8月7日(月) 10年ぶりのかもすい&漁師宿

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究極クリームパンの朝御飯

山形2日目の朝。
 
安価なビジネスホテル(Hotels.comで探して予約したら、とんでもなく安かった)のブッフェ朝食にはいまいち興味がないのよね……と、「近くでパンでも買えれば」と調べたところ、鶴岡駅前につい最近「つるおか食文化市場 FOODEVER」なるものがオープンしたのだそうで。
 
お洒落な雰囲気のフードコートや、地産の食材のお土産コーナーなど、なかなか素敵なものが詰まっていて、中には昨日訪れた「アル・ケッチァーノ」の系列のスイーツショップやバーなども。
 
そこの店頭にはパンも売られていたので、「明日の朝に来ても買えますか?」と昨日訪れた時に聞いてみたところ、昨日のみ販売の限定品もあるとのことだったので、その場でパンを買ってきておいたのだった。
 
購入したのは「クリームパン極」と「山羊乳チーズタルト」。
 
クリームパンは、薄皮に包まれた「八天堂」タイプのもので、クリームがとても濃厚だった。「菓子パンのカスタードクリーム」じゃなく「ミルフィーユに使われている類の、洋菓子のカスタードクリーム」という感じ。舌触りも滑らかで、とても良かった。
 
甘さ控えめの山羊乳チーズタルトも、独特のシェーブル的風味がふわっと漂う面白いもの。
 
アイスカフェオレは、だんなが近所のコンビニで買ってきてくれた。
「サンドイッチとかは要らない?」と言われたので、「あ、だったらヨーグルト食べたいですーヨーグルトお願いします」とリクエスト。
 
ヨーグルトとカフェオレで、なんとなく「いつもの家の朝御飯」みたいな組み合わせになった。でも美味しくて、大満足。

10年ぶりの「かもすい」へ〜「加茂水族館」

リニューアルして、以前の面影はほとんどなくなった「かもすい」 ささっと朝食を済ませた後は、今回の旅行一番の目的地、世界最大(と私は思っている)のクラゲ水族館「鶴岡市立加茂水族館」に。
 
前回訪れたのは、「発光するオワンクラゲ」のブーム以前の2006年。
 
クラゲブームを背景に2014年にリニューアルオープンして、10年前は「20種類の以上のクラゲを常時展示」がウリだったこの水族館、今はなんと50種類ものクラゲを常設展示する、クラゲ好きには更なる聖地に進化した。
 
リニューアルの話を耳にしてから、またいつかと思っていたけど、やっと再訪が果たせた次第。
 
水族館のすぐ脇は海水浴場になっていることもあって、駐車場は午前早めの時間なのに大混雑。関東のナンバープレートをつけた車なども止まっていて、館内も相当な賑わいだった。
 
到着した10時頃はまだ幾分ゆったり歩けたけれど、一周して軽食コーナーで少し休憩し、「2周目!」と再度館内に入ったら、クラゲエリアは都内の人気の美術展クラスの大混雑。
 
混雑時は写真撮影もご遠慮くださいということで、少しでも空いている午前中早めの時間に見に行けて良かったね……と、心から思いつつ、収穫は300枚超のクラゲ写真と、お土産コーナーでたんまり買ったクラゲグッズいろいろ。
 
初めて見るクラゲが山盛りで、特に、ミズクラゲの仲間の「ラビアータ」、長い口腕が美しい「インドネシアシーネットル」あたりが、うっとりするほどの造形美。お気に入りのアカクラゲやパープルストライプドジェリー、コティロリーザツベルクラータも元気に水槽を泳いでいた。ああ、天国すぎる……。
 
(鬱陶しい枚数のクラゲ写真は、抜粋してこちらに掲載してあります)
 
やはりここに来たからには、クラゲアイスを食べないと。 休憩に食べたケーキセットは、選べるクラゲアイス(ラムネ味にしてみた)と一口タルト2切れ、コーヒーのセット。
 
アイスは3mm角ほどのコリコリ食感のクラゲ入り。
 
クラゲラーメン、クラゲ定食など、相変わらずクラゲ攻めメニューが色々あるのが壮観だった。

鶴岡「加茂水族館」内「魚匠ダイニング沖海月」にて
コーヒー&ケーキセット
\500

今日のクラゲ戦利品。これでも自重した結果……。 今日の宿に行ってから撮影した、本日の戦利品いろいろ。
 
目玉はやっぱり、館長撮影によるクラゲ写真集『クラゲ館長が選んだ美人なクラゲ60種』……かな?
 
エフィラだのポリプだの、知らない人にはさっぱりわからないクラゲライフサイクルTシャツとか、オリジナルクラゲ手ぬぐいとか。
 
綺麗なしおりやマスキングテープ、「玉こんにゃくが食べたい」と言った息子の土産には「くらげこんにゃく」。
 
1万円以上も買ったけど、それでも、トートバッグとかクリアファイルとか、マグカップとかコップとか(もちろん全てクラゲ柄)、「いいなー」と思ったけど自重したものが多数。グッズ売り場までここはクラゲ天国だったのでした。

鶴岡「加茂水族館」にてお買い物
写真集『クラゲ館長が選んだ美人なクラゲ60種』
クラゲライフサイクルTシャツ
オリジナル手ぬぐい(ミズクラゲ)
オリジナル手ぬぐい(ミズクラゲ)
オリジナル手ぬぐい(アカクラゲモニュメント)
しおり(タコクラゲ)
しおり(クラゲ)
クラゲマスキングテープ
クラゲこんにゃく
\1800
\2500
\1300
\1080
\1080
\650
\440
\270
\800

日本蕎麦と弁慶飯〜「大松庵」

今回の旅行は台風の影響がありそうということと、細かく調べる時間的余裕もあまりなかったということで、ある程度は行き当たりばったりで、適当に行こう、という趣向。
 
雰囲気のあるお蕎麦屋さん、鶴岡「大松庵」。 今日のお昼も特にこれという予定などはなく、
「なんか、お蕎麦食べたくない?」
「あー、いいねー、お蕎麦」
ということになり、どっかのCMよろしくスマホに「鶴岡のおいしいお蕎麦屋さんは?」と話しかけて教えてもらって行ってみた。
 
鶴岡市内から移築した江戸時代の豪農の旧宅を店にしたのだという「大松庵」は、県内産のそば粉を使った、自家製粉のお蕎麦屋さん。
 
クーラーは無かったけど、時折通り抜ける風が気持ち良く。 趣のある門をくぐった庭の先にふるめかしい建物があり、クーラー無しの吹き抜けの店内。
 
今日も気温は35度越えの猛暑で、さすがに少し暑かったけれど、でも室内を時折通り抜ける風は気持ち良かった。
 
12時過ぎて店内は満席で、少し待ってからテーブル席でお昼御飯。座敷も気持ちよさそうだったな。
 
充実の内容だった「鶴岡御膳」。 いただいたのは、
 
天ぷら
蕎麦(うす盛)
弁慶飯
デザート(きなこ草餅)
 
という内容の「鶴岡御膳」。
 
天ぷらは、海老・かぼちゃ・茄子・海苔・あおじそと野菜たっぷり。
 
辛味大根とわさびもテーブルにやってきて、ちょっと太めのざらっとした口当たりの日本蕎麦は期待以上の美味しさだった。つけだしも甘さ控えめで好みな塩梅。
 
「弁慶飯」は焼きおにぎりでした。香ばしくて美味しい♪ そしてこれが「弁慶飯」。
 
お店のパンフレットには
「五分搗庄内米の焼きおにぎり。味噌をつけ青菜で包んで焼き上げました」
と説明が。
 
焼き目のついた青菜が香ばしく、中の味噌も絶妙な甘じょっぱさで、なんだかお酒が欲しくなる。
 
塩気しっかりめの漬物類も美味しかった。
 
旬のだだちゃ豆も食べられました♪ 嬉しいことに、メニューには「だだちゃ豆」の文字も。
 
可愛い籠に盛られてやってきただだちゃ豆は、見た目以上のたっぷり分量。
 
やや固めに茹でられて、そしてしっかり冷やされていただだちゃ豆は、塩加減もほどよくて、ビールや日本酒が恋しくなった。豆の味が濃厚で、ほんとに美味しい。
 
草餅も幸せな味でした。 デザートは、4種類からの選択。
 
草餅2種(あんこときなこ、だったかな?)とバニラアイス、梅の甘露煮。
 
草餅が名物らしかったので、きなこ草餅にしてもらった。
 
うぐいす色の綺麗なきなこがかかった草餅は、びよーんとどこまでも伸びる温かなもので、これまた期待以上の美味しさ。
 
手摘みのよもぎがたっぷり入っているそうで、でも気になるほどのほろ苦さもなく。
 
その場で決めてぱぱっと行ったお店が美味しいのって、幸せ。良い店でした。
 

鶴岡「大松庵」にて
鶴岡御膳
だだちゃ豆
\1550
\350

山岳信仰の聖地〜「羽黒山出羽神社」

今日の宿に向かうにはまだ早い時間で、じゃあ鶴岡観光でも?……ということで、再びレンタカーを走らせて、「羽黒山・出羽神社」に行ってみることにした。
 
羽黒山出羽神社、「三神合祭殿」は見事な茅葺木造で。 修験道を中心とした山岳信仰の場、「出羽三山」はこの羽黒山と、月山、湯殿山の総称。
 
月山と湯殿山は、冬期になると積雪のため詣でるのが困難ということもあって、羽黒山には3つの山全ての御祭神を祀る「三神合祭殿」がある。
 
羽黒山も勿論、山の中にあるのだけれど、車道はきちんと整備されていて、駐車場からはほぼ傾斜なく、楽にお詣りすることができた。
 
「三神合祭殿」、梁の上には黒い小鬼のような力士のような像が。 「三神合祭殿」は、それは見事な萱葺木造。
 
なんでも「日本三大茅葺きのひとつ」なのだそう。
 
内部の意匠もそれは綺麗で、あちこち見渡していたら、梁の上に黒い小鬼のような力士のような像が4体、下界に睨みをきかせていた。
 
ここでいただける御朱印も3社分あって、更に朱印帳2ページ分を使う「出羽三山神社 三神合祭殿」という朱印もいただくこともできた。
 
こちらも萱葺き、立派な鐘楼は国の重要文化財。 「三神合祭殿」のすぐ近くには風格のある鐘楼があり、これは国の重要文化財。
 
中の鐘は「建治元年の銘」があるそうで、古鐘では、東大寺・金剛峰寺に次いで古く且つ大きいのだそう。
 
合祭殿のような色鮮やかさは無いものの、こちらも立派な佇まいだった。
 
小さな末社が並ぶ様は、なんだか神様のアパートのようで 境内には、こんな感じで多数の末社の祠も並ぶ。
 
「出羽三山には百一末社と称し、羽黒を始め月山、湯殿山の山嶺、または幽谷に多数の末社が散在している」
のだそうで、さながら神様のアパートのよう。
 
大雷神社、健角身神社、稲荷神社、大山祗神社、白山神社、思兼神社、八坂神社……と、知った名前の神社も並び、旅の安全を祈願する神様の祠には、多くの下駄やサンダルが供えられていたりした。
 
これは道中、なかなかに大変だった、五重塔詣で。 そして最後は五重塔。
 
先の合祭殿から歩いて向かうこともできるのだけど、35度越えの猛暑の中、それは御免被りたいと、最寄りの駐車場まで車で移動。
 
だけれど、そこから「徒歩10分」とあったものの、ほぼほぼ下りの石段で、ほぼほぼ「山歩き」。
 
杉林の中の散策は幾分空気もひんやりとしていて風が気持ち良かったけれど、それでも大変だった。
 
国宝だそうです。細部までとっても美しい……♪ 「長慶天皇の文中年間(約600年前)庄内の領主で、羽黒山の別当であった武藤政氏の再建」なのだという五重塔は、国宝。
 
素木造り、柿葺、三間五層というしつらえで、真下まで行って眺めると、細部までなんとも美しい。
 
道中には滝や小川もあって景色は最高なのだけど、いかんせん猛暑の中の散策は厳しい道のりだった。
 
五重塔からの帰り道。たいへーん。 帰り道、ラストの石段は、こんな感じ。
 
ちなみに、三神合祭殿にまで至る参詣道は、1.7km、2446段の石段だそう。
 
良い汗かきました。

漁師宿の夕御飯〜「福宝館」

そして今日のお宿は、10年前に来たのと同じ、湯野浜温泉郷の漁師宿「福宝館」に。
 
「漁師宿」というだけあって、夕食がとにかくすごい。とにかく、問答無用に魚だらけ。他の色々な宿と見比べても、「やっぱりここの料理が良いよねぇ……」と、料理重視でここに決めたのだった。
 
客室数は5つほどしかなく、館内にエレベーターも無し。お風呂も狭めで「民宿」といった感じの宿だけど、でも掛け流しの温泉だし、空いてさえいれば自由に入れる家族風呂もあるし、宿泊費も手頃。やっぱり良い宿だなぁと改めて思った。
 
湯野浜温泉「福宝館」の夕御飯。これで全部じゃないんですよー……。 せっかくだからと蟹つきのプランにしてもらったところ、夕飯はどどーんと、こんな感じ。
 
鰹と蟹肉、帆立のサラダ
茹でベニズワイガニ
刺身(甘海老・鰤・鯛・ほうぼう・ふぐetc)
カレイ(?)のムニエル風
金目鯛の洋風煮
バイ貝の煮付け
自家製塩辛
氷頭なます
ウマヅラハギの姿煮
イガイの味噌汁
鮭とわかめの混ぜご飯
漬物
メロン
 
といった献立だった。
 
前回もぎりぎり食べ切れたくらいの料理の量だったけど、あれから10年経って胃腸も弱くなったこちらは、ますますもって、
「あはは……やっぱり食べ切れなさそう……」
という大変なボリュームの夕御飯。でも、残さず食べました。がんばった。
 
刺身は全て分厚くて、中には「ふぐ」も! 分厚く切られた刺身皿(もうこれ1皿で定食屋の「さしみ定食」のおかずになる分量)には、分厚い「ふぐ」まで。
 
このふぐと、鯛とほうぼうは宿の船で獲ってきたものだそう。
 
この後出てきた煮付けのウマヅラハギにバイ貝、味噌汁のイガイ(ムール貝の仲間みたい)、そしてベニズワイガニあたりも同様に、船の戦利品(?)なのだそうだ。
 
ウマヅラハギが丸ごと一尾!そういえばお昼に水族館で見た魚でした。 「あははー……これ1皿で充分、メインディッシュだよね?」
 
というのがこれでもかと並ぶ中、「ウマヅラハギ1人1尾」が一番凄かったかな、という。
 
肝がふわっふわで、甘くて美味しかった。
 
結局炊き込みご飯が食べられなくて、
「すみません……あとでお部屋で続き食べたいので、ラップ1枚いただいても良いですか?おにぎりにして持って行きます……」
と申し出たら、「器ごと持って行っていただいて大丈夫ですよー」とのことで。
 
ありがたく、御飯と漬物は部屋に持ち帰らせてもらって、数時間してからもぐもぐ食べた。
 
そして、宿のすぐ近くの海岸では、お盆前後の20日間ほど、毎晩「ミニ花火大会」を開催中とのこと。
 
20時半から10分間、砂浜から、サイズも個数も控えめだけど「打ち上げ花火」が数十発、上がるそう。ぽつぽつと十数人が浜辺に集まる中、至近距離で上がる花火は遮るものもなく、とても楽しめた。
 
暑くてしんどいしねーと、ここ数年、花火大会に行くのも御無沙汰だったから、予期していなかったイベントに、大満足。