6/21(土) ナシチャンプルの夕べ

06:00
起床。どうも日本時間の7:00前後に目が覚めてしまっていけない。
いや、そもそも就寝がやたらと早いので、早く目が覚めてもあたりまえと言えばあたりまえ。
ともあれ、ウブドゥの朝はうるさかった。外ではニワトリがコケコッコーと鳴き、それにあわせて犬はワンワン、鳥もチュンチュン、ケチャケチャ、キョホホホホと大騒ぎである。これで目が覚めてしまったというのも過言ではない。Kさんは、こういう音には鈍感なのか、割とぐーすか寝ている。

07:00
朝御飯。ホテルただ一つのレストランにほてほてと歩いて行く。
Kさん: パパイヤジュース
スクランブルエッグ
コーヒー
由紀: パイナップルジュース
バナナクレープ
紅茶
Dadar Pisang Rp 10,400
Scrambled Eggs Rp 20,900
Coffee Rp 5,250
Tea Rp 5,250
Papaya Juice Rp 9,000
Pineapple Juice Rp 9,000

Kさんのパパイヤジュースはあまり味が無かった。どうもパパイヤジュースは当たりハズレが激しいようだ。バナナクレープは大層甘かった。メープルシロップの色を濃くしたような黒蜜がとても甘い。朝からこんなもの食べて良いのだろうか。

部屋に戻ろうとすると、ハウスキーパーが丁度部屋にいるところらしかったので、ライブラリに戻った。……別に部屋に戻っても良いんだけどなんか邪魔したら悪いし。どうも気弱な私たちである。
ライブラリにあるガラスのチェスボードで1回チェスをする。ルールも理解出来たので、結構真剣に行う。Kさんに「まいりました」と言わせ、とても嬉しい。何でも将棋と同じでチェックアウトまでやるのは美しくないそうだ。私は白黒決着つくまでやりたいのだが。

部屋に戻り、おもむろに私はインドネシア語の勉強をする。「美味しい!」と表現する言葉を知らないので、それを覚えようと思ったのだ。
挨拶はセラマパギ、セラマシアン、セラマソレ、セラママラム、セラマティンガルでおはよう、こんにちは、こんばんは、おやすみなさい、さようなら、となり、これは何とか頭に入っている。「ありがとう」は「トゥリマカシー」。
語感が面白いので覚えたのは公衆電話、テレポンウムム。「ウムム」は公衆の意味らしい。何かというと「うむむ〜!」と叫んで遊ぶ私たちである。
で、懸案の美味しいは「ブナルブナル、エナ」と言うらしい。Kさんと2人で「えな、えな!」と騒ぐ。

09:00
プールに行く。座る場所を決めると、すぐさまデッキチェアにタオルを引いてくれる。水とエビアンのウォータースプレーもやってくる。あまり泳いでいる人も無く、2人でじゃれながらプールで遊ぶ。ここのプールはフォーシーズンズのほど深くはない。水が何故か少し塩からい。リゾートに水中眼鏡もないだろうと持ってこなかったので、フォーシーズンズでは目が痛くなってしまってなかなか大変だった。だのにこのホテルのプールはいくら泳いでも目が痛くならない。不思議だ。
谷側の端から見下ろすと、下の方に谷川が見える。プールの外はすぐ崖だろうと思っていたが、下の方にもヴィラがあるらしく、屋根が見える。プール脇の階段から下に降りられるらしく、カメラを持って水着のまま下に行ってみる。階段を降りた隅には谷を見下ろす場所にデッキチェアが2つ置かれていた。自然だらけの結構壮絶な眺めで、写真を撮っていると、庭師らしいおじさんがしきりに話しかけてくる。ほとんどインドネシア語でごくわずかに英語がまじる。どうやら写真を撮ってくれると言っているらしい。Kさんと2人で並んで撮ってもらう。プール寄りにはあずま屋があり、ここにもチェアが置かれていた。人気が無くて、気分良いかもしれない。

プールに戻ると、10:00を過ぎた頃にジュースが出て来た。ライムオレンジソーダらしく、冷たくてとても美味しい。サービス、なんだろなぁ。嬉しいぞ。
おなかがすいてきたので、一度部屋に戻る。いつでも快適にシャワーを浴びられる環境って良いやね。

12:00
お昼御飯。いつも同じレストランだけど、まだ飽きはこない。でも1週間もいたら、結構つらいかもなぁ。バラエティにとんだフォーシーズンズのレストランがなかなかだったから。
Kさん: ジンジャーエール
牛のスープ
ミーゴレン
由紀: ペリエ
ソトアヤム
ナシゴレン
Soup Jamur Dan Soh Rp 12,700
Nasi Goreng Rp 21,900
Bakmi Goreng Rp 21,900
Soto Ayam Rp 12,700
Ginger Ale Rp 7,000
Perrier Small Rp 11,000

ここのナシゴレンは何故かココナツの味がした。とっっっても美味しい。ミーゴレンもフォーシーズンズのよりも上品な味で美味。クセが無いと言えば無くてつまらないかもしれないが。しかし本当にここのソトアヤムは絶品だ。
今日は午後にウブドゥに出て外で食事してくる予定である。ホテルばかりで食べていても、高くつくばかりだし。

部屋に帰ると、何だか疲れてしまってプールに行く気も無くなってしまった。Kさんはベッドでごろごろ、この間買ったチェスボードを引っ張りだして、ベッドの上でチェスをすることにした。チェスは真剣にやると1時間位すぐに過ぎてしまう。集中力も必要だから、妙に疲れてしまう。
アマンダリに来て4戦目のチェスで、私はボロボロに負けてしまった。私としてはかなり真剣にやっているのに、下手に駒を動かすと
「いいの?ただでナイト失うよ」
とか指摘されて非常に悔しい。次々と大切な駒を取られて、どうしようもなくなった挙げ句、チェックメイトにまで追いこまれてしまった。……非常に悔しい!

15:00
さて、そろそろ外出するかということでウブドゥに行くことにする。会社の友人に買ってあげる約束をしていたバリの楽器と、布やTシャツを買う予定だ。
ロビーに行き、これからウブドゥに行くと言うと、送ってくれると言う。車をすぐに出すということで、一安心。ウブドゥへの送迎は無料とあったのだが、どうやらシャトルバスなどではなく、行く都度に車が出るらしい。帰りはどうするかと聞かれたが、予定は未定だから自力で帰ると伝えると、それでは帰る時に電話をよこせと言う。すぐに迎えに行くからと、非常に嬉しい事を言ってくれる。ホテルの名刺をもらい、出発。
ガイドブックで見た楽器屋に行く為に、ウブドゥの中心地からは若干離れたところで降ろしてもらった。どうやらモンキーフォレストのそばらしい。奥に森が広がるのが見えた。

目的の楽器屋には如何にもな感じの打楽器やガムランが並んでいたが、どれも結構な値段と大きさでとても買えるようなものは無かった。ただ細工の凝った笛とおもちゃのような鉄琴があり、これは大きさも値段も許容範囲のようだ。鉄琴を鳴らすととてもバリチックな音階で、これを買うことにした。値段交渉してRp17,000に。
ウブドゥの中心街に向かって歩いていく。木彫りのネコやカエルを売る店、布を売る店など、いかにもなお土産物屋が並ぶ。途中、ちょっと洒落た柄のブラウスを売っている店が目について中に入ってみた。母からインド綿のスカートを所望されていたので、ちょっと探してみる。スカートは無かったが、着やすそうなワンピースがあった。前身がブルーとグリーンの色の華やかな色のものと、青い縞模様のワンピースを手にとって値段交渉する。どちらかを母にあげて、残りは家着にしようと思う。一つ3000円程度したものを、2つでRp58,000に値引きして貰う。

そろそろ町の中心部か、歩いていると「タクシー?」と声をかけてくる怪しげなおじさんが多くなってくる。歩道に腰掛けて集団でうだうだしており、何となくイヤな感じ。
途中、怪しげな日本語のノボリが目についたので、思わず立ち止まる。「WARUNG SUSHI」という店で、「しゃぶしゃぶ」、「おでん」、「うなぎ」の日本のどこかで見たようなノボリがたっている。今日のランチセットは寿司盛り合わせ、などと少々いかがわしいメニューが並んでいる。ウブドゥの山の中で寿司も怖すぎる。思わず店の前で記念撮影してしまった。

以前バリに来た時にTシャツを買って帰った、同じ店でTシャツと布を購入する。別にまたここで買おうと思っていたわけでは無かったが、天井から布やらシャツやらをぶらさげた派手な店で目立ってしまうのである。Kさんがお土産を含めてTシャツを3枚、私が布を2枚購入、Kさんが値段交渉したが、Rp90,000程度でカタがついたようだ。時間はまだ16:30位だったが、もう買うものも買ってしまって手持ちぶさたになりつつある。 夕食はカフェロータスで食べようか、とカフェロータスそばをうろうろし、時間もあるのでそばの店でアイスクリームを食べる。私ココナツ、Kさんバニラ。2つでRp3,000である。隣接するレストランの椅子に座ってしばし休息。やはりバリは暑い。長時間の外出はこたえる。

落ち着いた後、そういえばSちゃんへ買って帰りたいカエルの木彫りを買っていないと、探して歩く。木彫りはメジャーなお土産だが、微妙に店によって可愛かったりブーだったりするのだ。ネコはともかく、無気味なカエルは貰っても嬉しくなかろうと、可愛いカエルを探して歩き回る。
少し歩いたところにあった店が気になったので入ると、入り口には繊細な細工のチェスボードが置かれている。私たちが買ったものとは桁ハズレの凝った細工のものだった。店の奥には良く見かける木彫りも並んでいたが、その中につぶらな瞳の可愛いカエルがいた。これよこれ!と喜びつつ、カエルを購入。ちゃんと値切るのも忘れなかった。

望みのものも購入し、カフェロータスそばにある「ウブドゥ唯一のスーパーマーケット」(ガイドブックにそうあった)に寄る。ホテルのドリンクは高いので、ポカリスエットなどを買う。で、ガイドブックにあった"ドリアンガム"なるブツを探していた私たちはついにこの店でそのものを発見したのであった。黄色いラッピングの、ドリアンの絵が書かれたガムは一つRp700程度。お互い会社の人や友人に配ろうというので5つ程購入した。皆に食べさせるのが楽しみだ。

17:30
そろそろ夕食でもと、カフェロータスに入る。蓮池が中庭にあることで有名な店のようだ。とりあえずディープなインドネシア料理を食べるのが今日の目標。
ビンタンビールを飲みながら、メニューを検討する。ここのビールもぬるかった……。
インドネシア風春巻、ソトアヤム、ソトヌードル、ナシチャンプル、チキングリルカフェロータス風を注文。
ソトアヤムは蛍光色鮮やかな、見事な色だった。何故どこでも鳥のスープが蛍光色になってしまうのか、おおいに謎。わざとそういう色をつけているんだろうか。味は良かった。
私の注文したチキングリルは可も無く不可も無くの味で、まぁ悪くは無かったが、Kさんの食べたナシチャンプルが大変なものだった。チャンプルは盛り合わせの意味で、タイ米の御飯のまわりに色々なおかずが盛ってある。スタンダードなものはチキンカレー位で、後は怪しげな野菜とか、豆と豆もやしのサラダのようなものとか。とにかく今まで食べたことのないようなものばかりだ。ちょっと苦しそうな顔で食べていたKさんだったが、とうとう3分の1位残してしまった。
私はテーブルにあったココナツカクテルが飲みたくなってしまい、追加で注文してしまう。Kさんは酔っ払うから止めろと言ったが、飲みたいものは仕方が無い。止めろと言うKさんを押し切って、無理矢理飲む。
占めてRp50,500。これだけ食べて2,500円位なのだから安いものだ。

19:00
カフェロータスそばの公衆電話からホテルに電話して、近くにあるツーリストインフォメーションに迎えを頼む。ちゃんと電話で応対出来たのだから、全然酔ってなどいないのである……多分。
車が来るまでの間、ツーリストインフォメーションの看板を這うトカゲの写真などを撮っていた。ちょこちょこと良く動くトカゲが看板に6匹ほどくっついている。丁度そばの劇場でレゴンダンスでも始まるのか、チケット売りが異常に多い。「タクシー?」やら「チケット?」やら、声をかけるおっちゃんの多いこと、多いこと。

ほどなく白い服を着たホテルマンが運転する白い車が到着。10分程でホテルに戻る。まだ19:30だというのに、フロントの人に「セラママラム〜」と挨拶してしまい、笑われてしまった。確かに7時半に「おやすみなさい」も無いもんだ。

このあたりでアルコースがくるくるしてしまい、記憶が曖昧になっている。
多分、お風呂にはいって早々に寝たのだろうと記憶しているが、さて……?

photo
あまり人が泳がないホテルのプール