6/19(木) 魅惑のココナツオイル 

06:00
起床。夜早く寝るものだから、朝が早くてたまらない。大体朝は「ゆきにゃ〜ん」「にゃんにゃ〜ん?」「にゃん!」などとくだらぬ会話をしながらいちゃいちゃした後、シャワーをあびるという段取りにこのところなっている。いいの、ハネムーンなんだから。

07:00
あさごはん。
Kさんはこの間から気になると言っていた和定食を今日こそ食べると言っている。
Kさん: 和定食
パパイアジュース(今日のはとても青くさかった)
カプチーノ
由紀: ヨーロピアンカントリーセット(デニッシュとハム、チーズの盛り合わせ)
グレープフルーツジュース、紅茶
海外に来て、「日本食が食べた〜い」と思う人が和朝食の存在を知ったら嬉しいだろうが、しかしこれを食べたらなおのこと日本が恋しくなるだろう味がする。内容は、ごはん・わかめと豆腐の味噌汁・ひじき・ジャガイモとエビの炊き合わせ・温泉卵風のもの・オイリーな鮭・ほうれん草のおひたし・ダイコンおろしと海苔・つけもの・緑茶、である。見た目は確かにジャパニーズなのだが、味がやはりインドネシア。
オイリーなシャケのソテーは確かに美味しかったが、だが日本の塩鮭を考えていた私たちは「ちが〜う」の連続だった。温泉卵も白身が固まって黄身が固まっていないという本来のものとは逆の、ポーチドエッグ状態だったし。そもそも塩の味からして微妙に違うのだからどうしようもない。
部屋に戻り、またランドリーを出す。これで帰国まで持つかな。

09:00
プールに行く。まだ人気も無く、日の当たりそうなチェアーを陣取る。もう度胸のすわった私はビキニで来て焼きに専念する。Kさんは割と一生懸命泳いでいるようだ。湿気が無いためかわからないが、プールに入るほどには暑くないのだ。入る時に若干の勇気が必要。水が冷たいから。
だらだらしているうちに時間は既に11時をまわり、12時のランチに間に合うように一度部屋へ戻ることにした。

11:30
部屋に戻って身なりを整えて、PJ’sレストランへ行く。プランに含まれる昼食だったが決まったコースというわけではなく、ドリンク以外は全て無料らしい。とは言ってもそれほどおなかが空いていたわけではないので、意地汚く食べるのは止めることにする。
前菜: サテの盛り合わせ
パスタ: タンドリーチキンとバナナチャクニーのピザ
メイン: 本日の魚(レッドスナイパーと言っていた)のしょうが蒸し
ココナツとパイナップルのジュース、ストロベリーとバナナのジュース
マンゴフローズンマルガリータ、グアバフローズンマルガリータ
を飲みながらいただく。

お店の人に勧められたフルーツマルガリータはとても美味だった。しゃりしゃりしていてとてもすずしげ。
魚も油がのっていて美味しいし、ピザも相変わらず絶品。バリという感じがしないなぁ、このホテル。殊にこのレストラン。

13:00
部屋で日光浴をする。プライベートヴィラならではの"裸で日光浴"を実践。じりじりと体中が悲鳴をあげるような日差しの中、先程飲んだアルコールの所為か昼寝までしてしまい、顔がひりひりしてしまった。何だか殺菌すらされているような気分。焼き疲れてしまったので(日向にいるって、とても体力が必要なのだ)、日陰に入って、昨日買ったココナツミルクを飲んでみる……全然甘くなくてどろどろで胃に重い。ちょっと、苦しい。コップに移して砂糖をいれて水でのばしてみたが、でもやっぱりちょっと違う。悲しかった。こっちに来てから、まだちゃんとしたココナツミルクを味わってない〜。

15:00
マッサージのおねえちゃんズがやってくる。
大きなカバンを持ってきたおねえちゃんたちは折り畳み式になっているカバンもどきのベッドを日陰のリビングにバタンバタンと広げはじめた。ローブを着てこい、と言われたのでバスルームで着替えてくる。
ベッドの上には布がひかれて、この上にまずはうつぶせになるように言われる。
まもなくほわ〜んと良い匂いがしてきて、どうやらマッサージオイルがココナツのものらしい。甘くて脳髄がとろけそうな匂いがたちこめて、背中から左腕、右腕、左足、右足と次々にマッサージされる。痛くはなく、ゆるゆると気持ちの良い刺激だ。隣のKさんもふにゃ〜としているらしい。続いて仰向けになって胸、肩、足とマッサージ。このあたりで気持ちよさのあまり、気が遠くなってしまう。「エクスキューズミー」と声をかけられ、体をおこすと後ろから肩をもまれて、これでおしまい。なんだかふにゃ〜としてしまって、終わった後もベッドの上でふにゃふにゃしていた。
すばらしく良い匂いだ。シアワセ。あまりフニャフニャしていたら、Kさんがおもむろに「旅行記書くぞ」と言い出してパソコンを動かしはじめた。そんなに私の行動が奇妙だったのか、おい。

----------(ここからKさん)----------

15:00
予約しておいたバリ式マッサージのお姉ちゃんがビラに来る。なんだかココナッツの香りのするオイルを塗りたくって体中をマッサージしてくれるのだが、これが意外に心地好い。肩の日焼けの痛みも忘れて、半分眠ってしまった。

16:00
おゆきさん、壊れる。どうやらココナッツの香りに魅せられたらしい。自分の手の匂いを嗅いでは「へゃ〜」、人の匂いを嗅いでは「ふゃ〜」と、意味不明の奇声を発して喜んでいる。……危ないかも。

----------(ここまでKさん)----------

16:20
ココナツの匂いがなごりおしいが、ヴィラを出てプールサイドのカフェにいってみる。バリ風軽食を食べさせてくれるらしいここで、かる〜くお茶でも優雅にするつもりだったのに、思わず胃にたまるものを食べてしまう。Kさんは卵とマッシュルームのパスタとミックスジュース、私はココナツソルベのパフェのようなものとレモネード。アカデミアナッツアイスとココナツソルベの盛られた上にホイップクリーム、その上からパッションフルーツのソース。上には果物がキレイに盛られているというココナツソルベのデザート。ロマンティックディナーやバナナフリッターの甘さから、ここでの甘いものは要注意だと知っていたが、それでも注文してしまい、それでもやっぱり甘かった。美味しかったけれども。夕方にこんなもの食べて、夜に食べられるのだろうか。今朝メインダイニングに夕食の予約を入れて来たのに、大丈夫なのか〜?

その後、ギャラリーで再びお買い物する。
CDと灰皿、本とポロシャツを買う。ブルーの地にブルーの文字で「Four Seasons Resort Bali」と書かれたポロシャツはKさん用。本当は黒地に白文字のものが欲しかったんだけど、サイズが無かった。
BOUTIQUE&GALLERYでお買い物
CD Rp 48,500
The Garden Book Rp 10,000
ポロシャツ Rp 55,000
灰皿 Rp 20,000

帰りがけ、プール脇を通ると舞台脇がまた昨日のようなセッティングになっている。今日も踊りをするのかと聞いてみると、18:00からケチャがあるという。アートセンターのケチャがすっかり良かった私たちは、これにも来てみることにした。ホテルの人がタックトゥールなんとかと言い、ケチャとは違うの、みたいな事を言っていたが、まだ私たちには何のことだかわからなかったのだ。

18:00
部屋に帰って少し休み、プールサイドに行くことにした。先程軽食を食べたビーチサイドにはディナーのセッティングがされ、プールにはロマンティックディナーで見たような花と蝋燭が2つ浮かんでいる。浮かんでいるにもかかわらず泳いでいるおっちゃんがいて笑いを誘った。
舞台のまわりの椅子には既に先客が多く、誰もが小太り(もしくは大太り)の中年男性、女性だったのが気になった。昨日と同じ椅子につこうとすると、係員のような、ホテルマンでは無い男に制される。何でもこれは"タックツゥール"とかいうツアーの為のイベントらしいのだ。椅子は全てそのお客用、というわけで、仕方なく芝生の斜面にぺたっと座る。私たちが座ると、他の宿泊者もちらほらと芝生に座り始める。

ケチャは一昨日のに比べてかなり悪いものだった。人数が少ないせいもあったかもしれないが、だがしかし圧倒的に気合の入りかたが違う。声も動きも散漫としていて、踊り手の技術もたいしたものではなかった。なんだか残念。こないだのケチャって実はすごかったのかもしれない。あの程度のケチャで「ケチャディナー」なんてうたって観光客呼んでいるんだろうな……と思うと、悲しい。

19:00
「つまらないものを見てしまった」と言い合いながら、ダイニングに入る。夜のダイニングはドレスコードがあって、男性はシャツに長ズボンと決まっている。朝聞いたことでは長ズボンであればジーンズも可ということで、さほどうるさいものではないらしい。
グラスシャンパンを飲みながらメニューを検討する。
Kさん: カボチャとココナツのスープ
ツナステーキ
エスプレッソ
由紀: OXテイルのスープ
鳥肉のバナナ葉包み
マンゴスープ
という内容で、文字からすれば楽勝の量に見えたが、めちゃめちゃな量がやってきたのであった。前菜もボールにタップリのスープ(味は最高だったが)、メインも皿から溢れろと言わんばかりの蛋白質の固まり。特に胡椒たっぷりのツナステーキの辛さと多さにKさんは苦しめられたようだ。私も鳥肉をやっつけるので大変だったが。味は良いんだけどねぇ……何もアメリカンサイズで出してくれなくても、と泣きながら食べた私たちだった。
で、とどめにマンゴスープをデザートに頼んでしまったのが最大の問題だった。私の悪いくせで、ついついメインの後にデザートメニューを見せられるとカッコつけて注文してしまうのだ。マンゴをミキサーにかけた甘いスープに丸くくり貫かれた果物が入っており、確かに美味しかったが果物の量たるや何種類入っているか数えるのも大変なもので、しかも底にはタピオカがぎっしりと入っていた。Kさんに手伝って貰いながらやっとの思いでやっつける。

ふらふらの思いで部屋に帰ると8時半頃だった。お腹いっぱい、苦しい……。
このあとお風呂に入ってすぐに寝たように記憶しているが、またも私に奇行が見られたらしい。以下にKさんの記述を残す。

----------(ここからKさん)----------

20:30
夕食が終了。もう既にバリ式マッサージの時のココナッツの匂いはほとんどしないのだけれども、おゆきさんはなんとなく残る残り香を名残惜しそうに嗅いでいる。そ、そこまでココナッツが好きか……?

21:00
食事から帰って来て、浴衣に着替えたおゆきさんがまたも壊れる。なんと、浴衣に残る強烈なココナッツの匂いに魅せられて、浴衣を抱えて寝るという行為に出た。幸せそうである、が……やっぱり危ない。

----------(ここまでKさん)----------

危ないですか、そーですか、悪かったですねぇ。
ともあれ、ココナツの匂いに囲まれて嬉しかったのは事実。なんであんなに良い匂いなんだろう。ココナツオイルをどこかで売っていたら是非買わなくちゃだわ。

21:30
まだおなかが苦しい。内蔵が全て食べ物で満たされてしまったようだ。
おなかを押さえながら、寝る。

photo
いまいちだったケチャ之図