4月6日(日) 最後の朝市

モスバーガーで朝御飯

台湾モスバーガーの朝食メニュー 今日の午後には帰国の途。
お昼前にチェックアウトして空港に向かえば良いようなスケジュールだったので、最後に朝市を覗いてくることにした。身支度整えて、朝の台北駅付近をぷらぷらと。

ターミナル駅である台北駅付近は、学生街ということもあって食べ物屋さんがたくさんある。でも、今日はあいにくの日曜日。散策した時間が少し早かったということもあってか(7時過ぎくらい)、思ったよりもお店は開店していなかった。シンプルなお粥屋さんでも見つけられれば良かったのだけれど、目につくのはサンドイッチ屋さん、ハンバーガー屋さんばかり。

眺め歩いて悩んだ結果、地下鉄駅に隣接した地下街の一角にあった日系飲食店のフードコートに入ってしまうことにした。
市内あちこちで見かける回転寿司屋さんのお弁当屋さんや吉野家、ヤマザキのパン屋さんなどが並んでいる。モスバーガーもあった。

モスバーガーのカツサンドセット フロア中央にはベンチ椅子のテーブルがずらりと並んでいて、そこに腰掛けて私と息子はモスバーガーの朝食セットを、だんなは吉野家で牛丼と照り焼き丼の盛り合わせを食べることに。

私が頼んだのは「日式猪排三明治」なる名前のカツサンド、息子が頼んだのは「火腿歐姆蛋堡」なる名前のハンバーガーセット。どちらもドリンクつきで、アイスティーにしてもらったら実に甘ったるい味のついたものが出てきて閉口してしまった。そうだ、台北で飲むお茶は基本的に甘かったんだった……(コンビニで売られている中国茶でさえ、甘い味がついているものがある)。
こちらは吉野家

「日式猪排」は、日本風の豚肉揚げということで、つまりトンカツ。キャベツも挟まったソース味のカツサンドだ。パンは少し甘めのある食パンを使ったもの。
「火腿歐姆蛋堡」の火腿はハム、歐姆蛋はオムレツ、ということで、息子のはハムオムレツサンド。バンズパンにレタスやチーズも挟まっており、出てきてみるとこちらの方が美味しそうだった。

吉野家のプレートも、なかなか個性的な外見のもの。点心屋さんで蒸しスープが入って出てくるような容器で豚汁もついてきて、何故か枝豆まで添えられていた

台北駅地下街 「モスバーガー」にて
日式猪排三明治
50元

食材天国、雙連朝市

一昨日とはまた趣が違います 朝食後は、電車に2駅乗って一昨日と同じく「雙連駅」近くの朝市に。

生肉にもたいそう心を惹かれつつ(だって、すごく無造作に烏骨鶏が丸々1羽売られていたりする……値段は確認しなかったけれど、すごく安そう)、さすがに生肉を買って帰るわけにもいかず、「空港で最後につつけるかな」と調理されたものを軽く見て歩くことにした。

一昨日と同じ場所での朝市だけれど、店の並びは隨分と違っている。
一昨日はあまり見なかったお花屋さんがたくさん出ているし、少し気になっていた素麺屋さん(乾麺や瓶詰のソースを扱っていて、お土産にするのに良さそうだった)は今日は出てきていない。

この市場の雰囲気が、やっぱりたまらなく好き。
生肉や調理したあれやこれやを露天に大量に並べて
「こんなに大量に並べて、これが売れちゃうのかしら」
と見ているうちに、それらが次々と売れていく様に、「食べる事に情熱的な国は、好きだなぁ」と思ってしまうのだった。大胆に輪切りにした巨大な魚や、よく見ると顔つきトサカつきの鶏(いかにも"羽をむしっただけです"みたいな……)が売られていたり。日本のスーパーでの綺麗にパック詰めされたものこそを「肉」と感じてしまいがちな私などには刺激的な光景だった。

下は、朝市で撮影した写真のあれこれ。

中華鍋がたくさん 魚がたくさん
大量の丸鶏ちゃチャーシュー 全部良く煮えています

購入したのは、甘辛く煮付けた類の肉ばかりを扱っていたお店で角煮と煮卵を3個。そして焼き物主体のお店で半羽分の焼き鶏(多分、蒸してから軽く表面を炙ったんだと思う)とチャーシューと腸詰。更に13個100元だった皮蛋も。

焼き物のお店では、あれこれと指をさして「これちょうだい」とお願いすると、お店のおばちゃんが見るも鮮やかな手さばきで骨付き鶏をざっくざっくと一口大に切り分けてくれてパックにしてくれるのだった。おばちゃんの技量もさることながら、うっとりするほどの斬れ味の中華包丁を目にして、「それもください」と言いたくなってしまう。

雙連 朝市でお買い物
皮蛋13個
角煮1本と煮卵3つ
焼き鶏と腸詰、叉焼
100元
217元
310元

「阿忠麺線」〜ああ、阿宗麺線って美味しかったんだ、と

あ、辛いのは入れないでくださーい そして急ぎホテルに戻り、荷造りを続行。

「そういえばパイナップルケーキ買ってないね」
「近くに、賞取ったとかいうお店があるらしいよ?」
美味しいパイナップルケーキだったら人にあげるお土産用だけじゃなくて自分家用にも欲しいなぁ……と、まだ時間もあるしとホテルに荷物を置いたままちらりと外出。

この通り沿いだよと目指したところには無情にもシャッターが閉まったお店があって、店頭には「移転しました」の貼り紙がついていた。お店の名前は「世運食品」。

これは仕方がないねとそのままホテルに戻る事にしたのだけれど、通りかかったお店で傷心のまま麺線1杯買って持ち帰ってきた。

臭豆腐ほどではないけれど、麺線のお店も「このお店では麺線を売っていますよー」という香りがそこら中にぷんぷんと広がる「匂いの存在感」がある。モツ臭かったり鰹だし臭かったり、という感じ。ホテルの正面には「臭豆腐・麺線」と、字面だけ匂ってきそうな看板を掲げたお店があるのだけれど、「外で食べるのは禁止」といったような貼り紙があって、ホテルの部屋に持ちかえることはできないお店なのだった。

このお店なら持って帰れるね、と、「阿宗麺線」と似た店名の「阿忠麺線」というお店で麺線大碗を1杯買って、ビニール袋に入れてもらった碗を揺らさないように注意しながらそろそろと帰還。
モツと牡蠣がたっぷりです

大鍋に煮られた麺線を碗に入れ、脇の小さな鍋からモツ煮を入れて、小ぶりの金属のケースから小さな牡蠣の身も少々。「これは要る?これは?」といった感じに香菜や薬味などをぽいぽいと碗に入れて手渡してくれた。

独特のとろみのある麺線、このお店のものは「阿宗麺線」のそれに比べるとかなりワイルドな味わい。かなりケダモノ臭さが漂う麺線で、それもまた悪くない。麺線に洗練も上品もないものだと思っていたけれど、「阿宗麺線」は、やっぱり食べやすく作られているのだなと納得した。

「ああ、阿宗麺線って、美味しい麺線だったんだね」
と、変なところでだんなと納得。

麺線啜りつつ、片付ける直前だったパソコンでパイナップルケーキのお店について調べたところ、西門町方面、歩いてもなんとか行けるところにあるところに本店があることがわかって、だんながひとっ走りして買ってきてくれた。

「これ、家用ね、ちょっと豪華な詰め合わせセット」
と買ってきてくれた派手な箱の中は、「ノーマル・手作り・卵あん入り・苺入り」の4種類の味のパイナップルケーキの12個詰め合わせセット。

帰国してから食べたけれど、しっとり柔らかなパイナップルケーキはくどくどしい甘さもなく、自然な味でとても良い感じ。比較して「ここが美味しい」と言えるほどパイナップルケーキを食べたことがないので比較しようもないのだけれど、このお店のパイナップルケーキは確かに美味しかったのだった。

台北駅近く 「阿忠麺線」の
麺線 大碗
50元

最後まで小龍包

そんなこんなで慌ただしく荷造りを終え、来る時の倍近い(いや、倍以上?)の重さになってしまったスーツケースを引きずってホテルをチェックアウト。そのまま地下鉄地下街を経由して道路を渡ったところにあるバスターミナルに移動した。スーツケースの重さの理由は、台湾ビールとか蒸籠とかXO醤とか、そんなものばっかりだ。ノンアルコールのオレンジ味のソーダ、「オレンジーナ」が安かったものだからそれも数缶ぽいぽいと詰めてしまったのも敗因の一つだった。

往路と同じく公営バス「國光運行」を利用して、バスはさほど待つことなくすぐにやってきた。バスターミナルの入り口には、バス会社の係員ととれる外見の男たちが「ドコ行くの?空港?」などと言ってくる。「1人100元でイイヨ」なんて言う彼らは、白タクの勧誘なのだった。バスだって十二分に安いのに、それが多少安くなったところで怪しい白タクに乗るはずがなく、続々とやってくる旅行客にすげなく断られ続けている。

空港から市内への道中は大変な渋滞だったけれど、日曜昼間というタイミングもあってか道路はガラガラ。思った以上に早く到着してしまい、チェックインしてから空港内のフードコートで軽く休憩することにした。
ちゃんと小龍包でした

小龍包があったので思わず台湾ビールと共に買ってみた。大サイズは10個入りで、1蒸籠240元。
夜市の8個入りのが60元、昨日お店で食べたのが8個入りで90元。それを思うと日本並(いや、さすがに日本よりは安い……かな)のその価格に「お高いなー」と思ってしまう。

値段は一番、そして味の方も、残念な方に一番な感じだった。それでもちゃんとスープも詰まっているし、普通に美味しい小龍包だったのだと思う。昨日のお昼に食べたり夜市で食べたのが幸せに美味しかったのだった。

テーブルには朝市で買ってきた角煮なども取り出して並べつつ、ビール飲み飲み宴会じみた昼御飯。見た目よりあっさり味だった角煮も煮卵も、骨ごと中華包丁で叩き割るように切ってパック詰めにしてくれた焼き鶏も実に美味しかった。ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまい、あとは搭乗ロビーでだらだら座って搭乗時間を待つことに。

台湾桃園國際機場 フードコートにて
小龍包(大)
台湾ビール
240元
 

そして予定通りの午後2時半に飛び立った飛行機は午後7時前に、無事に成田に到着した。
バリ島あたりに行くことを考えると、3時間半ほどで行ける台湾は本当にらくちん。次は新幹線にも乗りたいし、なにより台南で担仔麺を食べ歩きたい。余力があれば「焼いた臭豆腐」あたりにも挑戦したい。まだまだ台湾でやりたいことがたくさんだ。