8月18日(日) 牡蠣っ喰いに、行こう〜♪

いざニューオーリンズ

朝8時、起床。情報収集も何も済んでいない状態ではあるが、ニューオーリンズを目指してあと150マイルほどの道を今日は進む。

朝御飯は、ホテルの無料セルフサービスコーナーで。ロビーの奥にある小さな喫茶コーナーのカウンターには、宿泊客用にデニッシュやドーナツ、コーンフレークがコーヒー紅茶、ジュース類と共に用意されている。紙皿に適当にそれらを取り喫茶コーナーで食べたり、あるいは部屋に持ち帰って食べたりする。宿泊客の中には、巨大なトラベルマグになみなみとコーヒーを詰めていく人もいるし、各部屋に設置されているコーヒーメーカーのポットにコーヒーを詰めて持っていく人もいる。アメリカに来て思うことは「……みんなコーヒーが好きだなぁ……」ということだ。私なぞは、暑い日に熱いコーヒーを飲む気には今ひとつなれない。寒い日に温かいものは嬉しいけど、それでもコーヒーよりは紅茶が嬉しいと思ってしまったり。

ともあれ、ドーナツ1個に小型のマフィン1個の朝御飯。アップルジュースと牛乳を飲む。まだ朝だというのに気温はどんどん上がってくる。今日ももの凄く暑くなりそうで、今がローシーズンだというのが身に染みて理解できてきた。
朝御飯、だんなの食べた食パンの袋には近所のスーパー「WAL☆MART」のマークがでかでかと入っている。そういえば、私の食べたドーナツもマフィンも、何だか売られていたような気が。思わず笑ってしまった。

チェックアウトし、いざ出発。

この高速道路を走ればいずれニューオーリンズに着くということだけはわかっているけど、どの出口で出れば良いのかだとか、そのへんからわかっていない私たち。時速100マイルで一直線の道路を今日もかっとばしつつ、「まぁ、なんとかなんべー」とずんずん進む。

30分ほど走り、州境を突破。ミシシッピ州からルイジアナ州に入った。
するとその直後に「Welcome Center」なる州運営のツーリストセンターが高速道路沿いに見えた。おおー、嬉しい。嬉しいぞ。RPGの基本はマップである。マップを入手しなければならない。
冷房の効いた建物の中には、観光案内パンフや安売りシールのついた宿の案内パンフなどがどっさりとあった。マップはカウンターで「この州のマップちょーだい」と告げると州マップとニューオーリンズ拡大マップの2つを貰うことができた。カウンターのおばちゃんに
「何日滞在するの?」
と問われ、
「3泊だよ」
と答えると、
「じゃあこれも持って行きなさい」
とクーポンブックも持たされた。後になって、これがすごく役に立つ。クーポンは大事だ。
で、マップ取得イベント終了。

しかし嬉しいセンターだった。コーヒーは無料でサービスされているし、トイレは綺麗だし。案内されている宿の料金は軒並み低くなっていて、30%OFF、50%OFFといったものが多かった。いくつかそのパンフレットを見繕って持っていく。

後ろの席で「すっごーい」と騒ぐ私と息子
湖だ湖だ湖だ〜

あとはひたすら南下南下南下。
とんがった樹が徐々に丸っぽくなってきたと思ったら、周囲の様相は一変し、どこまでもどこまでも続く湿地帯になった。丈の低い草の下には日光を反射している水面が見え、枯れたように見える樹がぽつりぽつりと立っているという光景が左右両方に広がった。道路はいつのまにか高架になっていて、左に「Pontchartrain湖」、右に「Maurepas湖」という水だらけの風景になり、それが終わると民家がどっと増えて高層ビルが立ち並ぶビジネスタウンに入った。

食の町、ニューオーリンズだ。何しろ手持ちの英語のガイドブックには「Eating is a major activity in New Orleans.」とか書かれているのだ。メジャーアクティビティと言われてしまっては、これは喰わずにはいられない。

「ケイジャン料理」と「クレオール料理」

昼間近、無事に私たちはニューオーリンズに到着した。観光の中心街である「French Quarter」内の宿も、ローシーズンの今は安いことから、このエリアで宿探ししがてら昼食も摂ることに。

ぶりぶりの異国情緒。ステキ〜 この地は100年間フランスに統治されていた時代があったそうで、そのフランス文化の影響が色濃く残っているのだそうである。そのほかスペイン、イタリア、メキシコ、キューバと様々な国の文化が流入していて、その建築様式や料理のスタイルが独特なのだという。

「French Quarter」に入ると、その壁が白やピンク、スカイブルーなどの美しい建物群からしてもう、我が家と同じアメリカ南部地方とは思えない光景だ。1階部分は高さが5mほどあり、巨大な門や扉が設えてある。各建物、道路にせり出すようにその1階の上に屋根がついていて、それが2階のバルコニーとなっている。バルコニーにはこれでもかと草木や花を飾り、椅子を置き、レースのような装飾のついた手すりがバルコニーの周囲を取り囲んでいる。2階3階の植木に昼間、じゃぶじゃぶと水を与えているようで散策していると上から水がだばだばと路上に降ってきたりする。

そして独特の料理。「Cajun(ケイジャン)料理」、「Creole(クレオール)料理」と称されるものがニューオーリンズ独特の食文化ということだけど、その両者の違いははっきりしているような、していないような。観光客向けの店などは「Cajun & Creole」と併記してあったり、ところが"超高級フランス料理です"みたいな店構えのレストラン(入っていく客は全員スーツ着用、みたいな)には「Creole」と書いてあったり。一見するとCajunが庶民的、Creoleが高級っぽい、という感じではある。

家に帰ってから調べてみると、その違いとされる歴史も参考書籍によってかなり異なっている。

ケイジャン料理 : 庶民的な料理。植民地時代に黒人が食べていた。
クレオール料理 : フランス系移民が使用人に作らせて食べていた、現代のフレンチに似た料理。

ケイジャン料理 : フランスからカナダへ渡った移民が大陸を南下してニューオーリンズに辿り着き、そこで広めた料理。庶民の味。
クレオール料理 : プランテーションを経営する貴族たちが、ニューオーリンズの食材を使って伝統的フレンチに近づけようと考えた料理。ベシャメルソースなどを使い、見た目も優雅な感じのするものが多い。

(参考:『ワールドガイド アメリカ南部』JTB 2001.04)

ケイジャン料理 : カナダのアケディア地方にいたフランスからの移民たちが南下してニューオーリンズにたどり着き、創った独自の文化。「ケイジャン」は「アケディア」がなまったもの。庶民の創った素朴な田舎料理であり、高価なスパイスの代わりに唐辛子を使っている。
クレオール料理 : 革命後のフランスやカリブから移民してきた貴族や上流階級の人々が連れてきた料理人たちが土地の食材を使ってブラウンのルーをベースのスパイスを効かせて創り上げた、洗練された料理。

(参考:『海外でメニューがわかる本 アメリカ編』集英社 2002.04)

要するに、ベシャメルソースやブラウンソースが多用されたよりフランス料理に近いものがクレオールで、唐辛子(タバスコ)の効いた庶民風のものがケイジャン、ということだろうか。
実際にはガンボスープはどちらの店でも見かけることができるし、"Creole"の名を冠する料理もケイジャン料理屋のメニューに載っているから、感じる違いはあまりない(高級そうなレストランもあるねぇ、というくらい)。

とりあえずジャンバラヤ〜「River's Edge」

高速道路を降り、
「左折……そいでもってまた左折……5ブロックくらい行ったら右折、数ブロック先が多分街の中心だよ〜」
とだんなの背後からナビして、「このへんかな?」と車を止めたところは正に中心の「Jackson Square」なるところだった。周囲に飲食店もぽちぽち見えるけど、さてどうしたものだろう。美味しそうなフランス風のカフェもあるけど、やっぱりここはこの土地ならではのものから食べたいところだ。

「ジャンバラヤとかー、ガンボとかー」
と言いながら歩いていると、まさに「New Orleans Cuisine -CAJUN CREOLE-」なる看板を下げた、コテコテの観光客向けっぽい店に辿り着いた。空腹も極まっていたことだしここに入ってしまうことにする。あとで分かったことだけど、揚げドーナツの人気店「Cafe du Monde」は道路を挟んですぐ向かいなのだった。

私は「New Orleans Fevorites」なるメニューから「Seafood Jambalaya」を。説明書きには
「A "spicy" dish made with rice, shrimpand sausage. Served with sauteed vegetables.」
とあった。だんなはピザメニューの中から「Creole Pizza」を。これは
「Fresh spinach, mushrooms, garlic, tomatos. olive oil and Parmesan cheese.」
というものらしい。あとはつまみにオニオンリング、スプライトとコーラを適当に。

楕円の皿にどかっと盛られてやってきたのは真っ赤なソースのかかった赤茶色のご飯。ジャンバラヤって炒飯のようなものかと思っていたけど、実際はパエリヤに近い炊き込み御飯なのだとか。唐辛子の辛さの効いたトマトソースベースのご飯の中にはピリ辛のソーセージの他、玉ねぎやピーマンなどの野菜も入っている。上にかかるのは海老と野菜の入ったトマトたっぷりのソース。ご飯の両側にはコーンとオクラをバターソテーしたようなものがたっぷりと添えられていた。辛い。辛いけど旨い。でも辛い。……とスプライトをお代わり。がぶがぶ飲んじゃう。辛すぎるということもないけど、汗が止まらない。

こっちがシーフードジャンバラヤ こっちはクレオールピッツァ

で、大皿にどかんとやってきたクレオールピッツァ。
ゆでほうれん草がたっぷりとピザ生地の上に敷かれ、巨大な厚切りトマトが並べられている。これまた巨大なマッシュルームも厚切りになって散らされて、チーズたっぷり。そして、皿の周囲1.5mほどに漂う強烈なにんにくの香り。塊のにんにくが入っているわけでなく、どうやら刻んだものかペーストからを散らしたようだけど、にんにく1株分入ってるんじゃないかというくらいににんにく臭が強烈だ。
「おゆきさん……ホテルの交渉は君がしなさいね。僕はきっと臭いから」
とだんなが宣言してしまうほどのにんにくだった。でも、私たちにんにく大好きなのである。もりもり食べちゃう。


New Orleans 「River's Edge」にて
Seafood Jambalaya
Creole Pizza
Onion Rings
Sprite
Coke
$9.95
$8.95
$3.95
2×$2.00
$2.00

ゴーストツアーが立ち寄るホテル……「Hotel Provincial」

腹を満たした後は、いよいよ宿探し。
当初は「安く済ませるためにモーテルでいいよ、モーテルで〜」と言っていたけど、現在はローシーズンということで町中でもかなり安く泊まれるらしい。しかも「Creole Style」と呼ばれる様式の建物は通りに面する側は殺風景でも内側に噴水つきの中庭を配していたりするということで、なんともステキそうだ。
「そんな宿に泊まりたい泊まりたい!」
と主張して、道中のインフォメーションセンターであれこれパンフレットを物色してきてみた。そのうちの1つ、「Hotel Provincial」に行ってみることに。「French Quarter」内にあり、しかも夏価格で1泊たったの$49ときた。

「$49!!」なんてでかでかとシールの貼られたパンフレットを出しつつ、「今日から3泊、できる?」と聞いてみる。
「このパンフレット、どこで貰ったの?」
などとあれこれ聞かれつつ、それでも親子3人まとめて1泊$49で泊まれることにめでたく決定。ただし、町中なので駐車料金として1泊$13取られるのだそうだ。まぁ……仕方ない。

噴水つきの中庭。息子が喜び駆けずりまわる コの字やロの字型に部屋が配置され、部屋の入り口が全て中庭側を向いている作りになっている。部屋に囲まれるように小さな噴水つきの煉瓦敷きの中庭があり、中庭の裏には同様に部屋に囲まれたプールもある。

部屋はかなり小さかった。
冷蔵庫もないし、ホテル内にはコインランドリーもない(シャツの洗濯もランドリーサービスを頼まなきゃいけない)。ベッドはダブルサイズが1つだけで、3日間、親子3人でキューッとくっついて寝ることになった。でも$49だ。

バスもトイレもおおむね快適だったし、1人がけの椅子が1つに小さなテーブルが1つ、古めかしい鏡台つきのチェストが1つ、というこぢんまりした部屋も悪くなかった。ホテルにしては珍しく、天井には明るい電灯がついているのも嬉しかった。窓を開けるとそこは表通りで、観光用の馬車が朝から夜までカッポカッポと通り過ぎていく。

快適な滞在だったけど、気になったことが1つ。

ニューオーリンズの「観光名物」として、「Ghost Tours」「Haunted History Tours」なんてものがある。
この地では水害対策として墓が地面の下ではなく、石製の"家"のように作られていること、ブードゥー教の有名な人物の墓があること、そして"死体が75体も出てきた"という実話つきの幽霊屋敷があること、そんなモロモロの題材があってか、毎夜毎夜、街中心部の大聖堂の前に集合して、徒歩でてくてく"そういうスポット"を回るツアーがあるのだった。添乗員は黒服に黒マントを着用し、何やらもったいぶった言い方であちらこちらを案内して回るのだ。

その集団を見たのは翌日の夜だった。大聖堂の前にいる怪しげな集団を目にして「ああ、これが噂の……」と思い、そのまま私たちはホテルに戻った。だんなと息子が入浴している間、どうも外で話し声がする。静かな通りのはずなのに……と見下ろすと、このホテルの正面、私たちが宿泊している部屋の真下でまさにその黒マント男がこちらを指さして何やら案内しているところだった。周囲の建物じゃなく、まさにこの建物。観光客たちがこちらを見上げている。……何かこのホテルのイワクでもあるのだろうか??

この日だけならまだしも、翌日も彼らはやってきていて、3泊中2泊も彼らと遭遇してしまったのだった。何か、いるんだろうか?(別になんにも感じなかったけど……)

オイスターに、ポーボーイ!〜「Acme Oyster House」

ともあれ、夕御飯。
昨夜はインターネットに接続できなかったので、ホテルにチェックインした後は何をおいても情報収集。何が旨いの?どこが旨いの?とあれこれ検索してみた。日本語で「ニューオーリンズ 名物料理」などと検索エンジンで調べてひととおり名物料理を確かめてみた後は、New Orleans版Cityserchをもっぱら活用、「おおー、この店は評価が高いらしいぞー」なんて確認しながら行きたいお店を決めてみた。

とりあえず、牡蠣、牡蠣である。
ニューオーリンズは牡蠣も旨いと聞いていたけど、まさか夏にも生牡蠣が食べられるとは思っていなかった。が、どうやら通年とおして生牡蠣は普通に食べられているらしい。そうと知ったら生牡蠣を喰わねばならない。喰いまくらねばならないのだった。

いくつかオイスターバーの美味しそうなところを選び、今日はそのうちのひとつ「Acme Oyster House」に的を絞って向かうことにした。 夕方過ぎて宿を出てぷらぷらし、ミシシッピ川沿いの遊歩道で大道芸人を眺めたりしながらぽてぽて歩いてお店に向かう。

薄暗い店内にはぎっしりとテーブルと椅子が並び、ネオンの光がギラギラと輝いていた。簡素なテーブルには白黒チェックのテーブルクロス。
席につくなり、いきなり
「何飲む?それと牡蠣はハーフ?それともダース?」
なんて聞き方をされた。もう生牡蠣食べるのは大前提、という感じ。もちろん望むところだ。さっさとダースで注文。

お供は、地ビール。後に色々な店に入ってメニューを見てきたところ、「Dixie」と「Abita」が2大地ビールだったようだ。この日は「Dixie」を注文。「Dixie」は1種類しかないけれど「Abita」は「Amber」だとか「Golden」「Turbo Dog」などという種類があるようだ。何はともあれ生ビール。

牡蠣〜生牡蠣〜♪

ころりと丸めの牡蠣がカクテルソース(ケチャップとホースラディッシュを合わせたもの)とレモンを添えられてやってきた。プラスチックカップに入ったビールも縁までたっぷりと。どうもこちらのビール、日本みたいに「泡は3割!」なんてことはなくて縁までぎりぎりたっぷり入れるのが美徳という感じであるらしい。乾燥して乾きまくりの喉にはなみなみたっぷりビールはとても嬉しい。

日本で食べるものほど丁寧に処理されていない牡蠣は、殻を持つと泥で指で汚れてしまう。殻に溜まったジュースごと啜ろうと傾けると殻のかけらも口に入ってくるし、そういう意味では優雅さにほど遠い。でも1皿たったの$6.5だ。1個50セントの牡蠣だと思うと、殻が汚れてようが何だろうがじゃんじゃん持ってこい!という感覚になる。
ホースラディッシュでほんのり辛いケチャップを牡蠣に落とし、レモンをチーッと絞ってツルンと一口で食べる。生臭くない牡蠣は新鮮そのもので、ころんと丸い牡蠣はほんのりと甘い。
「生牡蠣にはシャブリ」なんて昔から言われているけど、カクテルソースを垂らした牡蠣は、何よりもビールに似合うという感じ。ビール飲む、牡蠣喰う、ビール飲む、牡蠣喰う、で、もう一晩中食べていられそうだ。思わず「Dixie」をお代わり。

Gumbo。ご飯入りってのが嬉しいなぁ Po-Boy。……でかかった。旨かった。 このまま生牡蠣を2ダース3ダースと食べようかとも一瞬思ってしまったけれど、だんなには野望があった。「Po-Boy」、それも「Fried Oyster Po-Boy」を食べるという野望だ。

「Po-Boy(ポーボーイ)」とは「Poor Boy」が語源らしい。SUBWAYのサンドイッチに似た、フランスパンサンドだ。ミートボール入りとか海老フライ入りとかナマズフライ入りとか色々あるけど、元祖はこの牡蠣フライ入りらしい。ビンボーな子供達が河口付近の牡蠣を拾ってきてサンドウィッチを作ったことからこの名が出来たのだとか。安いし腹も膨れる、良い感じの一品料理だ。

1人で1つのPo-Boyなんて絶対無理だろうとのことで、「Fried Oysete Po-Boy」を1つ。一緒にニューオーリンズ名物ガンボスープ「Gumbo」も注文した。

トマト味というか何というか、スープというよりは「煮込み」「ペースト」といった濃度のとろ〜んとしたスープがガンボスープ。何故か白いご飯を上にどかっと入れるのが正式なのだとか。
「……これはスープじゃない、日本ではこれを"雑炊"と言う」
「……韓国では"クッパ"と言うかもしれない……」
「なんか、ものすごく馴染みぶかーい光景だよね……」
と笑いながら、ご飯をスープに浸しつつ食べていく。トマトシチューにタバスコ落として胡椒をガンガンに効かせたような味……と表現してしまうと単純そうだけど、その中には海老だの蟹の爪だのがごろごろと入っていて、ブイヤベースに似た磯臭い味も漂っている。ほんのり甘さすらあって、めちゃめちゃ美味しい。

そして、親指の先ほどの大きさの牡蠣フライがこれでもかこれでもかと詰められた噂の「Po-Boy」。厚切りトマトと千切りレタスが添えられていてマヨネーズが少々。横に添えられたレモンを牡蠣にギューギュー絞りながら食べていく。"貧乏人の"なんて語源の割には、すごくリッチな食べ物だ。こんな山盛り牡蠣フライのサンドウィッチなんて食べたことがない。香ばしいサンドウィッチはだんなと半分こしたというのに手の平に余るほどの大きさがあって、食べ応え充分だった。美味しい牡蠣喰えて、大好物の牡蠣フライも食べられたものだから、だんなはもうデレデレになっている。私もかなりデレデレだ。

「もう、牡蠣サイコー!」
「ニューオーリンズ、サイコー!」
とニヤニヤしながらお店を出ると、まだ空はほんのり明るかった。

New Orleans 「Acme Oyster House」にて
Oysters on the Halfshell (Dozen)
Fried Oyster Po-Boy
Three Fried Shrimp Sushi
Seafood Gumbo
ビール(Dixie)×4
コカコーラ
$6.49
$6.99
$2.99
$5.99

プラリネをバリバリと〜「Evans Creole Candy Factory」

上機嫌で夕食の店を出、ミシシッピ川沿いに走る路面電車に3駅乗り、宿最寄りの駅までやってきた。このあたりは「French Market」と呼ばれる飲食店や土産物屋、野菜や調味料販売の店が立ち並ぶエリアで、ついついあれこれ覗きたくなる。ひときわ目立つ角の店には「Original Creole Praline」なんて看板も出ていて、それが気になってふらふらと入店。キャンディーショップだった。

オリジナルプラリネ。おいちー ニューオーリンズ名物の1つにプラリネもあるらしく、お土産屋でも箱入りのそれをたくさん売っているのを見た。「Evans Creole Candy Factory」のオリジナルプラリネはピーカンナッツ(クルミの仲間)にキャラメルコーティングをして固めたもの。エバミルクも入っていて、けっこう柔らかく、体温で簡単に溶けてしまいそうだ。

山盛りのプラリネを買ってもしょうがないので、すぐに食べきれる1個$1ほどの一口サイズのオリジナルプラリネを1つ、ココナッツプラリネを1つ買ってみてホテルに帰った。

お風呂上がりに、息子と一緒にプラリネを囓る。包まれていたパラフィン紙の中でバリバリ手で割って食べてみた。甘すぎるというほどに甘くなく、柔らかく甘いキャラメルでコーティングしたナッツ、という感じ。冷たい牛乳片手に食べたら似合うだろうなぁという味だ。純白のココナッツプラリネは予想に反してナッツは1つも入っていない。ただただココナッツフレークが甘いシロップでコーティングされたようなもので、これもこれで美味しかった。
明日も食べまくる予定だというのに、こんな夜まで甘いもの食べててどーするんだ、自分。