食材をいただいて、帰宅。袋の中にはシリアルとかサーモン缶とかドリップコーヒーとかあれこれあれこれ詰まっていた。