「佳佳豆漿店」〜焼きたて焼餅、卵入り
昨日は早めの就寝だったこともあってか、7時半には皆が起床。では朝市にでも行ってみますか、と、ホテルから地下鉄で北に2駅、昨日も夜市に向かうために降りた「雙連駅」に移動した。
2番出口を降りて左手すぐに見える公園沿いの通りでは、毎朝朝市が開かれているとのこと。飲食店もあるらしいということで、覗きに行くことにしたのだった。
「駅から徒歩0分、行けばすぐにわかる」とは聞いていたけれど、赤い提灯がつり下げられた通り沿いのカラフルなテント、飛び交う人の声に「ここかー!」と即納得。
冷蔵庫もなしに、大量の豚肉を積み上げて売っているお店が何軒もあったし、美味しそうな蒸し鶏や角煮などの、できあがったお総菜を売っているお店もある。
美味しそうな中国野菜も3束50元という価格。あとは日本風のお寿司のお店(パック詰めされたのが売られていたり、バイキング形式で欲しいものを自分でパック詰めするようになっていたり)があったり、衣類を扱うお店もあったり。
何と言っても壮観なのは、やはり生肉のお店。
右の写真は、おそらくは豚肉専門店で、よくよく見れば「鼻」がぶら下がっていたり、無造作に足先も置かれていたりと大変な事になっている。私はミミガー(豚の耳)なども大好きだけれど、こうもあからさまに「パーツ」を見せられると、自分は本当に、あの生きて動いている「豚」の肉を食べているのだなぁといういつもは感じない実感が湧いてくる。しかし、すごい。
でも、眺め歩いてもこういうお店ではお腹が膨れるはずもなく、しばらく歩いて並行する裏の通りも歩きつつ、通りすがった豆乳屋さんで軽く朝食にすることにした。
漢字だらけの壁の商品札を眺めつつ、「豆漿」というだけの名で売られているそれを頼んだら、温かくほの甘い豆乳がやってきた。もっとよくよく商品札を眺めれば、別途「鹹豆漿」もあるようだったし、冷たい豆乳も選択できたよう。
どちらかと言えばしょっぱい豆乳が好きだし、甘い豆乳だったら温かいのよりは冷たい方が好みだったので「しまったー」と思ったけれど、普通に美味しい豆乳だった。あまり濃厚さはなかったけれど、豆の味は程良く感じる。でも、不味くはないけど特別に美味しいということもなく、よくよく調べればこのエリアに美味しいと評判の豆乳屋さんが何軒かあったようだったので、きちんと調べてそちらを目指せば良かったかな、とも。
葱入りの分厚いクレープ……というか「お焼き」のような焼餅は、煙が出そうなほどの焼きたてのもの。表面が香ばしくサクッとした食感で、基本的には小麦粉生地の「パン」のようなものだと思うのだけれど、パイに限りなく近い感じの焼餅だった。オムレツ状の卵焼きが挟まれていて、これまた良い感じ。
豆乳がいまいち好きではない息子は、肉髭(甘辛く味をつけた肉をほぐした、ツナのような食感のもの)入りのサンドイッチを。
台湾のサンドイッチは、パン・具・パン・具・パン・具・パン……くらいに、何層にも具を重ねたものが多いのだけれど、このお店のも肉髭とチーズ、ハム、卵、という感じに大変に層を成したものだった。写真に写ったこれで2切れ分。
豆漿 小杯 焼餅加蛋 |
2×15元 25元 |
雙連朝市「阿美意麺」〜おすすめは汁なし"乾麺"
雙連朝市から、西に少し歩いたところに、美味しい魯肉飯屋さんがあるらしい。9時に開店するらしかったので、それまでの30分ほど近隣をぷらぷらしていた。乾物街の方まで、散歩というにはかなりせっせと歩いてしまったのだけれど、その魯肉飯屋さんが時間になっても全然オープンしない。
歩き回っていたせいで胃の中の豆乳もあっさりどこかへ消え去ってしまったので、二度目の朝食を朝市の中でやたらと繁盛していた麺屋さんで摂ることにした。「阿美意麺」というそのお店、メニューは「段ボールに手書き」という非常に読みにくい状態で無造作に壁にかけられている。汁なしの麺が美味しいと聞いたのだけれど、その段ボールメニューでは何が何やら。
お店の人に
「意麺でいい?意麺いくつ持ってくる?」
といった感じの事を中国語で言われたので、
「じゃあ、意麺1つで。あと、油麺も1つ」
と注文した。油麺、字面から察するにこれが汁なし麺じゃないのかな、と。
が、やってきたのはどちらも汁麺。
最初にやってきた「油麺」は太く腰のある黄色い麺、続いてやってきた「意麺」はきしめん風の細く平たい、柔らかな食感の麺だった。どちらもあっさりした味の鶏ガラスープと共に盛られており、トッピングはニラ、もやし、葱、セロリ、そして揚げにんにく。
かなりあっさりした味わいで、でも香味野菜が良いアクセントになっていた汁麺だった。
で、試行錯誤しつつ、汁なし麺「乾麺」を追加注文した。
ごく洗い感じにざっと湯を切った麺に、トッピングは他と同じ。調味料はと言えば、碗の底に醤油だれが沈んでいた。全体をざっと混ぜると、醤油だれが適度に麺に絡んで、これがめちゃめちゃ美味しかった。麺そのものも美味しいのかもしれない。ツルツルシコシコ、いくらでも食べられそうな勢いで、息子もだんなも私も争うようにその1杯の乾麺を美味しくいただいたのだった。
すっかりお腹一杯になってしまい、少し歩き疲れたこともあって、ここで一旦ホテルに帰還。
意麺 油麺 乾麺 |
25元 25元 25元 |
「鐵路弁當」〜肉乗せ弁当屋さん
朝から精力的に町歩きをしてしまったので、1〜2時間ほどホテルで休んだ後、「昼御飯食べて、それから故宮博物院に行こうか」ということに。
前回の台湾旅行では行かなかった故宮博物院、「せめて目玉の"翡翠の白菜"は見ておきたいね」と。
昼御飯は、ホテル近くを眺め歩いた結果、「鐵路弁當」なるお店で食べることにした。
「鐵路弁當」=「鉄路弁当」ということで、駅弁風のお弁当を売るお店のよう。持ち帰りが基本のようだったけれど、2階にも食べられるところがあるらしく、店内で食べていくことにした。
当初私が注文したのは「鐵路酥炸排骨飯」なる、揚げ排骨のお弁当だったのだけれど、
「僕、ソーセージの弁当にする。……あ、やっぱり、"骨のついた肉のやつ"の弁当がいい!」
と言った息子のお弁当をうっかりソーセージで注文してしまったので、私のと交換。私が「古早香腸飯」なる腸詰弁当をいただくことにした。
排骨飯も迫力の大きさの揚げ肉が乗るものだったけれど、腸詰めもかなりのボリューム。独特の赤い色つきの甘い腸詰の下には御飯がみっちり。青菜炒めやピーナッツ、肉団子に固めの厚揚げのような練り物、漬物なども添えられていて、見た目以上に食べ応えのある弁当だった。
ランチタイムにはドリンクつきということで、紙パック入りの葡萄のジュースも1人1個。
古早香腸飯 |
70元 |
「故宮博物院」〜名物は、白菜と角煮?
台北車站から、地下鉄で「士林駅」へ。そこから路線バス(駅前バス停から紅30に乗って10分ほど、1人15元後払い)に乗って、びっくりするほど大きな建物の前に到着した。博物院の前には大きな庭園も広がっていて、晴れていたら散歩が楽しそうだ。……でも今日は肌寒い曇天の一日。
実のところ、私もだんなも2人して「書」とか「仏像」とか「土器」とかにはあまり興味がなかったりして(でも陶磁器は好き)、展示物のありがたみは、おそらく1割も理解できていなかったと思う。館内は観光バスで乗りつける団体客がたいそう多く、あちらこちらでガイドつきの団体と出くわした。その団体客とあまりかち合わないようにしながら、あちこち見学。
最大の目玉の「翡翠製の白菜」は想像していたものの半分ほどの大きさだったのだけれど(どれだけ大きいのを想像していたのかと、自分……)、白菜の葉の緑も芯の白も、そして芯の中心の薄い褐色部分も、気持ち悪いくらいに「本当に白菜」。葉の部分に2匹の虫まで乗っていて、その目を見張るほどの見事な技術の発露が、なんで「白菜」でなければならないのかと、感動も感じつつ微妙な笑いもこみ上げてくる。他のコーナーには見事な「翡翠の苦瓜」などもあったりして、これまたなんで苦瓜でなければならないのかと。
でも、それより何より衝撃だったのが、「どこからどう見ても豚の角煮です」という石。白菜と同じコーナーにあったので、何だか無駄にお腹が空いてきてしまった。表面のテラテラした感じとか脂身の部分とか、どこをどう見ても豚の角煮で、中国四千年の技術と情熱のすごさにただただ恐れ入った。しかし本当に、なぜ角煮。脳裏を「中国四千年の無駄遣い」という言葉がよぎっていく。
と、そんな美術品鑑賞の最中、息子は体調が悪そうだった。
昼食後あたりからやけにトイレに行きたがると思っていたのだけれど、どうもお腹を下しているらしい。
お腹痛い、けっこうつらい、でも何だかお腹空いちゃったし疲れちゃった……ということなので、「じゃあ、あったかいお茶でも少し飲もうか?」と、博物館上階にある中華の軽食コーナー(というにはすごく立派な店構え)に行ってみた。
各自1杯ずつ中国茶を注文し、ついでにカスタード饅(蛋香[女乃]黄包)頼んだり、マンゴーパンナコッタ(香芒凍乳酪)を頼んだり。
不調なはずの息子は、でもマンゴーパンナコッタを平らげたあたりで元気が戻ってきたらしい。
「カスタード饅頭、半分ちょうだい。いや、もっとちょうだい」
と、気力も胃腸の具合も急上昇してきた模様。
こちらとしては心配なので「ほどほどにしときなさいよ?」などと言っていたのだけれど、結局休憩後はケロリとした顔をして、腹痛も腹下しも治まったと宣言、
「さぁ!海老釣りをして帰ろう!」
などと言っている。お腹下しちゃったんだったら、夜市とか行かないで大人しくホテルに帰ろうよなどと話していたのだけれど、予定通り博物館後には今日も夜市に行くことに決定。ああ、息子が飛び跳ねて歩いている。あからさまに「デトックス完了」という感じだ。
1人1つずつ温かい中国茶を注文したのだけれど、洒落た小ぶりの金属製ポットにはきちんと茶葉が入っていて、その味も香りも素晴らしいものだった。程良いタイミングでポットを覗きに来てくれてお湯の継ぎ足しもしてくれて、今回台湾茶の専門店は全く覗かなかったのだけれど、期せずしてとても美味しいお茶をいただけて満足。
蛋香[女乃]黄包 香芒凍乳酪 中国茶(凍頂烏龍) 中国茶(阿里山) 中国茶(天霧) |
80元 2×80元 150元 200元 200元 |
休んで元気も出てきたので、引き続き館内を見て歩く。
清代の貴族の家具の展示コーナーもあり、実に居心地の良さそうな座卓を見つけて「これはいい、ここで2人向かい合ってPSPでモンスターハンターなどすれば良い」などいう話でだんなと盛り上がってしまった。
1階には巨大なお土産物コーナーもあって、最後にそこで色々物色。
実にすごい色合いの「白菜柄ネクタイ」があったので思わずだんなにと買ってしまったり、白菜オブジェつきペーパーナイフを買ってしまったり。
博物院入場料 大人 博物院入場料 子供
絵葉書 |
2×160元 80元
4×20元 |
「辛發亭」〜苺とチョコ乗せ、ミルク氷
博物館から再び路線バスに乗り、士林駅に戻ってきた。
士林駅からは、隣の劍潭駅にまたがる形で「士林夜市」が広がっている。長く伸びる屋外の通りは衣類のお店が中心で、士林駅近くに屋根つきの巨大な飲食店エリアもある。全体的に広く大規模で、夜市といったらここ!というイメージもある地域だ。でも何しろ、すごい混雑。夕方4時頃に到着したのだけれど、もう通りはそこら中ごった返していた。感覚としては、原宿とアメ横と巣鴨をごった煮にしたような感じ。
最初に目指したのは、何としてもここにはまた来たかったと思っていた、前にも来たお店「辛發亭」。
「雪片」なる、ミルク氷をふわっふわのかき氷にしたものが味わえるお店だ。そうそうここここ!と見覚えのあるお店に入り、私が「新鮮草苺雪片」を注文、だんなが
「これ……コカコーラ、だったっけ?」
と言いつつ「巧克力雪片」を注文。
なんか、チョコシロップがかかっているような雪片食べている人が多いんだよね、あれ美味しそうなんだよね……、などと話していたら、だんなの目の前にそのチョコシロップがけ雪片がやってきた。そう、「巧克力」はコーラじゃなくてチョコレートだったのだ。コカコーラは「可口可楽」。
腹下り直後の息子はかき氷は控えめにしつつ(と言いつつ、私とだんなの皿から彼はもりもりと奪って食べていた)、3人で2つの雪片を堪能した。
事実、息子の体調に関わらず、1人で食べるのはなかなかにつらい分量の大盛りかき氷。だから、周囲のお客さんも「2人で1つ」「4人で2つ」という注文を普通にしている様子だ。
ピラピラふわふわのかき氷は、相変わらずの美味しさだった。
綺麗に削られたミルク氷は、相変わらず女王様のスカートのよう。苺氷の方は微妙にぐしゃりと崩れていたけれど、厨房が見える位置にいただんなの話では、トッピングをする直前に崩れてしまったのであるらしい。
「あ……崩れた……でもそのまま盛りつけてる……」
と実況してくれた。なので、今回の写真ではチョコレート氷の方が美しい感じ。でも見た目なんてとりあえず良いの。生卵が乗ってないということが素直に嬉しい。
苺氷は、甘い苺シロップとスライスされた生の苺、そして練乳という素晴らしいトッピング。かき氷そのものは、ミルクの風味は濃厚だけれど甘さはほとんどないので、シロップや練乳がたまらなく似合うのだった。
「これさ、俺のチョコ氷と苺氷一緒に食べれば、"苺チョコミルク氷"……」
と、だんなが怪しい事をやり始めてしまったりしながら(美味しかったです、はい)、器を綺麗に空にして、いざ次のお店へ。
新鮮草苺雪片 巧克力雪片 |
90元 60元 |
「阿宗麺線」〜モツと香菜、鰹だし
この士林夜市で息子は一つの目標があって、それが「海老釣りをする」というもの。
士林夜市にその屋台が出ているのはほぼ確実なのだけれど、その場所が定かでない。釣った海老は焼いて食べられるそうなので、きっと飲食店エリアにあるのだろうなと思いつつ、でも屋外の通りも一通り探して歩いてみた。
そんな折、歩いていて見つけたのが「阿宗麺線」のお店。
西門町に本店があるお店で、そのエリアに今回行く予定はなかったのだけれどあの麺線は食べたいなと思っていたところだったので、渡りに舟とばかりお店に飛び込んだ。カウンター販売のお店の奥には、ベンチがこれでもかと並ぶ大部屋があって(テーブルはない)、そこで腰かけて大碗1杯を皆でつつく。
「鰹だしの煮素麺」といった感じのこの料理、麺ではあるのだけれど、食べるのはレンゲでというのがお作法だ。
相変わらずの、良い意味で「アクのない味」のこのお店の麺線。一口大のモツが大量に混ざっていて、とろんと独特のとろみのある汁もまた懐かしい。香菜もモツも鰹だしも全てが欠かせない絶妙なバランスを保っているこの料理、インドネシアのナシゴレンミーゴレン、シンガポールの海南飯などと並ぶ、その土地の誇るべき名物料理だと私は思っている。麺線美味しいよ麺線。
大碗 |
55元 |
子供の社交場、士林夜市
日も暮れかかり、駅が近づくにつれて通りに溢れる人の量は増える一方。
今日が休日で明日が土曜日というのも影響しているのだろうか、夕食時にはまだ少し早いという時間なのに、本当にすごい人だ。
揉まれるようにしながら、「士林美食街」に辿りついた。屋根つきの飲食街ひしめくエリアで、食べ物関係はおおむねここに詰め込まれている。
その建物の前の広場にもこれでもかとテントが張り巡らされ、そこは子供の社交場と化していた。
1回20元〜100元くらいで遊べる射的や輪投げ、ボール投げなどのゲーム屋が立ち並んでいて、小さいながらメリーゴーランドのようなものまである。息子の目が輝き出し、結局ここで少し遊んでから屋内に入ることにした。
最初に
「これ、やってみる!」
と息子が挑戦したのは、1回50元のライフル型空気銃での射的。的はぬいぐるみなどではなく、最も即物的な商品だろう「現金」だった。
トイレットペーパー(ところどころ破かれ、いかにも落ちそうな感じにはなっている)にぶらさげられた現金は紙幣で100元とか200元とか、500元とか。トイレットペーパーをうまいこと打ち抜くとその現金が貰えるということだけれど、当然、そう簡単には落ちてこない。
あとは10本100元のアーチェリーなど。風船の的を狙って射て、風船が割れた個数次第で景品を貰えるというそれで、息子は3個の風船を射抜いて「黒ひげ危機一髪」をゲットしていた。それなりに本格的なアーチェリーの弓で、以前から「弓を引いてみたい」と言っていた息子は大変に御満悦。
建物内にはシューティングゲームなどの日本のゲームセンターで馴染みのあるゲームが並んだ一角もあり、「太鼓の達人11」まで置いてあるのが驚きだった。1プレイ20元と、日本での半額近い安さだったので、だんなと挑戦してみたり。
そしてそして、下の写真は大変にトホホな感じだった、UFOキャッチャーの景品。
夜市エリアには何ヶ所もUFOキャッチャーばかりを詰め込んだお店があったのだけれど、景品は「うわぁ……」な感じの日本のキャラグッズのパクリ商品が多く見かけられた。写真は、あまりにもな感じだったものを思わず撮影。
キャラクターの服装や帽子などから、それはどう見てもONE PIECE のキャラクターなのだけれど、サウスパーク的にデフォルメされたキャラクターたちは、ただただ怖いだけだった。それがケースの中にみっちり詰まってこちらを見ているものだから、もう悪夢としか言い様がない。
ちなみにONE PIECEは台湾でもけっこう人気らしく、空港で中国語版の漫画が売られているのを見たし、コンビニでも「日本で3月末に発売になったばかり」のフィギュアつきラムネを売っていたりした。コンビニに寄るたびに、興味半分そのお菓子の棚を眺めていたのだけれど、どのコンビニに行ってもルフィとゾロだけ売り切れ中。
「ゾロと船長さんが全然いないんですが。全然見かけないんですが」
と、いつしか半ば真剣に探し始めてしまい、乾物街のコンビニでゾロフィギュアを見つけた時に思わず1個お買いあげ。余談でした。
ライフルゲーム アーチェリー 矢10本 太鼓の達人 1play |
50元 2×100元 20元 |
士林夜市で蝦釣体験
さて、長らく、「釣りがしてみたい」と言い続けていた息子。
台湾には「蝦釣場」なるものがあるらしい。わかりやすい場所では、今日の昼に行ったばかりの故宮博物院の奥の方にも数軒固まってあるのだとか。
でも、その「本格的な蝦釣」は、値段も高く、思ったようには釣れないらしい。時間もかかりそうだということで、そこに行くのは断念した。代わりに、調べて見つかった「夜市で蝦釣」をやらせてあげようじゃないかと、蝦釣屋台を探していた。
で、「士林美食街」の建物に入って早々、実にあっさりと「蝦釣」の文字を発見。ノリとしては金魚すくいの仲間のようで、海老の水槽2つを挟むように、金魚やメダカのような小魚の水槽も並んでいる。
金魚は日本と同じくポイですくうようになっているけれど、海老は、割り箸としつけ糸、針で構成されたミニ竿で「釣る」のだった。ただし、餌をつけて口に引っかけて釣るのではなく、尻尾に針をひっかけて持ち上げるように釣る仕組み。
竿は1本20元、でも7本で100元とのこと。100元払って息子にやらせてみた。途中私も竿を1本貰って試してみた。
「ちっちゃいの、ちっちゃうの狙うといいよ」
とお店のおばちゃんがアドバイスしてくれたけれど、なかなかどうして難しい。そっと尻尾に針をひっかけても、持ち上げている過程でジタジタと暴れ出す海老に針は簡単に外れてしまうし、糸も簡単に切れてしまう。息子も苦戦しいしい、やっと2尾の海老を釣り上げることができたのだった。釣った海老は食べる。その場で食べられる。
「食べてく?」
とのおばちゃんの言葉にうんうんと頷くと、おばちゃんはその場で海老に鉄串をブッスと刺し、海老を洗いもせずにバットに盛られた粗塩をまぶし、水槽背後にあるグリルに投入した。返しながら両面焼いて、こんがり焼き上がったところで紙袋に入れて手渡され、おしまい。生きたまま鉄串刺されてグリルの中で断末魔の動きを見せていた海老を見続けるのは、なかなかシュールな光景だった。焼かれた海老は、私とだんなで1尾ずつ美味しくいただいた(釣った本人の息子は、海老フライはともかく焼き海老はお好きじゃないとのこと……)。
蝦釣(竿7本) |
100元 |
士林夜市「攤號」〜めくるめく台湾小吃
念願の海老釣りも体験できたし、それでは夕御飯!と、美食街の中をあっちをうろうろこっちをうろうろ。雑多な蒸し暑い空間では、そこら中から料理の匂いが漂ってくる。牛肉麺の専門店あり、臭豆腐の専門店あり、色々だ。
臭豆腐は、とにかく強烈。半径10mほどに匂いをバラまき、「あっちから臭豆腐の匂いがする」と、通りかかる全ての人々の頭の上に"臭豆腐アンテナ"が立ち上がってしまうような存在感がある。好きでも嫌いでも、どうにも無視できない匂いだ。端的に表現すれば「腐敗臭」なので(発酵臭なんだけどね……でもね……)、料理店には似合わない匂いであること甚だしい。一度は食べてみたいと思いつつ、この立ち上る匂いを胸一杯吸い込んでしまうと最後の一歩が踏み出せないのだった。息子は早々に白旗を挙げて、
「あっちから臭豆腐の匂いがするー!ヤダー!」
と、方向転換しながら歩こうとすらしている。
そんなこんなで、
「ここ、良くない?魯肉飯もあるし、"[虫可]仔煎"もあるし」
と、立ち止まって入ってみたのが、「攤號」というお店。メニューに「攤號」とあったからこれが店名なのかと思ったのだけれど、どうも店名のないお店らしい(「攤號」は単に「番号」の意味っぽい)。市場内の番号は「441」。テーブル席が多いそれなりの規模のお店だった。
魯肉飯を注文し、味つけ卵も1つ。"[虫可]仔煎"の豪華版にあたる「綜合煎」も注文してみた。小粒の牡蠣に加え、海老や帆立も入っているお好み焼きだ。
どぎつい色合いの、赤いたれ(でも辛くはないのよ)がかけられている「綜合煎」、卵が多いような外見だけれど、浮き粉のようなぷよぷよとした半透明の生地も混ざった感じの、不思議なお好み焼きだ。レタスも一緒に炒められていて、シャクともヘニョともつかないちょっと不思議な食感がある。魯肉飯は、普通な感じに魯肉飯だった。あまりスパイシーでもなく、いかにもな感じでギトギトはしているけれど、味はさほど濃くはない。
「こういうの食べると、ビール恋しくなるよね」
「さっきコンビニで買ってくれば良かった……」
などと嘆きつつ、食べ終えた後も美食街をぷらぷら。
魯肉飯 滷蛋 綜合煎 |
2×20元 10元 50元 |
士林夜市「昇記」〜大腸包小腸
幸い、先の店から歩いてほどないところにあったジュース屋さんで缶ビールを発見。
ビールあった、ビールビール!と2缶購入し、それを飲み飲み再びぷらぷら。
「……あ。これ、食べてみない?」
とだんなが見上げた看板には、「大腸包小腸」という文字が書かれていた。脇の台には牛や豚の串焼きが山盛りに積まれており、その奥では腸詰やソーセージをおねぇちゃんが焼きまくっている。「大腸包小腸」とは……検討もつかない。
この店にはテーブルはついてなかったので、その「大腸包小腸」を1袋買ってから、ゲームコーナー近くのベンチに移動して座って食べた。建物内には、お店に付属するテーブル席だけではなく、至る所にベンチの椅子はあったりする。少し歩けば座る場所にはさほど困らないようになっていた。
で、その「大腸包小腸」。「大腸」は、餅米を腸詰めにした、太いソーセージ状のものを指しているよう。そして「小腸」はいわゆる普通の腸詰っぽいもの。紙にくるまれて渡されたそれは、ホットドッグのような形状のライスバーガーなのだった。米部分の周囲に腸皮のネチモチした食感が感じられるのが新鮮というか馴染みの薄いものなので、とても面白い口当たり。ジュージュー焼かれた腸詰も香ばしく美味しかった。そもそも、御飯と腸詰という組み合わせが似合わないはずがない。
大腸包小腸 缶ビール(ジュース屋で購入) |
40元 40元 |
かき氷だ麺線だとあれこれ食べ続けていたので、このあたりでなんとなくお腹も一杯。人混みにまみれて疲れ果ててしまったこともあり、ホテルに帰ることにした。
早めの夜市散策だったので、部屋に帰ってもまだ8時。でも朝から活動的だった今日、だんなのつけている万歩計は26000歩に達していた。
「そりゃ疲れるはずだ……」
と、ちょっとびっくり。