3月22日(月) 谷米・やまうち・竹清など

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うどん、の文字を目指して〜「やまうち」

「やはり最終日は"たにべい"に行かねば、と思うのです」
「たにべい、ですか」
遠いんだよね、あそこは……ひときわね……でも唯一無二のお店だよね確かに食べたい、とだんなと相談しいしい、今日の一番の目的地は「たにべい」ということになった。
 
そう略される、目指すお店は「谷川米穀店」だ。同じ「谷川」の名がつく「谷川製麺所」というお店(一昨日行った)があるから、差別化の意味で「たにべい」と略される。
 
「谷川米穀店」は、「まんのう町」という高松市からはそこそこの距離がある町にあり、しかも住宅街を遠く離れて尋常じゃなく山に入っていったところにある。似た感じのお店に「やまうち」というところもあり、これもまんのう町で山の中。
 
おなじ町だし今日一度に行けるかなぁ……がんばってみる?と、「では9時開店のやまうちに9時に着くのを目標に」と宿を出発。食べたらすぐ谷川米穀店に目指す感じでどうだろう、と、最終日の予定を色々たててみた。
 
ともあれ、最初に目指したのは「やまうち」。
 
山越え川越え、「やまうち」に到着〜! 風光明媚なロケーションに店舗を構えている事が多い香川のうどん屋さんの中でも、ひときわすごい場所にあるのがこの「やまうち」。
 
山あいをローカル線がのどかに走り、とある踏切の脇に、すごくそっけなく「うどん」の看板が出ている。
 
これを見逃さずに踏切を渡らないと他に目印はなく、
「うどん、うどん……あった!あの踏切!」
「あそこを曲がるぞー」
と、曲がった先のまた「うどん」の看板を目指して、急な坂を一気にあがると、そこがお店。
 
場所が場所だからか、久しぶりに訪れた今回も、それほど混雑していなかった。9時過ぎに到着してすんなりとうどんの入ったどんぶりを受け取り、店内の丸テーブルについて啜る。
 
「やまうち」のおうどん、朝からピシーッと美しい 選べるのは「あつあつ」、「ひやあつ(冷たいうどんに温かいだし)」、「ひやひや」の3種類、そして「しょうゆうどん」「湯だめうどん」も選択できる。サイズの種類は「特大」「大」「小」。
 
だしも入れてもらった状態で受け取り、揚げ物やいなり寿司などはセルフサービスだ。
 
各テーブルには巨大なおろし金と巨大な生姜が鎮座ましましていて、でも生姜は入れずに私は「あつあつ」をいただいてきた。朝一のハラペコの胃に、思わず串カツも1本(だんなはゲソ天を、息子はちくわ天をそれぞれ1本ずつ)。
 
「やまうち」今日の販売物、みかんが美味しそう! このお店は「宮武系」なのであるそうだけれど、あまり「宮武!」という感じはしない、ちょっと優しい感じのうどんだ。
 
ひやひやで味わえるドシッとしたコシ、ギュギュッとしたねじれは確かにそれっぽくはあるのだけれど、「松岡」あたりと比べるとずっと優しい口当たり。
 
でも濃厚ないりこだしの味はいかにもという風。朝一番に美味しいうどん、美味しい水(このロケーションゆえか、水が素晴らしく美味しいんだ……)に爽やかな気分になった。
 
店頭では無造作に大きなみかんやお米を売っていて、それもまた素敵な感じ。ゴルフのロストボール袋、なんてものまであったりして。

まんのう町「やまうち」にて
かけうどん(小・あつあつ)
串カツ
200円
 

籠盛り卵と、さくらちゃん〜「三嶋製麺所」

そしてカーナビの指示通り、山の中の1車線道路を走り走って十数km。
こんな道、カーナビに言われなかったら絶対来ないよね、確実に道があるってわかってる大通りからちょっと遠回りしていくところだよね、などと話しつつ、他に滅多にすれ違う車もない道を次のお店に向かってひた走る。
 
でも案外と走りやすい道路だったりして、思っていた以上に順調に本日のメイン会場(?)「谷川米穀店」の近くまで来られてしまった。オープン11時に対して、今の時間はまだ10時前。さすがにちょっと早すぎるねと、道中にある製麺所、「三嶋製麺所」に寄り道してみることにした。
 
これ以上なく、「うどん屋」を主張するものがない建物でした。 「究極の製麺所うどん」という風に本に紹介されていたこのうどん屋さん。
 
店頭に「うどん」の文字ひとつも存在しておらず、見た感じはまんま普通の民家。ただ、建物から1本煙突がニョキッと出ていて、耳を澄ませば中からはダンッダンッとうどんを切る音が静かに響いてくる……という感じ。

 
四国新聞社サイトのお店紹介ページに「目印の煙突を見つけてもなお、扉を開けるまで不安」とあったけれど、まさにそんな佇まいだった。
 
「どこだろ?」
「このへん?」
「うーん、川渡って曲がってすぐだから……うん、そのへん」
と地図を見ながら車をゆっくり走らせて、このへんかしらと見やった建物の軒下でおっちゃんがうどんを食べていたので「ここかー!」「ここだー!」と無事に辿り着くことができたのだった。
 
「三嶋製麺所」にて。目の前に籠盛り卵! うどんは温かいのか冷たいのかを選ぶだけで、あとは生卵が無造作に籠に入れられているだけ。
 
だしはなく、麺を受け取ったら卓上の醤油や葱、有料の卵を好みでかけつついただく。
お会計は「○玉と、卵○個食べました」と申告制の後払い。
 
またすぐ次のお店も行くしねと、あったかいのとつめたいのを1玉ずつもらって、あったかいのには生卵混ぜて釜玉風に。金額がどこにも書かれていなくて(気付かなかっただけかも)、うどん2玉と卵1個で270円だったから、うどん1玉120円卵1個30円ではないのかなと想像してみた(それで正解の模様です)。
 
店内には、製麺所からカウンターをへだててすぐ隣に椅子とテーブルの用意があって、10人くらいはここで椅子に座って食べることができる。外にもベンチがあった。肌寒かったので私たちは部屋の中でいただくことに。
 
「三嶋製麺所」であったかい麺+卵。これぞ日本のカルボナーラ(?) 温かいのも冷たいのも優しい味で(冷たいのが、キーンと氷のように冷たいわけではなく、ぬるい感じなのがまた悪くない)、モチモチと喉を落ちていく食感がたまらない。ねじれのない麺は、でもシュッとした姿勢の良さを感じるものだった。冷たいのと温かいの、食感の違いがはっきり感じられて楽しい。
 
ちょっとお手洗い借りて来るね、とだんなが席を立った隙に、息子がうどんを食べる食べる。
「ちょっ……それ、お父さんの分だよ?」
と告げるも、「うん、知ってる」とか言いながら啜る啜る。聞いてないでしょ、聞いてないよね?なんて言っているところにだんなが帰ってきて、「うお俺のうどんが!」と激減したどんぶりに驚いていた。まぁ、食べたかったら徒歩1mの距離でまたすぐ買えるわけですが……。
 
ごちそうさま、とお店を出ると、建物の入り口に小さな貼り紙があるのに気がついた。
「下にさくら(オンナのコ)がいます。ぜひ、さわって下さい」
と書いてある。
 
「さくらちゃんって、誰?」「犬かな、猫かな」と、どうせまだ時間もあるしとお店脇の坂を下りてみたところ、焦げ茶色をしたシベリアンハスキーみたいな顔つきの、でも毛並みはモフモフのでかいわんこが尻尾振って「お客さんだわ!」と立ち上がったところと目が合った。
 
坂の下にいた、さくらちゃん。もふもふもふもふ。 パタパタと尻尾振って、「お客さん、どっから来たの?」とばかりに私たちの服の匂い嗅いで、でも吠えもせず唸りもせず、「歓迎歓迎♪」と尻尾を振り続けてくれるさくらさん。
 
うわー可愛いな、おとなしいな、モフモフだなー、と、おとなしいさくらさんに甘えさせてもらって、家族皆思うさまモフモフしてきた。初対面の人間なのに、お腹見せてごろーんと転がってみせるさくらさん。大きい犬と期せずして触れあえて、かなり幸せなひとときだった。

まんのう町 「三嶋製麺所」にて
うどん(つめたいの・あったかいの)

2×120円
30円

お代わりはデフォルト〜「谷川米穀店」

「谷川米穀店」、開店前のこの行列 それじゃあ10時も過ぎたことだし、まだかなり早いけど「谷川米穀店」目指そうか?と車を走らせると、まだ開店まで1時間近くはあるはずだというのに、店頭にはすごい人の数。
 
お店の前から坂を上り、最寄りの橋の上にまで行列が伸びている。
 
行列の人の数はざっと30人以上で、続々と近くの道路に路駐する車の数も増えつつあるという状況だった。
 
昨日会った友人一家は「10時半到着目処に、私たちも"たにべい"に行ってみます」と言っていた。
 
タイミングが合えばまた一緒にうどん食べられるね、と「合流できるといいなー」とのんびり待っていたところ、本来の開店時間まであと45分はあるはずなのに、早めに開店したらしくじわじわと列が進み始めた。
お店の前から見下ろす谷川は、この絶景
 
私たちの携帯電話はPHSなのである。ここに電波は全く飛んできてなかった。
 
多分「やまうち」に来た頃から、ずっと圏外だったのだろうなと思う。
 
友人とも連絡取れないねぇ、どうしましょうねぇ、などと言っているうちに、友人たちが無事に到着してめでたく一緒にうどんを啜れることになった。良かった良かった〜。
 
このお店、麺はちゃっちゃと渡されるし、トッピングがあるわけでない(というか、全く無い)ので、お客の流れは遅くないはずなのに、行列が遅々として進まないミラクルがある。
 
それは「"おかわり優先"で麺が配られる」から。
一度入店しちゃうと、おかわりおかわり〜と長居して食べ続ける人が多いから、なかなか自分の番が回ってこないという仕様なのだった。何がミラクルって、1玉で満足しない(できない)人がそれほど多いというあたりがミラクルだ。
 
じわりじわりと2〜3人分ずつ進んでいく列につくこと数十分、めでたくうどんにありつけた。
これが禁断の、青唐辛子の漬物。めっちゃ辛いよ!
 
行列の最果てにある注文カウンターの上には、見慣れない内容物の小瓶。
 
これがこのお店の名物で、見た目はみじん切りにしたピーマンの佃煮のような感じのこれ、自家製の青唐辛子の漬物だ。
 
少量入れるだけでビリビリくる、おっそろしい辛さの漬物で、これが不思議とうどんに似合う。でも「冷たいうどんにこれ乗せて食べて、あったかいのお代わりしたら口の中が火を噴きます」という取り扱い注意の品だ。
 
ともあれ、私は「あったかいうどん+卵」、息子は「つめたいうどん」、だんなは「つめたいうどんの大」をそれぞれ注文。
 
唯一無二の「谷川米穀店」の麺。これは冷たいの。 「お互いのをわけっこすればいいよねー」などと話していたのに、だんなは私から分けるうどんだけでは飽きたらず、新しくあったかいのをもう1玉お代わりしてもらっていた。
 
結果、親子3人で食べたのはうどん5玉、卵2個ということに。
 
私もあったかいうどんをほぼ1人で平らげ、だんなから冷たいうどんもけっこうな量貰ったから、1.5玉分くらいは食べていたと思う。今思うと(というか、次の店で予想外に大行列長時間待ちになってしまったことを振り返ると)ここでもう1玉いっとけば良かったな、と思う。結果的にうどん屋巡りの「行ったお店軒数」を1つ減らすことになっても、ここで2玉3玉食べるのが正しい有り様である!と言ってしまって良いと思う。
 
案外、ここのおうどんは消化も早いようで、数時間後にはあれ?と思うほど胃が軽くなっていたりするので、やっぱりここで1人2玉いや3玉はいっとくのが正しい。
 
うどん自体もちょっと独特な食感のこのお店、調味料がまたちょっと変わっている。
あったかい麺には、卵を混ぜて
 
卓上に置かれているのは醤油に加えて「酢」そして「一味唐辛子」、そして先の「青唐辛子の漬物」。
 
1杯目は普通に醤油(と葱)だけで食べて、2玉目は酢も入れてみたり、唐辛子ふってみたり……とあれこれ楽しめる。「だし」は無いけれど、「だしが欲しい」とはこのお店ではあまり思わない。
 
だんなが最初にもらっていた冷たいうどんに、「唐辛子も入れてね、ちゃんと入れてね」とお願いして耳かき1杯ほど入れてもらったのだけれど、そんな分量だから見た目はごくごく普通のうどん。なのにうどんを啜ると後味にピリピリとくる刺激があって、食べ終わった後も数十分は口の中と唇がずっとピリピリ痺れたような感じになっていた。
 
ここのうどんは「往年の女優」のような、「かつてはすっごい美女だったんです、今は田舎に引きこもって野菜とか育ててるのよ」みたいな、女っぽくて美しい(でも"煌びやか"という感じとは違う)麺。だんなが3玉弱をぺろりと飲むように平らげたように、いくらでも口に入れられてしまう不思議なうどんだ。原料は小麦粉じゃなくて、綿アメのような感じの何か気体的なものなのかもしれない、なんて思うほど。
 
「やっぱりたにべい美味しい!」
「たにべい最高!」
と感動しつつ、息子も、友人夫妻のところのお子さんも、1玉を綺麗に旨そうに食べきった。
 
友人御一家とは「またどこかで会いましょうねー♪」とここでお別れ。
私たちは高松駅に帰って、そこから電車で帰路につくのだ。

まんのう町「谷川米穀店」にて
うどん(小・あったかいの)

120円
30円

最後は揚げたて半熟卵〜「竹清」

高松駅のある高松市に向かいつつ、でもまだ1軒か、もしかしたら2軒くらいは行けるかも。
「水曜、土曜、日曜は定休」という、うどん屋巡りにおいてはシビアな営業日の、高松市内の「竹清」へ向かうことにした。
 
うどんがどう、だしがどう、というより、このお店のうどんは「天ぷら」が名物。今はあちらこちらのうどん屋さんで見かけるようになった「半熟卵の天ぷら」はこのお店が発祥で、サクッサクの揚げたて衣の香ばしさは他の店の追随を許さないと言われている。ゆえに非常な人気店。サクサク衣の秘密は高温の油にあるのだとか。
「竹清」店頭まであと少し、でもここから更に30分……
 
並ぶだろうなとは覚悟はしていたけれど、12時過ぎに到着してみると、店の前を大通り沿いに10mほどずらーりと並び、そこから更に直角に折れて住宅街の中を15mほどずらーり。想像を超える大行列ができていた。
 
それでも、セルフのお店だし(自分でゆがき、だしかけて、揚げ玉と葱は乗せ放題)、そこそこ早く入れるのではないかなと予想して並び始めたのだけれど、これが、全然列が進まない。
 
どうやらネックは天ぷらで、「ちくわ」と「半熟卵」は事前に注文をとって次々揚げていくのだけれど、それが、うどんの茹でや客の流れにおっつかないという状況なのであるらしかった。
 
お店のおばちゃんやお兄ちゃんが、「うどんだけ召し上がる方はいらっしゃいませんかー?天ぷら不要な方でしたらすぐにご案内できまーす!」と行列に何度も声かけにきたけれど、それで動くのはほんの5〜6人ほど。列に並ぶ9割の人は動かない。みなさん揃って(自分も含めて)天ぷら目当てなのだった。
 
でもまさか、1時間半くらいも並ぶことになるとは。
 
乗らなければいけない高松発の快速列車の発車時刻は14:10。行列には12:10頃ついて、13:20頃には店頭のドアを入ったあたりに来られたのだけれど、そこから更にうどんの注文に至るまでに10分、うどんを受け取って席について食べ終わり、でも天ぷらが出てこないで待つこと10分……と、そんな感じ。
「竹清」店内、ここで麺を温めだしをかけます。
 
ともあれ、めでたく1人1玉のうどんを受け取り、客席フロアに島のように置かれただし&茹でコーナーに移動する。
 
テボの入った手前2つの鍋が茹で用で、奥の鍋が温かいだし。この鍋の背後にあたる場所に刻み葱と揚げ玉も並んでいる。
 
以前は、うどんを受け取るカウンターの左隣に色々な揚げ物が並んだ一角があって、「半熟卵天と、あと1個何食べようかなー」なんて悩む幸せも享受できたのだけれど、今回は、「食べられる天ぷらはちくわと半熟卵のみ」という事になってしまっていた。ただ1つだけ、白身魚の天ぷららしきものが1切れだけ、揚げ物コーナーにひっそりと残っていただけだった。今でも開店直後にくればいろいろ選択肢があるのかしらん。
揚げ玉をたっぷり乗せた「竹清」のうどん。天ぷら早く来ないかなー
 
天ぷらはまだ出てこないけど食べちゃえ!と、席探している間に少しぬるくなってしまった、温かいうどんを啜る。
 
さくさくの大ぶりな揚げ玉は、実はそれだけでもたいそう美味しくて、「ああ、無理して天ぷら待って並ぶこともないのかも」と思ったりした。この揚げ玉食べられるならそれでいいや、なんて。
 
うどんもだしも、「香川で食べられるすごく美味しい店」に比べれば普通な感じではあるけれど、でもその「普通」が関東では味わえるようで味わえないから、やっぱり幸せなのだった。関東にも色々なさぬきうどんチェーン店を見かけるようになったけど、やっぱりどうしても醤油味が強くて甘めのだしなんだよねぇ……。
 
で、天ぷらが出てきたのは13:40を回ろうというあたりで。
 
先に出てきた1人分の天ぷらを、「俺、これ先に喰って駐車場に車とりに行ってくるね!」と、だんながすごい勢いで囓りはじめる。車をちょっと離れたところのパーキングに止めてあったので、君らが食べている間に車持ってくるから!と、だんな大活躍。私と息子は、その直後に出てきた天ぷらを火傷する勢いで平らげて、だんなと落ち合い、急ぎ駅へ、急ぎホームへ向かうことになったのだった。
 
5分ほど残してなんとか目的の岡山行き快速列車に乗れたけれど、まさかうどん屋さんで2時間近く潰すことになるとは思わなくて、最後はたいそう慌ただしかった。
 
でも久しぶりに口にした揚げたてのちくわ天と半熟卵天はかなり幸せ。
 
平日もかなりの混みようだそう(だんなが数ヶ月前、出張で来て平日の昼に来てみたのだそうで)だけれど、県外からも多くの客が来ていたであろう今日の混み具合はちょっと異様。「うどんと天ぷらを両方楽しむ」という風にはいかなくなっていて、しかも「電車が出ちゃう〜!」と飲み込むように食べることになってしまったのが残念。また平日にゆっくり来られる機会を持ちたいな。
 
そうそう、揚げ物鍋に、5分おきくらいに新しい綺麗な油がじゃんじゃか追加されていた事が印象的だった。次々揚げているのに衣がベタッとした感じじゃなくて素晴らしく香ばしいのは、こういう手間をかけているからなんだなー、と。

高松市「竹清」にて
うどん1玉
てんぷら(ちくわ・半熟卵)
140円
2×90円

マリンライナーに乗って

なんとか無事に快速に乗れて瀬戸大橋を渡り、岡山で新幹線に乗り換えて一路東京へ。
 
「のぞみ」に乗ると、岡山から東京までは3時間半そこそこというところで、しかもN700系には壁際にコンセントがついていて、しかも大阪-東京間は無線LANも使えるとか。結局車内では一睡もすることなく、「バッテリーの残量気にせずパソコンが使えるなら」と、旅行記書いたり3日分のネットサーフィンをまとめてしたりしていたらあっという間に東京に着いてしまった。
 
N700系、座席もややゆったりめで「息子も私もコンセントあれば便利だから」と車両の端の席にしたら素晴らしく快適。ノートパソコン置いて雑誌置いてペットボトル置いてもまだ余裕があるよ!というテーブルの広さが本当に嬉しかった。
 
帰りはなんだかやたらと大荷物になってしまって、私の引きずるキャリーバッグは悲劇的な重さ。
キャリーバッグに詰め込めきれなかった本類(現地で『さぬきうどん全店制覇攻略本2010-11年版』とか、麺通団のうどんムックとか買っちゃってるし……あと週刊少年ジャンプも……)とパソコンは息子のバッグに詰めてしまったので、息子の肩かけエナメルバッグも尋常ではない重さ。
 
「お母さん……僕のバッグ、肩抜けるほど重いんだけど……?」
「うん、お母さんのキャリーも凶器になるくらい重いから大丈夫よ?」
「そうじゃなくて……」
と息子を涙目にさせてしまいながら、よろよろと帰宅。
 
教訓:お土産うどんを大量に買うことを考えて、香川詣ではゆとりあるキャリーで行きましょう。無理せず宅配便も利用しましょう。
 
8年ぶりの本場のさぬきうどんは、
「ごめんなさい、"香川遠いし、東京の麺通団あたりでうどん食べていれば、それでけっこう満足かも"なんて思ってしまっていて本当にごめんなさい」
というほどに、美味しかった。これじゃなきゃいかん、と思った。
 
今回は馴染みのお店を中心に回って、新進気鋭の噂の店の類はひとつも行かなかったので、またぜひ近いうちに来なきゃね。また「サンライズ瀬戸」に乗って。