食欲魔人日記 09年09月 第4週
9月21日 月曜日
お昼御飯に鶏飯!
「ぱしふぃっくびいなす」にて
 マッシュルームと玉ねぎ入りオムレツ
 サラダ
 ハッシュドポテト・温野菜
 サーモンときのこのクリームパスタ
 チョコデニッシュ・マロンパン
 紅茶・飲むヨーグルト・牛乳

今日は午前7時に奄美大島に到着。
朝食は6時半から、7時45分からは奄美大島の島民の皆さんによる歓迎セレモニーもあるとのことで、朝からざわついている今日だった。
 
私たちがこの船を出る予定は午前9時過ぎというのんびりめのスケジュールなので、朝食のピーク時を少し過ぎてからの、少し余裕のある朝御飯。毎朝毎朝私と息子は洋食選択でだんなは和食選択と面白いことになっていて、これまた毎朝毎朝作ってもらっているオムレツは、今日はマッシュルームと玉ねぎ入りで。
 
甘そうなチョコデニッシュ(でも食べてみると案外チョコは少なめだった)と栗の乗った菓子パンを選び、温野菜コーナーからはウィンナーとじゃがいも、キャベツ、きのこ、人参などの炒め物をたっぷりよそう。ハッシュドポテトがあったのもちょっと嬉しかった。
 
朝食後はちょうど歓迎セレモニーが始まるところだったので8Fデッキからそれを眺める。市長さんの挨拶に始まり、船長の挨拶があったり花束贈呈があったり、割と淡々としたセレモニーの後、船着き場前ではお土産物屋さんのテントがずらりと開店。今日はこれから、お土産の買い物ができるかどうか微妙なところだったので、だんなと2人少し覗きに行き、奄美大島名物の黒糖焼酎からいくつか味見して「高倉」という名前の黒糖焼酎をお土産に1本、それと、半分ネタでハブ酒の小さいのも1本(350円の)を買ってみた。なんでもハブ酒は傷にかけたり、口内炎ができた時には口に含んだりすると治りが早くなるのだとか。ハブ酒すごい。
 
そして9時過ぎに送迎の車が来るのを待って、今日は「アイランドサービス」というところが開催している「マウンテンバイク&マングローブ」というツアーに参加してきた。船が用意するオプショナルツアーもあれこれあったものの、同じ船の人とみっちり1日同じ行動をするのも嫌だなぁと、インターネットで探して「これは楽しそう!」と思ったものに申し込んだ次第。……でも、今日これほどに私の筋肉痛が酷くなることは、あんまり想像していなかった。
 
同じツアーに参加したのは、市内のホテルに宿泊しているらしい女性客2人連れと、若夫婦2人連れの、私たち3人+4名。ワゴンの送迎車に乗り込んで、まずは「金作原原生林」に向かい、そこに用意されていたマウンテンバイクに乗り込んで原生林の中を10kmほどのサイクリング。ヘルメット装着、膝当て肘当ても装着しての装備で、前半3.7kmは砂利道のほぼ登り道。残り7km弱は舗装道の下り坂というルートを滑走してきた。
 
前半はとにかくつらく、でも南国ならではのシダ植物が繁る鬱蒼とした雰囲気のオフロードを走る快感はなかなかのもの。ギアが細かく調節できるマウンテンバイクだったので、できるだけ楽に走れる設定にして、それでも息を切らせまくりながらの数十分。絶賛筋肉痛中の私も勿論つらかったけれど、だんな1人を除くメンバー全員が死にそうな顔になっていたので、私じゃなくてもつらい道だったのだろうと思う。けろっとした顔をしていただんな一人が筋肉バカだったということで。
 
この登り道の思い出だけだったらほとんど感動は残らなかったのだけれど、その後の下り道の気持ちよさと言ったら、クルーズに来て一番気持ちの良い瞬間だったといっても過言ではないくらい。息子は「風になった気分だった!」と詩的な表現をしていたけれど、対向車もいない舗装の山道、原生林の中を自転車で滑走する気持ちよさは初めて体験するものだった。私たちの荷物を積んだ車は先行して走ってくれているし、最後尾には自転車のスペアを積んだ車が別に走ってくれているという状況で、あまり危険な思いをすることなく麓に到着。

「鳥しん」にて
 鶏飯(けいはん)
 パッションフルーツジュース \400

このツアーは昼御飯つきのもので、昼食には車で十数分移動したところにあった、「鳥しん」というお店で奄美大島名物「鶏飯(けいはん)」を。
 
飲み物は別途個人支払いで、オリジナルジュースがありますよということで、各自タンカンジュースやパッションフルーツジュースを注文した。自家製といいつつ濃縮のものを割った風のものだろうと思っていたところ、大きなサイズのジョッキにパッションフルーツの果肉の粒々がたっぷり入ったジュースがやってきた。パッションフルーツの甘さと爽やかさを感じられる、絶品のジュース。だんなや息子が頼んでいたタンカンジュースも、みかんとは違う濃厚な甘さを感じる美味しいもので、この甘さに疲れが癒される感じだった。
 
何度か、我が家近所の居酒屋などで食べたことがある「鶏飯」、本場で食べるのはこれが初めてだ。
楕円皿には鶏肉(むね肉を茹でるか蒸すかして細かく裂いた風のもの)、錦糸卵、刻み海苔、甘く煮た椎茸、パパイヤの漬物、刻み万能葱、刻んだタンカンの皮が彩りよく盛られている。御飯は普通の御飯。そして卓上のコンロに乗せられた、たっぷりの鶏スープ(鶏ガラでとったスープに塩と薄口醤油で調味、という感じ。ややしっかり味)。各自御飯に好きなように薬味を乗せて、鶏スープをかけて食べる、いわば「鶏茶漬け」のようなもので、じわっと旨味が口の中に広がる美味しい郷土料理だ。
 
今日は更に、もずくの小皿と、ゴーヤーともろみ味噌を和えたような甘めの味つけの小皿も添えられているセットだった。ジュースがジョッキ入りだったこともあって、思わずテーブルを囲んでいた参加者皆で乾杯してしまいつつ、中央の大鍋から鶏味のだし汁をせっせとかけての鶏飯を堪能。これは家でも作れそうかな、とあれこれ観察して、そのうち鶏ガラ買ってスープを大量にとったら作ってみようと思ったのだった。
 
そして午後は、海辺に移動して、マングローブ林の中をカヌー体験。
 
マングローブを見るのは初めてではないけれど、カヌーは初めて。
2人乗りのカヌーに、子供と3人なら大丈夫ですよと3人乗りにさせてもらって、3人で全く息が合わずにわちゃわちゃパドルを動かした挙げ句、息子のパドルは引率の方に預けることに。だんなと私の2人でならそこそこ上手くカヌーを動かせるねと試行錯誤しつつ、マングローブ林の脇をよたよたと他の参加者のカヌーと共に進んでいった。
 
1本のパドルで右をこぎ左をこぎ進むカヌーは、小刻みに左に右にと船首を振りながらジグザグに進むので、公園などにある両手こぎのボートと比べると格段に難しい感じがした。2人でこぐと尚のこと、ふらふらと右に曲がり左に曲がりするので、
「左!左に曲がって!」
「今度は右に傾いてるよー!」
などと騒ぎつつ、最後の最後まで思い通りにスムーズにというわけには動かせなかったカヌーの難しさ。それでも初体験カヌーは楽しかった。
 
満潮時であれば、マングローブの林の中の水路をカヌーで進むことができたそうだけれど、今日のこの時間はあいにくの干潮。干潟をはだしで歩きましょうということになり、カヌーをマングローブ林の水際に止めて、柔らかい泥の中を1時間ばかり引率のおっちゃんに連れられて歩き回ってきた。
 
干潟にはたくさんのシオマネキやトビハゼ、細く水が流れる水深数センチの水路の中には体長10cmほどのハゼもいたりと、マングローブ林の中は小さな生き物の天国のようになっていた。足元をトビハゼがぴょんぴょん跳ねていく中を、「こちらがメヒルギ、あちらがオヒルギと呼ばれるマングローブの仲間です」などと説明を受けながら、「天然泥パック」が体験できる底なし沼のような腐葉土の中を歩いたり。今日も強い日差しの中、マングローブ林を堪能して帰りも必死にカヌーこいで船着き場まで帰ってきた。
 
ついついマングローブ林の中で長居してしまったせいもあり、帰船は5時過ぎ。朝に黒糖焼酎とハブ酒を買えた以外はお土産屋さんを覗くことはできず、客船の泊まっているすぐ近くにこれというお店もなく(繁華街は歩いて15分くらいの距離だったらしい)、そのまま船に戻った。
 
宿泊のない立ち寄りでの寄港の船旅は、「この時間までに帰らなきゃ」という時間制限がどうしてもあるから、そのあたりはいつもの旅行より慌ただしさがあって、「もっとのんびりしたかったのにな」と思うことしきり。せめて夕飯も外で食べて帰れるくらいの帰船時刻設定だとありがたいなと思ったのだった。

「ぱしふぃっくびいなす」にて
 魚介とラタトュイユの冷製 トマトのコンソメジュレを添えて
 カリフラワーのポタージュ
 伊佐木のポアレ 香草風味のバターソース
 牛肉の赤ワイン煮込み 彩り野菜と共に
 ホームメイドパン
 さつま芋のモンブラン
 紅茶
 
 卵雑炊
 ミックスサンド
 パイナップル・パパイヤ
 お茶

出航は、奄美大島の方たち100人ほどに見送られてのセレモニーと共に。歌と踊りで送られて、最後には横浜出港時には見られなかった、「紙テープ投げ」の儀式も見ることができた。私たちは混雑する8Fデッキを避けて11Fまで行って見ていたので残念ながら紙テープ投げには参加できなかったけれど、上から眺める色とりどりのテープの美しさと、最後まで手を振り続けてくれていた島の人々の姿は心に残るものだった。屋久島は誰に見送られるということもない、実にあっさりとした出航だっただけに、違いにびっくり。
 
その後、「バーでカクテルでも飲みましょう」とオープンバーに降りていくと、入航時に記念品として渡されていた黒糖焼酎が無料で飲めるようになっている。これは素敵、と、窓辺の席で夕日を見ながら黒糖焼酎を堪能。ついミックスナッツなども注文してしまい(\300)パリポリとナッツを食べながら1時間ばかり焼酎飲んでだらだらしていた。
 
今日の夕飯は洋食のコース。インフォーマルディナーに比べると前菜の数が少なく、グラニテもない内容だったけれど、それでも魚料理肉料理と続く豪華なもの(でも量はそれほど多くない)。和食の会席風料理には閉口気味の息子も、フレンチのコースだと嬉しそう。
 
透明なのに濃厚なトマトの味がするトマトのコンソメのジュレを添えた海老やムール貝、帆立の皿には、濃厚な味付けのラタトゥイユが添えられていて、続くスープは、これまたしっかり存在感のあるカリフラワーの風味を感じるもの。こんがり焼かれたズッキーニなどが添えられたメインディッシュは、とても綺麗なボルドー色の赤ワインソースがたっぷり添えられていた。小さめのモンブランにはメロンや柿、苺も添えられていて、すっかり満足。
 
たっぷり夕食も摂ったし、これで「おやすみなさい」でも良かったのだけれど、息子にせがまれて午後11時からの夜食会場にもちらりと顔を出してきた。
 
今日の麺類はとろろ昆布の蕎麦とうどん。息子は当然のようにうどんを貰っていたけれど、私とだんなはそこまで食べたい気分ではなく、さらっと卵雑炊をいただきつつ、1切れのミックスサンドとフルーツを少し。
 
どうやら息子、献立まですっかり決まった昼食夕食が少しばかりストレスのよう。「お父さんとお母さんに連れられてお店に行っても、そこで自分の好きなものを注文できる」のが良いのだそうで、だから並んでいるものから好きなものを食べられる夜食がお気に入りなのだそうだ。
 
「あー……そっかー」
「君は、こういう旅行、一度もしたことなかったもんね」

団体旅行に参加すると、全部の食事が決められていることは普通だから、私とだんなは「そういうものだから」とあまり違和感も感じずにいたのだけれど、息子が産まれてからの旅行はそういえば「飛行機と宿は決まってますが、あとは全部自由!」というものばかりだったからねぇ、と、私とだんなは目から鱗。普段好き勝手に旅行することが多かったから、クルーズ旅行は新鮮な感覚もあり、窮屈な感覚もあったりする。
 
そして船がまた、けっこうな大揺れ……。明日の終日クルーズはどんな感じになるんだろう。

9月22日 火曜日
お昼御飯はカレーライス
「ぱしふぃっくびいなす」にて
 金目鯛西京焼き
 佃煮(きゃらぶき)
 ちりめん胡瓜
 ひじき煮
 焼き海苔
 味噌汁(あさり・葱)
 香の物(きざみ沢庵・からし高菜)
 御飯
 フルーツ(メロン・梨・バナナ・すいか)
 飲むヨーグルト

昨日は日付が変わる頃まで夜更かしして、夜食だなんだと満喫してしまったので、今日の目覚めは夜明け後。
 
部屋の小さな丸窓から朝日が差してきて、お?と覚醒すると、既に6時を少し回ったところだった。それからしばらくだんなも息子も起きる気配なく、今日はちょっと遅めののんびり朝御飯。
 
今日の昼御飯は「洋食」と船内新聞にあったので、朝食は初めて和食を選択してみた。「金目鯛の西京焼き」とあったのも和食を選んだ理由の一つ。
 
きゃらぶき、大根おろしとともに小ぶりの金目鯛の切り身が角皿に盛られ、小鉢にあれこれひじき煮が盛られたり、ちりめんじゃこと胡瓜の薄切りが盛られたり。小さめの茶碗に御飯と、今日はあさりのお味噌汁。デザートにフルーツいろいろと、朝食にはどうしても乳製品が恋しくなってしまうもので、飲むヨーグルトも1杯。
 
今日は終日航海で、お客さんを飽きさせないようにと船内イベントが山盛り用意されている。1日4回も開催されるアート&クラフト教室だとか、風呂敷教室、ダンス教室、そしてゲーム類の「ペタンク」「シャッフルボード」「ダーツ」「オーバルボール」「パットゴルフ」などなど。
 
午後1時半からは「操舵室(ブリッジ)開放」もあるとのことで、今日は参加してみたいイベントが盛り沢山。さっそく、9時から始まる「ペタンク」「シャッフルボード」に家族で参加してみた。
 
「ペタンク」は、ルールとしてはカーリングに近い、ボールを使ったゲーム。的となる小さな黄色いボールに、どれだけ近くに自分のチームの玉を多く寄せることができるかを競う。的のボールに自分のボールを当てて動かすのもありだし、味方や敵のボールに当てて移動させるのもあり。それなりに戦略とテクニックが必要なゲームだ。
 
「シャッフルボード」は、伝統的なデッキゲームなのだそう。黄色と黒の円盤(ディスク)を、デッキブラシのような形状のスティックで押し出し、10点・8点・7点・-10点の枠の中に入れていく。これもチーム戦で、敵のディスクを押し出したり、味方のディスクを枠の中に押し入れてやったり、最後に大逆転もありえるゲームだった。
 
どちらもシンプルながらなかなか楽しくて、「ペタンク」では私たち家族3人バラけて別のチームで戦い、「シャッフルボード」では同じチームで戦った。「ペタンク」での息子は、チームのリーダーとして祭り上げられたらしく、失敗しても成功しても賑やかな息子の声が周囲に響きまくっていた。

「ぱしふぃっくびいなす」にて
 具だくさんの野菜のスープ
 特製びいなすカレー 2種類のライス
 各種コンディメント
     オニオンフライ、らっきょう、ポテトチップス
     福神漬け、フルーツヨーグルト
 コンビネーションサラダ
 バニラアイスクリーム
 コーヒー

今日のお昼は「洋食」と聞いていたけれど、
「でもお昼だから、パスタとかそんな感じじゃないかなぁ、軽めに」
などと話していたところ、読みはそう外れておらず、献立は「カレーライス」。けっこう嬉しい。
 
牛肉の塊がごろごろと入った、野菜はすっかり溶けてルウの一部になっているような濃厚なカレーは辛さもかなり控えめの食べやすい洋風カレー。
 
レーズンを混ぜ込んだサフランライスと普通の御飯の2種類、軽めの量が皿に盛られ、別添の薬味類はたっぷりと。デザートがチョコソースとウエハースを添えたバニラアイスというのもちょっと幸せだった。
 
ちょうどお昼時は、船が足摺岬沖を通過したところで、遙か向こうに陸地と山がうっすらと見える。
 
息子は船内で年の近い女の子と友達になったそうで、
「午後は友達と一緒にいろいろやっていい?」
とのこと。卓球やったりクラフト教室に参加したり、ブリッジ見学も一緒に行ったりしたらしく、彼は彼で最後の船内生活を満喫していた模様だ。
 
私とだんなはプールデッキをぷらぷらしてデッキチェアで海風浴びながら横になってみたり、ブリッジ見学にも行ってみたり、その後はアフタヌーンティータイム中のオープンバーでパウンドケーキつまみながら紅茶をいただいてみたり、こちらも船旅を満喫。
 
水着に着替えて数十分、プールデッキの温水ジャグジーにはいりつつデッキでだらだらした後は、午後3時のオープンと同時に展望風呂に向かい、水平線を見ながらの入浴を楽しんだ後は部屋でのんびり。次に部屋を出るのはカクテルタイムになった頃だろうから、そうしたら少しきちんとした格好をしなければいけないねぇ、などと言いつつしばらく部屋でごろごろしていた。

「ぱしふぃっくびいなす」にて
 カクテル(ぱしふぃっくびいなす) \1000
 
 先付 雲丹豆腐
 前菜 白海老の釜揚げ
          柿なます
          万願寺ししとう甘辛煮
 造り 炙り鮪のお造り 酢橘添え
 煮物 鴨肉と蕪の山椒煮
 焼物 殻付き帆立貝柱の磯焼き
 揚物 河豚の唐揚げ
 食事 吸物(湯葉・三つ葉)
          香の物(キャベツ浅漬け・刻みすぐき)
          栗御飯
 和菓子 羊羹
 日本酒(闘龍正宗・燗酒) \500
 
 天ぷらうどん
 チャバタのカスクードサンド
 フルーツ(パイナップル・メロン)
 カシスチョコケーキ
 お茶

このクルーズの夕食は、17時半からの1回目と、19時半からの2回目に分けられている。横浜からの乗船時に「あなたたちは2回目ね、変更したかったらレセプションに相談してね」といったペーパーが部屋に届いていたのだけれど、夕方5時半の夕食はちょっと勘弁、と、ずっと2回目そのままの設定で遅めの夕御飯にしている。
 
今日は最後の夜だし、と、夕食より少し早めに部屋を出て、バーでお酒をもらってから会場に向かうことにした。
 
ノンアルコールカクテルも色々あるみたいだよ、と息子に言ったら息子大喜びでメニューを舐めるように眺めている。コーラをベースにしたパイナップルジュースなどが入ったノンアルコールカクテルを息子は選び、だんなはフローズンマルガリータを、私はオリジナルカクテルの「ぱしふぃっくびいなす」を。
 
スパークリングワインがベースなのだという鮮やかなエメラルドグリーンの色合いのショートカクテルは、メニューによると「海と自然と幸せな気分をイメージ」したものなのだとか。甘さ控えめ、アルコール度数も控えめの、すっきりと飲みやすいものだった。
 
そして今日の夕御飯は和食。
鴨は好き、マグロも好き、でもウニは苦手、帆立のヒモのところも苦手……と、戸惑いながらも、今日もそれなりに頑張ってあれこれ食べていた息子。私とだんなにとっては「わーい、白海老だー」「わーい、フグの唐揚げだー」と、なかなか嬉しい内容の献立だった。船の上なのに、刺身に添えられたツマや、前菜に敷かれたもみじの葉など、全体的に凝っている。シメに栗御飯が出たのもとっても嬉しかった。
 
で、夜10時半になるのを待って、今日も性懲りもなく夜食会場に家族でぞろぞろと。
今日の麺類は天ぷらうどんと天ぷらそば。思わず皆して1杯ずついただいてしまい、息子が更につまんでいたサンドイッチ(チャバタのカスクードサンド)が美味しそうだったものだから、つい私も1切れ。パイナップルやメロンもつまんだ後はのんびり部屋に帰り、荷造りをすることもなく早々に就寝した。
明日は下船。あっという間に過ぎてしまった連休が終わるのもあと少し。

9月23日 水曜日
横浜に帰ってきました!ということで、早々に中華街へ
「ぱしふぃっくびいなす」にて
 くるみパン・スイートポテトパイ
 ベーコン入りスクランブルエッグ
 コーンと枝豆のソテー
 じゃがいもと玉ねぎの炒め煮
 ウィンナー
 サラダ
 フルーツ(メロン・パイナップル)
 カフェオレ・飲むヨーグルト

朝日が部屋に射し込んできて、私の起床は朝5時半。「ああ、また夜明けを見るのに間に合わんかったー」と思いつつ、だんなも息子もまだ寝ているのを確認して、カメラを持ってデッキ散策。空気が澄んでいれば富士山が左手に見えるタイミングだったようだけれど、あいにくの曇り空で遠くにあるだろう富士山は霞んで全く見えなかった。
 
夜食目当ての連日の夜更かしで、息子もさすがに疲れた様子。だんなが起きた後も一向に起きる気配がない。まぁ、朝食を遅めにしても良いしねと、息子を起こさないようにしつつ、だんなと2人、こそこそ荷造りを始めることにした。
 
毎日のようにランドリーで洗濯をしていたので、帰宅してから洗濯機フル回転という感じではなくなりそうなのがありがたい。ささやかな量のお土産を詰め、スーツを詰め、靴を詰め、「あとは家で片づけるだけ」の洗濯済みの服を詰め。旅行荷物の準備や荷解きは私の得意な分野(掃除は苦手だけれど片づけは大好き、という……)なので、ものの数十分で宅配してもらう分の荷物の準備がほとんど終わった。あとはパソコンをはじめとした電気機器類や、細かなあれこれを手荷物用にまとめるだけで、1時間後に下船ということになっても大丈夫でしょうというところまで準備完了。
 
で、息子が起きるのを待っての朝食は、午前7時半を少し過ぎた頃。
 
最終日はやっぱり洋食が良いなと、パンあれこれとサラダとウィンナー、温野菜に卵料理とすっかり馴染みになったメニューのあれこれをいただいた。幸い席は窓際で、伊豆大島らしい大きな島の横を船はゆったりと過ぎるところ。
 
昨日は「天候不良」ということで一日利用できなかった海水プールが、今日は午前8時から12時まで利用できるとのこと。
「プール、入れるよ?水着もまだ出せるようにしてあるし、シャワーも浴びることができるし、入っていく?ただ、10時からはビンゴ大会があるから10時ちょっと前までねってことになるけど」
と息子に伝えると「入る!」と即答。そう広くはないし(というか、むしろ小さいと言えるサイズ)、海水のプールだけれど、船内で開催されるゲームなどのイベントに参加するよりもプールが良いのだそうで、午前中は息子につきあってプールサイドでのんびり過ごす。さすがに私もだんなも水着になることはしなかったけれど、軽装でデッキチェアに横たわり、海を見ながらボーッとしていた。
 
10時からはクルーズ恒例(なのであるらしい)ビンゴ大会。いわゆる普通のビンゴ(ノーマルビンゴ)の他、「ラッキーセブンビンゴ」(並びは関係なく、7ヶ所が開けばビンゴ)、「サバイバルビンゴ」(通常とは逆に1つでも開いたら失格、最後までどこも開かなかった1人が優勝)という計3種類が用意され、「当たれ当たれ」と祈ったり「当たるな当たるな」と祈ったり、会場はとても盛り上がっていた。残念ながら私たちはどれにも当たることができず、「クルーズ優待券5万円券」などが当たる人を「いいなぁー」と眺めていただけ。

「ぱしふぃっくびいなす」にて
 しめじのピーナッツ和え
 じゃこ天と野菜の含め煮
 海鮮ちらし寿司
 茶碗蒸し
 赤出汁(豆腐・葱)
 和菓子(古代餅)
 お茶

船上最後の食事は、和食のちらし寿司。
 
さすがにクルーズ6日目ということもあってか、「生魚」などは登場せず、干瓢や椎茸などの入った寿司飯の上には蟹肉や茹でた海老、タコ、イクラなどが盛られている。銀杏やかまぼこの入った、「茶碗蒸しの見本」のような茶碗蒸しと、クルーズ中初めての登場でちょっと嬉しかった赤出汁の味噌汁、おでんのような味わいのじゃこ天の煮物などなど。
 
船はいよいよ東京湾に入ってきたあたりで、左にも右にも陸が見え始めた。周囲にはヨットもたくさん浮かんでいるし、小さな釣り船や漁船も多い。田舎道から突然都心の道路に入ってきたような海上の混雑ぶりで、ああいよいよクルーズも終わりなんだなぁという感慨がひしひしと。

横浜中華街 「雅秀殿」にて
 マンゴーミルクフラッペ \600

予定の午後2時より少し早めの午後1時半、無事に船はみなとみらい近くの桟橋に到着した。行きの「大さん橋」とは違う場所に到着するとは事前に伝えられていたのだけれど、何故かと言えば、「大さん橋」に船が4隻も停まっているからだとのこと。
 
ベイブリッジを渡ったあたりから、マンションが浮かんでいるような巨大な船の影が見え、その隣にも、その船に負けないサイズの大型客船が停まっているのが見えてきた。近づく船影を眺めていたら、マンションのような船には「The World」と、そしてその横の客船には「飛鳥U」の文字が見えた。私たちの乗る「ぱしふぃっくびいなす」よりもあからさまに大きく立派な船で、そりゃ「大さん橋」には着けられないよね、と思って見ていたら、なんとその後ろには更に「にっぽん丸」の姿まで。
 
日本の船で世界一周に出られる規模の客船は、今のところ「飛鳥U」「にっぽん丸」「ぱしふぃっくびいなす」の3隻だと聞いている。それが横浜港に集まり、しかも見慣れぬ大型船まで、とあって、送迎バスで送ってもらった大さん橋は大変な賑わいだった。「飛鳥U」も「にっぽん丸」もたいそう立派、それにしても「The World」は、本当にマンションという感じで、全室バルコニーつきという感じだし、その1部屋の専有サイズが半端じゃない。中にはバルコニーにジャグジーがついている部屋まであって、なんだこの船は!と帰宅してから調べてみたら、これがとんでもない船だった
 
「世界で唯一のレジデンス型豪華客船」なのだそうで、一番狭い「1バスルーム付きスタジオ」の分譲価格が$800,000(約7300万円)から。オーナーが乗船していない時に借りる形で乗るビジターの宿泊プログラムが1泊最低でも2人で$1,450(約13万円)から。4ベッドルームの部屋なんて、なんじゃそりゃー!と叫びたくなる豪華さなのだった。……すごい。世界が違う。違いすぎる。
 
いつか、「ぱしびい」でももうちょっと上のクラスの部屋に行ってみたいよね、とか、全室バスタブ付きだっていう飛鳥Uにも憧れちゃうよね、などと話していたのだけれど、想像を超えたゴージャスな客船の存在を知ってしまって、ただただ恐れ入るばかり。眼福でした。
 
大さん橋からは中華街まで歩いて行ける距離なので、最後にちらりとお買い物。
クルーズ中は中華料理が食べられなかったしねと、「永楽製麺所」で中華麺を買い、その向かいの食材屋さんでお手頃価格なのをみつけた皮蛋(普通のと、うずら卵のと)を買い、市場通りの「頂好食品」で油条と蛋撻と豚足を買い、「金陵」で鴨と排骨を買い。あとは肉まん買って、「大珍樓」の売店で焼売や饅頭を買って、なんだかんだで大荷物。
 
もう疲れた休憩しましょ、と、途中、「雅秀殿」でマンゴーミルクフラッペを食べてきた。
 
練乳たっぷり、どどーんと中央にマンゴーアイス、そして周囲にマンゴーの果肉がたっぷり乗ったかき氷で、全体的にマンゴー味。600円と値段もなかなかだけれど食べ応えのある分量で、だんなに手伝ってもらいつつ(息子は一人でブルーハワイかき氷)、汗をかきつつ歩いていた疲れを取ってみた。

「金陵」の
 焼鴨・排骨
「大珍樓」の
 豚肉焼売
刻み香菜
だんな特製空心菜芽のにんにく炒め
だんな特製排骨入り炒飯
だんな特製簡単中華スープ
ビール・麦茶

帰宅すると、もう5時を回ったあたり。昨日の入浴は夕方早めの時間だったので、帰宅早々お風呂を沸かして入浴した。
 
「あら、あんたたち帰ってきたの?」とでもいう風にシラッとしているかすみさんと、「どこ行ってたんだ!俺というものがありながら!」とでもいう風にニャーニャーニャーニャー鳴きながら私の後を追い回して、視線の前に回り込んではゴロリと腹を見せて「だから撫でろ!かまえ!」と熱烈なアピールを繰り返すりゃんりゃん、2匹とも元気で一安心。
 
さすがにこれだけの期間2匹ぼっちで留守番させるわけにもいかず、ペットシッターさんに来てもらって餌とトイレの世話をしてもらっていた。鍵を預けるという不安は多少あるものの、ペットホテルに預けて環境の違う狭い檻に何日も入れておくことへの心配と猫たちへの負担を天秤にかけると、ペットシッターの存在はとても嬉しいもの。
 
夕飯は中華街で買ってきてあれこれを中心に、だんながあれこれ作ってくれた。最初は息子用に排骨を入れた炒飯を作っていたのだけれど、味見してみたらたいそう美味しかったものだから、息子が「ごちそうさま」と食卓を去った後で改めて炒飯第2弾を作ってくれたり。
 
中華街の関帝廟通りにあった「金陵」という焼味のお店はたいそう魅力的で、ガラス窓の向こう側にはテラテラ光るいかにも美味しそうなチャーシューや鴨がずらりと並んでいて、どれもこれもそそられるものばかり。
「白切肥鶏」は蒸し若鶏、「焼肉」は塩味の皮付き焼き豚、「排骨」は骨付きチャーシュー、「叉焼」は普通のチャーシュー。「滷味」として、豚耳と豚タン、牛肚(はちのす)、豚肚(豚胃袋)、そして「焼鶏」「焼鴨」。全て100gあたりの値段がついていて、鴨や鶏は1/4羽から買うことができるようだった。
 
最初は「チャーシュー買って帰ろう!」と店に入ったのだけれど、つるしてあった排骨があまりにも美味しそうだったので、叉焼の代わりに排骨を。あとは値段安めの焼鶏を、と思っていたのに、前に並んでいた人が切ってもらっていた鴨がこれまたあまりにも美味しそうだったので、鴨を1/4羽詰めてもらった。
 
「首もいる?」
と聞かれて、もらえるなら、と頷いたら、アヒルのクチバシもついた首の部分をダシッダシッと中華包丁で切り刻み、それもビニールに入れて渡してくれた。食べるという感じのものではなく(かなりバサバサした乾いた断面だったし、そもそも肉もほとんどなさそう)、スープのだし用という感じ。これは、食べ残った鴨肉の骨と合わせて翌日にスープにでもしましょうということに。
 
焼味は、店頭で「美味しそう〜」と悶えた印象そのまま、どれもこれもうっとりするほど美味しかった。排骨は滴る肉汁と脂がたっぷり、炒飯に刻んで入れたひとかけも、いちいち美味しい。手をベタベタにしながらビールを飲みつつ、八角の香りのする鴨にもかぶりつく。鴨も香ばしく、皮目はパリッパリだった。このお店、上階がレストランになっていて、肉盛り合わせ、モツ盛り合わせといったメニューもあるらしい。それはテイクアウトでも頼めば作ってもらえるようなので、次回はきっと「盛り合わせ」。

9月24日 木曜日
「ブレッドバー」が決め手でした
横浜中華街「西遊記」の
 金メダル肉まん
麦茶

1年くらい前から、横浜中華街に行くたびに、やたら目につく肉まん屋さんがあったんである。
 
派手な、金色っぽい黄色をベースにした看板で、金メダルがどうのこうのと煽り文句のついた、やたらエラそうな感じのシェフの顔写真が並んだ肉まんで、確か1個90円とかそのくらい。
 
「安いし、一度お試しで買ってみる?二度と買わない確率も高いけど」
とか言いながら昨日買ってきてみたのだけれど、いざ買おうと思ったら「こぶたまん」とやらが90円なのであって、「金メダル肉まん」は150円だか180円だかいう価格だった。腑に落ちなく思いつつ3個だけ包んでもらって店を出たのだけれど、その店の前には、そっくりな看板を掲げて「中国料理世界チャンピオン 世界一の肉まん1個90円」なる別のお店が。……買うお店、まちがえたー???
 
私たちの買った方は「西遊記」というお店、で、多分、以前気になるなと思っていた方は「皇朝」というお店。ぶっちゃけ、どちらの店も店頭のその宣伝っぷりは、とても上品とは言い難く、鬱陶しさ満点の店構えだ。それでも、もし本当に美味しいのなら嬉しいし……と、でもその鬱陶しい看板を凝視せずに買ってきてしまった。
 
ともかくも、今朝小ぶりなその肉まんを蒸して食べてみた。ちょっと黄色っぽい皮の肉まんは、筍のシャキシャキした食感も感じられたけれど、野菜の存在感よりも「肉がたっぷり」という印象の方が強い感じ。
 
玉ねぎ多めの甘さのある「551蓬莱」の豚まんと比べると、玉ねぎなどがさほど入っていないゆえに餡は固めで、甘さも控えめ。どうしても、(大好物なものだから)「551」を基準に考えてしまうのだけれど、中華料理店の肉まんは肉まんで、椎茸が多めで独特の風味があったり色々楽しめるものがある中、これといって特筆するような感動は残らない、「ごく普通」な肉まんだった。

「VOLKS」にて
 スタミナビーフトリプルセットランチ \1590
 ランチビール \220

今日は息子は普通に登校、だんなは遅めの夏休みということで今日明日もお休み。私は仕事のメールがけっこう来ているところだったので、朝一でお返事を次々出しつつ、ぼちぼちと旅行写真の整理なども。
 
「お昼ごはん、どうするー?」
「牛乳も、肉とかもないからお買い物には行かなきゃいけないけど……美味しいものが食べたいね」
美味しいものってなんだろう、とだんなと相談していたら、「VOLKSはどうだろう」ということになった。駅の近くにはなく、ちょっと不便な場所にあるステーキのチェーン店。フォルクスは行きたいけど……行くのはちょっとめんどくさい。
 
「でもおゆきさん、ブレッドバーってのがあるみたいだよ。焼きたてのパンがサラダやスープと一緒に食べ放題!」
だんながそんな事を言うものだから、「ブレッドバー!?行く!」と、それが決め手となってフォルクスを目指してしまった。
 
ランチ用の軽めな分量の、焼きねぎとキノコを添えたバーベキューソースの薄切りステーキの「トリプルセットランチ」を注文。サラダバーもスープバーもブレッドバーも全部ついてくるということで、せっせとバーカウンタを往復してサラダもスープもパンもおおいに堪能しまくってしまった。
 
サラダはレタスとロメインレタスがそれぞれあるのが嬉しい。ほうれん草がある時もあるけれど、残念ながら今日は出ていなかった。ヤングコーンや茹でオクラ、いんげん、ブロッコリーなどがあれこれ並び、胡麻ドレッシングなどをかけつついただく。スープは3種類、コーンポタージュと南インド風カレースープ、大麦とタマゴのスープ。そして、焼きたてのものが次々出てきていたパンコーナーには、カナディアンブレッド、ライ麦ブレッド、ホテルブレッド、プチクロワッサン、オレンジブレッド、二穀ブレッド、ハニーマスタードフランスという品揃え。
 
さすがに全種類食べることはできなかったけれど、小さく一口大にカットされているか一口大サイズに焼かれたパンばかりだったので、あれこれつまむことができた。「ハニーマスタードフランス」が、マスタード味なのにほの甘く、面白くて良い感じ。
 
このお店のステーキのバーベキューソースやコーンスープのいかにもなファミレスっぽい味わいが、けっこう好きだったりする。以前住んでいたところは「最寄りのファミレスがフォルクス」という感じだったからかなり頻繁に足を運んでいたけれど、ここ数年はすっかりご無沙汰。いつのまにか「ブレッドバー」などというサービスまで増えていて、これは息子も喜びそうだな、と思ったりした。

屋久島のごまさばぶし
サンマの塩焼き 大根おろし
卵豆腐
自家製いくら
大根と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(キリン秋味)

クルーズ中は、骨つき丸ごとの焼き魚というのは出なかったので、
「今日はサンマの塩焼き!」
と、1尾98円のサンマを3尾買ってきた。息子にはあまり歓迎できない献立だろうなと、一緒に「生すじこ」も購入。家に帰ってからぬるま湯かけつつほぐして、味醂と醤油で適当に調味して自家製いくらの仕込みをしておいた。今シーズン初の自家製いくらだ。
 
何しろ昼が重かったので(サラダもスープもパンもお代わりして食べたので……)、夕飯はそう品数が多くなくて良いよねと、あとは卵豆腐と、ビールのおつまみに出した、屋久島の「ごまさばぶし」。
 
「ごまさばぶし」は屋久島名物なのだそうで、鯖版の「なまりぶし」といったところ。お土産物屋さんでスライスしたそれを試食販売していて、醤油が添えられていたそれは、思ったよりも柔らかく食べやすくて、鯖の香ばしい匂いがとても好みな感じだった。真空パックのそれを1つ買ってきてみたので、スライスしてマヨネーズつけて食べてみた(マヨネーズも良いですよと売り場の紹介であったので)。
 
出始めの頃よりもちょっと小ぶりなサイズになってきた感のあるサンマだけれど、脂の乗り具合は申し分なく、今日もとても美味しい塩焼きサンマを堪能することができた。自家製いくらは、本当のところは明日あたりまで漬けておいた方が大きく粒の乗ったものになったのだと思うけれど、今日のうちに息子もだんなも(そして私も)御飯にざくざくかけて食べてしまって、残りはあと半分強というところ。変な化学調味料の味のしない自家製いくらは、一度作ると、この季節のお楽しみになってしまうから実に危険だ。

9月25日 金曜日
お昼はこんな感じで。
卵かけ御飯
大根と油揚げの味噌汁
麦茶

「明日の朝御飯どうしよう」
「実のところ、私はクルーズ中、ほぼ毎朝パンだったもんで、パンを食べ飽きた気分……」
「冷蔵庫にまだ肉まんとかもあるじゃん」
 
そっかー肉まんかー……などと話しながら、昨日スーパーをだんなとぷらぷら。
「そうだ!TKGはどうだろう?ほら、クルーズ中生卵は食べられなかったし」
ということで、朝御飯は卵かけ御飯。昨日の夜の味噌汁もたっぷりめに作っておいていた。
 
更に干物なども焼こうかなと思ったのだけれど、なんとなく今朝はそういう気分でもなくて御飯と味噌汁、麦茶の組み合わせで。
船の上では卵かけ御飯食べられなかったし(オムレツコーナーに生卵自体はあったので、頼めばあるいは貰えたかもしれないけれど)、陸地にいても、国によっては(アメリカとか)「卵は生で食べない方がいいですよー」というところも少なくなかったりして、実は、卵かけ御飯を食べられる幸せというのはそう簡単に得られるものではないのかもー、と思ったり思わなかったり。

ねぎとろいくら丼
麦茶

今日は友人が遊びに来る日。
「仕事で幕張に行くんですけど、よろしければ夕飯御一緒しませんかー?」と連絡をもらって、じゃあ幕張で肉料理でも?とか、こちらに来てもらって居酒屋でも?と思ったのだけれど、「そういえば甘味の黒糖焼酎とかハブ酒とかあるし、家に来てもらった方が?」と思い立ち、今日は家飯。
 
家族交えての仲良しということもあって、「せりあさんのだんなさまの手料理を食べてみたいですー」とリクエストもらって、
「だんなの得意料理って何だろう?」
「おとうさんの得意料理って?」
と、朝食時は家族会議をしていたのだった。
 
「炒飯とか、中華系炒め物とか?」
と言うだんなに、息子と口を揃えて
「蟹玉だよねー」
「そうそう、蟹玉ー」
と、私たち。だんなに言わせると「まだまだ向上の余地があるし、得意とは自分では言い難い」そうだけれど、だんなの作る天津飯は素晴らしく美味しいと思うし、普通にお店で出せるレベルだと思う。
 
で、今日も夏休み中のだんなと一緒に、午前中はお買い物に。牛すじも煮ておつまみにしましょう、と、駅ビル内の肉屋で牛すじを1kgほど買い込み、スーパーに移動してお手頃価格だった冷凍の蟹の足を買ってきた。卵も特売していたし、「そうそう、今日は蟹玉を作るがいいよ」と買い物の神様も応援してくれていた感のある今日のお買い物。
 
昼食は、これまたお手頃価格だったマグロのサクを買ってきて、小丼仕立てのねぎとろいくら丼にすることに。
昨日作った自家製いくらが好評であっというまに減ってしまったので、今日改めて大粒の美味しそうな生すじこを買ってきた。昨日は美味しい刺身醤油と味醂を合わせて漬けたのだけれど、今日は「だし醤油はどうだろう」「うどん用の、鎌田のだし醤油使ってみたら?」ということで、だし入り醤油で漬けてみた。……美味しくできるといいなー。
 
いくらが美味しく漬かるまでは一昼夜くらいかかるので、今日のところは昨日作った小ぶりの自家製いくらを使用。冷凍庫で保存していた酢飯を解凍し、たたいたマグロ乗せて海苔乗せていくら乗せて葱乗せて、ちらっとわさび醤油をかけていただいた。
 
お手頃価格だった代わりにちょっと筋っぽかったマグロは、だんながせっせと叩いてくれたおかげで、とても食べやすいふわふわした食感のねぎとろに。
スーパーであらかじめたたいた状態で売られていたサラダ油入りのねぎとろの何十倍も美味しかった。

春雨ともやしとハムの中華風サラダ
ごまさばぶし
スペアリブとか豚足とか焼売とか
すじぽん
だんな特製天津飯
ビールとか黒糖焼酎とかハブ酒とかコーヒー焼酎とか

そして夕方。
「つい買っちゃいました。お土産です!」
と、幕張で開催中のゲームショウでの仕事だった友人が、モンハングッズをしこたまお土産に持って遊びに来てくれた。先行発売のグッズ諸々、早めに行かないと売り切れてしまうという噂の「メラルーさぶれ」「アイルーさぶれ」、などなど。「あと、これ、"リアルまきびし"です!」と、旅行の愉快なお土産も。"まきびし"の実物、初めて見たよ(そのお土産センスにいつも脱帽。どうもありがとう!)。
 
あいにく、たいしたお土産はないのだけれど、屋久島のさばぶしとか、奄美の黒糖焼酎とかハブ酒はあるよー食べてって飲んでってーと、居間のテーブルにあれこれ並べてちょっとした宴会に。
 
美味しく煮えた牛すじに、いつも通り刻み万能葱とポン酢かけて、メインはだんな特製の天津飯。私は春雨ともやしとハムの酢醤油味のサラダを用意して、あとは酒のつまみになりそうな焼売やスペアリブ(中華街で買ってきたもの)を出した。
 
最初はビール飲みつつ、その後はほのかに甘くまろやかな味の黒糖焼酎、ミニグラスにちょびっとだけハブ酒を飲んだ後は、コーヒー焼酎の牛乳割りなども。しっかり強めにコーヒーの香りがついたコーヒー焼酎は、牛乳で割ると「カルーアミルク」のような感じになるけれど甘さは全くなく、それゆえに飲みやすいし飲めてしまうし、しっかり酔っぱらう。
 
今日も絶品な感じにふわふわんの蟹玉を作ってくれただんなの天津飯は、酢醤油のあんの酸味も綺麗に決まっていて、「卵8個じゃ足りなくないかな?」「むしろ多くない?」などと事前に話していたのに、綺麗になくなった。
 
やや早めの時間からの夕食にしたのだけれど、一通り食べて、その後だらだら飲んで、あっという間に10時過ぎ。
「あー、そろそろ帰らなきゃ……」
という友人に
「アイヤーお客サン、明日の朝食は中華粥なのにネー」
「泊まっていっちゃえば良いネー」
「皮蛋入れるヨ」
「塩漬け豚肉も入るヨ」
「胡麻油もちょっとイイの使ってるヨー」
だんなと2人でアイヤーアイヤー言っていたら、「じゃあお世話になりまぁす!泊めてくださーい!」とご宿泊決定。
 
ちゃっちゃとお風呂に入った後は息子もだんなも寝てしまい、私たちは動画サイト開いて変な動画など見つつ、すっかり学生時代のノリに戻りつつちょっとばかり夜更かししていた。さすがに眠いからもう寝るねー、と私が寝室に引っ込んだ後、友人はなんとそれからお仕事。プロ漫画家のプロっぷりは半端じゃなかった。

9月26日 土曜日
おはようございまーす。お粥だヨ!
中華粥(痩肉皮蛋粥)
アイスプーアル茶

横浜中華街に行くと必ず買ってくるのが、細長い揚げパン状の「油条」。中華粥にはこれを入れないと物足りないし、この夏に何度か作った豆乳の冷たいスープにも素晴らしくよく似合っていた。冷凍しておけばそこそこ保つので、先日中華街に行った時に5本まとめ買いしておいた。3人分の豆乳朝食くらいなら1/2本もあれば充分なので、あらかじめ半分にカットしてから1切れずつラップで巻き、ジップロックに入れて保存。
 
で、ついでに皮蛋も買おうということで、最初「永楽製麺所」で価格を見たのだけれど、1個が100円以上。もうちょっとお手頃価格のがあると嬉しいなと、向かいにある小さな食材屋を覗いたら、10個入りうずら皮蛋が350円、普通の皮蛋も5個で350円。これは安い!素敵!と両方手に取って、店番をしていたおばあちゃんに「これください」と渡したら、
「皮蛋ね、皮蛋いいよね、美味しいよねぇ」
と。
 
ええ大好きなんです。お粥に入れて食べるの。と答えたら、ぱあぁぁぁと嬉しそうな顔になって、「皮蛋のお粥はね」と色々な事を教えてくれた。
 
・ 基本のお粥は、米1に対して水が10
・ 皮蛋粥は、米1合に対して、皮蛋2個
・ 皮蛋でだしを取る粥の時は、干し貝柱は入れない方がいい。だしとして、ぶつかっちゃう。
・ 皮蛋粥は塩漬け肉とも相性がいい。豚のすね肉にたっぷり塩まぶしてラップして冷蔵庫に一晩入れておき、それを火にかけて沸騰した直後の粥の鍋に塊のまま入れる。粥が炊ける頃には勝手にホロホロになっているので、適当にくずして混ぜる。
 
という感じ。
 
皮蛋はいつも粥の食べ際に散らすだけだったので、だしとして煮込んでしまう方法は知らなかった。確かにそれだと貝柱は不要かも(そして、美味しそうだ!)。痩肉粥も大好物なので、「そっか、塊肉使って一緒に煮込んじゃえば良いんですね」と、親切なお店のおばあちゃんの「うちの粥の作り方」講座に大感謝。またあの店行ったら皮蛋買ってこよう。
 
そうした感じで、昨夜、中華粥の仕込みをした。皮蛋は、だんなと息子はそれほど大好物というわけではないので、今回は普通に貝柱のだしで、痩肉入り。
1合の米に胡麻油をまぶして、干し貝柱と共にたっぷりの水に漬けておく。そして翌朝火を付けて、沸騰してから1時間くらい炊いていく。おばあちゃんの指南どおり、沸騰してから塩漬けしておいた豚肉(あいにくすね肉は手に入らなかったのでヒレ肉で)の塊を投入した。
 
添え物に、オーブンでカリッと温めた油条と、刻み万能葱、香菜、皮蛋を。
 
今回買ってきた中国産の皮蛋は、強めの漬かりっぷりだったのか、硫黄臭が若干強めで舌にピリリと刺激が来るタイプのもの。このビリビリ感が違和感で、途中から、「こっちの皮蛋にしてみる?」とうずら皮蛋を出して、そちらを粥に入れてみた。うずらの方はねっとりと甘さのある、マイルドなタイプ。うずら皮蛋の方が好みではあったけれど、舌にビリっと来る方も、別に悪くなっていたわけではなくてアンモニアや硫化水素を含む割合が高ければそうした刺激も強くなるのであるらしい。
 
台湾で買った糖芯皮蛋が安くて絶品だったんだよなぁ……と思い出しながら、もぐもぐ。
たっぷり炊けたお粥は、4人で綺麗になくなった。

「餃子の王将」にて
 冷奴 \157
 餃子 \231
 肉と玉子のいりつけ \525
 ニラ肉炒め \472
 鶏の唐揚げ \525
 焼めし \420
 東京ラーメンセット \924
 お子様ドリンクバー \126
 生ビール 2×\483

友人が帰宅し、だんなは今日はお出かけで、息子と2人のんびりと。
昨日の夜更かしの影響で眠くなってしまい、昼頃からうとうとしてしまったら、昼食を食べないまま夕方になってしまった。息子は息子でモンハンオンラインに熱中していて昼食はどうでも良くなってしまったらしい。
 
「そろそろ帰るよー」
とだんなから連絡を貰った時はまさに「起きぬけ」という状態で、
「ん……おはよう。お腹空いたよ。やる気もないよ。でもお出かけもめんどくさいよ」
という、ひどい言い様だった私。
 
じゃあどうしようか?お総菜でも買って帰る?と優しいだんなが提案してくれたけれど
「……でも、美味しいものが食べたい。王将とか」
ここで「美味しいもの=王将」とすんなり出てきてしまうあたり、私もすっかりだんなに感化されたなぁと思う。いや、王将の餃子がそろそろ恋しかったんです。
 
じゃあ最寄りの王将で待ち合わせしましょう、と、私と息子はだんなの到着予定より少し早く着くように家を出たのだけれど、店頭はびっくりするほどの混雑だった。持ち帰りの餃子を待つ人が10人くらい、入店を待つ人は15人くらい。待ち客用の名前リストには、私たちの前に9組の名前が記されていた。もう大変だ。
 
王将なんて並んで待ってまで入るような店ではないし、でも今日はそれでも猛烈に餃子とか肉と玉子の炒りつけとかが食べたい気分だったし、まだだんなの到着まで10分以上はあるし、ということで、名前書いて店頭でおとなしく待ってみた。だんなと無事に合流した時には、「私たちは3組目」というところまでになっていて、更に10分ほど待ってようよう着席。いつのまにこんな「人気店」になってしまったんだろう王将は。
 
私が初めてだんなに連れてきてもらった数年前(だんなは数十年来の王将信奉者)は
「うん、安いねー。でもお店、汚い……というか、汚くはないけど、全体的にお店の中ギトギトだねー」
と笑いながら、「あ、餃子美味しい。炒め物も化学調味料っぽいんだけど、なんというか、美味しい」という感じで食べるお店だった。お客は学生っぽい人や仕事帰りのサラリーマンが中心で、女性客2人連れとか、若めのカップルとかはそんなにいなかった。……が、今はおばちゃんのグループ客とか、カップル客の多いこと多いこと。……ああ、数年前くらいの「いつも7割方席が埋まってるけど、並ぶようなこともない」くらいの状況に戻らないかなぁ。
 
ともかくも無事にボックス席に座れて、定番の「肉と玉子の炒りつけ」とか「ニラ肉炒め」とかを餃子と共に頼みつつ、ビールをぐいぐいと飲む。店内どれだけ混雑していても、ビールが出てくるスピードは驚くほどの早さだし、料理だって10分と待たずにやってくる感じ。焼きたてのこんがり餃子と、火傷しそうな熱さの炒め物に「そうそうこれこれー」と、はふはふ言いながらかぶりついた。鶏むね肉を使っているのに、「魔法の粉」つきの唐揚げも妙に美味しいんだ……。
 
息子曰く、「麺の太さとか量とか、スープの味とか、僕はここの醤油ラーメン(=東京ラーメン)が一番好き」なのだそうで、ミニチャーハンと餃子とのセットがあったりするのがまた素晴らしいのであるらしい。
 
最後にちょっとだけ炒飯が食べたいんだよということで、普通サイズの焼きめしをだんなと半分こ。ついてきたアツアツのスープも半分こして飲んでいたのだけれど、最後に「スープ少し飲みたいなー」と思うがままに飲み干してしまったら、だんなに「あーっ!」と悲鳴を挙げられてしまった。
「俺も飲みたかったのに!俺が炒飯最後に食べる人だったのに!飲むなら"飲んでいい?"って聞かないと!聞いてくれないと!」
「あー……ごめん。なんかね、飲みたかったの」
「俺だって飲みたかったよおぉぉぉぉ」
スープ1つ(しかも、そのまんまラーメンスープに使われるような感じの、ごくごくフツーの、ネギ入りの……)でぎゃいぎゃい騒ぎつつ、結局明日の朝御飯のドーナツはお詫びに私が奢ることになったのだった。
 
スープ1つで人心を惑わす王将、恐るべし。

9月27日 日曜日
夕飯は炒めちゃんぽん
「ミスタードーナツ」の
 スティックパイ レモンクリーム
 クッキークルーラー チョコ
 ぷちパフ(きなこ) 1個
アイスカフェオレ

昨夜、「スープ飲み干しちゃったお詫び」に私の奢りで買ってきたミスドのドーナツで朝御飯。
 
久しぶりにお店を覗いたら見たことないメニューがまたも色々増えていて、
「あ、このぷちパフ食べたい……こっちのも食べたい。あああ、でもこれも食べたいかも」
と、私の取り分がうっかりドーナツ3種になってしまったので、3個入りだった「ぷちパフ」をだんなと息子に「食べてください、1個ずつ食べてください」と押しつけてみた。
 
レモン味は好物なので、スティックパイのレモン味が出たのは嬉しいこと。クッキークルーラーは「しまったー、そういえばこれは食べたことあったんだー」と思い出しつつ、オールドファッション系の食感は元々好きなので美味しくいただいた。……でも、ミスタードーナツ、子供の頃に食べていた記憶の中の味の方がずっと美味しかったような気がするのは……単に「思い出は美しいものだから」というだけなのかしら?あの頃のミスドのオールドファッションは「普通に御馳走」だったからなぁ……。
 
ところで、"店内飲食限定メニュー"の「デコド」というのが気になって仕方がない。
 
「ハニーディップにいちごソースかけて(もしくはフレンチクルーラーにはちみつりんごソースかけて)温めて、最後にホイップクリームを添える」
のだそうで、食べてみれば多分「あー、こんなもんかー」と思うだろう気がひしひしとするのだけれど、とりあえず気になって仕方がない。多分、きっと、絶対、添えられたホイップクリームはエンゼルクリームの中身そのものなのだろうけれど、それでも気になって仕方がない。
 
数日内にお店で食べてしまっている予感がする。

「小僧寿し」のお寿司色々
冷茶

予定のない今日は一日、私は旅行記書き。息子はモンハン、だんなも午後からモンハン。「もういっそ、Wiiとモンハンソフトもう1セット買ってしまえばいい……」などと思いつつ、私は明日からはしばらく真面目に仕事の日々の予定だ。
 
「お昼どうしましょ」
とだんなが言うので、少し考えて「お寿司がいいなぁ」と。「小僧寿しみたいなので良いんだけどなぁ」と。
 
実のところ、私は今日あまり体調が良くなくて、だんなは今日が"夏休み最終日"だというのに
「おっけー、んじゃお寿司適当に見てくるよ」
とほいほい買い出しに行ってくれ、夕飯まで作ってくれることに。
 
ちょっと前に、古い友人から
「私は料理全然しないの。夫?普通にするよ。"だって作らないと奥さん食事しないんだもん"って言いながら作ってくれる。カレーとか野菜炒めとか、簡単なのが多いけどね」
という話を聞く機会があって「すごい!なんという愛されっぷり!」と驚愕したのだけれど、私も大概愛されているなと思います。……ほんとすみません。
 
だんなが買ってきてくれたのは握り寿司のパックとか、バッテラとか。
息子の分のさび抜きセットが運ぶ途中で傾いたようで、いくらがバラバラの悲しい感じになってしまっていたので、「補充補充、いくら補充!」と自家製いくらを出してやったりしながら、穴子つまんだりマグロの赤身つまんだり。

春雨ともやしとハムの中華風サラダ
すじぽん
だんな特製 炒めちゃんぽん
ビール(キリン秋味)

先日横浜中華街で買ってきた永楽製麺所のちゃんぽん麺、だんなが
「炒めちゃんぽんにしよう!」
と、シーフードミックスや豚肉、キャベツなどを使って良い感じに炒めてくれた。まだ鍋に牛すじ煮込みが残ってるし、サラダもあるしで、あとは簡単に。
 
結婚来、だんなが「ちゃんぽん麺の美味しさ」について熱く熱く語り続けるものだから、いつの間にか私までちゃんぽんが(というか、ちゃんぽん麺が)好きになってしまった。永楽製麺所はいわゆる普通の中華麺が扱いのメインだから、デパ地下の小さな売店では扱いがないことも多々あったし、先日も本店で冷蔵ケースに並んでいなくて、問い合わせてやっと出てくる感じだったり。
 
「ちゃんとちゃんぽん麺扱ってくれないとねー」
「これが美味しいのにねー」
「あんまし売れてないのかしら」
「そもそも知られてないのかも」
と言いつつ、永楽のちゃんぽん麺の美味しさを久しぶりに堪能した。縮れのない太いちゃんぽん麺、もっちりした食感でなんともいえない美味しさ。アサリや海老、イカがたっぷりで、その魚介のスープが染みた感じがたまらなかった。
 
冬になったら美味しいモツ通販か何かで手に入れて、家でモツ鍋やって、シメに永楽のちゃんぽん麺入れたら、きっととても幸せだ。