12月6日(土) 唐揚げの聖地、中津
- ・ 目的は唐揚げと温泉と
- ・ 「豊国畜産 ぶんごや本店」〜お肉屋さんのさくさく唐揚げ
- ・ 「からあげの鳥しん」〜からあげ弁当は1日10個
- ・ 「からあげ大吉 本店」〜手羽元も軟骨もうまし!
- ・ 「からあげ屋チキンハウス 中津本店」〜定食あります
- ・ 「中津からあげ もり山 万田本店」〜塩系唐揚げの名店
- ・ 「森山からあげ店」〜行って良かった、美味しかった
- ・ それで良いのか官兵衛ソフト
- ・ 「おにやまホテル」〜大露天と空の湯と
- ・ 「豊国畜産 ぶんごや本店」〜お肉屋さんのさくさく唐揚げ
目的は唐揚げと温泉と
11月下旬に「引っ越し」という大イベントがあった我が家。その2週間後に旅行はなかなかヘビィな事だわと思いつつ、「コートがまだ段ボールの中だわ!」「なんかまだ段ボールがぐちゃぐちゃ残ってるわ!」などというバタバタな中、2泊3日の若干強行軍な九州旅行が決行された。
「失効してしまうJALのマイルを消費しよう」と計画された、今回の旅行。
祝日を絡めた三連休は家族誰かが何かと忙しく、たまたま12月8日の月曜日は息子の学校が休校ということもあって旅行予定はこの週末ということに。マイルを使って国内旅行するならなるべく遠くに行きたいところだけれど、北海道は寒さ本番だし、沖縄は人気路線で週末の便をおさえるのは難しそう。
「……じゃ、九州行こうか」
ということになったのだった。
宮崎や福岡は行ったことあるしねと、「温泉とか」「別府はどうだ」「大分なら唐揚げの聖地の中津が」「佐世保で本場の佐世保バーガーとか」「いや長崎でトルコライスを食べるのはどうだ」と色々な案が出て、結果、大分からの長崎、というちょっと不思議な旅程になった。
今日はまず、朝の便で大分空港へ。
我が家最寄り駅から羽田空港直行のバスが出ているので早起きしてそれに乗り、朝御飯は家族全員、羽田空港の「空弁」コーナーで買った「万かつサンド」。機内サービスでコンソメスープを貰って、それを飲み飲みいただいた。
今日はこの後、唐揚げを食べまくる予定だというのに、なんで家族全員、何の疑問も持たずに朝御飯に揚げ物食べているんだろう。そこは多分、突っ込んではいけないところ。
お肉屋さんのさくさく唐揚げ〜「豊国畜産 ぶんごや本店」
大分空港からレンタカーを借りてゆるゆると中津を目指し、今日の午前のおやつは唐揚げ、お昼も唐揚げ、午後のおやつも唐揚げ!という勢いで唐揚げを楽しんできた。どの店でも必ず揚げたてのものを出してくれて、美味しいお店ばかり。いいなぁ中津。羨ましいぞ中津市民。
手元には、「中津市からあげマップ」。
唐揚げは、大分中津市民の「地元の味」であり「ソウルフード」であるらしい。からあげマップの説明によると、唐揚げ屋が多いのは「自然発生的に広まったと考えられるため、詳細は不明」とのこと。ともあれ、そう広くはないエリアに50店舗以上の唐揚げ屋が集まる、ここは「唐揚げの聖地」なのだった。
市が唐揚げにかける意気込みは素晴らしく、スマホ対応の「中津ナビ」はたいそう便利。GPS機能つきで、目指す唐揚げ屋の場所を的確に案内してくれた。レンタカーのカーナビはデータが古かったりして店の場所が正確ではなかったりしたから、唐揚げ屋巡りはもっぱら「中津ナビ」のお世話に。
以後、唐揚げ店の紹介は、上記「からあげマップ」に敬意を表して、掲載の店名に準じてみた。各店の公式サイトや他サイトでの表記と違うものもあるけれど、あくまで「からあげマップ準拠」ということで。
というわけで、最初に目指したのは、海沿いの道からちょうど良い位置にあったからという理由で「豊国畜産 ぶんごや本店」。
お肉屋さんの店内に総菜コーナーがあって、そこで唐揚げは販売されていた。イートインスペースはなく、白い紙袋に入れてもらった唐揚げを車内でもぐもぐ。
生姜が効いていてけっこうピリ辛、しっかりめの味つけの唐揚げ。
このお店は「もも」「むね」の区別はなくて、口にしたのはどうやらむね肉。でもパサつく感じもなく、しっかりジューシー、美味しい唐揚げだった。
衣がカリカリクリスピー系で、衣の食感はとても好み。
こちらは試しにと買ってみた「砂ずり」。正肉とは違うコリッとした食感が心地よく、臭みも全く無くこちらも美味。
衣がしっかりめについていて、こちらもサクサククリスピー食感。
初手からレンタカーの中を唐揚げ臭くしてしまいつつ、
「これはお茶、けっこう要りそうだね」
「コンビニ寄ってお茶補給しよう」
などと話しつつ、じゃあ2店目いってみようー!
骨なし 砂ずり |
230円/100g 185円/100g |
からあげ弁当は1日10個〜「からあげの鳥しん」
引っ越しのどたばたで、あまりきちんと下調べできていなかった今回の旅行。
ここはというお店はいくつかリストアップしてきたものの、情報不足は否定できない状況で、そんな中、息子がSNS仲間と何やらやりとり。大分出身の友人がいるそうで、
「大吉とチキンハウスと、あと鳥しんがお勧めだってさー」
とのこと。
前者2つは私もチェックしてた店だよ、じゃあ「鳥しん」も行ってみようか〜と、2店舗目は「からあげの鳥しん」。
かわいいイラスト付きの箱がカウンター向こうに詰まれていて(たっぷり買うとその箱に入れてくれるらしい)、店内にはイートインコーナーも。
瓶入りコーラやソーダの自販機まであって、店内で落ち着いていただくことができた。
1日10個限定なのだという「からあげ弁当」の案内を「いいなぁ……」と眺めつつ、ぐっとこらえて「手羽先」と「骨なし(もも肉)」をもぐもぐ。
ここは衣薄めの、先のお店と比べると、ややしっとり系。非カリカリの衣で、それもまた良し。味はこちらもしっかりめ。御飯もビールも進みそうな味だった。
骨なし(もも肉) 手羽先 |
250円/100g 220円/100g |
手羽元も軟骨もうまし!〜「からあげ大吉 本店」
次は「からあげ大吉」本店。
関西や沖縄にまで支店がある人気店。とんかつやコロッケなどのサイドメニューや「ファミリーセット」などもメニューにあった。
良い具合にお腹も空いてきたので(え?)、ここでは手羽元を。
しっかり肉のついた手羽元、ここはフリッター系のやや厚め&サクサクカリカリ系の衣でとても好みな感じだ。
かぶりつくと中から大量の肉汁が零れてきて、大変な感じになった。さすが手羽元、圧倒的なジューシーさ。
こちらは息子リクエストの「なんこつ」で、独特のコリコリ食感にサクサク衣とスパイシーな下味が良く似合う。
前2店舗に比べると、やや薄味な印象だったけれど、全体的に「バランスが良いな」という印象。
定番の「骨なし」も、厚め衣のさくさく食感、安定の美味しさだった。
なんというか、安心して食べられる王道唐揚げという感じで、良いね良いね。美味しかった!
骨なし 手羽元 なんこつ |
220円/100g 200円/100g 270円/100g |
定食あります〜「からあげ屋チキンハウス 中津本店」
ここでちょっと炭水化物&ソフトドリンク休憩をということで(あと、この期間にちょうど配信されていたゲームのダウンロードデータを求めてという理由もあって)、近くの「くら寿司」で寿司休憩。さらさらっと2〜3皿のお寿司を食べてお茶もしっかり飲んで、唐揚げ屋さん4軒目!
「チキンハウス」中津本店は、イートインスペースもあって中で定食もいただける。
メニューはこんな感じで、気になるのは、それはもう「博多地鶏」!
他の店、メニューはたいてい「3個ちょうだい」といった個数のオーダーで通るのだけど、この博多地鶏は「こま切れ」だそうで、100gいただいてみた。
ちなみに「からあげ定食」は500円。いいなぁ、定食……。
大きさ不揃いなところがまた良しな、博多地鶏唐揚げ。
皮の部分は良い具合にクリスピー、そして肉自体は適度な歯ごたえがあって、味わい充分。
衣はやや薄めのサクサク食感で、でもしっかり下味がついていて食べ応えのある唐揚げだった。
地鶏を食べて「おーいしー!」となっていたけど、普通のもも肉も食べてみれば良かったな。
博多地鶏 |
280円/100g |
塩系唐揚げの名店〜「中津からあげ もり山 万田本店」
ここ「もり山」は東京にも支店のある人気店、「塩ダレ部門最高金賞」の店だそう。
店内にイートインスペースがあって、3個揚げてもらった「骨なしもも」を1人1個ずついただいてきた。
象形文字のようなこのお店のロゴイラストは、東京あたりの催事でも見たことがある気がする。
にんにく風味濃厚な塩唐揚げは、衣しっかり、さくさく系食感。
私が食べた分だけがたまたまだったのかもしれないけれど、皮で身を包むようにキュッと握った風な、ころりと丸い唐揚げだった。
これはこれでジューシーだけど、でも、「皮がぺろんとなって、その皮がサクサクに揚がっている」感が好きな私はほんのり物足りなさを感じたり。
悪くはなかったけど、ちゃんと美味しかったけど、でも他店ほど「うわー、またあの味食べたいー!」と思うかと言えば、うーん、ちょっと違うかな。
骨なし(もも肉) |
240円/100g |
行って良かった、美味しかった〜「森山からあげ店」
さすがにそろそろお腹いっぱいだね……と、私たち。
基本的に「1種類100g」で注文していたものの、手羽元などは2本で100gを超えるし、普通の骨なしも3個だと120gくらいあったりと、けっこうバラバラ。
これまで、確実に計1kgは唐揚げ買って食べてきたと思う。1人330gなら……案外まだまだ大丈夫?と思いつつ……。
そろそろ次の目的地を目指さないといけない時間でもあるしねと、
「んー、道中にあと1軒、チェックしてたお店があるんだよね……さっきの店と同じ"もりやま"なんだけど、支店とかじゃなく別の店みたい」
と、目指したのは「中津からあげ 総本家もり山 三光本店」というお店(からあげマップには「森山からあげ店」とあったのでこの日記ではマップの表記で)。
先の「もり山」にもあった象形文字風の鳥マークや、「にんにくのにおいがぶあっとして」の文章などが飾られていて、「……あれ?やっぱりさっきのお店と同じ系列?」と一抹の不安を覚える私たち。
しかもこの店、骨なし、骨付きは「200gからの注文」ときた。どうする?どうしよ?でも食べよう、と、200g注文した。
私たち、かなりお腹いっぱいだったし、満腹とかそれ以前に「唐揚げという食べ物がおなかいっぱい」という状況だったはずなのだけど、この唐揚げ、びっくりするほど美味しかった。
先と同じ「にんにく塩味系」唐揚げなのだけど、なんだろう、素直な感じでとっても美味しかった。
変にいじくりまわしてない風の、肩の力が抜けた、一見「普通の唐揚げ」なのだけど、揚げ具合とか下味とか、諸々がバランス良くてパーフェクト。
「……あれ?なんかこれ、すっごく美味しい……よね?」
「うん、美味しい」
「めっちゃ美味しい」
なんだこれ美味しい、すごい美味しい!と、「最後の200g」は即完食。来て良かったね。最後の最後になんか「唐揚げの聖地」の聖地たるものを垣間見てしまった気がする。
骨なし |
220円/100g |
それで良いのか官兵衛ソフト
唐揚げ屋巡りはこれでおしまい。
道中の「道の駅」に寄り道しつつ、今日のお宿の別府温泉を目指すことに。
「どこの唐揚げをまた食べたいですか」と聞かれたら、どう答えるかなぁ……と、自分でつらつら反芻しつつだんなと息子にも聞いてみたら、
私:森山>大吉>ぶんごや
だんな:森山>大吉>チキンハウス
息子:森山>鳥しん>ぶんごや
だそうで。
家族皆、唐揚げ食べ疲れた状況下、「でも最後にここも」と寄ってみた「森山」がたいそう美味しくて、それがどうにも記憶に残ってしまった風。
「かなりな満腹状態で食べて、これだけ旨いってのは相当に旨いってことだよ!」と皆して驚いてしまったのだった。
じゃあ森山以外の感想を、ということで、
だんな「そして大吉の手羽元の旨さが忘れられない」
息子「鳥しんは、肉汁のじゅわっとする感じがすごかった」
私「私は、ぶんごやのクリスピー感が」
……という総括。
そして寄り道した「道の駅なかつ」。
お目当ては産直コーナー。さすがに野菜などを買って次の目的地に行くのは難しいけれど、私の目当ては「干し椎茸」。大分は椎茸の名産地だから、きっとお手頃価格で干し椎茸も買えるだろうなと目論んでいたのだった。
そしてめでたく、たんまり入ってたったの600円ほどの椎茸を、スライスと丸のままのと2種類購入。
そしてこれは、この道の駅の小さな名物らしい(?)「黒田官兵衛ソフト」。
怖い、怖いよ官兵衛。苺ジャムで「赤い兜」を表しているらしいけど、頭から袈裟がけに切られちゃっているようにしか見えないよ。
ちなみに、黒いクリームは「黒田丸大豆」を使ったモンブラン風のクリーム。でも甘さはあまりなくてさっぱりした豆の味。形を残した煮豆も3つ飾られて……うん、でも、ちょっと見かけが怖かった。美味しかったけど。
干し椎茸 干し椎茸(スライス) 黒田官兵衛ソフト |
600円 680円 350円 |
大露天と空の湯と〜「おにやまホテル」
温泉行きたい温泉!……ということで、今夜の滞在は別府温泉。
立ち寄り湯もあちこちあるらしいけど、どうせだったら大浴場が楽しめるお風呂自慢の宿に泊まりたいなぁ……と思って、予算等々考慮しつつ予約したのが「おにやまホテル」。鉄輪温泉の中心部にある、なかなかの広さの宿だった。
お風呂の紹介写真が決め手だったのだけど、写真は誇張ということもなく、本当に素晴らしかった。特に大露天風呂は驚くほどの広さ。
まだ明るい時間にチェックイン出来たので、まずは早々に屋上の「空の湯」を訪れて、夕食前には階下の大浴場へ。夜のうちに男女が入れ替わる大浴場は翌朝にもう一度赴き、全部の大浴場を満喫してきた。このホテルは「鬼山地獄」が源泉の塩化物泉。湯温は98度だそうで、お風呂はいつ行っても良い具合のアツアツぶりだった。
そして予約の宿泊プランは「【お得おすすめ】【予約人気NO1】食べきれないお料理14品」というもの。
唐揚げたんまり食べたし夕飯は遅めでいいよねーと、遅めスタートにしてもらった夕御飯。場所は階下の食堂で。
地獄蒸しにすき焼きに、お刺身の皿も2種類あって、更に天ぷらも……と、私には充分に「食べきれないお料理」で、だんなと息子に鴨やお刺身、御飯などを手伝ってもらってようよう完食。
あ、シメのプリンはしっかり食べた(おいしかったー♪)。
テーブルに置かれていた献立表によると、出てきたお料理はこんな感じ。
- 食前酒
- 梅酒
- 先付
- 旬のもの二品
- 中千代口
- 一品
- お造り
- 豊後の鮮魚三種
- 吸い物
- 季節物
- 焼肴
- 鴨ロース
- 合肴
- ミニ地獄蒸し
- 火の物
- すき焼き
- 蒸し物
- 茶碗蒸し
- 油物
- 海老天麩羅
- 酢の物
- 地魚白身薄引き
- 御飯
- 白飯(じゃこ)
- 香の物
- 三種盛り
- 水物
- ミニプリン
タルタルソースをつけていただく地獄蒸しや鴨ロースなど、ちらっと洋風の料理もあって良い感じだった。魚も肉も野菜も色々あったなという印象で、シメのミニプリンは当然、温泉で蒸したものだそうで。
こういう、温泉宿の「いかにもな料理」がけっこう好きな私は、幸せだった。一人では食べきれなかったのは悔しいけど、唐揚げをたんまり食べたことについては後悔はしない。