食欲魔人日記 06年10月 第1週
10月1日 日曜日
ひさしぶりに、回ってないお寿司など
海浜幕張 「寿司やまと」にて
 極み握りセット \1680
 光もの3貫セット
 生ビール

ここしばらく週末でもきちんと朝8時頃には目を覚ましていたのだけれど、ここしばらくの激ジョブで疲れが溜まっていたのか今日は10時近くまで爆睡。久しぶりに朝寝が堪能できて、ちょっと嬉しかった日曜の朝。

予定では家で卵御飯と味噌汁の朝御飯を食べて、しかる後に幕張でお買い物して、幕張で軽くお昼など食べてきつつ、午後はテレビで野球観戦(←阪神×中日三連戦最終日)……というあらすじになっていたのだけれど、出だしからもう「朝御飯じゃないじゃん、もう昼御飯じゃん」ということに。だんなが一度行ってみたかったのだという幕張のお寿司屋さんに行くことになった。「スーパー回転寿司やまと」チェーンの1店らしいけれど、幕張のお店は回っていないお寿司屋さんなのであるらしい。回ってるのも回ってないのも、「やまと」に入るのは多分これが初めてだ。

「週末の今日はこれがおすすめですよう!お安いですし」
とお店の人に勧められたのが「極みセット」なるセットもの。通常価格2250円が土日は1680円になるのだそうで、それにあら汁とサラダもついてくる。中トロ2貫、アオリイカ、子持ち昆布、活赤貝、厚焼玉子2切れ、海老、ブリ、とろサーモン炙り、いくら、穴子一本という内容で、なかなかお得かもしれない。「あんきもポン酢」などの魅惑的な文字列もメニューや店内の札などにあったのだけれど、
「これ、これも食べたい」
と、光りもの3貫セットを足してもらって食べてきた。ついついビールも。

中トロはあんまり中トロっぽいトロンとした感じがなかったように思ったけれど、でもブリや赤貝、アジやサンマの握りはとても良い感じ。口の中に入れた途端にとろけるようなブリが最高で、金目鯛が入っていたらしいあら汁もこっくりした味で美味しかった。

食後は息子の長袖シャツの買い物などしつつ、カルフールでお買い物して帰宅。我が家近所じゃもう売られていないキリン樽生ブラウマイスターが、カルフールにはまだまだまだまだ残っていて、ついつい3本もお買いあげ。牛乳や500g入りマカロニ箱、トルティーヤチップなども買ってしまい、ヒーヒー言いながら帰宅した。帰りがけにパラパラ降ってきた雨はその後すぐに本降りになってきて、関西方面は更に大雨だったらしい。野球は中止になっていた。午後は家でごろごろしつつ、つい暇だから仕事など始めてしまう。

ほたるいかの沖漬・チャンジャ
チーズ(テテ・ド・モワーヌ)
茄子ときゅうりの塩揉み
焼き茄子
秋刀魚の塩焼き おろし醤油
舞茸入りとり豆腐
羽釜御飯(新米!)
ビール(キリン樽生 ブラウマイスター)

昨日買ってきた、安売りの国産鶏もも肉。秋田の母がよく作ってくれた吸い物を作ろうと、舞茸と豆腐も一緒に買ってきていたのだけれど、
「じゃあ、いっそのこと、とり豆腐にしない?」
と話が盛り上がる。「とり豆腐」は、銀座にある「三州屋」という飲み屋(昼は定食屋さん)の名物料理(こんなの)。当初の予定の吸い物は鶏肉・ごぼう・舞茸・三つ葉・場合によって大根や人参や豆腐あたりが材料であり、一方「とり豆腐」は鶏肉・豆腐・春菊が材料。とり豆腐にするとして、でも美味しそうな舞茸も買ってきちゃったから入れてもいいかなぁ?などと話しつつ、出かけたついでに春菊を買ってきた。寄ったスーパーがチーズの品揃えが充実しているカルフールだったもので、ついチーズも買ってしまったりして。

とり豆腐、まずは昆布と鰹節でだし汁を取ることから準備スタート。濃いめのだしを準備して塩と薄口醤油で吸い物よりちょっと薄めくらいに味をつけ、適当に切った鶏もも肉を加えて煮込んでいく。途中で豆腐や舞茸も足し、最後の最後に春菊散らしてできあがり。そうそうこんな感じ、という、理想に限りなく近いとり豆腐がちゃんとできた。あとは焼き茄子に塩焼き秋刀魚で、なんだか今日はすっごい御馳走な感じの食卓。私は茄子も秋刀魚も大好きなのだ。

しかも今日は、届いたばかりの精米仕立ての新米。「新米は9/30に初出荷です」というのを買い求めて、それが今日の午後やってきた。今年のあきたこまちも超美味しい。今年は台風の被害もなく、9月に寒暖の差が強くなって(←強い方が美味しいお米になるんですって)、良いお米がどっさりできたのだそうだ。嬉しいなぁ、美味しいなぁと、家族3人で2合完食。多分誰よりも息子が喜んで食べていた。「今日のお米おいしいね!すんごく、おいしいね!」だそうで、ほんとに秋は色々と美味しい季節。

10月2日 月曜日
醤油味醂味強化週間
卵御飯
とり豆腐
麦茶

お豆腐1丁入れちゃえ、春菊1束入れちゃえ、とダイナミックに作ってしまった昨夜のとり豆腐。3日くらいかけて食べるつもりでいたのだけれど、昨夜と今朝で綺麗になくなってしまった。……なんでだろう。

「舞茸は、入れると美味しいけど汁の色が悪くなるんだよね」
「そうそう、吸い物なのかもすーぐに色悪くなっちゃうんだよ……」
やっぱりとり豆腐は黄金色に澄んだスープがキモなわけだしね、今度は舞茸と春菊は別鍋で火を通すことにしなきゃね、などと「とり豆腐反省会」を兼ねた朝御飯。御飯には生卵をかけて食べた。おたまはん、美味しいよ。甘さの少ない関東味のを使っているけれど、今度見かけたら甘さのある関西味のも買ってきてみることにしよう。

ピーナッツバタートースト
アイスティー
カスピ海ヨーグルト with はちみつ

今日も1日お仕事お仕事。数日後に旅行を控えていて、今回は仕事ができないどころかメールチェックすら難しい予感。帰ったら必死に仕事をする予定だけれど……旅行に一緒に行くということで明後日から数週間、母が上京するのだな……仕事できるのかなぁ……。

そんな感じで必死にモニター睨みつつ、手早く済ませた昼御飯はトーストにピーナッツバターこてこて塗って、アイスティー添えて。はちみつひと垂らししたカスピ海ヨーグルトも少しばかり食べた。

私は乳製品が心から大好きで、冷蔵庫に牛乳もヨーグルトもチーズもバターも生クリームもないという状況になった日には不安で不安でたまらなくなってしまう。今は牛乳もたっぷり(旅行前なのに……)、ヨーグルトもチーズもたっぷり。すごく幸せ。

きゅうりの磯和え
れんこんのきんぴら
肉じゃが
大根と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(キリン樽生 ブラウマイスター)

海外旅行前ということで、ただいま「醤油&味醂味付けの強化週間」。冷蔵庫に薄切り豚肉も薄切り牛肉も買ってきてあったのだけれど、
「……たまには関西風の肉じゃが??」
と思い立って、牛肉の肉じゃがにしてみた。そう、関東では肉じゃがと言えば豚肉なのだけれど、関西では肉じゃがと言えば牛肉なのだそうで。東北出身の母が作る肉じゃがもやっぱり豚肉の肉じゃがだったので、牛肉を使った肉じゃがは、私にとっては「牛肉の肉じゃが」と注釈をつけたくなる食べ物になる。

作り方は、小林カツ代さん&ケンタロウさん親子のレシピで。フライパンにて最初に玉ねぎを炒め、玉ねぎがしんなりしたら鍋の中央をあけて肉を投入。適当に炒まったところで肉めがけて醤油と味醂と砂糖を加えて、その調味料を肉と玉ねぎによ〜く絡めてからじゃがいも並べて水を注ぐ。水の分量はじゃがいもの頭が出るくらい。で、終始強火で、蓋をして十数分煮込むだけ。途中、適当にじゃがいもはひっくり返して全体的に良い色になるように、良い具合に煮詰まるように少しだけ気をつける。

丁寧にだしを取ったりしなくても、これでじんわり味が染みた良い感じの肉じゃがができるので、我が家の肉じゃがはもっぱらこの作り方になった。短時間で水分少なめででガーッと煮るからじゃがいももあんまり煮崩れない。豚肉の肉じゃがも美味しいけど、牛肉の肉じゃがもすんごく美味しいな。

あとは冷蔵庫の中の野菜を片づけていきましょうということで、きゅうりは酸味少なめの磯和えに。れんこんはベーコンと一緒にきんぴらに。半端に残っていた大根は油揚げと一緒に味噌汁にした。夕方ぎりぎりまで仕事していたから準備時間は45分くらいしかなかったのだけれど、それなりに整った夕食の食卓になってくれて一安心。いよいよあったかい煮物が美味しい季節になってきたなぁと思いつつ、肉じゃがは息子にも好評だったようで何より。

10月3日 火曜日
あぶそば。
ホットドッグ
カスピ海ヨーグルト with はちみつ
アイスカフェオレ

筑波で買ってきた、いかにも美味しそうなソーセージ。そのまま炙って晩酌の肴にしても良かったのだけれど、やっぱりここはホットドッグでしょう!と、週末にドッグパンを買ってきた。我が家定番の炒めキャベツは抜きで、パンとソーセージとチーズだけのホットドッグを作って食べる。チーズは、だんなが先日カルフールで目をキラキラさせてカートに入れていたチェダーチーズのスライス。いかにもなオレンジ色のチーズをソーセージの上からふわりとかけてオーブンに入れて焼くこと4分。とろんとチーズが溶けた美味しいホットドッグができた。

チェダーチーズは美味しいねぇ〜と、うっとりしながらもぐもぐもぐ。

レタスと豚ひき肉の炒飯
大根と油揚げの味噌汁
麦茶

明後日から旅行!明々後日の午後には青い海白い砂浜の前!と自分を励ましながら今日もお仕事。……全然減らない。どころか増えている。なんでかなー……。

それでもでっかい1つの仕事は「ここまでやったよ。いかがでしょう?」と先方のご意見待ちの状態にまで持っていけたので、そこで遅めのお昼御飯にした。豚ひき肉(←薄切り肉をどかどか叩いてミンチにした)と葱と卵で醤油と塩で調味したごくごく普通な感じの炒飯に、最後にちぎったレタスを混ぜるだけ。昨夜の残りの味噌汁と麦茶を用意して、準備時間10分、食事時間10分の簡単な昼御飯だ。

お焦げみたいな、御飯がカリッとしたような炒飯が食べたいなと思って、今日は中華鍋ではなくスキレットで作ってみた。中華鍋をふるうようにはスキレットは動かせないけれど(何しろ重い)、代わりに熱した鉄板はちっとやそっとじゃ冷めないので、スキレットの上で木べらをさかさかと動かしているだけでそれなりにそれっぽい炒飯がちゃんとできあがってくれる。強火で炒めていたら、ちゃんともくろみ通りのお焦げっぽい炒飯ができて大満足だ。レタスうまー。

「東京麺珍亭本舗」の油そば 半熟玉子乗せ
ほうれん草のおひたし
アイスウーロン茶

冷蔵庫の中に「東京麺珍亭本舗」の油そばの麺とタレと、半熟玉子が3セット残っている。麺は冷凍にもできるけれど半熟玉子はさすがにそろそろ食べてしまわなきゃと、本日の夕飯は油そば。セットになったメンマ乗せて海苔を散らして半熟卵を割り落として、あとは野菜が欲しいなとほうれん草を茹でて添えた。

茹でたての熱い麺にラー油の風味の醤油だれを絡めて食べる「油そば」。強いたれの味に負けない太麺の具合とか、ほんのり酸味が漂うがっつりとしたたれの味なんかがいちいち私とだんなの好みに合っていて、ことにだんなは大はまり。「うお、セールしてる!」「うお!送料キャンペーンが!」などと、セールの案内メールが来るたびになんだかわくわくしているのだった。で、12玉買って、半熟卵は6個買って、麺の半分は冷凍庫に移動していただいているのだった。

だんなは仕事で遅いということで私と息子で先に2人で食べていたのだけれど、夕食の話題は「学校給食について」。

「君は、御飯の日とパンの日と、どっちが給食嬉しいの?どっちも?」
息子は白い御飯が大好きだしなぁと想いつつ聞いてみたら、予想に反して
「パンとジャム!!」
だそうで。

「パンとジャムが最高!……あ、でもねぇ、本当の最高はパンとシチュー!!うめえぇぇぇぇっって、感じよ?」
と熱っぽく「パンとシチューの組み合わせのすばらしさ」について語られてしまった。給食でどうしても食べられないものは「イカ飯と、梅干し」だそうで、それが出ちゃうとおかわりできない(←おかわりして良いのは「全部食べた人だけ」という決まりなのだそう)んだよ、ほんっとにつらいよ、だそうで。

明日の給食は
クロワッサン・スパゲティミートソース・ほうれん草とコーンのソテー・ピーチ・牛乳
という、なんだか御馳走な内容。いいなぁ、美味しいものだらけだ。

10月4日 水曜日
秋鮭白子と鮭はらすの博多焼、ですって。うまー!
ホットドッグ
アイスカフェオレ

ドッグパン、あと4個。1個は冷凍しておけばいいかな……と、チーズ入りのソーセージを冷蔵庫から出して、こんがり炒めてからパンに挟む。挟んだところで「このソーセージはチーズ入りである」ということを綺麗に失念してしまい、何も考えずにチェダーチーズをトッピングしてオーブンに入れてしまった。おおう、ダブルチーズです、ダブルチーズになってしまいました。

「……チーズ入りのソーセージだったのに、思いっきりチェダーチーズ乗せちゃったよ……?」
懺悔の気持ちでだんなに方向したのだけれど、だんなからは「いいじゃん、俺、チーズ好きだし?」と軽やかな返事があった。そう、我が家にはチーズが多くて文句を言う人は誰もいない。私も言わない。

そういうわけで、昨日よりも濃厚なチーズ味のホットドッグ。ソーセージの中に詰まったチーズはチェダーチーズの存在感に負けない美味しさだった。

おうちで弁当
 豚肉と舞茸のオイスターソース炒め
 ほうれん草のおひたし
 醤油味の卵焼き
 海苔挟み御飯
 いぶりがっこ
麦茶

今日はお弁当が欲しいなとだんなに言われ、冷蔵庫の中身もほどよく弁当が作れそうな状況でもあり、今朝はちょっと久しぶりなお弁当作り。豚肉を舞茸と炒め合わせて酒と塩とオイスターソースで調味したものをメインに、あとはありものでほうれん草と卵焼き。
朝、せっせと鍋をふるっていたらなぜか「星空の下のディスタンス」が頭の中を流れ初めてたいそう困る。しかも流れる歌詞は適当だ。
「た〜とえ5万マイル♪はーなーれーてもー♪」(←5万マイル違う、本当は500マイル)
「夜がー来て♪また朝がー来る♪……あたりーまえ♪」(←もうめちゃめちゃ)
アルフィー、けっこう好きだったんだけどなぁ。変な歌にしてしまってごめんよアルフィー。

歌は適当だったけれど、お弁当はできた。おかずがたっぷりできたので私の分のお弁当もできた。

今日は恐怖の母上が上京する日。必死で仕事をしたいところだけれど、ともかくも家中の掃除をしておかなきゃいけない。トイレやお風呂のマット類を綺麗に洗濯しなおして、家中にみっちり掃除機かけて、ハンディーモップも駆使しまくって、そして午前中は終わってしまった。
ちょっと濃いめに味をつけた豚肉と舞茸の炒め物はたいそう美味しかった。醤油で揉んでおいたほうれん草のおひたしがちょっと薄味だった分、全体としてはなんとなくバランスがとれていた感じ。

「銚子丸」にて
 あんきもポン酢
 銚子産いわしのピリ辛ネギ揚げ
 秋鮭白子と鮭はらすの博多焼
 中トロ握り
 あぶり3カン
 秋の3カン
 生しらす軍艦
 生鮭の西京握り  たらば蟹握り
 本まぐろカマ中おち手巻  生ビール
……など。お腹いっっぱいになりました……

そして午後3時、「あー、まだお昼食べてなかったのよー!」と、ミスタードーナツの箱を抱えた母がついにやってきた。自分のお昼分だけかと思いきや、箱の中には6個ほどのドーナツが。……明日からお出かけするんですが、このドーナツは一体どうしろと……?と思いつつ、学校から帰った息子がおやつとして嬉しそうに1個頬張っていた。私も1個。母は2個を平らげて、「ん、あと、なんとかしておいて」と。……うわーん。相変わらずだ。

ともかくも、御馳走作って歓待したいところだけれど、今日生ゴミを作るわけにはいかないのである。明日から旅行で、明日はゴミの日じゃないのである。生ゴミ放置して何日も家を空けるのはちょっと……ということで、夜は外食。買い忘れていたコンセントの変換プラグなどを買いがてら、仕事を終えただんなとも合流して4人で銚子丸でお寿司食べてきた。最初におつまみ類を数種類一気に頼んで、ビール飲み飲み、続いてお寿司ももりもり。大人3人でおつまみつつけたので、いつも以上に色々と楽しむことができた。

前回に続いて「あんきもポン酢」も注文し、そして今日初めて食べたのが期間限定品らしい「秋鮭白子と鮭はらすの博多焼」。マヨネーズと明太子で「博多焼」なのかどうかはわからないけれど、白子とはらすが鍋に盛られ、明太子添えてマヨネーズかけて焼く……という、ただそれだけな感じのもの。でも、マヨネーズの風味が絡んだ焼け白子がビールに合う合う。はらすも最高。
「あらー、あんきも……私食べたことあるかしら?」
白子も食べたことあったかなぁ……などと呟きつつ、母も果敢にあれこれ挑戦してみていた。揚げたてのがやってきた揚げいわしもとても良い感じ。

今はちょうど「3カンフェア」なるものをやっているようで、1皿に3種類1カンずつ盛られたセットがとても充実。「生さんま炙り、とろサーモン炙り、本まぐろ中とろ炙り」がセットになった「あぶり3カン」に、「生すじこ、銚子地もの真さば、戻りかつお」がセットになった「秋の3カン」。生すじこも真さばも美味しかったけれど、今日は生さんまの炙りがとろけるような幸せな美味だった。

最後の最後に、ついつい1皿1050円の「たらば蟹握り」などに魔が差してしまって、だんなと半分こ。とろけるー!ぷるぷるー!なんじゃこりゃー!な、口一杯に頬張らなければいけないほどの太い蟹肉は……なんというか、「ポイズン」だった。こんな美味しいもの食べちゃいけません!人間がダメになります!という感じ。最後の最後にとんでもなく美味しいものを口にしたものだから、胃までびっくりしているようだった。

もうお腹いっぱいよ、と言いつつも目の前に回ってきたコーヒーゼリーをしっかり手にして食べ始めた母、
「……うん、焼き肉もねぇ、こないだ来た時食べて以来だわね」
……そうですか、今度は焼き肉ですか……(胃腸薬準備しとこうかな)。

10月5日 木曜日
「Johan」の
 コーンパン・ツナパン
カフェオレ

秋田からやってきた母、昨日はうきうきと千葉三越内のパン屋さん「Johan」で朝食用のパンを買っていた。
「そうそう、こんなの、こんなのが食べたかったの〜」
と、巨大な洋梨が乗った甘そうなデニッシュをトレイに乗せていて、あとは籠に山盛り売られていたコーンパンも。私たちも自分たち用のコーンパンやツナパンを買ってきた。

朝御飯は、あったかいカフェオレと、買ってきたパン。小麦粉の良い香りがする、コーンたっぷりのコーンパンはJohanの人気商品のひとつで、軽く温めて食べるととても美味しい。でも、
「……あ、私コストコのコーンパンの方が好きかも……」
と、値段半分以下(いや、1/5くらいかもしれない)のパンの方が恋しくなってしまった自分に苦笑い。

稲毛 「Trattoria Vino」にて
 パスタセット
 ミニビール

今日は息子が終業式を終えて帰宅するのを待って旅行に出発する予定。だんなもそれに合わせて午後に仕事を終えて帰ってくるとのこと。てっきり終業式の日くらいは給食なしで帰ってくるのだろうと思っていたのだけれど、今日まできっちり給食があるらしいのだった。……で、昼間は母と2人で荷造りやら出発の準備やら。

昼御飯は、
「やっぱりね、由紀ちゃん家に来たらここに来ないと始まらないわね」
という母のお気に入りのお店「Trattoria Vino」に。昼はランチとピッツァがメインだけれど、割としっかりとした「イタリア料理」を食べさせてくれる、この界隈では貴重なお店だ。パスタランチは確か900円弱。スープとドルチェもついてくるピッツァランチだと1500円弱、という感じ。母はこのお店のパンナコッタがそれはそれは好きなのであるらしかった。

3種類から選べるパスタセットから、私は「ツナとキャベツのトマトソース スパゲッティーニ」を選び、母は
「やっぱりピザよね、うん、ピザよ」
と、ピッツァセット。ピッツァセットには無料でついてくる「本日のミニデザート」はミニティラミスということで、残念ながらパンナコッタの用意はないらしい。じゃあデザートはティラミスで良いねと私にもそれをつけてもらい、ついでにミニビールもついついつけてもらってみたり。

母のピッツァランチは週がわりでピッツァとスープが変わるらしい。今日のピッツァは「ハムと半熟卵のピッツァ」で、スープは「あさりと水菜」。
「ピザね、食べたかったけど全部はいらないのよ?由紀ちゃん半分食べてね」
「じゃあ私のパスタ手伝ってよ、半分食べてよ」
「……あんまりいらないわ、それニンニク臭いもの」

そうだった、母はニンニクが大嫌い(そのくせイタリア料理は好きだそうで……)だったんだ、と思い出しても後の祭りで、
「じゃあピザはがんばって食べなよ、2切れくらいは手伝うから」
「ううん、ピザ半分で良いの」
相変わらずこのヒトは我が儘だ、と思いつつ、せっせとピッツァを手伝いつつトマトソース味のパスタも食べる私。柔らかく火が通ったキャベツとツナがどっさり入る、ニンニクががっつり効いたパスタは今日も美味しかった。中央に黄身がとろんとろんの卵が乗った薄焼きピッツァも良い感じ。
でもさすがに、デザートのミニティラミスをいただく頃にはすっかり満腹になっていたのだった。相変わらずです、私のママン……。

JAL機内食
 アップルジュース
 牛肉とじゃが芋の旨煮 山菜御飯添え
 胡麻風味のシーフードマリネとチキンパストラミ
 ポテトサラダと中華クラゲ
 フレッシュサラダ
 バナナのパンナコッタ
 ロールパン バター
 煎茶

午後3時、息子も帰ってきて、いざいざ旅行に出発。マニラ行きのJAL便に乗り、今日の目的地はマニラ。一泊して明日には今回の旅の本当の目的地、パラワン諸島の1島1リゾートのホテル「Club Paradise」に向かうことになる。

この飛行機は揺れに揺れて、ちょっと大変だった。配膳中、ちょうど我が家のところまで御飯が渡されたところでシートベルト着用サインが点灯してしまい、
「あー、ビールも欲しいんですけどー」
とリクエストする暇もなく乗務員さんたち全員が避難してしまうことになり、「あああ、ワゴンにサンミゲールが乗ってたの気になってたのにー」と思いながらちょっと切ない夕御飯。十数分後、私たちがようよう食べ終わった頃にやっとシートベルトサインが消えて、私たちより後ろの席の乗客にあわただしく配膳の続きがなされたのだった。私たちはもちろん、後ろのお客さんたちも「一緒にアルコールはどうですか?」と聞いてもらえる余裕のない、揺れ揺れのフライト。ちょっと泣けた。

機内食は、案外とちゃんと美味しかった肉じゃがと、これまた悪くない味だったシーフードマリネやチキンパストラミ。デザートは甘い甘いバナナ味のパンナコッタだった。ちなみに息子のチャイルドミールは海老ドリアやお寿司が乗っていて、いつもながらとても美味しそう。

Manila 「HYATT Regency Manila」にて
 カラマンシー(冷たいの)

夜10時過ぎ、マニラに到着。なんとかホテルの送迎車に乗り込んでホテルに着いたは良いけれど、リクエストした(予約後、出発の数日前にリコンファームまでしておいた)「コネクティングルーム」が全く準備されていなかった。「「4人で2部屋」という予約は入っていたけど、コネクティングルームのリクエストはどこかに飛んでしまったみたい。

「はい、4名様……別フロアになります」
「……え?だって、コネクティングルームをお願いしますって、リクエストしましたよ。了解しましたってお返事もらいましたよ」
「えー……コネクティングルーム……は……あいにく空いていませんで……では、同じフロアの部屋を、なんとか。ただお部屋の用意に10分ほどいただきたいのですが……」
「……それでいいです、同じフロアでいいです、待ってます」

と、深夜11時にフロントで押し問答。結局、「これを使って待っていてください」とドリンクチケットをいただいて、ジャズの生演奏が鳴り響く中、ロビーフロアにあるバーの隅っこでコーヒーとかビールとか好き勝手なものを飲んでいる私たちだった。私の頼んだのは「レモネードよ」と説明された「カラマンシー」という飲み物。「アイス?それともホット?」と更に聞かれ、アイスのを持ってきたもらった。甘さ強めの、黄色いドリンクをチュルチュル飲んでいるうちに、やっとお部屋の準備ができたとの報告が。コネクティングルームが用意できなかった分グレードアップしてくれたようで、お部屋は予定されていたものよりちょっと広めと思われる良い感じのものだった。手早くお風呂に入って急いでベッドに倒れこむ。……はー、つっかれた……。

10月6日 金曜日
今日のおひるごはん。魚介たっぷり。
当日の模様は旅行記でもご覧いただけます
Manila 「HYATT Regency Manila」にて
 マンゴージュース・牛乳  ガーリックライス
 蜂蜜漬けハムのグリル
 チキンアドボ
 ツナ炒め
 グリルドポテト
 塩卵
 スペイン風お粥(Arroz Caldo)
 テーブルロール・パイナップルジャム
 パパイヤ・パイン・すいか・メロン
 バナナのコンポート
 紅茶

マニラの朝。朝御飯は、宿泊プランについてきたブッフェ朝食。いわゆる普通の洋食ブッフェかなと予想していたのだけれど、あれこれのフィリピン料理が並んでいてとても嬉しかった。温かい料理のコーナーをろくに見ずにテーブルロールを1個パン皿に取ってパイナップルジャムを添えてきてしまったのだけれど、パンを取ってしまったことを激しく後悔しながらガーリックライスを盛り、お粥を持ってくる。厚切りにされた「Honey cured Ham」がほのかに甘くて柔らかくてジューシーでめちゃめちゃ美味しかった。あと、「チキンアドボ」なるスパイシーな鶏肉煮込みも。「アドボ」は「肉を甘辛く煮た料理」なのだそうで、鶏肉や豚肉が使われるのだとか。味付けには醤油や酢、にんにく、その他スパイス類が使われるのだそうで、なんとなく馴染みのある味だ。御飯にとってもよく似合う。

シメに「お粥もちょびっとだけ食べよう〜」と持ってきたのは「Arroz Caldo」(アロス・カルド)なるもの。
「あろす、かるど?」
と品名を見て呟いていたら、お店のスタッフが
「スパニッシュスタイルのお粥ですよ」
と説明してくれながら薬味をあれこれかけてくれた。甘辛い肉味噌(のようなもの)とフライドガーリック、刻み葱、甘辛いタレが上にかけられ、シークワーサーに似た緑色の小さな果実が脇に添えられてきた。お粥自体は鶏肉たっぷり、生姜の香りがぷんぷんと漂うもので、塩気もそれなりにしっかりとついた濃厚な味のもの。インドネシアなどのお粥とはまた違った感じで、パンさえ口にしていなければもう一杯食べたいものだった。

おっそろしく甘かったパイナップルなどのフルーツも堪能し、ついでに「バナナのコンポート」なるなかなかすごいもの(バナナ自体が甘いのに、それをコンポートにしたら更に甘く甘く……)なども食べてしまいつつ、急いで荷造りして国内線ターミナルに出発。

船の上で
 チーズサンド
 マンゴージュース

Palawan 「Club Paradise」にて
 蒸し野菜
 サモサ(みたいなの)
 ローストダック
 まぐろのスモーク
 炒飯
 ビール(San Miguel)
など

目的地「Club Paradise」までは、なかなかに大変な行程。フィリピン国内線のプロペラ機(19人乗り)で1時間、そしてジープニーで45分、更にボートで20分。息子は色々な乗り物に乗れてたいそう楽しかったみたいだけれど、大人たちは一同ヘロヘロに疲れる行程だった。目的のホテルに着いたのは午後1時を少し過ぎたところ。船に乗ったところで「あと少しですよー」と、紙パック入りのマンゴージュースとチーズサンド(卵や野菜も挟まってた)がふるまわれ、もぐもぐ食べつつ、潮風にあたりながらリゾートホテルに向かう。その便での到着は私たち家族だけ。たった4人のゲストのためにホテルのスタッフ7人ほどが集まって「おいでませクラブパラダイス」的ウェルカムソングを歌ってくれる中、レストランの席でチェックインの手続きしつつ、ウェルカムドリンクのチェリージュースをいただく。荷物を一度各自のコテージに置いてから、昼御飯を食べに。

このホテル(というかこの島)は電話線も通っていない。部屋の電話は内線しか使えず、外線は繋がらない。フロントからマニラのホテルオフィスに連絡はできるけれど、「無線」なのだとか。電気は自家発電で、お湯はソーラーシステムで供給されているらしい。食べ物には選択肢はなく、3食ブッフェで宿泊代に含まれている(ただしドリンクは別料金でチェックアウト時に精算する)。そんな秘境ホテルで、でも部屋には冷蔵庫もクーラーもついている。今回取った「Beachfront Deluxe Cottage」には応接セットとキングサイズのベッド、テーブルと椅子つきのウォークインクロゼットと、シャワーブースとトイレのあるシャワールーム(バスタブはなし)という構成で、20畳くらいの広さがあって、とても快適だ。

そして午後2時、すっかり遅めのお昼御飯は、コーナーに残る料理も少なめ。それでも「Roast Duck al Orange」なるアヒルの丸焼きがごっそりと残っていて、うきうきとそれを自分でカットして炒飯に添えて食べた。滞在客に欧米人が多いせいか、胸肉はしっかりなくなっていたのが面白い(欧米人はWhite Meat =鳥の胸肉がお好きなのね……)。
「もも肉、いっぱい残ってるよ」
「もも、美味しいのにね」
とだんなと言いつつ、ついついそのおかずばかりをもりもり食べてしまった私。

そしてその後は、息子に急かされて全力で息子と遊ぶ。だんなはこの2日の移動の緊張ですっかりお疲れで、到着したリゾートの空気を満喫しながらのなんとも贅沢なお昼寝に突入してしまったので、私と息子の2人でひたすらにプールと海で遊びまくる。私の母もプールサイドにやってきて、海岸で綺麗な貝を拾ったりしていた。
2時間ほどひたすら動き遊んで、
「お願いしますもう帰らせてください、私もう明日動けなくなります」
と泣き言を発して、ふらふらになってコテージに帰還。

Palawan 「Club Paradise」にて
 ハム・チーズ・焼売
 グリーンサラダ
 海ぶどうのサラダ
 モンゴリアンバーベキュー
 ローストチキン レモングラスソース
 御飯
 ミルクプリン・苺乗せチーズケーキ
 ビール(San Miguel)
 紅茶

昼寝を終えてすっきりしただんなと、さすがにお疲れ気味の母と、ゲレゲレに疲れ果てた私と、相変わらず体力絶好調(なぜだ……昨日は日付が変わってから寝て、今日も早起きだったのに……)の息子と4人で夕御飯。各テーブルにキャンドルの置かれたレストランは、昼間と変わってシックな雰囲気になっていた。ブッフェではあるけれど、布製ナプキンなど置かれて、お洒落をしてくるお客さんもそれなりにいる(でもTシャツに短パンというひとも多い)。

今日の夕飯のメインディッシュは「モンゴリアンバーベキュー」。カウンターに豚肉鶏肉、イカ、各種野菜(キャベツ、白菜、葱、にんじん、セロリ、パプリカなどなど)、ビーフン、中華麺が並んでいて、お客さんが自分で炒めて欲しいものを好きなように皿に盛りつけて炒め担当のお兄ちゃんに渡すという仕組み。味付けにはジンジャーオイスターソースと醤油、チリソースの3種類が用意されていて、それも選ぶ。麺を多くすれば焼きそばになるし、肉や魚介抜きの野菜炒めも食べられる。

「俺はやっぱりジンジャーオイスターかなー……そば入りで」
「じゃあ私は野菜多めのビーフン炒めかなー」
などと話しつつ、私は豚肉と野菜、ビーフンの醤油味炒めを作ってもらった。醤油と言ってもサンバルのようなちょっと甘めのとろみのあるもので、トッピングに揚げにんにくなどを散らしてくれるからしっかり異国の味になる。母はにんにく抜きの醤油炒めを作ってもらっていた。それが今日のメインのおかずということで、ブッフェ台にあったビーフシチューはいただかず、ローストチキンは1切れ囓る程度に留めてみる。甘口の炒め物はサンミゲール(フィリピン国産ビール)にすんばらしく良く似合っていた。

デザートは、苺の果実とソースをかけたベイクドチーズケーキと、コンデンスミルクの味が濃厚な甘い甘いプリン。
今日はとにかく疲れ果てちゃって、夕御飯の後はまだ9時にもなっていないのに倒れるようにベッドに向かうことになったのだった。

10月7日 土曜日
プールサイドのフレッシュマンゴージュース。すっごく美味しい。
当日の模様は旅行記でもご覧いただけます
Palawan 「Club Paradise」にて
 お粥
 "Beef Tapa"
 ツナのソテー・ベイクドビーンズ
 ハム・チーズ
 トマト入りのスクランブルエッグ
 マンゴー・パイナップル
 パパイアジュース・紅茶

昨夜はあまりに早くに寝たもので、朝6時には目が覚めてしまった。フィリピンのこの季節は雨期。台風シーズンということもあってか、今朝も朝からどんよりと厚い雲が空を覆っている。曇り空でも美しい海なのだけれど、青空の下だったら本当の本当に綺麗なんだろうなぁと思いつつ、少しお散歩。ほどなく息子も起きてきて、
「そうだ!ぼく、昨日と一昨日の日記を書かなきゃいけないんだよ」
と言い出したので、コテージのテラスにパソコン持ち出して、コテージ備え付けのハンモックの脇で息子は日記をつけていた。

午前7時過ぎ、皆で朝御飯。ワッフルとオムレツをカウンターで焼いてくれるようになっていて、ワッフルにはチョコシロップかメープルシロップをかけてくれ、オムレツにはチーズや玉ねぎ、マッシュルームやハムなどを好みで入れてくれる。お粥もあったので、私の今日の朝御飯はお粥メイン。「Beef Tapa」なる牛肉の甘辛煮のようなものや、フィリピンに来てから毎日見かける"ツナ炒め"、あとはハムやチーズ、トマトと玉ねぎ入りのスクランブルエッグ、などなど。

だんなが玉ねぎ、ハム、マッシュルーム入りのオムレツを焼いて貰っているのを見た母と息子が
「あ、私もオムレツ」
「ぼくも!ぼくもオムレツ!」
と言い出して、テーブルはオムレツだらけ。薄く焼かれたオムレツは、オムレツと言うより「卵焼き」に近いものだったけれど、どれもとても美味しそうだった。明日は私も焼いてもらおう。

Palawan 「Club Paradise」にて
 サラダ・アーティチョークのマリネ
 マグロの刺身
 イタリア風ローストチキン
 海老炒め・蒸し蟹
 スシ(マグロ・マンゴーチーズ・卵)
 オートミールクッキー
 すいか
 ビール(San Miguel)・アイスティー

やっぱり今日は一日どんよりな空模様なのかしらと思いきや、
「とりあえず海に入ってみますか?」
と水着に着替えてコテージを出たところ、厚い雲がすっかりなくなって、青空が見え始めていた。ほどなく綺麗な空模様になり、青い海が一層青く輝き出して、海岸からざぶざぶ水に入ってシュノーケリング。ホテル周囲の海岸は遠浅というわけではなくて、波打ち際からものの10mも直進するとすぐに背が立たなくなってしまう。代わりに足下は見事な珊瑚礁になっていて、水中を覗くと熱帯魚が大量に泳いでいるのだった。うわぁ、こんな海初めてだ。素晴らしく綺麗だ。

各自ライフジャケットを着用してみたり浮き輪を使ったりしつつ、海の中を眺めて1時間ほど。その後はホテルのプールでひとしきり遊び、そうこうしているうちに昼御飯時になった。

毎食ブッフェのこのホテル、当然昼御飯もブッフェ料理。それでも飽きさせないようにとの配慮か献立は豊富で、今日のメニューのひとつには「Sushi」の名前があった。海苔を外に巻いたジャパニーズスタイルの寿司はまぐろと玉子、そして一見「玉子とたくあん?」という印象の黄色いもの2つを巻いた巻物。食べてみたら、「マンゴーとチーズの巻き寿司(わさびつき)」という、仰天のシロモノだった。……けど、これがどうしてなかなか美味しい。マンゴーの酸味と甘みとチーズのコクが、不思議とさほどの違和感を感じさせずに酢飯と海苔とわさびの味に馴染んでいる。
「うわぁ……すごい組み合わせのお寿司だけど」
「だけど、けっこういけるよねぇ?」
と、だんなと私でもぐもぐ食べた。他にもマグロのお刺身もあったりして、他のお客に大人気の模様。すごい勢いで無くなっていった。

Palawan 「Club Paradise」にて
 プールサイドでバナナシェイク

午前はたいそう遊びまくった。お昼もしっかり食べた。じゃあ1時間くらい食後の休憩をしましょうか、という気分の大人たちだったのだけれど、息子は全然疲れた様子がない。
「じゃあ、また泳ぎましょう!プール行きましょう!」
と、部屋に戻るなり一度脱いだ水着の再着用体制に突入している。こりゃダメだ、部屋で休憩などさせてくれそうにない……と、午後も全力で、海で遊んだりプールで遊んだり。だんなに息子の世話を託して母と2人で海で少しばかり遊んできたのだけれど、戻ってみるとだんながほとんど燃えカスと言っても良いくらいに疲れ果てた様子になっていた。で、皆でシェイク飲んで休憩。

全体的に観光客価格になっているこのホテルの飲料なのだけれど、ビールに関してはすっごく安い。コーラやアイスティーなどのソフトドリンクは$1.5、でも国産ビール(サンミゲール)は$1.65。新鮮なマンゴー果肉をミキサーにかけたフレッシュジュースは$1.75、そしてシェイク類は$2.50。
試しに注文してみたマンゴーシェイクやバニラシェイク、バナナシェイクなどなどはどれも素晴らしく美味しくて、
「うわ!うま!」
「あ、こんなにたっぷりでこんなに美味しいなら安いかも」
「そうだよねぇ、これで300円ちょっと、って事だもんねぇ」
と皆で大騒ぎ。

あまりこってりした味ではなくて、バニラシェイクもさっぱりとした甘さ。そのまま食べても甘く美味しい果実をミキサーにかけてくれるので、どれも果実の甘さが濃厚に味わえて良い感じ。

で、休憩しましょうとシェイクを注文したはずなのに、飲み干すなりコップを置くやいなや
「飲んだ!じゃあ、泳ごっか!」
とすぐに席を立ってプールサイドに走っていこうとする息子。だんなは真剣に「お前の電源スイッチはどこにある?ちょっと切ってみ、いいから切ってみ」と息子に向かって詰め寄っていた。

Palawan 「Club Paradise」にて
 サラダ・スモークフィッシュ
 揚げシューマイ
 3種類のマッシュルームのソテー
 ラプラプの醤油蒸し
 ローストプライムリブ
 パエリア
 "Buko Salad"
 ビール(San Miguel)
 ワイン(オーストラリア産シャルドネ)

今日の夜はダンスディナー。夕食自体は普通のブッフェだったけれど、食べ終えた夜8時から1時間ほど、ブッフェ台の横のテラスで1時間ほどダンスショーが繰り広げられた。ダンサーはホテルのスタッフたち。飛行場からホテルまで添乗してくれた小柄な丸っこいスタッフのおっちゃんが、実に器用に何種目も踊りまくってくれてたいそう楽しかった。最後には宿泊客参加のバンブーダンスもあって、手を引かれた息子が参加して器用に踊って他のお客さんたちから喝采を浴びていた。

今日の夕飯のメインディッシュは「Roasted Prime Rib」。大きな牛塊肉をじっくり焼いたものを目の前でスライスしてくれ、グレービーソースを添えていただく。脂身のあまりない赤身の肉で、変にギトギトしていないのでいくらでも食べられてしまいそうな危険な存在。ついつい他のおかずそっちのけで、プライムリブばかりをお代わりしてしまいたくなる。

母のリクエストで白ワインも1本開けてもらい、それをちびちびと飲みながらラプラプの醤油蒸しだとか揚げシューマイ(「Pinsec Frito」という料理名だった)もつつく。ラプラプは、体長40cmくらいはありそうな巨大な赤い魚。柔らかくホロンと崩れる身で、生姜風味の醤油ソースに良く似合う。米より具が明らかに多い、蟹や海老やムール貝がどさどさ入ったパエリアも美味しかった。

デザートで面白かったのは「Buko Salad」という、ヨーグルト風味のフルーツ和えのようなもの。ひらひらと混ざる薄い果肉は多分ココナッツで、淡い甘さが上品なデザートだった。

10月8日 日曜日
Palawan 「Club Paradise」にて
 グリーンサラダ
 スパニッシュ サーディン
 "Tocino"
 お粥
 シロップがけワッフル
 オムレツ(チーズ、玉ねぎ、マッシュルーム、ハム入り)
 マンゴー
 マンゴージュース、牛乳、紅茶

今日は早起き。6時前に起きて、オープンしたばかりのレストランで6時に朝食。7時に出る船に乗って、「サファリツアー」に出発する予定だ。

朝御飯は、フライドガーリックがしみじみ美味しいお粥を少しと、あとは頼んで作ってもらったワッフルとオムレツ、ブッフェ台からおかずも少々。香草などと一緒に温めたオイルサーディンや、「Tocino」という名前の赤いチャーシューはお粥に乗せたいような味わいだった。今日もマンゴーは甘くて美味しい。

Palawan 「Calauit」にて
 ツナサンド、オレンジジュース
 生ココナッツ

朝食後の朝7時、もう1組のカップルと一緒に6人で向かったのは「Calauit」というサファリ島。1976年、アフリカから草食動物だけを連れてきて1つの島に放したのだそうで、今ではシマウマが約70頭、キリンが約30頭、開発当初数十匹しかいなかった「Calamian Deer」というこの地域特有の小さな鹿が1000匹ほどに増えたのだとか。ホテルから45分ほどボートに乗ってその島に渡り、港からは専用の車(サファリパークにあるようなベンチシートの車で、ただし肉食獣がいないということで、ドアもガラスの窓もない吹き抜け仕様)に乗って一周して戻ってくる。たかだか数時間のお遊びサファリだと思ったら、全行程6時間を要するなかなか大変なものだった。

行きの船ではスタッフがおもむろに小型のカツオを釣り上げてしまったり、息子に船の操縦桿を握らせてくれたり、現地では途中で「スナックタイム」があったりと楽しいことが満載で(殊に息子は楽しいことだらけで)、イベントのクライマックスは「キリンに餌やり」。シマウマに10mほどの距離まで近寄ったり、Bearcat(クマネコ)にマンゴー果肉を手から食べさせて、ついでになでてみたり、更にハリネズミを触ってみたりと色々楽しいことがあったのだけれど、なんといっても楽しかったのが「キリンに餌やり」。

キリンが好む木の枝を山ほど車に積み込んで、
「このキリンが一番人に慣れていますよー」
というキリンのそばに車を止めて(他にキリンは何頭もいるものの、全てのキリンが人に慣れているというわけではないそうで)、キリンに枝を差し出しての餌やり。車に頭を突っ込んでくる勢いでキリンがそばまで近寄ってくるので、車の上から皆でぺたぺたキリンの頭を撫でさせてもらった。案外とごわごわした手触りのキリンの毛皮だったけれど、つぶらな瞳は近くでみてもやっぱりつぶらで可愛らしかった。ちなみに、おでこの中央がとんがっているのがオスで、とんがりが低めなのがメスなのだとか。

スナックタイムにいただいたのがツナサンドとオレンジジュース。帰りの船に乗る直前には、サファリ島のスタッフと思われる人たちが、海岸に生える椰子の木から実をいくつかもいで、てっぺんをカットして手渡してくれた。中にはちょっと青臭い透明なココナツ果汁。飲み干したら今度はその残りの実を半分に割ってくれ、皮をへら状に削ったものと共に返してくれて、今度は実の内側の白い実を削って食べろ、と教えてくれる。ココナツミルクのような甘さはない、でもココナツ独特の香りがある果肉で疲れもちょっと癒された。

Palawan 「Club Paradise」にて
 サラダ
 ミックスベジタブルのソテー
 チーズスティックのフライ、マッシュルームのフライ
 酢豚
 生姜と玉ねぎ風味の揚げ蟹
 スペイン風鯖のグリル マスタードソース
 ピーナッツレーズンライス
 バナナケーキ
 ビール(San Miguel)

島に戻るとすっかり昼御飯時。部屋に戻る前に昼御飯にしてしまおう、と、そのままレストランでランチブッフェを楽しんだ。御飯は「ピーナッツレーズンライス」というちょっと面白いもので、メインのおかずは「Sweet & Sour Pork Cutlet」なる「これって酢豚という理解で良いんだよね?」という豚肉料理と、あとは「Grilled Spanish Mackerel w/ Mustard Dressing」なる、鯖のソテー。手をベタベタにしながら、大量の刻み生姜と刻み玉ねぎで和えられた揚げ蟹も1かけだけ食べてみた。スパイシーで良い感じ。

疲れたなぁ、甘いものが恋しいなぁ、と、食後の一口ケーキはバナナケーキをついつい3切ればかり。

Palawan 「Club Paradise」にて
 パイナップルシェイク

午後は息子のリクエストで、再び水遊び。プールで遊んで海で遊んで、母と2人で島内の「Hidden Beach」なる小さな入り江に探検に行ってみたりもした。どこのビーチも、水に入って数メートル進むだけで熱帯魚がウヨウヨ。この近辺では釣りも禁止されているそうで、魚は人間をほとんど怖がらないようだ。

ひとしきり遊んだ後で、「今日もシェイク飲みましょう!」と母の音頭でシェイク休憩。パイナップルシェイクは甘さ控えめ、バニラアイスクリームを使ったようなこってりさもあまり感じられない。果物と牛乳と氷をミキサーにかけたようなシェイクは、毎日飲んでも飽きない味だ。

Palawan 「Club Paradise」にて
 サラダ
 揚げ春巻
 魚介のマリネ
 コルドンブルーのチキン
 ショートリブの炙り焼き
 リガトーニ ポモドーロソース
 チェリーチーズケーキ
 ビール(San Miguel)
 白ワイン(フランス産の……失念)
 カクテル(ピーニャコラーダ)

遊んで遊んで、そして夜。フロントそばのプレイルームで軽くビリヤード(母と息子は2人で卓球)をした後にいつものレストランに向かうと、ブッフェ台に何も料理が並べられていない。今日の夕飯は一体どうなっているの?とそのままレストランに入ってみると、船着き場側の砂浜にブッフェ台やテーブルを並べてガーデンディナーの用意がされていた。料理はいつものブッフェだけれど、星空の下だとまたちょっと違う雰囲気。ハネムーナーらしきカップルたちには特別席が用意され、海際の静かな2人席でのキャンドルディナーを楽しんでいた。私たちはブッフェ台にほど近い賑やかな席で。

今日のメインディッシュは、パスタ。スパゲティにペンネにリガトーニなど数種類のパスタが一角に並べられていて、お客は好みの分量を皿に盛りつけ、ソースを好みの量添えてからスタッフに渡す。ソースはポモドーロ(ミートソース)とトマトベースのシーフード、ハム入りのクリームソースの3種類。カウンターでそのパスタとソースを炒め和えてくれ、テーブルに持ってきてくれる。息子は当然のこと、子供の宿泊者たちが大喜びで何度もブッフェ台を往復していた。

あとは濃厚めな肉料理で、「Chicken Cordon Blue」(コルドンブルー風チキン?)は鶏肉のフライ、「Braised Short Ribs」は骨付き肉のワイン煮込みなど。前菜には「Deep Fried Spring Roll」(揚げ春巻)とか「Kiniaw na Tanigue」(ピリ辛味の魚介のマリネ)などなど。
「飲みましょう!今日も飲みましょう!」
とご機嫌な母の音頭で今日もビールの後にワイン飲んだり、それに加えてカクテルなども注文してみたり。小さなサイズかなと注文してみたピーニャコラーダは驚くほどたっぷりな分量だった。