7月20日(火) オーシャンパークと水上レストラン
- ・ スパ通い、はじめ
- ・ 「The Verandah」〜ドレスコードつき朝御飯
- ・ 「海洋公園」その1〜山頂目指して、お魚見て
- ・ 「海洋公園」その2〜クラゲと絶景を眺めながらのお昼御飯
- ・ 「海洋公園」その3〜クラゲだ!パンダだ!
- ・ 「珍寶王國」〜キンキンギラギラ水上レストラン
- ・ A Symphony of Lights を見ながら
スパ通い、はじめ
旅行先では、どうしてもゆっくり寝ていることができない私。
さぁアレするぞコレするぞというわくわくがとどまるところを知らず、「朝だぁ!」と薄くかけたカーテンの向こうが明るくなるかならないかの頃に目覚めてしまう。今日の起床は4時。「早起き」にしても、ちょっとやりすぎた。
「……でも、香港で4時ってことは日本の5時だよね。常識の範囲内!」
と結局パキッと目覚めてしまい、昨日の日記をつけたりしていた。
そして息子が6時に起床。
昨夜のうちに「もし6時前に起きられるなら、一緒にプール行こう、プールは6時からだから。7時を過ぎたら朝食行くのが遅くなっちゃうから、そうしたらプールは無しね」と約束していた息子が起きてきたので、2人でこそこそ着替えてプールに行ってきた。
本館専用エレベーターではなく、中央の新館兼用エレベーターで7階へ。階段数段あがったところにあるレセプションで「宿泊者でーす、初めてでーす」とロッカールームの使い方などを教えてもらい、他にお客さんがいないプールで存分に泳いできた。屋内だけれど湾を望む側は一面大きな窓なので開放感も充分。プールも広く大きく、たいそう泳ぎ甲斐があった。
こんな快適なロッカールームはなかなか無いわという充実の広さと設備のロッカーでシャンプーなどもすっかり終えて、アメニティの化粧水をぺたくた塗りまくってから部屋に帰還。
ドレスコードつき朝御飯〜「The Verandah」
今日の朝食は、偵察を兼ねて2階の「The Verandah」でブッフェ朝食。
母と息子は、ホテルの洋食ブッフェが大好き。もちろん私も大好きだけれど、でもここは食の都、香港。「香港の朝御飯!茶餐廳あるじゃない!粥麺専家もあるし、ホテルの御飯だけなんてありえないよ!」という気持ちだ。だんなも同様。対して母と息子は「朝からお粥なんてー……というかそもそもお粥が好きじゃないしー」という人たち。
「……というわけなのでね、明日から、おばあちゃんと息子と2人でこの店に来られるかな?英語でお茶とか注文できる?」
と、その偵察も兼ねて今日は皆で向かってみることにした。ロビー階の2階上がレストランフロアだ。
ペニンシュラホテルだけど、でも朝食だしね、と、テレテレのゆる〜い格好で訪れたところ、驚いたことに男性陣がドレスコードに引っかかってしまった。
「大変申し訳ないのですが、席は御用意しておくので着替えてきていただけますか?」とやんわり促され、男たち退場。
私と母は店頭に飾られたゴージャスなお花など眺めていたのだけれど、「先に入っちゃおうか」と用意された席に通してもらって、ハムやサラダを皿に盛りつつ待っていた。
お客さんは他にそう多くなく、ほんの数組。「でもあの人もTシャツ短パンだしなぁ……」と思いながら観察して、なんとなくわかった。「ちょっとくたびれた風のTシャツ:アウト」「膝より短いズボン:アウト」「素足にサンダル:アウト」なようで、アウトが2つまでは見逃してくれるのであるらしい。靴下スニーカー着用なら短パンOK、くたびれたTシャツでも下が長ズボンならOK……と、そんな感じ。体全体がゆるゆるになっちゃうとアウト、ということのように思えた。というか、何よりもサンダルがダメ、という感じ(女性のサンダルは大丈夫っぽい)。
これまでビーチリゾートの高級ホテルに何度か泊まったことがあったけれど(フォーシージンズとかアマンとか)、朝食の場で「ドレスコード守って」と言われたのはこれが初めてで、ちょっとびっくりしてしまった。朝食の場であってもペニンシュラはペニンシュラ。失礼しました……。
ともかくも、皆で揃って朝御飯。
「コーヒーに致しますか?それとも紅茶?」
との言葉に「紅茶が欲しい」と答えると
「茶葉はいかがしましょう、ペニンシュラブレックファスト、ペニンシュラアフタヌーン、アッサム、ダージリン、アールグレイ……」
と、茶葉をずらずらずら〜っと「どれにする?」と問われた。
ではアールグレイで、ミルクをつけて、とお願いして、席を立つとブッフェ台の手前には3種のジュース。
左からオレンジ、パイナップル、グレープフルーツの3種類のフレッシュジュース(果肉たっぷり!)、奥にシリアル、フルーツ、ハム類、サンドイッチ、チーズ……と冷たい系の食べ物が並ぶ。
料理の種類はそう多くはなく、でも、「種類は少ないけれど、全てを厳選しましたよ」という雰囲気に溢れている。
ナッツやドライフルーツと共に並んだシリアル類、フルーツはスイカ、メロン、パパイア、パイン、キウイなどなど。
サンドイッチのプレートには「Logan bread with cured ham」とあり、その奥の美味しそうなハムのプレートには「Assorted Air-dried Meat」なんて札がついていた。
「味噌風味のサーモンソテー」というちょっと和風寄りのものもあるし、右サイドには焼売やミニ饅頭などの点心類、お粥も並んでいる。
点心の横で、上からライトで温められた状態になっていたのは「Hash Brown Potatoes」、「Belgium Waffle」。
ワッフルの手前には、キーンと冷やされた銀のポットにこんもりとホイップバターの用意がメープルシロップと共にあった。
パンコーナーも、品揃え豊富。トースターと共に薄切り食パンなどの用意があり、デニッシュ類やマフィン、クロワッサンなどなど。「Strawberry Doughnut」「Lemon Cake」なんてものまである。脳裏でマリーアントワネットが「パンがないならケーキを食べればいいじゃなーい」と高笑いする。いや、ここにはパンも大量にあるけども。
パンコーナーの端には、蜂蜜がたっぷりついた巣が専用スタンドにセットされていて、そこからタラーリタラリと金色の滴が垂れてきては下にセットされた小皿に落ちていくのだった。
チーズコーナーには、薄切りの黒パンや葡萄、ドライアプリコット、くるみなどの添え物も過不足なく。
今日の品揃えは「Brie」、「Pont L' Évêque」、「Gruyère」、「Reblochon」。
白カビ、ウォッシュタイプ、セミハード……と、個性の違うものがすごく無造作に置かれていたけど、これがどれもこれも美味しかった。
ハムや葡萄と共に更に盛りつけ、ジュース飲みつつ「……至福……♪」とチーズをもぐもぐ。
パンをつまんでハッシュブラウンポテトもいただき、ハムにチーズにサラダに、と色々いただいた後、ここで止めておけば良いのにうっかりお粥もいただいてしまった。
お粥コーナーに、自分で盛ることができる形で鍋が置かれていなかったので(薬味だけ並んでいた)、「お粥くださる〜?」と言ってみたら
「プレーンとビーフ、チキン、シーフード、どういったものが良いですか?」
と。
じゃあチキンがいいな、薬味はナッツは要らないからこれとこれとこれとこれをよろしくね、皮蛋はたっぷりで!とお願いして、席に戻ること数分後、恭しくお粥が登場した。
薄味で、とっても上品なお粥。
均等にカットされた皮蛋、上品な揚げワンタン、針生姜に刻み葱、細かく細かく刻まれたザーサイなどがトッピングされて、それはもう上品な中華粥。美味しい……んだけど、ちと物足りない。お粥はやっぱり「羅富記」あたりで食べたいなと改めて思った。
美味しそうなフルーツカクテルを口にする胃袋の余裕がなくなってしまい、ああ他にも食べたいのが色々あったのに、残念……と思いながら部屋に帰還。
山頂目指して、お魚見て〜「海洋公園」その1
つい先日、台風が近くを過ぎ去ったところの香港。でもまた新たな熱帯性低気圧がじわじわと北上を続けて香港の西側を目指しているらしい。
週間天気予報を見ると、この先の天気はどうも安定しない様子で、雨になる可能性が一番低いのが今日20日、ということがわかった。
「というわけで、ですね。今日は"海洋公園"に行ってしまおうと思います!」
と宣言して、今日は一日外で遊ぶ日。同じ方面にある水上レストランにも行ってしまいましょう、と、朝食後バタバタと夕食の予約の準備などをしていざ出発。
尖沙咀から地下鉄で金鐘駅へ。
まずは尖沙咀駅の窓口で人数分のオクトパスカード(八達通 (OCTOPUS))を購入した。まんま「Suica」(ICOCA、TOICA)と同じ感じのこのカード、カードに何十ドルかチャージしておけば地下鉄に簡単に乗ることができる。トラムやフェリーにも乗れるのが地味に便利。コンビニ(各所で見かけるセブンイレブンとか)の会計に使えたりもする。帰国時にはカード返却手続きをすれば残金と最初にとられたデポジットのHK$50が戻ってくる仕組み。
ツーリスト用の3日間乗り放題カードなどもあるけど、「乗り放題」の恩恵を受けるほど毎日乗り物に乗りまくるかというと微妙なところで、だから一般用のオクトパスカードを4人分揃えた。65歳以上だとシニアカードがあり、乗車賃が半額になる(更に3〜11歳までの子供用カードというのもある)。よくよく説明をみれば「香港在住で65歳以上の方」という但し書きがあったのだけれど、「シニア1枚ください」で普通に買えてしまった。
それを使って、金鐘駅へ。事前に調べて「Exit B を目指すよ!で、629番からバスが出るから!」と鼻息荒くホームからエスカレーターに上ると、あちこちに「海洋公園行きのバスはこっちー」「バス乗り場はこっちー」と案内板が。さほど迷うこともなく、出口を出るとあからさまに「海洋公園行きのバスはここからー」とばかりに、専用レーンができていた。家族連れやグループ客がしこたま並んでいて、一目瞭然。開園と同時の到着くらいを目指していたので、同様にタイミングを図ったお客さんが山盛りで、バスはダイヤ関係なしに次々とやってきてはお客を乗せて出発していった。
幸い、私たちが乗れたのは2階建てバスの2階の、しかも一番前。初手からアトラクションが体験できたようなこのお得感。
満員状態になったバス(でもバスは次々来るから無理矢理乗客を詰め込むという感じでもない)は中環方面に向かって進みはじめた。
競馬場、跑馬地 (Happy Valley)のすぐ脇を通り、長いトンネルを越えるともう香港仔にほど近いエリア。トラムとすれ違う楽しい移動はほんの20分ほどで終わり、想像していたよりも早く公園ゲートのすぐ近くにバスは止まったのだった。案外と行くのは簡単だ、海洋公園。
「香港海洋公園 (Ocean Park Hong Kong)」は、山一つがまるっとテーマパークになっているところ。ガイドブックには「遊園地、動物園、水族館が一つになった東アジア最大のレジャーランド。中国政府から贈られた4頭のパンダが大人気。」などと書いてあった。
山の下と上をアトラクション風の列車とゴンドラが結び、パンダがいて水族館があって、遊園地的乗り物(お子様向けあり、絶叫系あり)があったりする。イルカショーなんかもやっている。入園さえしてしまえば、ショーを見るのもパンダを見るのも乗り物に乗るのも無料だ。
開園は1977年、ディズニーランドが出来てからも客足は衰えない人気の高さを誇り、今回訪れた時もあちらこちらに新しいアトラクション用の建物などを建築中の様子だった。
息子が楽しめるといいなという思いもあれど、私のお目当ては2006年春にオープンしたのだという「クラゲ水族館」。
香港にクラゲ!クラゲ水族館!と、クラゲ好きとしては黙ってはおれない存在、クラゲ水族館。誰よりも来たがっていたのは私であり、つきあってくれた家族に大感謝。
入園料は大人HK$250、子供(3〜11歳)は半額。
キャセイパシフィックのクーポンをネットでみつけていたのでこれを提示して(利用にはキャセイの搭乗券半券が必要←でもこれをうっかり忘れちゃったのだけど、普通に割り引いてくれた……)、10%offになった。
入場門票(成人) |
4×HK$225 (10%off) |
私たちが入場したのは、メインデートではなく、山の中腹にある「大樹湾(Tai Dhue Wan)」エントランス。
山の中腹ではあるけれど、エスカレーターが途切れず何本も通っていてほとんど歩くことなく山頂へ向かうことができるようになっている。海に向かってレールが突き出る小さなジェットコースターがあったり、"急流下り"的なアトラクションがあったり。
山頂には、エレベーター程度の速度で上昇し下降する展望台アトラクション(海洋摩天塔 (Ocean Park Tower))があり、進むとほどなく、いくつかある水族館の一つ「海洋館 (Atoll Reef)」の前にやってきた。
今日はとにかく快晴で、かつ蒸し暑く、チリチリと肌が焦げるよう。だから屋外のアトラクションで遊ぶ気には今ひとつなれなくて、
「あ、屋内だ」
「中に入ったら涼しいかなぁ」
と、いそいそとここに入ってみる私たちなのだった。
ビル4フロア分の深さを誇る大水槽がウリの、この水族館。
さすがにジンベエザメまではいなかったけれど、でもサメや巨大なエイ、ウミガメなどが泳ぐ様はなかなか壮観だった。
壁際には小さな水槽も並んでおり、体長5cmほどの小さなイカやタツノオトシゴ、リーフィーシードラゴンなども。館内は涼しく、なかなか見応えがあった。
館の入り口ではグループ毎に記念撮影を勧められ、撮影されると小さなレシートを渡される。各館の出口でそのレシートを渡すとパソコンモニターでその写真を確認することができ、気に入ったら写真を購入してね(キーホルダーなどにも加工するよ)というスタイル。写真最低でも1枚HK$89(1000円弱)だから全然お安くないのだけれど、紙製のホルダーもなかなか凝ったもので、「あらーこれ欲しいわー」と、母がお買いあげ。
この記念撮影はパーク全体あちこちで行われているから、全部買っていたら大変なことになるから要注意だ(結局2枚買っちゃったし……)。
……で、今日最大の目的の「クラゲ館」はすぐそばだったのだけれど、もう時刻も11時半になろうというところ。混雑しないうちにお昼御飯にしちゃいましょうということで、レストランに入ることにした。
クラゲと絶景を眺めながらのお昼御飯〜「海洋公園」その2
目指す「クラゲ館」の上はロゴにクラゲのイラストが使われたレストラン「灣景餐廳 (The Bayview Restaurant)」があった。セルフサービス式のカフェテリアで、内容はどちらかというと洋食寄り。キッズメニューにはミートソーススパゲティなどもある。
店名通りにそれは見事な「bayview」で、眼下には海と船と海辺の街がたいそうよく見える。フロアの内側には大きな水槽もいくつか設置され、中にはユウレイクラゲやミズクラゲがぷかぷかと漂っているのだった。レストラン自体にもクラゲモチーフが多く使われていて、照明もなんとなくクラゲのフォルムだし、化粧室に至る廊下にもクラゲオブジェで壁が飾られているしで、クラゲ好きには嬉しい空間。
荷物を置いて、「交代で御飯とってきましょう」と料理を貰いに行った私と母。
「あらこれ美味しそう」
「これも食べたいわ」
と母がぽいぽいトレーに乗せ始めたので「これはヤバイ」(=母一人では絶対全部は食べきれない)と、「じゃあ私、一緒に食べるから」と、私は何も選ばずにそのままお会計。
案の定、ちょっと辛さのあった鴨のサラダは
「あらー、こんな味だったのー」
と母が放棄して、私が大半を引き受けることになり、チャーハンも
「思っていたような味じゃなかったわー」
と母は3割ほどしか食べてくれなかったので残りは私が……。
だんなが「ビールもあったよ」と買ってきてくれて、ビール飲み飲みあれこれつまむ。
「青木瓜沙律配煙鴨胸」は、鴨の燻製をトッピングした、青パパイアのサラダ。味付けは、スイートチリソースがメインの感じな甘辛いもの。「菠蘿炒飯」はパイナップルチャーハンで、ターメリックの風味がちょっと強くてクセがあるものだった。でも生のパイナップル果肉がどっさり入っていて、悪くない。あとは海老やパプリカ、レーズンなども。
チャーハンの方には但し書きに「鮮果汁壹瓶及 Häagen-Dazs 75ml 雪糕壹杯」とあって(英語も併記されているので意味はほとんど理解することができる)、オレンジジュース1瓶とミニサイズのハーゲンダッツアイスが1個ついてくる。アイスのサービスはすごく嬉しいのだけど、お会計時に無造作に渡されるから、食事の間に溶けては大変と、最初に食べる事に……。
クラゲだ!パンダだ!〜「海洋公園」その3
さて、午後になって、じわじわと入場者が増えてきた。
午前中からもなかなかの混雑、とは言うものの、アトラクションなどにもさほどの行列はなく(1回分待てば乗れる程度)、水族館にもするする入れるくらい。お客さんは地元からの人、個人の観光客がほとんどだった。お昼過ぎから続々とやってきたのは、旗を持った人を先頭に怒濤の勢いで押し寄せてくる中国本土からの観光客、そしてインドや中東からだと思われるツアー客。私たちが山の下に降りた午後3時くらいからの混雑はすごいものがあった。
くくってしまえば香港の人も本土の人も同じ「中国人」なのだろうけれど、本土からのお客さんは見てすぐにわかる。声が異様に大きく、傍若無人なふるまい。自分たち以外の、周囲の人の事をまるで考えないマナーの悪さ、自分たちがこの世で一番エライかのようなその態度の数々。……なんだかなー。なんであっちの人のふるまいって、香港で見ても日本で見てもこんななのかなー。
ともあれ、お目当てのクラゲ館、「水母萬花筒 (Sea Jelly Spectacular)」にいよいよ入場。
館の周囲にはクラゲを模した植え込みのオブジェが並んでいて、「かわいい!」「うひょーかわいい!」と、私は一人で大喜び。
この館の趣向は、「最新の音と光とマルチメディア効果で演出した、センセーショナルな海底散歩をお楽しみください」といった感じなのであるらしい。確かに、なかなか面白かった。最新の音と光の効果かどうかはともかく、「あ、こういうの六本木ヒルズのイベントで見た見た」という風な感じ。つまり、けっこう「今風」だった。クラゲの水槽自体も綺麗で、アカクラゲは特に美しかった。
館はなかなかの混雑で、「クラゲだー」「クラゲだわー」と楽しそうにクラゲを見るお客さんの反応に、「え、皆さんクラゲお好きなんですか……?」とちょっとびっくりだった私。午後遅くに改めてここを通りかかったら、館の入り口に行列ができていて、更に驚いたのだった。
- サカサクラゲ
館に入って最初に登場した、日本の水族館のクラゲ展示でもお馴染みの「サカサクラゲ」。
漂うことはなく、ガラスの壁面や砂の上に傘を貼り付けてあまり動かない、クラゲの中でもかなり地味な存在。イソギンチャク……みたいな。
- サルシアクラゲ
サカサクラゲのお隣にいた、「搖鈴水母 (Sarsia Jelly)」。日本ではサルシアクラゲ、と呼ばれるものらしい。
体長数センチの小さく透明なクラゲで、細くて頼りない4本の触手とは別に、頭から貫くように真っ白な別の触手(?)がついている。
- パシフィックシーネットル
君は、世界中の(クラゲに力を入れているようなところだったら)どこの水族館にもいるよねぇ……という、お馴染みのクラゲ、パシフィックシーネットル。中国語名もわかりやすく、「太平洋海刺水母」。
関東近郊でクラゲがすごい水族館ならここ!の「えのすい」のパシフィックシーネットル水槽は奥行きがあるものなので、こういう水槽で見るパシフィック〜はとても新鮮。綺麗に照明が入った青く薄い水槽に漂うこのクラゲの美しさは、ちょっと感動ものだった。
- アカクラゲ
日本の水族館でよくみられるクラゲの中では、私が一番好きなクラゲがこの「アカクラゲ」。
水槽のパネルには「啡海刺水母 (Brown Sea Nettle)」とあった。「"赤"クラゲ」じゃなくて「"ブラウン"シーネットル」なのね……。
触手も綺麗な3〜4つの個体が泳ぐ水槽はとっても綺麗。「薄暗いレストランでも綺麗に料理が撮れますように」「あと、暗い水槽で泳ぐクラゲも綺麗に撮れますように」の一心で買ってみた、暗所に強いカメラ IXY 30S が大変によく働いてくれている。
- ユウレイクラゲとミズクラゲ
アカクラゲの展示の後は、ミズクラゲの水槽の左右に鏡を立てて「前も背後もどこまでもミズクラゲだらけ」的な万華鏡チックなお部屋があり、そこを通り過ぎるとこのクラゲ筒水槽の部屋。
ミズクラゲ、大きめ個体のユウレイクラゲと小さめ個体のユウレイクラゲが筒に納められていて、それらが赤に青に緑にと怪しく光る。サイケデリックでいかにも中華的?と思いつつ、でもクラゲ自体はあんまり目新しさのないものなのがちょっと残念。
ユウレイクラゲは、そのまんま「幽靈水母 (Lion's Mane Jelly)」と言うのだそうな。
お目当てのクラゲ館も見られたことだし、では「下」に降りてみましょうか、と、山頂と麓をつなぐゴンドラ「登山纜車 (Cable Car)」に乗ってみることにした。
壁部分はほとんど透けた鳥籠状のゴンドラは6人乗り。シンプルな椅子が6脚固定されていて、冷房はなく、でも窓があるので風が入ってきて気持ち良い。
海沿いの斜面に作られているのでとにかく見晴らしが良く、母などは「高いー!怖いー!」と悲鳴をあげるほどの高さで谷を越えたりもした。ゆるやかに山を越え、最後の斜面はちょっとしたスリルを感じるほどの急勾配。
移動用というだけでなく、ちゃんと楽しめる乗り物になっていた。
下に来たならやっぱり目指すべきはパンダでしょう!ということで、足を向けたのはパンダ館、「大熊貓之旅 (Giant Panda Adventure)」。
レッサーパンダが尻尾ふりふり歩き回り、ジャイアントパンダは1頭のみがガラスの向こうで寝そべっていた。
割と小さく見える、まだ子供な感じのパンダで、横のパネルを見るとオスの「樂樂 (Le Le)」とメスの「盈盈 (Ying Ying)」の紹介があった。顔つきからして、今日会えたのは「樂樂」だと思う。可愛かったけど、ぴくりとも動かなかったなぁ。爆睡でした。
パンダ館を出ると金魚の館があって、「さて、他に何か見るものあるかな」と子供用の遊園地らしいエリアの方に歩いてみる。「Amazing Bird Theatre」でバードショーが始まったところらしかったので、ちらっと入って10分ほどのショーを眺めてみた。椅子席でちょっと休めて一石二鳥。
Webサイトでは「天上王者 (Emperors of the Sky)」と紹介されていたそれ、巨大なミミズクが登場したり、最後は空から色鮮やかなオウムが飛んだきたりでなかなか凝っている。
少し散策をし終えた頃には疲れ果てて、パンダ館そばのカフェ「大熊貓餐廳 (Panda Cafe)」で一休み。
各自、コーラ味のスムージーを買ってきたり、アイスを買ってきたり、私は「青檸梳打」というライムレモンソーダを。
ガラスのピッチャーにライムやレモンを潰しながら加え、更にライムジュースを注いでからスプライトでピッチャーを満たす……といった感じの飲み物。しっかり甘かったけれど爽やかな酸味もあって「そうそうこれこれ、こういうのが飲みたかったぁ〜」と、冷房効きまくりの店内でうだうだしてみた。
休憩を終えて、入り口近くのお土産物屋さんに行ってみると、幸せなことにクラゲグッズがあれこれと。
「ああっ、Tシャツある!ストラップも!」
ぬいぐるみもたくさん〜♪と籠に入れ始めた私を支援するかのように、「おゆきさん、Tシャツもあった」「由紀ちゃん、帽子もあったわよ」と、皆してクラゲグッズの存在を教えてくれる。
冷静になれ自分……!と言い聞かせて、それでも自重しつつ(だってぬいぐるみ全色欲しいじゃない!とか)、厳選してお買い物してみた。
ぬいぐるみがかなり良い感じで、ふわふわもちもちしたタコクラゲ状のも、ヒラヒラとレースがついたアカクラゲっぽいのも、どちらも可愛い。アカクラゲっぽい方は白や青などの色違いもあって、「いいなぁ……こういうの、日本の水族館でも扱えばいいのに……」と激しく思ったのだった。
蓄光して暗所で光る、「NO Brain NO Thinking」("脳味噌ナーイ考えナーイ"って感じ?)のTシャツも可愛いなー。
いっぱいお買い物してくれてありがとう!はいこれキャンペーンで差し上げているグッズ!と、HK$200ほどの値札がついたロゴ入りバッグもいただいて(その値段設定に対しては、かなりちゃっちぃ感じのバッグではあったけど……)すっかり私は大荷物。
クラゲぬいぐるみ(紫・大) クラゲぬいぐるみ(紫・小) クラゲぬいぐるみ(タコクラゲ風・青) クラゲTシャツ クラゲピンバッチ クラゲストラップ クラゲネックレス |
HK$59.0 HK$39.0 HK$45.0 HK$169.0 HK$39.0 2×HK$35.0 HK$69.00 |
……で、まだ夕食のとこ行くには時間が早すぎるよね、と、「もう一度山の上行っちゃえ」と今度は「海洋列車 (Ocean Express)」に乗り山頂方面へ。
これは、実際は山を走っているのに海底を走るような演出のある列車で、なかなか楽しい乗り物だった。ちょっとしたギミックがあって、「あら?本当に海の中を走っていたのかしら?」みたいな。
頂上近くに着いたところで、そういえばこれを見忘れてた、と、見落としていた水族館「中華鱘館 - 長江足跡 (Chinese Sturgeon Aquarium-Yangtze Exploration)」もちらっと見て(中国長江のお魚を集めた水族館……割と地味……だったかな)、二度目のゴンドラでまた下に帰還。そろそろ移動しちゃおうか、と、正門近くでタクシー拾って、夕食レストランまで運んでもらった。
しかし今日は本当に暑い。……うっかり日焼け止めを塗っていなかった、まぶたのあたりがチリチリ痛くなってきて慌てたほどの晴天っぷりだった。
キンキンギラギラ水上レストラン〜「珍寶王國」
これまで香港に旅行で来たのは2回。でもそのどちらも足を向けずにいたのが香港仔(アバディーン)の名物、水上レストラン。
お店の名前は「珍寶王國(Jumbo Kingdom)」だけど、「あの派手な水上レストラン」みたいな言い方で通じてしまうお店だ。今回行ってみようと思って初めて名前を知った。
海洋公園からは、タクシーに乗ってみるとほんの10分ほどの距離。「水上レストラン」なので、店に向かうには船に乗らないといけない。専用の連絡船乗り場があり、そこに到着したのはまだ日もさほど傾いていない時間帯だった。
実際のところ、「美味しくはない」と何度も耳にしている。
「香港夜景ツアー」的な団体旅行の夕食にと連れて来られる場所でもあり、特にそういう料理は散々なものであることも多いとか。
対して「個人で行けばそんな酷いこともない」という話も耳にしたし、ならば、ペニンシュラ香港のコンシェルジュ経由で予約を入れたら多少効果があるのかしら?なんて考えた。すくなくとも手ひどい扱いはされないんじゃないだろうか、と。
で、ホテル経由で17:30に食事の予約を入れてもらって、いざいざ水上レストランへ。
電飾ギラギラのレストランは、一度自分の目で見てみたいなとも思っていたし、このコテコテっぷりは「初香港」の母にも面白いだろうし、「水上レストラン」というシチュエーションは息子にも喜んでもらえるかな、と、そんな目論見。
あいにくとまだ暗くはなく、料理よりも有名な、このお店の派手な電飾はまだ点灯していなかった。店の後ろには高層マンションがこれでもかと建ち並び、陽光の下ではハリボテのようにも見えてしまうレストランはちょっと煤けて見えた。
周囲は、高級クルーザーの船着き場でもあって、レストランの周囲には圧倒される量のクルーザーが係留されている。
「これ、明らかにベッドルームとかもついている超高級クルーザーだよね……?」みたいなものが、それはもうたくさん。
それを横に見て通り過ぎながら、ゆるゆると船は水上レストランに到着した。
まだ予約の時間まで時間があるねと、船着き場すぐの受付の女性に「ちょっと船の周囲お散歩してくる」と告げて、ぐるりと船の周囲を一周。
船着き場の裏にあたる位置には、生け簀や水槽の並ぶ一角が。
「龍蝦」などのプレートがついているあたり、お客が訪れても良い場所になっているようで、でもその周囲は雑然とした「裏方」の風景が広がっている。
これお茶器置き場だね、裏手が厨房なのかなぁ……てか、人も住んでいるみたいだ、なんてあちこち観察しながら表玄関に戻ってきた。
レストランのすぐ近くに粗末な船を浮かべていたおばちゃんが何やら声をかけてきて、曰く「船に乗せてHK$○でレストランの周りを一周してやる」といった事を言っているらしい。自分の足で歩いたから要らないよ、とお断りして、いざ船の中へ。
夜にはギラギラになるこの店の外観に沿う感じに、中もいい具合にギラギラだった。そうそうこうじゃなきゃ、というコテコテっぷり。
フロアの一番奥には皇帝が座るような仰々しい椅子があり、皇帝風衣装を着用しての記念撮影もできる(もちろん有料で)らしい。自分のカメラを使い、ただ座って写真を撮るなら無料だ。
良いね良いねコテコテだね、と、ばっちり日本語が載ったメニューを眺めて、
「う〜ん、やっぱりお高いね」
と顔を見合わせた。
海鮮料理屋さんなので、フカヒレにナマコにアワビにロブスターに……というのが、やっぱりウリのようだけれど、実のところ、そういったものにさほど興味がない私たち。コースの前菜は必ずと言って良いほど「蒸しエビ」で、でもその蒸しエビにも興味がないんだなぁ……(ダメじゃん……)。
というわけで、母のリクエストで鴨のローストを頼み、あとは野菜の煮込みと、真っ白なふわっふわの魚介の卵白ミルクとじ。のんびり食べて、最後に麺とデザート。のんびりのんびり過ごしたおかげもあって、帰る頃には待望のキラキラギラギラ電飾を眺めながら船に乗ることになったのだった。
- 脆皮焼鴨
テラテラとした醤油だれが絡んだ、焼鴨。
だけど、あんまりカリカリサクサクとした食感の皮ではなくて、肉自体は不味くはなかったけれど、でも明らかに他の店で食べるものより味は落ちるかなぁ……という感じだった。
手前は、突き出しにと出てきた皿。厚揚げ、ピーナッツ、ピーマンや玉ねぎなどを辛味をつけつつ塩炒めにしたもの。
- 會羅漢齋
野菜も欲しいねということで、煮込み系のお野菜。
フクロタケがたっぷりで、あとはヤングコーンや人参、キクラゲなどなど。とろみの強い醤油味ベースの煮込みの下にはもやしがたっぷり。そのもやしがシャキシャキしていたらもっと嬉しかったけど、なんだかクタクタしていたのだった。
もやしの食感にはあまり頓着されていなかったけど、でもそのもやしの髭根はどれも実に綺麗に取り去られていた、という。
- 紅梅嶺藏海珍
これはなかなか美味しかった、シーフードの炒め物。ひたすら白くてふわんふわん。上には蟹肉をほぐしたものと蟹の卵がトッピングされている。
中には海老や白身の魚、蟹肉などが入って、細かく切られたそれらをくるむ感じでふわふわとした卵白が濃厚なミルクの香りをまとって絡んでいる。
塩加減も良い感じで、これはちゃんと美味しかった。でもこれ、1皿3000円弱するのかぁ、と思うと……。
この後、母が「固焼きそばが食べたいわ」と言い出したのだけど、メニューにそれらしいものがなくて、お店に deep fried noodleはできるかと頼んでみた。大丈夫だよということで、「ビーフ、チキン、シーフード、どんなのが良い?」と。ビーフでお願いと頼んだら、油菜を添えた薄切り牛肉のあんかけ固焼きそばを用意してくれた。馴染み深い味で、これには母と息子が大喜び。
- 楊枝甘露慕絲蛋糕
デザートに、定番のマンゴープリンもあったけれど、「ここのは美味しいかなぁ……うーん……」と悩んだ末に、マンゴーを使った別のデザートを私は選択。
「楊枝甘露」は、柑橘(多くはポメロ)とマンゴー、ココナッツミルクを合わせたスープ仕立ての冷たいデザートだけれど、それをムース仕立てにしたものがこの皿。
上にはマンゴーとポメロの果肉も飾られて、ラズベリーで彩りも。ネチモチした食感は滑らかで心地よく、「ほろ苦酸っぱ甘い」の楊枝甘露独特な複雑な美味しさも楽しめた。
- 凍香芒布甸
じゃあマンゴープリンは私が食べるわよ、ということで、母が頼んでくれたマンゴープリンはこんな感じ。
ココットケースに固めたプリンの上には苺のトッピング、というかなりシンプルな外見。あまり柔らかな口当たりではなく、どちらかというとミルク分多めの「ねっとり」といったタイプのものだった。
魚介料理はさすがの美味しさだったけれど、あとは全体的に、「東京の高級ホテル(←"超高級ホテル"ではなく……)の中華料理の方が、もっと美味しいよね」と思われるレベル。なんというか「普通においしい、不味くはない」という感じ。
この夕食は「美味しいものを食べに来た」というものではなかったしね、と苦笑いしながら窓から外を見ると、すっかり日も落ちて、キラキラピカピカな船着き場の灯りがよく見えた。
前菜 脆皮焼鴨(鴨のロースト) 會羅漢齋(組み合わせ野菜のとろ煮・中華風) 紅梅嶺藏海珍(海産物とミルクと蛋白の蒸し物) 牛肉の固焼きそば 凍香芒布甸 (マンゴのプディング) 楊枝甘露慕絲蛋糕(ポメロ柑橘とミルクのムース・ケーキ) 啤酒(生力) 夏日特飲 不含酒精(金風送爽) カバーチャージ |
HK$28 HK$110 HK$115 HK$265 HK$90 HK$25 HK$55 HK$ 4×30 HK$60 4×HK$12 |
お店を出ると、このピカピカっぷり。
日のある時はショボくれた風にも見えた建物は一気に派手なものになり、お客さんも次々船に乗ってお店に吸い込まれていった。
入店時はガラガラだった店内も、各国からの10人単位のグループ客が次々やってきて、日本からの社員旅行らしき一団が記念撮影していたりも。おお、どのテーブルにも蒸しエビが運ばれていくなー……みたいな。
A Symphony of Lights を見ながら
タクシーに乗ってホテルまで帰りましょうよ、もう疲れたわ、という母と、
「いや……タクシーは金鐘あたりまでにしておいた方が良いんじゃないかな」
というだんな。
ビクトリアハーバーを越えるトンネルが混んで渋滞していることが予想されるから、ホテルまでタクシー使っちゃうとかえって時間かかると思うんだよね……とのだんなの言葉に「それもそうだ」とタクシーを中環のフェリー乗り場までお願いした。
フェリーに乗るのも「香港観光」の一環だし、確かに良いかも!と中環〜尖沙咀間を結ぶスターフェリーに乗り込んだ。
上層の方が眺めも良いかなと、数十セント運賃がお高い(と言ってもそもそも運賃は30円弱だ)上層に。
船に乗って中環側を振り返ると、ちょうど中空にぽっかりと月が浮かんでいるのが見えた。ネオン華やかなビルと明るい月はいかにも香港の夜景という感じ。
で、タイミングの良いことに、フェリーに乗ったのはちょうど8時を過ぎようとしていた頃で、目の前で「幻彩詠香江 (A Symphony of Lights)」が始まったのだった。
毎夜8時から始まるこのショーは、ガイドブックによると「ハーバーサイドにある44棟の高層ビルから放たれるレーザーが織りなす光のショー」なのだそう。ベイサイド数ヶ所のビュースポットでは音楽も流れ、なかなか楽しいことになっているらしい。
フェリーに乗る地元のお客さんは、シンフォニーオブライトなにそれ状態だったけれど、観光客は大喜び。私も一緒になってカメラを構えてムービーなど撮りつつ、「うひょー」と喜んでいたのだった。
写真ではそう派手なものは撮れなかったけれど、なかなか派手なレーザーが両岸からビャビャビャビャビャと飛び交う様子はなかなかすごい。……まぁ、一度見れば良いかなーみたいな気がしないでもない……けど。
尖沙咀のフェリー乗り場からは300mほど歩けばホテルに戻れる。
部屋はすっかりターンダウンも終えられていて、でも昨日の「ターンダウンされていない部屋」に続いて、今夜も部屋は不思議な状況にあった。
私とだんなの部屋の中に……ベッドのすぐ脇に、何故かベビーベッドが、1つ。「さぁお使いください」とばかりに搬入されている。
なにこれなにこれベビーなんていないよ全然頼んでないよ!と困惑しながらハウスキーパーに連絡して、謎ベビーベッドを下げてもらった。ついでに温かいお茶も持ってきてもらって「……なんだったんだろ?」とハニワ顔。
私、今日の朝に洗面所で顔を洗っていて、背後で息子が通り過ぎたような気配を感じて「あ、ごめん邪魔だった?」と振り返ったら誰もいなかった……ということがあって、「もしかしたら部屋に"見えない誰か"がいるのかなぁ?(その人が何かイタズラを?)」なんて考えたりもした。
何しろここは歴史のあるホテルだし、これまで旅行先で何度か怖い思いをしたことがあるし……と念のため塩も持ってきている(何かあったら「あくりょうたいさんー!」と部屋に撒くとか、盛り塩する、とか?)けど、でも結局この時から先に不可解な事が続くこともなく、人の気配を感じたりということもなく、ホテル滞在は平穏に過ぎていくのだった。塩の出番は訪れなかった。
しかしベビーベッド……なぜ。
そうそう、今日用意されていたウェルカムフルーツは、バナナと緑色のリンゴ、白っぽい色合いの洋梨(昨日とは違う種類)、そして赤く大きなプラム。
バナナは息子が食べるし〜と、ミニバーの棚の中に除けておいた。フルーツ皿にその日のフルーツを乗せたままだと翌日そっくり入れ替えられちゃうことが今日わかったし、室内でも目に見えるところに置いておくと下げられてしまうというのもわかったのだった。翌日以降に食べたいフルーツは冷蔵庫か棚の中にこっそりキープ。