食欲魔人"今度こそダイエット"日記 99年12月 第2週
12/6 (月)
フルーツグラノーラ with 牛乳

【本日の痩身 : 前回測定比プラス400g・あと26日で目標4.8kg減】

「12月はどうしたって痩せられないし」と諦めてはいたが、太って良いとも思っていなかったのである。
はー、何故減らないかなー、私の体重。(←喰ってるからじゃ)

多少の自戒をこめつつ、今日はコーンフレークの朝食。
気温が低くても、牛乳はぬくくちゃまずいので、グラノーラに牛乳を勢いよく注いですかさず食べる。

築地 銀だこの
 たこ焼き
 銀だこマリネ
緑茶

今日も気温が低い。最高気温は14℃という話である。
しかも明日にかけて天候が荒れるらしい。風は強くなる一方であった。
昼休み、「ひさびさに木村屋ペストリーショップでサンドイッチかな〜」と思いつつ会社のドアをくぐるも、あまりの風の冷たさに思わず直進して銀だこを目指してしまう。折良く、行列は短めだ。2〜3人待ち、たこ焼きを購入。

今日はマヨネーズをつけず、ソースと青のり、かつぶしのトッピングで臨む。ついでに野菜が食べたいとマリネも所望し、
「美味しく召し上がれますように」
の声を背中に受けて会社に帰る。やっぱり、そのフレーズはヘンじゃないか、銀だこ。

寒さでちょっと冷めかけていたたこ焼きは、それでも口に入れて囓るとあつあつで香ばしかった。
冬のたこ焼きは、美味しいねぇ。

……ところで、真夏は一体どうするんだ、銀だこ。そのままたこ焼きを売るのだろうか。焼くのだろうか。今でさえ暑そうな厨房は、真夏には地獄絵図のような状況になってしまいそうである。夏にはひとつ、「銀だこアイス」とか……無理か……。

ブリーチーズ with リッツ
栗御飯
大根の味噌汁
つぼ漬け
梅酒、麦茶

だんな、飲み会で帰宅遅し。息子を二人でのんびり夕御飯。
で、今日は茹で栗のパックを使っての栗御飯にすることに。
パッケージには、「2〜3合の米で、酒、醤油、塩等で適宜調味して炊きあげてください」などとある。適宜、と言われても。カンで適宜調味出来るほど私は炊き込みご飯に慣れていないのである。
とりあえず米を3合研いで水を線より少な目に入れて、醤油ひとたらし。酒をじょばっと、ひとかたむけ。ちょっと思案して、塩は小さじ1/2ほど。なんとなくこんなもんだろ、と判断して炊飯器のスイッチを入れた。

炊きあがる間に残り物の大根で味噌汁を作る。
チーズもちょっとだけ切ってリッツと一緒に皿に乗せ、御飯が炊けるまで息子と一緒にこれをかじる。1人でビール……は重いのでグラスに半分だけ梅酒。氷たっぷり。リッツをかじり、梅酒を飲み、チーズを囓って梅酒を飲む。リッツもチーズも半分以上息子に喰われてしまってちょっと悲しくなったが大人な自分はこれくらいで怒っちゃいけない。さて、御飯が炊けた。

薄く茶色に色づいた御飯に、栗がごろごろ。
大きな栗が10個も20個もごろごろ入る、ちょっと豪勢な炊き込みご飯だ。山盛りの栗御飯と、あつあつの大根の味噌汁、小皿につぼ漬け。おう、完璧だ。
んが、御飯はちょっと薄味すぎた。
色はあるけど味が無い。炊き込みご飯というものは、思う以上に塩を投入せねばならないらしい。改めて栗御飯のレシピを見ると、米2合半に対して小さじ1もいるらしい。私の入れた塩は半分量以下だったということだ。仕方がないので、炊飯器の蓋を開けて塩をパラパラ。かき混ぜて更にパラパラ。むなしい。むなしいけど美味しくなった。良いことだ。

12/7 (火)
栗御飯
大根の味噌汁
抹茶入り玄米茶

【本日の痩身 : 前回測定比マイナス200g・あと25日で目標4.6kg減】

昨夜の残りの栗御飯。
ていうか、そもそも今朝、いつもより1時間以上早く仕事に向かわなければいけないと言っていただんなの為に、手早く出来てかつ美味しいものをと昨夜から用意していたのが栗御飯だった、というのが真相である。

いつもより30分早く起きて、台所を模索するだんな。御飯は……保温状態だ。味噌汁も……あるらしい。ごそごそと動くだんなに、声をかけようとすると、今度は冷蔵庫を開け始めて
「これで、いいかなぁ」
などと言っている。手には海苔の佃煮。
彼はどうやら"白い御飯に味噌汁、卵を焼くのはめんどくさいので海苔の佃煮をおかずにしちゃえ。これで、いいかなぁ。"と、提案したようであった。
ふっふっふ、甘いわね。今日の早起きを見越さない私だと思って?……と炊飯器の蓋を開ける私。湯気をたてて出没する栗と薄褐色の御飯の山。驚嘆するだんな。輝かしい朝の光景だ。
で、だんなに大感謝されつつ皆で栗御飯を食べる。たっぷり作っておいておいた大根の味噌汁も片づける。

栗御飯のおむすび
玄米茶

朝の話の続き。
食事後、お釜の底には御飯茶碗1杯強の栗御飯が残ってしまったのであった。
冷凍するのはどうかと思うし、冷蔵して取っておくには少々中途半端な量である。おおむろに手を濡らして塩をつけておにぎりにし始める自分であった。悪戦苦闘すること数分(私はおにぎり作りがへたくそなのです)、小ぶりの三角おにぎりが2個できた。長方形に切った海苔で持ちやすくくるみ、アルミホイルに2個乗せて、横につぼ漬けを少々。なんだかお弁当のようになったので、このまま会社に持って行くことにする。包んだのがアルミホイルではなくて竹の皮なんかだったりしたらもうサイコーである。そうだ、今度合羽橋に行ったら竹の皮も買ってこよう、そうしようそうしよう。

で、昼御飯。おべんと袋から布に包んだアルミホイルの塊を取り出し、小さなおにぎり2個を美味しくいただく。
何だか3食栗御飯なような気がしなくもないが、まぁそういうこともあらぁな。
食後、絶妙のタイミングでヤクルトのおばちゃんがやってきて、思わず私は「ソフール1つ」と言いそうになるが、ぐっとこらえる。ダイエット不調続きだし。年末に向けて忘年会もクリスマスも待っていることだし。ファイトだせりあ。

ポテトグラタン
コーン入りポテトグラタン
ビール

賞味期限12/5。
数日前からいつ食べるんだと焦っていたモッツァレラチーズを消費する日がやっと来た。
今日はモッツァレラチーズを食べるのである。絶対に食べるのである。それは誓いであり決意であり主張でありポリシーなのであった。いや、どんなポリシーかと聞かれても。
して、料理は。
トマトとバジルと一緒にサラダにするもよし、そのまま囓るのもよしのチーズではある。
こう、もちもちっとした塊を手にとって、ぬぬぬぬーと力をこめて裂けば、それはそれで美味なのである。
が、やっぱり加熱してなんぼのモッツァレラである(と、私は思う)。今日はひときわ寒いし、やっぱりグラタンでっしょー♪
じゃがいもたっぷり、じゃがいもだらけのポテトグラタン。芋を買って帰ろう。

で、帰宅して早々にホワイトソース作りから始めてしまう。
やっぱり良いモッツァレラ使うからには缶詰ホワイトソースなどは使いたくないのである。バター25gを鍋に入れて火にかけて溶かして同量の小麦粉投入。弱火でじっくり練って"サラサラになったら"牛乳投入、とレシピにある。で、それを目指してひたすら十数分バターと小麦粉に対峙していたところ、何だか香ばしい香りがただよい始め、ルーは見事な紅茶色になってきた。美味しそうな匂いでは、ある。
しかし。
やばい。
このままじゃホワイトソースじゃなくてブラウンソースである。
ここで冷や汗かきつつ500mlの牛乳を一気に注ぎ、泡立て器で攪拌して無理矢理溶かして加熱を続け、なんとかソースを完成させる。
ホワイトソースじゃなくなった。これではホワイトブラウンソースである。私の30分近くの苦労は一体何だったんだろう。振り返ると、どうやら加熱時間が長すぎたようである。あの、紅茶色になる3分前に牛乳を投入しても良かったらしいのである。まぁ、今回は経験値が増えたと思って良しとすることにする。

続いてにんにくと玉ねぎのみじんを炒め、合いびき肉も加えて炒め、塩胡椒を強めに、クミンを少々振って、置いておく。
その間にコンロではじゃがいもが美味しく煮えている。レシピには「4人分じゃがいも4個」とあった。
「息子も喰うし」
とじゃがいも5個の皮剥きをする。ちなみに我が家族は3人だ。4人分で4個のじゃがいもを5個食べる3人家族。
……まぁ細かいことは気にしてはいけない。そもそもソースもひき肉も4人分出来てしまっているのだから。

で、じゃがいも、ゆだる。
ひき肉炒めを2つの皿に敷き、じゃがいもを片方をやや多めにしてまんべんなく敷きこむ。じゃがいもの少ない方にはコーン缶を開けて入れ、上からホワイトソースをたっぷり。懸案のモッツァレラチーズをちぎって上にばらまいて、バターのかけらも乗せて、最後にパルミジャーノ・レッジャーノを思い切りガリガリ振りかける。あとはオーブンで焼けば完成だ!パーフェクトだ!(ソース失敗したけど)

ここで、だんな帰宅。気がつくと台所に入って1時間以上が経過していた。
かくして、スープを作る余裕もなく、副菜の準備をする時間も無く、グラタンだけの夕食に。
んでも、手製のグラタンはやっぱり美味しい〜。ホワイトソースは人工臭くないし(失敗したけど)、じゃがいもたっぷりほくほくしてるし。モッツァレラは皿から口まで糸をひくほど伸びる伸びる伸びる〜。わーお。
と、すっかりごきげんなディナーではあったのだけれども、だんなが最後に一言。
「おゆきさん……やっぱり、じゃがいもは4個で良かったよ。」
……あ、やっぱり?

12/8 (水)
フルーツグラノーラ with 牛乳
抹茶入り玄米茶

【本日の痩身 : 前回測定比マイナス200g・あと25日で目標4.4kg減】

今日の夜はだんなの友人が2人、我が家に遊びにやってくる。
渾身の豚味噌鍋を供して日本酒準備して、やっぱり酒の肴もなくっちゃな、と昨日から仕込みをしていたりする。
で、鶏ひき肉が結構余ったので、ちょっと早起きしてお弁当作り。

お弁当を作れたのは良いが、さて、朝食用の準備はタイマーセットで炊いた御飯だけだ。
ちょっとだんなに申し訳なく思いながら御飯とインスタント味噌汁。海苔の佃煮で済ませていただく。息子は鶏そぼろをまぶしたおむすび。私はコーンフレークス。
3人3様の、ばらっばらな朝御飯である。唯一の共通点はあったかい日本茶。奇妙だ。

三色弁当
ほうじ茶

というわけで、鶏ひき肉を使って好物の三色弁当を作成してみた。
鶏を醤油と味醂でそぼろにして、卵に塩入れて炒り卵にして、スナップえんどうはレンジでチンして火を通す。御飯の上に3色の具を綺麗に斜めに敷いて出来あがり。うーん、美しい。

……と朝の食卓の上の弁当箱をほれぼれ見やっていた自分である。
だが。
昼の会社、机の上の弁当箱を見る自分はちょっと泣きそうになっていた。
具が、よれている。
綺麗に、美しく、3色の具を並べたはずなのに、スナップえんどうはそぼろ側に大きく侵略し、こともあろうか炒り卵は弁当箱全体にふわふわと散らばっていた。
いやーん。こんなの三色弁当じゃなーい。

思い返すと、家を出るときにゴミ袋2つを持って弁当箱を傾けてしまっていたのが原因なのだと思う。
あるいは、そもそも御飯の量を少なめにしてしまって、具の上に隙間が空いてしまったのも敗因の一端であるだろう。
悲しい。けど、まぁ、美味しいからいいや。
弁当箱をあまり周囲に見えぬよう、なんとなく控えめにもくもくと食べる私であった。

ところで。
参戦しているReadMe!の昨日分「日刊ランキング」というのを見てみたところ、なななんと、この日記に訪れる人が45人もいたらしいのである。
自分とだんなを除いても43人。日に43人。失敗したホワイトソースに43人。恐縮です。
いつも見てくださる人も、1週まとめて見てくださる方も、ダイエット中なのに堪えて見てくださってる方も、どうもありがとう。
豚味噌鍋に魅せられて、銀の塔への憧憬を募らせているRちゃんはどちらか達成できましたか?(笑)

鶏饅頭のなめこあんかけ
ひじき煮
豚味噌鍋
うどん
ビール、日本酒(大盃)
りんご
日本茶

今日は宴会。
二枚目なのに変態のJさんと、美形なのに変人のM井さんがやってくるのだ。どちらもだんなの大学時代の友人ではあるが、もはや私の友人でもある。おもてなし、おもてなし♪

準備は昨日から始まっている。
今日の帰宅後には1時間ちょっとですべての準備を終わらせなければならない。来客がある時、ホストあるいはホステスが「あらあらあら」などと言いながらせかせかと給仕し続けるのを、私はあまり好ましいと思わない。先方は私たちに会いに来てくれるのだから、やっぱり全員で座って落ち着いておしゃべりしたいじゃないか。
ので、ちょっと手間のかかる蒸し物を最初に出してしまって、あとは盛りつければ良いだけのひじきの煮物、メインは鍋。そんな構成にしてみる。

鶏饅頭は、実は初挑戦。
来客時に初挑戦ものを出すというのも初挑戦かもしれなかった。大冒険である。レシピを見、きっと美味しいものができるに違いないと確信し、準備をする。
鶏もも肉をフードプロセッサーにかけて粗挽き状態にし、鶏挽き肉と合わせて醤油ベースの調味料で下味をつける。ラップにこの挽き肉を敷いて、茹でたうずらの卵とゆがいた百合根を置き、茶巾のようにきゅっと絞って凧糸で結んでおく。これをそのまま蒸し器に入れて15分。かつおたっぷりのだし汁になめこを入れて薄味に調味して片栗粉でとじて、これがあんになる。茹でた青菜を皿にちょいちょいと盛り、鶏饅頭を乗せ、なめこあんをかければできあがり。なんとなく秋っぽいもてなし料理的一品が出来て、満足。蒸し器から鶏饅頭を出すとスープがたっぷり出ていて、いかにも美味しそうだ。確信どおり、味もばっちり。

「……2個、欲しかった」
とだんなが言うほどの傑作であった。満足。
ひじき煮はにんじんと油揚げ入り。だんなのリクエストにより大豆の水煮もぶっこんで、ちょっと甘目の味付けに。

以上のものを用意して、来客も各々やって来、席について、午後7時20分。
宴会の始まりである。
ビール飲んで蒸し物食べて、ひじき煮つついて日本酒開けて、鍋だ、なべなべ。なーべー。
大量の白菜を用意して、長ねぎもたっぷり用意して、しゃぶしゃぶ用の豚肉に至っては1kgも用意して、日本酒なべ、日本酒なべなべ、と宴は進む。
日本酒は群馬の「大盃」。いつぞやの物産展で味見して買ってきた、口当たりの良いやや辛口の酒である。味噌と合うねぇ。ふふ、ふふふふふ〜♪(酔ってるらしい)
やっぱり、こういう料理は大人数が楽しいやね。

宴も終わりに近づいた頃、うどんの登場。最後に残していた豚肉をも放り込もうとすると、
「あ、肉以前に大切なものが……」
とM井さん。彼はどうやら白菜を所望しているようである。さすが"うさぎさん"とあだ名されるだけのことはある。
我が家で一番大きなボールにたっぷり刻んだ白菜も足りなくなり、追加で包丁を握る私であった。
白菜たっぷり、肉たっぷり、うどんも入れちゃえ。
1kgの肉と白菜半玉、長ねぎ1束を片づけた我々は、そのままうどん4玉も片づけたのであった。

食後にお茶入れて、りんごも剥いて、床暖房の効いた床でぐだぐだとだべりつつ、午後11時15分、お開き。
Tさんは終電数本前の電車に乗り、M井さんはお泊り決定。
なんか我が家は居心地が良いらしいのである。良いことだ。

12/9 (木)
厚焼き卵
ひじき煮
油揚とさやえんどうの味噌汁
御飯
抹茶入り玄米茶

【本日の痩身 : 測定し忘れてしまいやした……】

6時45分、起床。
来訪回数最多(ついでに宿泊回数も最多)の人物とはいえ、お客様がいらっしゃることには変わりなく、ちょっと豪華な朝食。さすがに卵御飯だけとかを「はい」と出すわけにはいかないし。

昨夜、寝る前に仕込んでおいた御飯と味噌汁、昨日の残りのひじき煮に、焼きたての厚焼き卵を供する。卵料理が1品入ると、なんとなく「朝飯だぞ」という気がする。人数分の目玉焼きはめんどくさいし、スクランブルエッグ4人分、というのもちょっと不気味な気がする(←バイキングの朝食みたいじゃないすか)。で、厚焼き卵。卵4個使用だ。

我が家にはまだ卵焼き器が無い。四角く縁の高い、厚焼き卵専用焼き器である。熱伝導その他の理由から銅が使いやすいと聞いている。
欲しいけど、「卵だけを焼くための道具」などを買ってしまったら「たこ焼だけを焼くための道具」だの「ワッフルだけを焼くための道具」だの「餃子専用のフライパン」だの「クレープが美味しく焼けるフライパン」だのと際限がなくなるのは想像に難くない。だから卵焼き器を買うにはまだ至らないのである。

で。大きなテフロンフライパンを使用。
卵液を熱したフライパンにちろりとたらし、クレープ状にぐるんと広げたらすぐさま箸で奥に寄せる。すかさず油をフライパンの面に薄くひき(クッキングペーパーでうりゃっと油をなじませるのだ)、更に卵液をたらーっ。
箸で奥の卵の塊を持ち上げつつ下にも卵液を流し込み、固まらないうちに向こう側からパタンパタンとこちらに巻きつつ倒す。最初が難しいけど、フライ返しと菜箸を駆使してなんとか頑張る。手前に来た厚焼き卵を奥に押しやり、油をなじませ、以下繰り返し。4回ほど繰り返すと、ちゃんと層になった厚焼き卵が出来上がる。どうしても隅がたよりなく薄いものにはなるが、それもご愛敬。そこは自分が食べればよいことだ。問題ない。

昨日、ソファと座布団を繋げて寝る羽目になった(我が家に客用布団はないのです、とほほ)M井さんは、真面目な面もちで
「ソファーベッド、買いませんか。わたくしが進呈します、いや、喜んで。買わせてください。」
などと言っている。……いいけどさ。どうしてですか、M井さん(←愚問)。

スワンベーカリーの
 つなぱん
 チキン&バジル
 シュークリーム
ソフール プレーン
Teao

午前中は大手町のビルにお出かけ。銀座からチャリこいで、わっしわっしと数キロ走る。
仕事終了は午前11時45分。もうすぐお昼だ。時間も時間だし、どこかで美味しいお昼御飯♪

目指したのは、旧日本橋東急デパートのそばにある「花時計」とかいう名前の喫茶店である。ホットケーキが名物の喫茶店だ。
午前中の仕事が、かなりストレスのたまる打合せだったりしたもんだから、どうしてもどうしても甘いものが食べたくなっていたのである。思いは完全にホットケーキへ。生クリームたっぷり、フルーツホットケーキは生のフルーツてんこもりのすばらしさの店である。何でもオーナーはかつて帝国ホテルでホットケーキを焼いていたそうなのである。数年前に一度食べたきりだったけど、ほんっとーに、美味しかったのだ。
んが。
店が、無い。
東急デパートはとうの昔に閉店しているのは当然としても、あの喫茶店までもが、ない。見覚えのある裏通りには記憶にないファーストフード店が明るい店内をさらけだしていた。
ああ、私の心のホットケーキ屋さんが。
しくしくしく。

足取りは重く、胃袋は軽い。
悲しい思いでそのまま自転車を会社に向けると、真新しいパン屋が目に付いた。壁が白く、床が板張りの店内は妙にキラキラしている。店員さんが中できびきび働いている。
どうも気になるので、その初めてのパン屋に足を踏み入れた。
「焼き立て」の文字が躍る、つやつやしたパンが沢山並んでいる。甘そうなデニッシュはさほどなく、「コーンマヨネーズ」「チーズマヨネーズ」「シチューパン」などが多い。…美味しそう♪

「特製やわらかマヨネーズが乗っています」とある"つなぱん"を手に取り、茶色に光る甘辛そうな鶏肉が乗るバジル生地の"チキン&バジル"もトレーに乗せる。ついでに110円のシュークリームも。透明ビニールに1個ずつくるまれるシュークリームを持ってみると、「これはアタリだ」という声が頭の隅から聞こえてくる。この声は嘘もつくがたまにホントの事も言う。要するに信用ならない声なんだけども。
「ありがとうございましたっ!」
の威勢の良い挨拶を背中に受けて店を出ると、少し気分が浮上した。

さて、パンはすこぶる旨かった。
具のみならずパン生地にも色々思いがあるようで、もちもちとした食感のパンとツナペーストがツナおにぎりのようでなかなかグー。
みじん切りのバジル入りのパンはちょっと塩気があって、こちらはほろほろとした感じ。こってりと甘辛い鶏肉とも良く合っている。

そして、シュークリームが想像以上に絶品だった。頭の隅の声はどうやら本物だったらしい。どっしりこってりと妙にコシのあるクリームはでも重くなくて、口に入れると「ほわん、ほえほえほえ〜ん」と溶けていく。お、美味しい。ごっつぅ、美味しい。シュー生地は特段すごいっ!という程のものではないけど、このクリームは好みだっ!すんばらしいっ!
ストレスついでにヤクルトのおばちゃんから買ってしまったヨーグルトも食べつつ、デザートの至福に浸るひとときである。
はー。んまかった。また買ってこよう。

シカゴピザの
 ジャーマンビッツS
 グリルチキン
コカコーラ

昼に一時大浮上した気分だったが(←シュークリーム効果)、帰る時にはまた落下していた。
どうにも仕事が忙しい。やって楽しい仕事は苦にならないが、目の前に立ちはだかるのは「決済文書持ち回り」だの「登記簿謄本取得に新宿へ」だの「社長印ゲット」だのめんどくさいことばっかりなのである。金にならなく、手間ばかりかかる。はー。めんどくさ。

家に帰ると、本当に何もする気力が無くなった。
ぐてー、と床に座り込んでどうすべきか考える。食事の支度もめんどうだ。御飯を炊くのもめんどくさい。だんなに電話。
「あのー、激ジョブだったんです。やる気ないので、もし遅くなるようだったらそっちで御飯食べてきてくれても良いかとー。」
と言ってみる。そう言いながら、
「あ、じゃあ何か買って帰ろうか」
とか、
「もうすぐ帰れそうだからピザでも取る?」
とか、そんな言葉を期待していた。経験から大概そう言ってくれることがわかっていた。

なのになのに、今日に限ってだんなは曰く、
「あー、今飛び込みで仕事入っちゃってて。ちょっと遅くなりそうだったからそうするわ。」
ガチャン。
だんなの声は怒ってる風じゃなかった。多分本当に今日は忙しいのだ。
むー。むー。むー。
……仕方ない。

しょうがないので、自分はともかく息子の飯をなんとかしなきゃいけない。
実のところ、御飯を炊くのもおっくうになっているのだが、居間のパソコンの前に座り、データベースを立ち上げる。「せりあちゃんのお料理ノート」と題する総レシピ数2000を誇る大データベースだ。主材料はおろか、「カレー粉」という検索文字を入れればカレー味料理が全て抽出される。入力に大変苦心した労作だが、周富徳も小林カツ代もこの中で眠っている、私の先生なのであった。
御飯もので「ツナ」をキーワードに、ツナとトマトの炊き込みご飯でもしようかと思い、立ち上げると、いきなりパソコンがフリーズ。
しゅうぅぅぅぅぅ……
などと不穏な音を出してパソコンは動かなくなった。

パ、パソコンまで私を愚弄している!!!

もう本当にやる気が無くなってしまい、数歩歩いて棚からシカゴピザのパンフを引きずり出す。
おいもたっぷり、「ジャーマンビッツ」の文字が目に付いた。この際、だんながあまり好まない芋とコーンだらけのピザをとることにしよう、1人分。Sサイズピザと、チキンがあれば息子と2人で食えるだろう。速攻で電話をかける。「いつもありがとうございます」の声を受けつつ、ちゃっちゃと注文。

30分後、ピザ到着。息子に2切れ、私が6切れ、美味しくいただく。
皮付き塊ポテトがごろごろ、コーンもたっぷり、チーズもたっぷり。悪くない。ていうか、美味しい。
福臨門魚翅海鮮酒家の超高級ふかひれスープもそりゃ大好きだけど、私はジャンクフードもやっぱり好きだ。ベタベタと手について蛍光色に染まるターメリックたっぷりの鶏肉も、いいじゃないか。コークを傍らに置いて。

追記。
だんなの帰宅は午後11時前でした。本当に大変だったらしいのでした。

12/10 (金)
フルーツグラノーラ with 牛乳

【本日の痩身 : 前回測定比プラス400g・あと23日で目標4.8kg減】

体重、変動ありません。
いや、嘘です。変動はあります。増えています。サイアクです。
うがー。(後悔中)

で、今朝は控えめにコーンフレークス。
コーンフレークスと言っても、私の好みは「フルーツグラノーラ」(カルビー……だったかな?)一辺倒なのである。
ドライフルーツやら南瓜の種やらが入っていて、コリコリした食感で、味と歯ごたえの気持ち良さがついつい私を引き付ける。

チョウシ屋
 ピーナッツバターパン
 かきフライ 3個
レモンとカルピス

年末へ向け、今日もお仕事ほいさっさ。気がつくと12時の鐘が鳴りおわったところだった。
何を食べようか全く決まってないまま昼の鐘を迎えてしまうとは不覚である。
菓子パンはちょっと違う、御飯の弁当もちょっと違う……とビルを出たところで唐突に
チョウシ屋へ行こう!」
と思い立った。12時過ぎると行列のあの店に、小走りしながらとっとと向かう。

なじみの店のなじみのメニュー看板に、1枚の紙。
先日から貼られているそれには「かきフライ」の文字が黒々と光っている。1個130円、とも書いてある。なかなかの高値だ。
それを凝視すること3秒。今日の御飯はかきフライをメインにすることに決定。でも主食も欲しい。
「えーと、ピーナッツバターパン、コッペでね。あとかきフライを3つ包んでくださいっ!」
と注文。
甘いピーナッツバターパンとかきフライ。ちょっと変かもしれないが、まぁいいじゃないかセニョリータ。

おばちゃんがパンに切れ込みを入れてピーナッツバターのついた竹べらをこねくりまわしている横で、おっちゃんが揚げものが並ぶ網から赤ん坊の拳大のものを3つ、ひょいひょいと油紙に包んでくれている。なんか大きいぞかきフライ。牡蠣ってそんなに大きかっただろうか。

席に帰って袋を開けると、果たしてかきフライは巨大であった。
息子の拳骨よりも、確実に大きい。困った。2個にしておけば良かった。
かきフライ業界で話題の、これが噂の「2個揚げ」というやつらしい。牡蠣を2つくっつけて、衣つけて揚げると身も衣も良い感じになるとかいうやつなのだ。本当だってば。どっかで見たんだってば。
課の冷蔵庫に常備されている中濃ソースをちろりとたらし、箸でつまんでかじりつく。
肉屋独特の、ラードで揚げた衣の中に、ぷりぷりの身が光っている。ああん、牡蠣だー。しかも火の通り具合も良い感じだー。やっぱり複数入っているー。
ニタニタしながらかきフライを食べる私。ちょっとヘンな人かもしれない。

かきフライ3つ、こってり塗られたピーナッツバターパンまでたいらげてしまい、ちょっと後悔。
今日の午後はミルククラブに行く予定なのに。

ミルククラブ
 コーヒーフロート

ミルククラブとは。
大手町、JAビル地下に位置する、JA経営の国内乳製品のアンテナショップである。営業は平日のみ、午後7時までしかやっていないこの店に訪れるには、平日の昼間にやってくるしか方法は無いのであった。
ちょうどうまい具合にこの近辺に会社関連のビルがあるので、そこらに用事がある時はここで時々昼御飯を食べたり休憩したりしている。

販売物は無論乳製品だらけである。北海道の牧場で作られたモッツァレラチーズにクリームチーズ、岩手の牧場からはカマンベール、大分の牧場からのウォッシュチーズ、なんてのもある。各種アイスクリームもある。時には「牛柄マグカップ」などというアイテムまで売られている。
乳製品はもとより、牛柄グッズを昔から愛している私にはパラダイスなのであった。

そして、ここのパラダイスたる理由の最大なものは別にある。
「牛乳飲み放題 100円」
がそれである。
カウンターで100円を出し紙コップを貰うだけで、喫茶コーナーの冷たい牛乳、冬には加えてホットミルクが飲み放題となる。しかもそれは、ほの甘くて妙に美味しいのだ。
200円のソフトクリームもまた悪くない。店に来るといつでも誰かが食べているところからも、人気が察せられよう。
あ、ちなみにチーズマフィンやチーズケーキもおすすめで……(キリがないので割愛)

話戻して、午後は東京駅近くの支店ビルに決裁文書を渡しに行くというお仕事が私の前に転がっているのである。
お仕事の後は、当然その足をJAビルに向けるというのが私に組まれているプログラムであった。
で、今日はコーヒーフロート。
「喉が渇いた、けどソフトクリームも食べたい」
の向きには大抵これを注文する。
大き目のプラコップにアイスコーヒーが入り、上にソフトクリームがにょにょにょにょにょと盛られるのがここのコーヒーフロート。添えられたスプーンでがつがつとソフトクリームを堪能した後で少々白く濁った感じになっているコーヒーをすする、というのが私の方法である。
うむ、今日もソフトクリームがしみっじみ美味しい。

木村屋ペストリーショップ
 ミックスサンド
 バナナクリーム入りフレンチトースト
ブロッコリーとソーセージのミルクスープ
アイスカフェオレ

だんな帰り遅し。
紙おむつ買わなきゃー、銀行寄らなきゃー、と退社してからばたばたしていたついでに、木村屋ペストリーショップに寄り道。
「木村屋」とはあるが銀座本店のあの店とはちと違う、サンドイッチを主に供する喫茶店併設の可愛らしいお店である。のれん分けのお店だということだ。無論あんぱんもあるが、妙に味のある風変わりなパンが多い。40種類以上あるサンドイッチは持ち帰りも出来るが、洋梨やプルーンのコンポートがつく店内召し上がりがやっぱり嬉しいし、美味しい。
……で、とりあえず、パンでも買って帰るか、とガラス扉を開ける。

あんぱん5つ、500円が450円、とある。ひとつ、手に取る。
菓子パンの棚を見ていると、茶色の髪にそばかす顔のキュートな店員さんが「新製品ですっ!おひとつどうぞ♪」と小さく切ったパンが入る籠を差し出した。ほんのり甘く、酸味がある、もちもちとしたパンだ。聞くとイタリアのクリスマスパンだという。何とかいうクリームと、パッションフルーツを使っているとか。1ついただく。
いつ帰るとも知らないだんなのためにモッツァレラと鶏肉、チョリソー入りのクロワッサンの形状をしたパンも追加し、後は夕飯用にミックスサンド、バナナクリーム入りフレンチトーストを選択。全てを入れてパンパンになってしまった紙袋を抱えて帰宅。

息子用に、ブロッコリーをちょっと柔らかめにコンソメで煮てソーセージの輪切りをぶっこみ、牛乳たっぷり入れてミルクスープを作成してみる。
スープとサンドイッチのお手軽夕御飯だ。
フレンチトーストを半分こ、ミックスサンド6切れは、息子が2切れであと私。
フレンチトーストは、薄切りにした食パンにたっぷり卵液をしみ込ませてオーブンで焼いた、てな感じだ。間に薄切りバナナとホイップクリームが控え目に挟まっている。パンもクリームもほんのり甘く、でもどっしりとお腹にたまる。

で、やっぱり美味しいのはミックスサンドなんだな。
サンドイッチは2種類。1つにはロースハムとおそらくクリームチーズが挟まれている。もう1つはレタスとみじん切り卵、きゅうりとチーズ、それにコールスローがたっぷり。このコールスローサンドイッチが、見た目は派手じゃないのに、なんかやったら美味しいのである。
お店でいただいてきた、白黒コピーの6Pにも渡るメニューには味わい深い説明が載っている。
「当店自慢のコールスロー キャベツ、にんじん、セロリ、オニオンの千切りを数日間塩蔵して充分に水を抜き、数種のスパイスをブレンドした特製マヨネーズで和へました。」(原文ママ)。

「和へました。」
いいじゃないか、「和へました」。すばらしい。こうでなくては。
カフェオレではなく「ミルクコーヒー」。
サンドイッチではなく「サンドウィッチ」。
赤とオレンジのタイルも美しい、この古めかしいお店がやっぱり私は大好きだ。
……どうも今日の私は色々幸せだなぁと思っていたら、日に3軒も大好きなお店を渡り歩いてしまっていたのだった。
そりゃ……幸せだわ(納得)。

12/11 (土)
木村屋ペストリーショップ
 イタリアのクリスマスパン(名前失念)
 唐揚げとチョリソー入りデニッシュ
 バナナクリーム入りフレンチトースト
 あんぱん
ブロッコリーとソーセージのミルクスープ
牛乳

【本日の痩身 : 昨日測定比プラスマイナス0g・あと22日で目標4.8kg減】

今日は合羽橋にボーナス握りしめてお買い物に行くのだ!
と決意も熱く、9時半に起床。
昨日買ってきたパンを出して、全部を3人分に切り分けてちょっとずつお皿に盛る。2口分くらいずつのデニッシュやフレンチトーストに、1人1個のあんぱんをつけて、昨夜の残りのスープも温め、そしてドリンクは当然「牛乳」である。

如何にブラックコーヒーと相性が良さそうなデニッシュがあろうとも、ミルクティをお供につけたいようなフレンチトーストがあろうとも、"あんぱん"がそこにある以上牛乳を出さないわけにはいかないのである。あんぱんの相方としては、やはり牛乳。この組み合わせを崩すと、私の中の大切な何かが壊れちゃうような気がする(んな大袈裟な)。

丸善ゴルファーズスナックにて
 オムライス ハヤシソースがけ \1100
 牡蠣スープ \300

まず出向いた先は銀座。銀座三越で用事を済ませ、更に用事のある日本橋三越へ向けててくてく歩き、道中の丸善ゴルファーズスナックにてお昼ご飯。

店は大型本屋、丸善の屋上にある。
名前が「ゴルファーズスナック」というだけに、「ゴルファーズセンター」なるものが併設している。
昔なりし頃、ゴルフが金持ちの道楽でしか無かった頃にできたというのがこのゴルフセンター。お客のお付きの人々が、主人のプレーが終了するのを待つのに使っていたのがこのお店だったとか。丸善の創始者、早矢仕有的(はやしゆうてき)氏が草案した、ここの人気メニューが「ハヤシライス」の発祥だという説もある。
真偽はどうであれ、ここのハヤシライスは美味しい。本当に美味しい。

今日の注文はオムライス。ハヤシソースとカレーソースを選択でかけることが出来る。当然ハヤシソースで頼む。
だんなの注文はハンバーグハヤシ。こちらは\1200。ちなみにハヤシライスは\900だ。
壁に張られた紙にあった、「牡蠣スープ」なるものも注文。小は\300、大は\500、とある。

赤いチェックのビニールクロスが敷かれた、小さいテーブルの前で待つこと数分、コーヒーカップに入ったスープが出てきた。白く厚手の、ぼってりとしたカップに黄色いポタージュがとろりと入っている。クルトンが浮かぶ下には黒い小さな点々が見え、これが牡蠣かと窺える。
熱いスープは滑らかで、固形の具は全く入っていない。牡蠣が無くてもしっかりした味のコーンポタージュに、牡蠣の味と香りがほわんほわんと混じっている。こりゃ、美味しいや。見た目コーンポタージュとさほど変わりないのに、一口すするだけでまごうかたなき牡蠣の香りと味がする。

感動している間に大きな皿もやってきた。
チキンライスに半熟の卵焼きが乗り、帯状にハヤシソースがかかるオムライス。ハンバーグライスにはたっぷりと黒々としたハヤシソースがかかっている。共にグリーンピースが数個、ころころと乗せられているのが泣かせてくれる。刻みキャベツや人参の入る、ミニサラダつき。
ここのハヤシソースは本当に黒い。褐色というより「黒」である。甘味もあるが、苦味もある。「煮込んで煮込んで煮込んでます」という感じの濃厚なソースはちょっと、大人の味かもしれない。そこが良いのだ。

食後、日本橋三越まで歩き、所用を済ませた後で田原町へ向かう。
銀座線に乗り、終点の浅草の1つ手前のその駅が、合羽橋最寄り駅だ。数百メートル歩くと、業務用調理器具の殿堂、合羽橋道具街。調理器具はおろか、業務用食材や冷蔵ケース、店用の椅子や座布団、蝋細工まで揃っており、来ると半日は出られない魔のゾーンである。

2時間ほどで3万円ほどをつぎ込み、様々買う。こんな感じ。

・和食器店 田窯にて
お銚子1つ、お猪口2個、ご飯茶碗2つ購入。
年末セールやってて、ちょっとわくわく。
お気に入りの唐辛子模様の皿の前で逡巡するも、皿購入は断念。

・業務用食材店 本間商店にて
カルピス特撰バター2個、業務用麦茶パック、業務用コンデンスミルク、エバミルクを購入。
合羽橋来訪の際は必ず訪れる店。
カルピス特撰バターは450gで750円という素晴らしさ。480g入りのコンデンスミルクは、そのマヨネーズのような巨大さに惚れ、思わず購入、420円。

・業務用食材店 宇田川商店にて
干し椎茸、業務用練り胡麻を購入。
時々どえりゃー安いものがあるお店。
100円のスライス干し椎茸の袋を見つける。ちょっと嬉しい。

・調理器具店 藤田道具にて
27cm寸胴鍋、やっとこ鍋3個、やっとこを購入。
懸案の寸胴鍋を、一番安かったこの店で購入。5100円。これでスープストックもビーフシチューもたっぷり作れるようになる。
ついでに、やっとこ鍋も手に取る。"やっとこ"なるハサミのようなもので掴んで使用する、のっぺりした持ち手の無い鍋のことだ。クリステル社のハンドル着脱鍋の日本版とも言えるそれに、ずっと憧れていたのであった。15cm、18cm、21cmのサイズで1個ずつ購入。持ち手が無いのでオーブンにも入る。わーいわーい。

・和食器店 ヤマヤ商店にて
とんすい2個、鍋用れんげとれんげ置きのセット、レードルを購入。
寸胴鍋のサイズに合った、長めのレードルと、今使用中の土鍋と同じシリーズのとんすい、れんげ置きセットをみつけた。早速購入。

・調理器具店 カジワラキッチンサプライにて
シノワ購入。
本日最高値の買い物はこのシノワ。6010円なり。
シノワとは、三角錐を逆さにした形状の裏ごし器のこと。昨年ビーフシチューを作った時に、普通の網とお玉を使ってぐいぐい裏漉ししたら両方ともぶっこわれそうになってしまったのであった。なので、寸胴鍋を買ったならこれも買わなくちゃいけない。買ったばかりの丈夫なレードルと、シノワがあったらビーフシチューも水炊きも、ばっちりなのだ。きっとそうだ。

・和食器店 まえ田にて
寿司屋風湯呑み購入。
だんなが欲しがっていた寿司屋風湯呑みを発見。「鮪鯖鰆鯛鰯鰹鰺……」とえんえんと魚の名前が書いてあるやつだ。キュートだ。

・店名失念
たこ焼き器購入。
1000円のたこ焼き器セットを発見。だんなに告げると楽しそうに店内に消えていった。
南部鉄器で出来た可愛らしいやつで、油ひきなどの道具もついている。ぬー、卵焼き器もまだ買っていないのに。

……さすがに疲れた。

田原町のモスバーガーで
 おしるこ
 アイスウーロン茶

買い物終えて、一休み。
もう4時過ぎて、薄暗くなってきてしまった。

最後に、田原町そばの八百屋で野菜をたっぷり買って帰宅。
不気味に安いこの店は、いつも驚くほどの値段の野菜が揃っている。今日は白菜60円、キャベツが1玉100円など。
100円のキャベツと、130円のパプリカを2つと、150円で6個入りの茄子、3束で100円のにんにくの芽などを買う。390円の苺なんてのまであったのでこれも当然いただく。
地下鉄のホームで「たくさん買ったわねぇ」と見知らぬおばちゃんに驚愕される程の荷物となった。
やれやれ。

吾妻鮨の
 お寿司
インスタント吸い物
ビール、緑茶

5時半、疲れ果てて帰宅。
ボーナスも出たということで、近所の寿司屋から出前を取ってしまうことに。だんなは早速買ったばかりの「鮪鯖鰆鯛鰯鰹鰺……」湯呑みを楽しそうに洗っている。
「特」の握りを奮発して注文。イクラやウニ、トロやお頭つきの海老の握りなんかが入っている。
旨いは旨いのだが、何故1人前の握りというのはこんなに少ないのだろうか。"お好み"や食べ放題などにした日には、これの3倍は軽く食べる自分としてはちょっと物足りないのである。やっぱり自分は大食い……なのだろうなぁ。。

12/12 (日)
千趣会の
 欧風フルーティカレー
アイスカフェオレ

【本日の痩身 : 計測忘れ。】

9時半、起床。
「あんぱん、食べる?」「いや……ちょっと違う」
「朝御飯に、スパゲティ茹でる?」「……いや、それもちょっと」
などの会話を経て、今朝はレトルトカレー。

毎月種類を変えて2種類ずつ届いている千趣会のレトルトカレーの中から「欧風フルーティカレー」を温める。
ちょっと辛くてちょっと甘くて酸っぱくて、でもパイナップルや干し葡萄やりんごがゴロゴロ入っているわけでもなく、「どこらへんがフルーティなのだらふか」と自問しながら食べてみた。まぁまぁ美味しい。

カレーというと、ある昔の話を思い出す。
時は10数年前、場所は新宿。
ホテルセンチュリーハイアット1階のレストランで食事をした時のことである。
「フラワーフェア」
などという面白いフェアをやっていた。季節はおそらく夏である。
「お花のサラダ」「フラワームース」「バラのスープ」など、花花花花したメニューが確かに用意されていた。いかにも煌びやかなメニューだ。食欲をそそるかどうかは置いておいて。

母は何を思ったか、「フラワーカレー」なるものを注文した。私は普通のスパゲティか何かであったと記憶する。
ほどなくして来たのは、目にも鮮やかなカレー。見た目普通のカレーの上には、色とりどりの食用花が飾られていた。バラの花びらの散るカレーをすくう、母。
花にカレーは果たして相性が良いものだろうか。
褐色のカレーに汚されていく花びらを食べる母は、無言だった。「美味しい?」とも聞けぬような表情であった。
何故母はフラワーカレーを注文してしまったのだろうか。
そもそも一体誰だ、こんなの考えたのは。

困惑する母と娘の前に、白い高帽をかぶった年の頃30代くらいの男性がやってきた。服装からして、どうやらコックだ。
遠慮気味に、彼は花びらと対峙する母に問うた。
「お味の方は……いかがですか?実は、こちら、初めてお出ししたんです。」
小犬のような目で母に問い掛ける彼。
顔には"僕が考えて、僕が作りました"と極太ゴシック体36ptで書いてある。
そんな彼に「まずい」と言えようか。言えないだろう。母は気遣いの人であった。
「悪くは……ないですよ。ただ、普通のカレーの方が……いいかなー……と……」

母の口調と表情で、およそ言いたいことは伝わったのだと思う。
コックは
「そうですか……ありがとうございました。参考にさせていただきます。」
と丁寧に礼をしてその場を去った。
その後、フェア期間に「フラワーカレー」が供されつづけたのかどうかは謎である。
母以外に食べた人物が果たしていたのかも。

シカゴピザの
 ハンバーグビッツピザ
 ハッシュポテト
 グリルチキン
コカコーラ・ライト

朝からカレー食って、昼はピザ。
一応「昼はヨコイのスパゲッティ!」と話していたりもしたのだが、断念。ピザになる。

というのもガスコンロにて巨大な巨大な寸胴鍋が強火にあおられている最中であり、中では鶏ガラがガンガン煮込まれているからである。
コンロがふさがれ、他の料理は一切出来ない状態だ。
無論活躍しているのは、昨日買ってきたばかりのオニューの寸胴鍋。
昼前から鶏ガラ2羽分を鍋にぶっこみ茹でこぼし、綺麗に洗って再び鍋へ。骨まで溶けろとばかりにグラグラに煮込んでいるのであった。
水炊きの仕込みは、大変だ。
それでも苦労が報われる美味が湯気の向こうに見えちゃうのだからしょーがない。

初めて取った、ハンバーグとうずらの卵がごろごろ乗ったピザはすこぶる旨かった。安っぽすぎる味のハンバーグとソースが泣かせてくれる。
「ジャンク食ってますっ!身体にめっちゃ、悪いんですっ!」
と高らかに宣言しちゃってるようなピザである。
ちょっとだけ、胃もたれ。

水炊き
 鶏肉、鶏団子、キャベツ、にんじん、長ねぎ
ビール、麦茶

いちご with コンデンスミルク&牛乳

仕込みに4時間はかけた、壮大な水炊きが今晩のメイン。
水炊きは透明スープで食べるにあらず。白濁した、とんこつスープとも見まごうような濃度のスープを用意せねばならない。
その為には、4時間の仕込みがどうしても大切なのだ。仕方ないのだ。でも、しんどいからあんまりやりたくはないのだ。

まず、鶏がらを用意し、茹でこぼす。鶏がらの表面が白くなったところで、汚れや血の塊をこそげおとす。時々、妙な内臓が残っていて、触ると「ぶっしゅうぅぅぅぅ」と血が飛び散ることも無いではないが、そんなことを気にしてはいけない。女は度胸だ。鳥肌たてながら、頑張る。
綺麗になった鶏がらを、たっぷりの水でがんがん煮込む。ひたすら強火で2時間くらい。
その間に食肉を用意。ぶつ切り鶏肉を茹でこぼし、こちらは酒と塩を入れた水で茹でて20分。肉は冷ましてスープは取っておく。
水の量が少なくなったスープ鍋に、食肉を茹でたスープも投入。そろそろ骨もモロくなってきているはずなので、レードルで骨をうりゃうりゃと潰す。潰すほどにスープは白濁する。全てを粉砕する姿勢で、骨を粉々に砕く。
もうちょっと煮込み、好みの濃度になったらスープ完成。

こうして汗と努力の末に出来たスープを土鍋に入れて、肉も入れる。
食卓に出して、まず肉を堪能。野菜を入れちゃうとスープが薄まってしまうので、野菜はとりあえず我慢。
たっぷりの刻み万能葱と、おろし生姜と胡椒、手製のだし醤油と柚子の搾り汁を用意。
そば猪口にスープを入れて、柚子をひとたらし。胡椒をがりがり挽いて入れると、これまでの苦労も報われるというもんである。今日のスープはいまいち内臓臭さが残っていて、それだけが残念だったけど、それでも旨い。

スープと肉をほどよく堪能したところで野菜を投入。鶏肉団子も投入。
団子は、冷蔵庫で残っていた鶏もも肉をフードプロセッサーにかけて挽き肉にし、卵黄加えて練り合わせただけのもの。刻み葱や生姜を混ぜ込んでも絶対美味しいけど、今日はとりあえず肉のみのお団子。
で、水炊きには白菜より春菊より何よりキャベツが必須である。
わかってはいたけど、今日また新たにキャベツの旨さに開眼する。甘くて美味しいんだ。キャベツってこんなに旨い野菜だったのかっ!と妙に感動するくらい美味しいんだ。水炊きのキャベツは本当にサイコーなのである。

肉、スープ、キャベツキャベツ、スープ、肉団子、スープ、葱を少々。
と額に汗して水炊きを喰らう。これまでになく寒い今日なのに、窓を開け放したいほど汗びっしょりになってくる。
ビール飲みつつ、いい加減堪能したところで御飯を投入。溶き卵も流しいれて、最後は「鶏雑炊」で締める。
食後のデザートはコンデンスミルクと牛乳入れた、苺。
うーん、シアワセだ。